数研講座シリーズ 大学教養 線形代数 4410154621, 9784410154621

大学1年生が“線形代数"の半期,もしくは通年の講義で使用する教科書です。 高校数学の教材でトップシェアを誇る数研出版が,これまでに得た知見をもとに「高校数学から見上げた先にある大学数学」という視点で大学初年級の教材をとらえなおし,

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数研講座シリーズ 大学教養 線形代数
 4410154621, 9784410154621

Table of contents :
まえがき
目次
手引き
学習の目安
第0章 平面と1次変換
1. 写像と変換
2. 1次変換と行列
3. いろいろな1次変換
第1章 行列の概念
1. 行列とは何か
2. 行列の演算
3. 行列の種々の概念
Column. 行列の代数関数論
章末問題
第2章 連立1次方程式
1. 連立1次方程式と行列
2. 行列の行基本変形
3. 連立1次方程式とその解
Column. もう1つのガウスの消去法
章末問題
第3章 行列の構造
1. 基本行列と基本変形
2. 正則行列
3. 逆行列
Column. ケイリー・ハミルトンの定理と行列の平方根
章末問題
第4章 行列式
1. 置換
2. 行列式
3. 行列式の計算
4. 行列式の展開
Column. クラメールの公式の由来
章末問題
第5章 ベクトル空間
1. ベクトル空間と部分空間
2. 1次独立と1次従属
3. 基底と次元
Column. ヤコビ行列とヤコビ行列式
章末問題
第6章 線形写像
1. 線形写像
2. 線形写像の基本性質
3. 線形写像の行列表現
Column. 座標変換と線形写像
章末問題
第7章 内積
1. 内積と計量ベクトル空間
2. 直交変換とユニタリ変換
Column. グラム・シュミットの直交化の由来
章末問題
第8章 固有値問題と行列の対角化
1. 固有値と固有ベクトル
2. 正方行列の対角化
3. 最小多項式と対角化
Column. 固有関数から固有ベクトルヘ
章末問題
第9章 ジョルダンの標準形
1. 広義固有空間とジョルダンの標準形
Column. 2次形式の変換と整数論
章末問題
答の部
第1章 行列の概念
第2章 連立1次方程式
第3章 行列の構造
第4章 行列式
第5章 ベクトル空間
第6章 線形写像
第7章 内積
第8章 固有値問題と行列の対角化
第9章 ジョルダンの標準形
索引

Citation preview

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9784410154621

大学線形代数 定価(本体 2500円十税)

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﹃ 奮 こ、匿 大 学 教 養 線形代数

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’絣訓F 濯置塁 大学教養

線形代数 加藤文元著

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鱗ける 例や例題をもとにして,いろいろな問題も解けるようになる。 問題を自ら解き進めることで理解が定着。

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1 _ 1 t t p s : / / w w w . c h a r t . c o ; J p





ta 八 n+ 由

行列の演算 と構造 近い将来の実用化が見込まれる鼠子コンピュータ では.鼠子力学的な 「 重ね合わせ」 に よ っ て 計 算の大祉な並列処理を 可能にすることが目指され ている 。菌子コンピュ ー タにおけるデータの最小 単位は紙子ビットと 呼ばれ.これに最子ゲー トと いう祗t 算を施すことで.'情報が処理される 。 1つ の紐子ビットはベク トルで表され,量子ゲートは ユニタ リ行列で表現される 。

Iなどで使われている ニ ューラルネット また. A ワークは多くの変数で与えられるデー タ を 何 重にも処理することで構成されている 。それぞれ の処理においては .入力されたデー タに重みと 呼 ば れ る 数 を 掛 け て こ れ を 活 性化 関数と呼ばれる 関数に入れる 。 この処理を 一括で高速に行うため に多次数の行列派算による計算を用いている 。

ニュ ーラル ネッ トワー ク

まえがき 本書は,高校数学の現今の教育課程(またはそれに相当する内容)を修めた人が, 大学以降で線形代数学を学ぶための教科書ならびに参考書として , 日常的に使用す ることを想定して 書かれている 。特に ,次の点は本書の特徴である 。 • 高校数学から大学数学への自然で連続的な接続を図っている 。 ・読み手それぞれのニーズに合わせて多様な読み方ができる 。 最初の点については , この教科書が,高校数学の教科書や参考書を長年にわたり手 がけてきた出版社から出版されることによる利点が,最大限に活かされている 。例 えば,第 0章や,その他多くの場所で,高校数学の復習や,大学数学への橋渡しを 行うための工夫がなされている 。 また,高校教科書と同じ体裁で組版されているこ とも ,本書の特徴である 。 これらによって,高等学校で読み慣れてきた教科書の自 然な延長として,読者はすぐにこの教科書に親しんでもらえるものと思う 。 また,ひとくちに線形代数学と 言っ ても,読み手の専 門や学修の状況に応じて, 学 びのスタイルは多様であろう 。例えば基本的な計算方法や概念的手法を手早く習 得したいという読者もいるであろうし,定理の証明やその仕組みまでじっくり学び たいという人もいるだろう 。 また ,当 初は必要ないと思われた ことが, 何年も後に なって必要になるという こともあるかもしれない。 そういう場合,過去に読み慣れ た教科書に,その先のことがちゃんと書いてあると,新たに別の本を読み始めるよ りも理解は早いものである 。 このような多様な読み方に,

これ一冊 で応えるために,

この教科書は 〈自己完結的〉 になっている 。 したがって,本書は,最初に線形代数 学を一通り学修する段階ではそのすべてを読む必要はないが,その先のことも同じ トー ンで書いてあるので最初の学修以後も必要に応じて日常的に参照できるであ ろう 。 このような多様な読み方ができるところも,本書の特徴である 。 この よ う に 本書 には様々な 〈 使い方〉がある 。大学の線形代数学との最初の 出会 いから,大学卒業後も日常的に読まれる参考書として,本書が長く読まれる ことに なれば著者として幸甚である 。

加藤文元

まえがき

l

目次 第 0章 田

写像と変換

第 7章

内積

6



内梢と計紐ベクトル空間

2 4 0



直交変換とユニタリ変換

2 5 6



1次変換と行列

7



いろいろな 1次変換

8

第 1章

第 8章

行列の概念

固有値闘題と 行列の対角化



行列とは何か

1 6



固有値と固有ベクトル

2 7 0



行列の演算

1 9



正方行列の対角化

2 8 1



行列の種々の概念

3 0



最小多項式と対角化

3 0 6

第 2章

連立 1次方程式

第 9章



辿立 1次方程式と行列

4 1



行列の基本変形

4 8



辿立 1次方程式とその解

6 0

第 3章

行列の構造



基本行列と碁本変形

7 5



正則行列

8 4



逆行列

8 8

第 4章

行列式 9 8



置換



行列式

1 0 7



行列式の計算

1 1 9

団] 行列式の展開

1 2 4

第 5章

ベクトル空間

[ I ] ベクトル空間と部分空間

1 3 6



1次独立 と 1次従属

1 5 2



基底と次元

1 6 2

第 6章

2

平面と 1次変換

線形写像



線形写像

1 9 0



線形写像の基本性質

2 0 4



線形写像の行列表現

2 2 1

目次



ジョルダンの標準形

広義固有空間と ジョルダンの標準形

3 2 4

答の部

3 4 6

索引

3 5 9

手引き 章トビラ

各章のはじめにその章で扱う節レベルの話題を抜粋した 。

□旱デ

そしてその章で扱われる主題への導入をはかった 。

本文の理解を助けるための具体例である 。

基本的な問題,および重要で代表的な 問題である 。 「解答」や「証明」は,解答の簡潔な一例である 。

例・例題の 内容を反復学習するための 問題である 。 よって, 例・例題を学んだのち , まず学習者自身で練習することが望まし し ヽ。

章末問題 各章の終わりにある 。その章で学習した 内容の全体問題である 。計算 問題と証明問題を扱っている 。 注意

本文解説を補い,注意喚起を促す。

厘 本 文 の 内 容 に 関 連 し た や や 程 度 の 高 い 内 容 を 扱 っ た 。省略してもよい 。

発展

大学 1年生の微分栢分学の範囲を超えた内容を扱った 。省略してもよい 。

補遺

本文に証明を載せなかった定理の証明を扱った 。必ずしも知っておかな ければならないものではなく,省略してもよい 。

三 本 文 の 内容に 関連 した興味深い話題を取り上げた 。

コラム

(執箪は編集部,お よび外部協力者によるもの。)

*本文中の練習や章末問題の答えは巻末に記載してある 。そこでは証明問題などの解は略 されているがこれらも本書の姉妹書

r チャート式シリーズ大学教投線形代数』の中

では詳しく解説されている 。

手引き

3

学習の目安 本書 は,半期(クオータ制).および通 年 の講 義 に対応する 「 線形代数学」の教科 書 である 。 まえがきにもあるように

自己完結的にな っているので.本格的な線形代数学に出

会う大学 1年時から.大学卒業後に日常的に読むようなすべての読者の要求にこた えられるようにな ってい る。 大学では 主 に座学 で線形代数学 を学ぶ ことになるため ,以下に,その読書や学習の 進度の目安を 示す。 通年講義の場合(理学部数学科 ) 前期

1から 4章。 目安: 4回で第 2章 3節まで, 8回で 3章 3節まで。 8回目の周辺で小テ スト 。

1 2回で 4章 2節まで。 1 4回で残り 。 このとき ,発展は除き進める 。 1 5回で前期テスト 。 後期

5から 9章。 目安 :2 0回で 5章

2 4回で 7章 2節くらいまで。2 4回周辺で小テス ト。

2 8回で 8章 まで, 2 9回で 9章 まで。

3 0回で期末テスト 。 半期講義の場合(数学科以外の理学部,および工学部全般 ) , 目安: 2回で 1章 を行う 。 3- 5回で 2章 を行う 。 6回で, 3章 l節

4

章 2. 3節を中 心 に行う 。

7回で基底と次元,

1 0回以降で 7章 ,

8. 9回で 6章。

8章 を行う 。余力でジョルダンの標準形の求め方。

* ク オ ー タ 制 の 場 合 通 年 を 4分割すればよい 。 *第 0章 は,ベク トルの記法に慣れるため , また行列を用いた各種の理論や演算の 雰囲気を把握するため 1次変換について扱 った。

4

学習の目安



O章

平面と 1次変換 田 写 像 と変換/図

1次変換と行列/国

いろいろな 1次変換

この草では,大学の線形代数学を学習する上で,事前に知っておくと便利 だと思われる「 1次変換」の概念について学習する。

1次変換は ,本書では 第 6章以降で詳しく学習するが,平面上の 1次変換 については過去の高校数学でも扱われていた内容である 。平面上の 1次変 換については 第 1章以降で学習する行列の応用例として最も基本的でかつ 重要な内容であるため,あえて 第 0章としてここで取り上げることにした。 田 では写像と変換について簡単に紹介する 。写像の知識は,線形代数 学での活用だけにとどまらす,微分積分学においても必須である。 図 では,

1次変換が表す式を通して ,第 l章で扱う「行列」の概念を簡

単に紹介する。 図 では,相似変換恒等変換,合成変換,逆変換回転変換など,いろ いろな 1次変換について紹介する。

圧l写像と変換 本節では ,集合 間の対応を 表す写像の概念と ,その特別な場合の変換を紹介する 。 下で示す変換は,平面から平而への対応を表す 1次変換と呼ばれるもので,詳しく は次節で学習する 。 また,写像については,微分和分においても,高次関数などを含む多変数関数の一 般論を扱う際に学習する 。

④写 像 2つ の 集 合 X . yにおいて, X のどの要素にも, しゃぞう

ているとき,この対応を Xから Yへの 写像 といい,

Yの要 素 が 1つずつ対応し

fなどの記号を用いて

f:X-->Y と書 く。 また,この写像 fで , X の要素 aに Yの要素 bが対応しているとき,

b

ぞう

は写像 fによる aの 像 であるといい,以下のように 書 く。

J(a)=b

または

f:a卜 → b

⑥ 変換 集 合 Xから X 自身への写像を, X上の 変換 という 。 ここで,座標半面上の点 全 体の集合を Eで表す。 E上の変換によって,点 P(x,y )が点 P ' ( x ' ,y ' )に移 るとき,すなわち変換 fによる Pの像が P 'で あ る と き こ の 変 換 を 以 下 の よ う に書 く。

f:( x ,y )←. .( x ' ,y ' ) y

x軸 ,

yl 柚,原点,直線 y=x に関する対

, g, h , kとすると,こ 称移動をそれぞれ J

(-x ,y)

( x ,y )

れらは次のように表される E上の変換である 。 x

f :( x ,y )←. .( x , -y) g: ( x ,y )



(-x, y )

(-x, -y )

h:( x ,y )←.(-x, -y)

f ?:( x ,y )i----; ( y ,X ) 注意 写像については 第 6章 田 ( p,1 9 0 )で更に詳しくまとめる 。

6



0翔 平 面 と 1次変換

( x ,-y )



1次変換と行列

ここで扱う 1次変換と. 第 1やで扱う行列は密接に関係す るの で.事前に 打 r q.~, の l. 2 を読んでおくとよい 。

~ 1 次変換

x軸に関する対称移動 fによ って,点 P ( x ,y )が点 P ' ( x ' ,y ' )に移されたと すると ,x'=x,y'=-yであるから {x'=l・ x+O・ y

が成り 立つ。

y'= ・ Ox+(-1)・y

0 ド ( 。11 )( : )

X

この関係式を (y '

ここで(:'.). (~

のように表す 。

~J.

(:) は 行 列 と い わ れ るものであ る。 なお,行列

については 第 1咽で詳しく解説する 。 一般に ,座標平面上の変換 fにおいて, 任意に とった点 P ( x ,y )が点

P ' ( x ' ,y ' )に移されるときこれらの点の座標の間には以下の関係式が成り立つ 。 {x' =ax+by y'=cx+dy

ただし ,a,b ,

C ,

dは定数

こ の 場 合 変 換 fは 1次変換 であるとい う。 この 関 係 式 は 行 列 を 用 い る と ,

x'a b x ( ) )で表す ことができ る。 C d y

冒頭で示し t こ(')=( y

この式の行列 A=(a

m ]

C

b ) を 1次変換 fを表す行列 という 。

d

注意 行列のかっこ表記については

1章以降では角カッコ[

]を用いる 。

y軸,原点,直線 y=xに関する対称移動 g , h , kはどれも 1次変換で x'=(-1)・x+O ・ y

y軸に関する対称移動 g :{

y'=O・ x+l・y

x '=( -1)・x+O・y

原点に関する 対称移動 h : {

y'= ・ Ox+(-l)・ y

( ::)=( 。1~)(:)

(:: ) = (。1~1)(:)

y x '= O ・ x+l・

直線 y=xに関する対称移動 k :{

・ Oy y '=l・x+

(:'. )=( ~ ~)(:) 厄I 1次変換 と行列

7



いろいろな 1次変換

相似変換恒等変換.合成変換,および逆写像と逆変換.回転移動と 1次変換につ いて解説する 。

⑥ 相似変換 と恒等変換 原点 0を相似の中 心 として,図形を K倍に拡大する,または縮小する変換を, 相似比 Kの 相似変換という 。

□〉

hを正の定数とするとき,点 P ( x ,y )に,百戸 =k靡 を 満 た す 点 P ' ( x ' ,y ' ) を対応させる 1次変換を書け。

l

匿匿

y

kを正の定数とする 。 点 P ( x ,y )が点 P ' ( x ' ,y ' ) に移さ

P' (k x ,k y ) ク 、

れるので

x'=kx, y'=ky よって

{x'=k・x+O・y y'=O・x+k・y

したがって

( x y :)= (~

~)(久y:)

0 1

X



上では相似比が正の定数 Kの場合を扱った 。相似比が 1の場合は特別で,任意 の点 Pをそれ自身に移す。 この変換を 恒等変換 という 。恒 等 変 換 は 以 下 の 式 で書き表すことができる 。

{x'=l・ x+O・y y'=O・x+l・ y したが って,恒等変換は行列を使 って, 以下のように 書き表すことができる 。

( x ド '( 10 ) ( X ) y'0 1 y 0 )

注意 上の式の行列部分い は 単位行列 といい 01 詳しくは 第 l章を参照のこと。

8 第 0章 平 而 と 1次変換

. E で表すことが多い。

□〉

次の行列 A で表される 1次変換による点 Pの像を求めよ 。

2

z ) .P(3,4)

( 1 )A=(l

-2 1

( 2 )A=(O l ) .P ( l ,2 ) -1 0

罰D I( 1 ) 1 次変換 (~2 ~)による点 P の像を P'(x, y )とすると {x=ll

{ x=l・3+2・4 で表すことができるから y=-2・3+l ・ 4 行列で表すと

y=-2

) し

(:)=(~2~)(!)=(~

が成り 立つ。 求める像は

( 2 )1

P ' ( l l , -2)である 。

次変換 (~1 ~1) による点 P の像を P'(x, y )とすると 21

︱ ︱

...

行列で表すと

= = xy

{ x=O・ l +(-1)・2で表すことができるから y=(-1)・1+0・2

(:)=(~l~1)C)=( 口~)

が成り立つ 。 求める像は

P ' ( 2 ,1 )である 。

注意 例題 2(1)の解答では行列どうしの掛け算を行っている 。分 解 し て 示 す と 次 の赤い部分の計算操作である 。

(~2~)(!)=(1·3+2·4), (~2~)(!)=(_2·3+1·4) ( 2)も同様で,詳しくは第 1章で説明する 。

1次変換 fが行列

( adb)を使って表されるとき,

例題 2と同様に考えて

C

( ;!)(~)=(『) ( ;!)( ~)=( ;), ( ;! ) ( 『 )= ( ! ) である *) ことから,次が成り 立つ。 行列

( adb )で表される 1 次変換によって, C

に{a・O+b・O=O {a・l+b・O=a

*im n

c・ O + d ・ O = o ・

a・O+b・l=b c・ l +d・ O=c・L-o+d・l=d 固

いろ い ろな 1次変換

9

1 . 原点 0は 0自身に移される 。 2.点 ( 1,0 )は点 ( a ,c )に,点 ( 0,1 )は点 ( b ,d ) に移される 。 また次のこともいえる 。

1次変換 fによる 2点 ( 1 ,0 ) .( 0 ,1 )の像が,それぞれ ( a ,c ) ,( b ,d )である とき

三 3

( adb )である 。

fを表す行列は

C

2点 P ( 2 ,1 ) ,Q ( 3 ,2 ) をそれぞれ P ' ( l ,3 ) ,Q ' ( 2 ,4 )に移す 1次変換

fを表す行列を求めよ 。



l次変換 fを表す行列を

( adb)とすると,題意の 1次変換は C

( ;!)(~)=C)

( :!)(~)=(!)

とそれぞれ表される 。

Za+b=l よって

{2c+d=3'

{3a+2b=2 3c+2d=4

これらを解くと

a=O .b=l,c=2, d=-1

したがって ,求める

1 次変換を表す行列は

(~

~1)

~1 次変換の合成

2つの写像 f:X —• Y , g: y —→

Z において,

yとし, この yの gによる像を zとすると

y=J ( x ) , z=g(y)

z=g(f(x))

よって

xに zを対応させると, Xから Zへの写像

( gザ )( x ) = g ( f ( x ) )

2つの関数!. gについて,

gザ ( x )=g(f(x))を , fと gの 合成関数 という 。

1 0

第 0卒 平 面 と 1次 変 換

z ハ ロ ロ﹀

2つの写像 fとgの 合成写像 と い い ,gザ で 表す。

また,合成写像 g•f による x の像は,次の式によ

って求められる。

h:X > Z

x ロ ハ ロ ロ﹀

が得られる 。 この 写像 hを ,

八[

このとき,

なお,

X の要 素 x の f による像を



2つの関数 f(x)=3x-l ,g(x)=が +lについて,合成関数 ( g。 j ) ( x )

と( jo g )( x ) を そ れ ぞ れ xの式で表せ。

;・・・・・・・・・・ ・ ・・・ ・ ・ ・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・ ・・ ・ ・ ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・ ・ ・ ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・ ・・・・・・・ ・ ・・---・-:

[儒⑯

( g0 f )( x )= g ( / ( x ) )=g(3x-l ) =(3x-1 ) 2+1=9x2-6x+2 ( /0 g )( x )=J ( g ( x ) )=J(x2+1 )=3(x2+1)-1=3x2+2

f . gが集合 X上の変換であるときは ,合 成写像 g。fは , 同じ 集合 X上の変換 である 。 これを

fと gの合成変換という 。座標平面 E上の 2つの 1次変換を

/:P ( x ,y )← →P ' ( x ' ,y ' ) とし,

g:P' ( x ' ,y ' )← →P " ( x " ,y " )

1次変換!. gを表す行列を ,それぞれ A, B とすると



c:)=A(

c::)=B(::)

(>

( * )

c::)=B{ A(:) } =BA

ゆえしこ

よって,

fと gの合成変換 gサ は ,P( x ,y )を P " ( x " ,y " )に移す 写像で,

(*)より,行列 BAで表される 。 p.2 2参照)。 注意 行列の積については 第 1章で詳しく述べる (

1次変 換 /:( x ,y )> →( x+y, 2 x-y )



g:( x,y )← →( 2x-y, -5x+3y) について ,合成変換 gザ お よび fo gを表す行列を求めよ 。

篤⑯

fを表す行列は

2 -1 ( 1 1 2_ J ,gを表す行列は ( _ 5 3 )てある 。

fを表す行列は よって, g。

(~5 ~1)C

~J

すなわち

(~

~8)

同様にして fo gを表す行列は

( 1 1)( 2 -1 ) すなわち 2 -1 -5 3

(-3 2 ) 9 -5

注意 例題 2と同様に,行列どう しの掛け算を行っている。 g。 Iについて

(2 -1)(1 1)=(2・ 1 +( -1) ・ 2) (2 -1)( 1 1)=(2・1+(-l) ・ (1 ) -5 3 2 -1 ' -5 3 2 -1 ) ③

い ろ い ろ な 1次変換

1 1

(~5~1)(~ ~1)=(_5 ·1+3 · J·(~5~1)(~ ~ 1)=(_5·1+3 · (-1)) なお, fo gについても上記と同様の操作を行っている 。また fによって点

( x ,y )が点(ぷ, y ' )に, gによって点 ( x ' ,y ' )が点 ( x " ,y " )に移るとすると {x'=x+y {x"=2x'-y' y'=2x-y' y"=-5x'+3y' {x"=2(x+y)-(2x-y)=O・x+3y y"=-5(x+y)+3(2x-y)=l・x-8y

ゆえに

, gについて, X の任意の要素 xに対して, 集合 X から集合 Yへの 2つの写像 J ( x )=g(x)が成り立つとき,写像 fと gは 等しい といい, f=gと書 く。 常に J 3つ の 写 像



f:X



Y , g: y

Z,h:Z→ U について,これらから作

られる 2つの合成写像 h。( gザ),(か g )。 fは ともに Xから Uへの写像である 。 こ のとき

f

g

h

x ←.y ←> z←.u go f

とすると h

f

一 かg

h。( g。 j):X ←→ z ← → u, ( かg )。 f: x← →y したがって,

u

この 2つの合成写像において, X の要素 xに対する要素は,

とも

にu =h(g(J(x)))に等 しく,次の結合法則 が成り立つ 。

g。 /)=(か g )。 f・・ ・・.. ① か( こ の 結 合 法 則 の 両 辺 の 合 成 写 像 を か gサ と 書 き 表 す。 なお,

2つの写像 J , gの合成について, g寸 =fo gは,一般には成り 立 たな

い( 例題 5参照)。

⑥ 逆写像 写 像 f: X



Y において,集合 X を写像 fの 定義域 という 。 また ,写像 f

の像全体の集合 { / ( x )I xEX}を写像 fの 値域 という 。

致するとき,

fは X から

Yの上への写像である と

い っ。 ヽ

また,写像 f:X —→

Y において, X の異なる

要素には ,常に Yの異なる要素が対応しているとき, すなわち, X の要素 a , bについて

aキ b= ⇒ J ( a )キ f ( b ) 1 2

第 0章 平 而 と 1次変換

Y

写 像 f:X---tYにおいて , fの 値 域 が Yに一

が成り立つとき,

fは 1対 1の写像 である



写像 f:X

という 。

Yが , Xから Yの上への 1対 lの写像であるとき,

Yの各要

素 yに対して f(x)=yとなる Xの要素がただ lつ定まる 。 したがって,

yにこの xを対応させると,



Yから Xへの写像が得られる 。 これを

f―1 :y X と書いて, 写像 fの 逆写像という 。 特に Y=X のとき ,逆写像

1-1:X

一 X

を fの 逆変換という 。 写像 f: XtY が逆写像



1 1:y



X をもつとき, f:x



yならば, 1-1:y

xであるから,

u-1)-'=1が成り立つ 。 すなわち, fー 1 の逆写像はもとの fに等しい。 注意 逆行列については 第 1章で詳しく説明する ( p.3 2 )が,座標平面 E上の 1次変



換 /:P ( x ,y )

P ' ( x ' ,y ' )を表す行列 Aが逆行列 Aー 1 をもつと きは

c : ) = A ( : ) . ( : ) = Aー ' ( : ' . ) が成り立つ。 座標平面上の各点 P ' ( x ' ,y ' )に対して,

1次変換 fによる像 P 'になる点

P(x,y )が,ただ 1つ 定 ま る な ら ば fは 逆 変 換 f―1 :P ' ( x ' ,y ' )" →P(x, y) をもつ 。上の 注意 と合せると,逆変換について次のことがいえる 。

1次変換 fを表す行列 A が逆行列 A―1 をもつとき,

fは逆変換 fー 1 をもち,

1次変換 1 1を表す行列は Aー 1である 。

④ 回転と 1次変換 y

座標平面上の点 P ( x ,y ) を原点 0の周り に一般 角 0だけ回転して,点 P ' ( x ' ,y ' ) に移す回転移動

P ' ( x ' ,y' )

fについて考えよう 。 によって,それぞれ X と Y に移るものとする 。 乙 XOX'=乙 YOY '=0であるから,



Y

(x, 0 )と Y(O,y )が,角 0の回転 図中の 2点 X

P ( x ,y )

X ( x ,0 ) x

X とY の 図

いろいろな 1次変換

1 3

座標は,それぞれ X ' ( x c o s e ,xs i n e ) , Y'(-ysin0,ycos0)である 。

克+ I T T 'を成分で表すと以下のようになる 。 このとき,百戸 =O

( x ' ,y ' )=( x c o se , xsin0 )+(-ysine ,ycos0 ) =(xcos0-ysin0 ,xsin0+ycos0) {x'=xcos0-ysin0

よって

y'=xsin0+ycos0 この 原点 0の周り に一般角 0だけ 回転した回転移動は,行列を含

したがって,

んだ次の 式で表される 1次変換である 。

(X1)= COS0 -si n0 X y'(sine c o s (y)

。 )

『〉

原点を中 心とし て,回転角が 30° , -45° ,1 2 0°である回転移動を示す

行列を,それぞれ求めよ 。



i

¥︶

\

00

\︶

5 5 44

sc

.1

n ゜s 1互



l汀

¥︶



1 ,¥

(

\ーー/

ー万 汀︳ 2 ︵\











゜ 0

-C

0

20 2 1 ー n . 1 s s o

0

00

2ー 2 ー



s n o i C S

5 。4 5 ー汀汀了ー万 4 n 1□ 2-

│1



00

I ’¥

ー万 汀 2cos

= ¥l 3 2 l/ / 2︶ ° ︶ (¥45 5 。 4 =一 n( s i

° 0 。



3 OS c n3.1 s o s c ー ︶ 、 ノ



4

゜ 5

1 2 0°

00



3 0°

54 5 4 ︱ ︱ 00 33(︵ s sn no i o i CScs

硯⑯

: . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . .. . . . . . . . . . . .. . . . . . . .. . .. . .. .. . .. . . . .. .. .. . .. . .. . . . . . . . . . . .. . .:

1 4

第 0章 平 面 と 1次変換



1章

行列の概念 m 行列とは何か/図

行列の演算/図 行列の種々の概念

行列とは ,いくつかの数や文字が長方形に並んでいるものである 。 これは ,一度に多くの数量を把握することに役立つ。 この章の 田 では,行列とは何かについてその書き方から始め ,各部の 名称や呼び方などの詳細をまとめる。 ここでは ,列ベクトル,行ベクトルのような一見新しい概念が出てくる が,本質的には高等学校で学習したベクトルと同じである 。 図 で は 行 列 の演算についてまとめる 。 行列には数と同じような演算の規則や法則がある 。 演算に関して基本になる定義や定理を順番に解説しながら,行列の相等, 租差スカラー(定数)倍と進み最後に行列の積について解説する 。 団 では転置行列逆行列など,行列の計算や操作に関するより踏み込 んだ概念についてまとめる 。 これらの計算を実地で行っていくことを通して行列の計算や操作に慣れ ていくことを目指す。



行列とは何か

行列とは何か,行列の定義,行列の書き方 •

読み方などについて解説する 。

2 ま 22 2 m a c l aa ダ m l 1121:・

aaa 子 ヽ 1 ︱︱ ⑥

・ 19

— -

i in 99

︱︱

2 a1 a a



•••

いくつかの数を左のように長方形状に並べたものを せいぶん

行列 といい .そ の 各 々 の 数 を こ の 行 列 の 成分 ま た ようそ

m

は 要素という 。 行列において,横の並びを 行,縦 の並びを 列 とし た。

第 i行(上から i番目の行)と第 j列(左から j番目の列)の交わる場所におか

i ,j )成分 または ( i ,j )要素といい ,aiJのように表す。 れている数を ( 下に示すように行と列については,それぞれの文字の成り立ちから行はつ くりに「横の棒が 2本あるので横の並び」.列はつくりに「縦の棒が 2本あるの

l-

2行

︱︱



ac

第 1行

bd

で縦の並び」と覚えることもできる 。

ーi行(横の並ぴ)

f i '

列一→ j列(縦の並び)

au 添え字の示す前の iが行.後の jが列。

策2列

第 1列

amn など添え字が異なっても同じ。

一般に ,行列は次のように定義できる 。 定義 1 -1 行列 nn

︱︱

. . . a1 a2a

... . . . .

m

n

. .

m l

alzazz:.amz

1121

︱︱

. . . aaa

m Xn個の数を長方形状に並べた左のようなもの )型行列,m 行 n列の行 を,m Xn 行列, (m,n 列または単に行列という 。

〇浮で示した行列は丸カッコ(

)で表したが,今後は角カッコ [

]で

表すことにする 。 注意

mxn行列」と書いたときの m と nは,それぞれ行と列の個数である 。「行 ・ 「 列」の順番であることに注意する。また成分 auにおける iは行の番号を表し, jは列の番号を表す。これも「行・列」の順番である。

1 6

第 1章 行 列 の 概 念

⑥ 行列の暑き方 行列は ,大文字 A,B ,C ,・ ・ …• を 用 い て 以 下 の よ う に 書かれることが多い 。 ︱︱

nn

2

a1 2a

.. . . . .

2

a1 a2a

. . .





n m

a

. .

m

i



2

11 , a1 a2 a ,

︱︱

A

•••

また,右辺は単に ( i ,j )成分だけを取り出して

A=[a』

と略記すること

もある 。 定義 1 1のように ,行が m, 列が nだけある行列で, m=nである場合,数

は正方形状に並んでいる 。 これを n次の正方行列 といい ,その行(列)の数を正 方行列の 次数という 。 n次正方行列 A=[a』 の 成 分 a 1 1 , a2 2 , ……, an nを 対 角成分 という 。

[ 2 3 ]は , 4 -1

(1) A =

~

2X2行列, ( 2 ,2 )型 行 列

2行 2列の行 列,

( Z) B =[l -3 OJは , 2X3行列, ( 2 ,3 )型 行 列

2行 3列の行列 。

2次の正方行列 。

c~[¥

1 , 1

¥:':]は , 3X3行 列 ( 3 ,3 )型 行 列

3行 3列 の 行 列

3次の正方行列 。 注意

lXl行列は数とみなす。

行列の中で,列の数か行の数が 1である行列は ベクトル とも呼ばれる 。 この うち, ( m, 1 )型 の 行 列 す な わ ち 縦 に m 個の数が並んだ行列を m 次列ベクト

[ j a 1

ル(縦ヘクトル) といい.

て表す。



行列 とは何か

1 7

また, ( 1 ,n )型 の 行 列 す な わ ち 横 に n個の数が並んだ行列を n次行ベクト 1 a2 … . . . an]で表す 。 ル(横ベクトル)と いい , [a

このときベクトルは行列と区別するため, a~[H

F[4 5 6 ]のよう



に太字を使 って書き表されることが多い 。

例 lの行列 Bにおいて,

[1 -3 0 ] , [5 2 4]はそれぞれ Bの行ベクトルである 。

[ l ] 3 '[ 2] . し0 ] はそれぞれ Bの列ベクトルである 。 5 注意

ベクトルの演算については ,本章の 3 や , 第 5章 ( p.1 81 )で,そこで扱う話題 とともに詳しく解説する 。



( I )



I~, J ]

次の行列の型は何か。

( 2)

! ' : ' : ']

[~c : ]

( 3) [

行列 A . B について次の問いに答えよ 。 3 0 -2 -1 1 B= 1 2 -3 A= -1 3 1



( 1 ) 行列の型は何か。

4

゜ 3

( 2) 行列 Aの ( 3 ,1 )成分はどれか。 また,一 lは何成分か。

( 3 ) 行列 Bの ( 3 ,2 )成分はどれか。 また ,ー 3は何成分か。

巴例

lの行列 A と行列 Cにおける行ベク トルと列 ベク トル をすべて書き出せ。

1 8 第 1章 行 列 の 概 念



行列の演算

数や行列の演算については,その規則や法則を理解する ことが重要である 。そのた め,行列の派算に関して ,基本 とな る定義や定理について順番に解説する 。 まずは,行列の相等から始め, 和,差,スカラ ー(実数)倍と 進み ,最後に行列の 積について解説する 。

④ 相等 2つの行列 A, B が等 しいとは, [ l ]A, B の型が同じであること, [ 2 ] 対応 する所の成分がどれも等しいことをいう 。 すなわち,行列の相等について以下のように定義する 。

1 行列の相等 定義 2 ︱

b l n b z n

22

1121

••





2 b1b b.

-t

m

2

m l

n m



b m n

b b b... = B ︱︱

nn

︱︱︱

a1 a2a

.. .. . . . ..

知 : amz





m

A = B⇔

a l z

II

2 a1 a a ︱ = A

•••

• • •• •

au=bu( i=l,2 , ・・・・.., m J=l, 2 ,. . . . . .,n )

④ 和と差 2つの m X n行列 A . B の和と 差 は,以下のように定義する 。 定義 2 2 行列の和と 差 n

l



同 号

2



• • •

n

n

bーb b



, ー



••

土土:

am1 士b m1 a , , , 2士b m 2

a 1 2土 b 1 2

a a2a

a , ,士b , , a , ,土 b , ,

.. .. . .



A土s~ I

au士bu

” m

n m



-

A 土B =[ au]土 [ b』=[ au土 仇 ] (i=l, 2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ , m j=l, 2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ ,n)

⑥ スカラ ー(定数)倍 行列 A のスカラー(定数)倍は,各々の所の成分を K倍するものである 。 すな わち, m x n行列 Aのスカラ ー(定数)倍は,以下のように定義する 。



行列の演符

1 9

定義 2 -3 行列のスカラー(定数)倍

2







2



lnznmn



aa

a kkk .. . .. .

2

m

2 a1 a . am



kkk

.

11 12

-

aa. kkk a

A k

(kは定数)

kA=k[ a』=[ka』 特に, Aの 一 1倍を 一A で表す:ー A=(-l)A 注意 行列の演算の定義 2 3において行列の成分のおかれている位置を 所 と書いた。

~2X2 行列を用いた計算例

m ]

行列の演算の定義(定義 2 -1から 定義 2 3 )をもとに .2X2行列を用いて 実際

の計算を行う 。

A =[ ~ l

~3 ]. B= [ ~

[5

A+B=



][

][ 4 -2] =[ 5-4

-3 -1 4

[ 5 -3 2A=2 -l 4

0 2 zx5

ド [2X(-1)





-1-0

zx(-3 ) 2X4

次の等式が成り立つように, a ,b ,

][

1 0 -6 8]

卜 [_2

C ,

dの値を定めよ 。

卜 [d--21 32cb]で あ り 行 列 の 相等 の性質から

[a -3 0 3-b

a=-2,-3=3c,O=d-1, 3-b=Z b ゆえに

2 0



1¥ 行列の概念

a=2 , b=l,c=-1,d=l



-3-(-2) = 1 -1 4-2 -1 2

[a -3]=[-2 3 c] 0 3-b d-1 2 b

翫⑯



-3]+ 4 -2 = 5+4 -3-2]= 9 -5 -1 4 0 2 -1+0 4+2 -1 6

[5

A-B=

~2 ] と する 。

~

次の行列の計算をせよ 。 ( 1 ) [4

1] +[ ― 2 1 ] -1 3

( Z )[ 4

5]-z[6 5]

3 2 12

3 2

『□~].

A =[

4

~

︱︱

〇一

(3) 占 [ ~3~9 ] +½ [ ~2

[ 二

B=

;]に対して ,以下の等式を満たす行列 X を

求めよ 。

1 2X-A={ 2B-(4A-X)} 3 : ・・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・・ ・・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ ・ ・ ・・ ・・・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・・ ・ ・ ・:

硯答

1 2X-A=-{2B-(4A-X)}よ り 6X-3A=2B-4A+X 3

5X=2B-A

1 X=-(ZB-A) 5

x=½(叶 ~2 :] - [『 口~ ])

ゆえに

= t [10-0

=

1 4-(-1) 2 3 -4-1 2-(-3)] [_l 1 J

与 叶― ; 1~]. ( 1)

B=[~ 二 ]とする 。次の等式を満たす行列 Xを求めよ 。

3X-B=X+4A

(2) ½(zA-B-X)=Z{X-Z(A-3B))

行列の演算においても,数と同じように 0の役割を果たすものがある 。成 分 が すべて 0である行列を



次の行列は,

00

ぜろ(れい)

零行列という。

どれも零行列である 。

0 00

0 00

[ 。 。 ]. [ 。 。 。 ]. [ ::『 ]



行列の演符

2 1

定義 2 4 零行列 成分がす べ て 0の m X n 行列

〇, . .~ [

または単に零行列という 。

゜l ゜゜ 0

を( m ,n )型零行列 ,

混乱しない場合は,零行列の型を省略して 0で表す。 また,成分がすべて 0で ぜろ ( れい )

ある行ベクトル,および列ベクトルは

O=[0 0 ・ ・ ・0]

零 ベ ク トルといい

・ {]

で表す。 零行列を含む行列 の演算について,次の定理が成り立つ 。





零行列を含む行列の演算(和)

( m ,n )型行列 A と, ( m ,n )型零行列 0につ いて

A+O=O+A=A A+(-A)=(-A)+A=O が成り立つ 。

~ ] とすると A+o= [ ニニ〗卜[ :

~

A= [ :

~

A+O=O+A=Aを証明せよ 。

~]

=A

⑥ 行列の積 第 0章 で少しだけ紹介した行列の積について,ここで詳しく解説する 。

( 2 ,2 )型行列 A =[a b] . B=[P q]について,その積 ABは次のように C d r S 計算される 。

AB=[ap+br aq+bs cp+dr cq+ds]

2 2 第 1章 行 列 の 概 念

また,

2つの行列 A=[a b ] . B =[!]と c=[a] . D=[p q] に対して, C

積 AB, CD は次 のように計算される 。

『r]=ap+br

AB=[a b

CD=[:][p q]=[:: ::]

~

[;

ト [:二]

!H !

a 3 1 a 3 2 a 3 3

-l﹃一

, 3 (3) 型行列 A~ [ :〗ロニ l

18161024

︱︱︱︱

︱ ︱

== ︱︱︱︱ 4433 xxxx 4324 ++++ 2244 xxxx 1213 3322 xxxx 4324 ++++ 1111 xxxx 1213 ︱︱︱︱ == ︱︱︱︱ 2443

︱︱︱

1312 l-

︱︱︱︱

4324 1213

更に

aq+bs]

1311511

m ]

[a b][! ~ ]=[ ap+br

B~p:: : : : : l

についてそ

b3 1b 3 2 b3 3

の積 A Bは次のように計算される 。 333333

︱︱

132333

aaa

bbb

232323

+++

122232

aaa

bbb

+++

112131

131313

a a 1 b 1 1+ a a 2 b 2 1+ a a a b a 1 a a 1 b 1 2 + a a 2 b 2 2 +a a a b a a

aaa

a心 +a,,加 十 a . , b , , a 2 1加 十 a 2 2加 十 a 2 a b 3 2

bbb

[au如 十 a轟 +a.,如 AB= a 2 1加 十 a 2 2如 十 a 2 3如

次に, 一般の場合の行列どうしの掛け算(つまり,積)を定義していこう 。 行列の積 A Bを定義するときは, A の列数 m と , Bの行数 m が同じでなけれ ばならない 。 このとき, A Bの ( i ,j )成分は, A の行列の第 i行を左から, B の第 j列を上 から数えて,それぞれ対応する成分の積を m 個足したものであり, A の列およ び Bの行の数が両方とも m であるときに限り可能な操作であることがわかる 。

このことをまとめると,

2つの行列の積は,以下のように定義できる 。

豆l 行列の i 質符

2 3

: b1b2b, b

nn n

K . . .

:・

k j

とすると

n , "

m J

C2 n



C 1n

Czi

u

Cu

. . b b b. b

2

C 1 2

2 2 C2 1 C

C11

m

a1m

h . . .

an a 1 2

B=

2

aim'

2

i 2 a i i a

2

azm

2 . b1b b..b

2 a 2 1 a2

m l

aim

1121:.hl . . .

A=

au a 1 2

bbbb

定義 2 5 2つの行列の積

m

AB=

cu= I :a;kbki Cu

C ; z

C i i

k=I

C切

=a;1bu+a;2b 2i 十•••… +a ;m b叩

C 1 2

Cn

i ,j )成分 すなわち, A Bの (

(i=l,2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ , l;j=l, 2 , ・・ ・・ ・・ ,

Ci Jは ,

下図の陰影部に注目して計算する 。 *





l-

Cu











n

. u

”i



blnbznbmn

a1m

Jj

2 an a1

b1b2b...

a; m

11

;2 a ; 1 a

-

G1m

b1b2b

a 1 2

a11

n )

C t n

Cu

2つの行列の積 ABが定義されても BAが定義されるとは限らない。また

注意

仮に BAが定義されても必すしも ABと等しくない。つまり , 2つの行列の 積について, AB=BAは成り立たない (ABキ BA)。このことは ,例 5を参照 するとよい。 行列の積(掛け算)を考えるうえで重要な役割をもつ行列がある 。 ( n ,n )型行 i=l,2 , ……, n )のみが 1で 他 は す べ て 0であ る ものを n 列で (i'i)成分 (

次の単位行列 (n次単位行列) といい .Enで表す(混同がないときは, 単 に Eと

10









O

O

n





︱︱

00:•1 ︱︱

01



E

lo

書く ) 。すなわち

゜ ]とも略記されることがある 。

1



,, 注意 言い換えれば,単位行列 E,は

n次の正方行列の右下がりの対角線上にのみ 1

が並んで,その他の成分がすべて 0であるような行列である 。 24

第 1邸

行列 の概念

また,単位行列の ( i ,j )成 分 を 心 と 書 き , 似 を ク ロ ネ ッ カ ーのデルタ とい

i = j ) である 。 ( m ,n )型行列の掛け算につい て, う。ふ ={l ( 0 ( iキ j )

AEn=EmA=Aが成り立つ 。 つまり,単位 行列

広 や 広 は 実 数 の 掛け算にお

ける 1と同じ働 きをする 。

E= [~ ~]. A=[;

! J

とすると

==

AA

︱︱



__

bdbd

_︳

acac

==







卜 、 ‘ '



位 単 は た





' ノ







本レ 基卜 をク

00:•1列

-︳ベ

。 る







1







ょ.ヽ

0

e i



en 列 .,i

~

'の

,

=位 @単

-︳の ︱ ︱目

︱︱

ー一ノイ

︱︱

=ぅ

l o :.o

︱.



m

el>

:• O

︱-﹃一

ac lo

aXl+bXO AE=[ cxl+dxO lXa+Oxc EA=[ 0Xa+1Xc 01

lldd

xxxx bdO1 ++++ oobb xxxx

~

A~[: : >E~[: : : I

について



ooo111

-l -Il

==

1211211oo121

=

xxxxxx 32loo1 +++A+++A OOO=222= xxx--xxx203321olo321 ++++++ 111 2 0 3 111 2 03 xxxxxx

︱︱

EA AE

1xo+2x1+3xo 1xo+2xo+3x1 2xo+ox1+2xo 2xo+oxo+2x1 1 xo+3x1+1xo 1xo+3xo+1xi l

1x2+oxo+ox3 1x3+ox2+ox1 ox2+1xo+ox3 ox3+1x2+ox1 ox2+oxo+1x3 ox3+ox2+1xil



-



行列の沙i 多 l

2 5

~

A =[:

! ] 〗]について ! ][〗〗卜 [ ;:i二 :~::i:!: 『 ] >~ ][ ; ! ト [ ] ]] O= [~

AO=[:

=[~

] 『

OA=[

定義 2 5で示した行列の積について,数に似た次の定理が成り立つ 。



臣国

行列の積の演算法則

(AB)C=A(BC)

A(B+C)=AB+AC 分配法則

結合法則

(A+B)C=AC+BC 分配法則 A Bキ BA

一般に交換法則は成り立たない

A E戸 A, EmA=A (ただ し,Aは ( m ,n )型行列) AO=OA=O



注意 AB=Oであっても A=Oまたは B=Oであるとは限らない。このような Aと ぜろ(れい)いんし

Bを 零 因子 という 。 と る ﹃一

心ッ心ッ

︱ ︱

︵︵

xx

︱ ︱

36 ++ 、/ ‘ 6 6)

︵︵

幻心り

xx

︱ ︱

︵︵ 22

xx

36 ++ 33

xx

す幻り

ヽ~(



︱︱

︱︱

64

と一︱

︱︱

64

︱ ︱

-l

32_ ︳ = 32

B

︱︱

│l o -︱ 9]

-36 ︱ 36

24 00 24-_o

[-︱=

AA

o ︳ r_l[ ︱ - B

注意 行列の演算法則について「数と似た」と表現し,いくつかの演算法則を示した。 しかし ,行列の演算法則は数の演算法則をすべて満たすわけではない。 ( 1 )

p,2 3.例 5で計算したとおり行列の積は,常に AB=BAとなるとは限

) らない。 (AB=BAが成り立つときは ,AとBは可換であるという 。 ( 2) 直前の注意と 例 9で示したとおり

Aキ 0 , Bキ 0であるが, AB=Oとな

る行列 A, B が存在 し,このような A, B を零因子と呼んだ。 ( 3)

Aキ 0であっても A X=!,YA=!となる行列 X, yが存在するとは限ら

ない。

2 6



1章 行 列 の 概念

デデ

. B=[1 0 ]のとき, A =[ ―l4 ] 0 -1 2 -5

A吐 AB-BA-B2を求めよ 。

1A0 A 0 0

︳ ︳ A

︱︱

『 I に対して, AX~XA を満たす 3 次の正方行列Xを求めよ。 入

巴 『(~『;:ドニての次~)式:~~-~~·2十行『;二~~ (A+B-2C)2 ( 3 ) (A+3E)2

( 4) (A+E)2 +(A-E)2

⑥行列の区分け(ブロック分け) 行列の区分け(プ ロック分 け)は行列の掛け算を小さな ブロック に分けて , つまり型の小さい行列の掛け算に帰着させて計算する 1つの方法である 。 この 考



13 - 3 -4

-l

27 4 0

= ︱︱ 2 ーー︳ 2



-oll

-l

一 ー ー





¥ [

︱︱



1 111 2 030

え方は,行列の 一般的な性質を調べる ことにも有効である 。例えば



〇一

-l

ll

12ol = A

2030

のような行列の掛け算を行う 。 このとき

] と B~r ~1 〗を横線と縦線を用いて 4 つのブロノク 1

に分ける 。

B2 1





B J

B , 1 B 1 2

B=[

2 2

︱ ︱





lz22

AA

A = [A心21





2





すなわち,





2





~l ]. -2 恥 =[ ー 。 1] .恥 御 =[ =[ ] ] , 厖= [ ] ] , 2 ] とお く。

︱︱

A

︱︱

ll



01



A

ー 1 30 ︱︱ =

みなす ことができる 。 これ らを位置に従って ︱︱



= A





A

1 2

' ・゜

小行列と呼 び . それら自身で 1つの行列と

ll 20

l~1 H l 1 T

分けられた各ブ ロッ ク は 行列 Aや Bの

とする 。



行列の演符

2 7

これらブロック分けした成分について,それぞれの行列の掛け算を行う 。

Au恥+ふ晶= [ ~ ~l ][ ー。l ] + [ ~ Au固 +A12B22= [ ~

~1 ][ ~ ] + [ ~

~][~] = [ =~ J + [ ~ ]=[ ~l ]

~ ][ ~2 卜 [ ~ ] +[ ―;2 ト [ ~l ]

疇叶ふ晶= [~ ~][—;l ] + [ ~ ~ ][ ~ ] = [~l 卜[ ~ ト[〗 Aふ+ふふ =[『~][~]+ [ ~ ~][―;2 ト[〗 ] + [ ~4 卜 [ ~3]

r 7 2

それぞれの成分の掛け算の結果は, ABをブロノク分けした成分



と一致する 。一般に, ( l , m)型行列 A=[a』 を p-1個の横線と q-1個の縦 線で pq個のブロックに分ける 。上から s番目,左から t番目のブロックの行列

Au A 1 2 ・ ・・A 1 q

を心とするとき A~ r 心

1

A,, ・・・ A,, と書き表す。

A p 1 Ap2・・・Apq これを行列の 区分け(ブロ ック 分け) という 。 注意 ここで扱った 4つのブロックヘの分割次に扱う列ベクトルヘの分割については , 最もよく行われる計算方法の 1つである。



行列 A =[ 心

A 1 2] . B=[恥 A 2 1 A 2 2 恥

B 1 2]とする 。 このとき B 2 2

[ ]加 B12卜[ ん B叶

1 2 AB=[心 A A 2 1 A 2 2 厖

B 2 2

A詔 2 1 ふ 叫 +A誼 2] A z ,恥 + ふ 晶 A 2 1恥 + A 2 2 B 2 2

A 2 1 , B2 1が零行列であるとき [心 0

A 1 2] [恥 B 1 2 = 心B 1 1 心 恥 +A,2 B2 A 2 2 0 BJ B 2 2 ]

[ 。



さらに A 1 2 ,B 1 2が零行列であれば

[ ]瓦 0 卜[ 心 B 1 1 0 ] 0 B 2 2 0 A2 2 B 2 2

0 0 A 2 2

[心

2 8 第 1章 行 列 の 概 念



め 求



B A



の 列 子 ノ イ

き' と



3





,C , 2 C, C

︱ ︱



B

ool ool2 lloo

︱︱



00 3 1

oo71

77

。 。

巴 : 1 ゜ ょ。

④行列の区分け(列ベクトルの分割) ブロック分けと 同様 行 列 の 列 ベ ク トルヘの分割もよく行われる 。

例え ば A~ [ ::: ::: G31

G32

ニ ]につい て, 3つの列 ベクトル x ,,x , .x ,に分割 G33

すると,行列 Aは , A=[x 1年

X』

と書き直す ことができる 。 また,例えば

: i l

3つの実数 八 心 13を使 って

心+A心+応~[ x,

x ,][



き て







00 ん



132333



aaa ふふふ

122232

aaa

3 1





のとき,行列の積

-AZAZAz

1121

aaa

OA zo ふ ふ ふ





H I

~ A~[: 。 1 ] :s {『1 2 0 0



0 0 .--,,:3

OAzo

ふo o

A

︳︳

とな る。

AOO=

X J

X Z

X i

︱︱

︱︱

==

3

g



2

X Z





X J



]

︱︱

とー



書 と

+ ; : : [ : : : : : : l [ i : l

~A [

A R

を求めよ 。



行列の演符

2 9



行列の種々の概念

図 までで,行列の定義,基本的な演算(和,差,スカラ ー (実数)倍,積)を学んだ。 ここでは 転置行列と逆行列や対角行列に ついて解説する 。 これらを習得する こと は , 行列の操作自体への恨れとともに行列に関する,より進んだ理論の理解への足掛か りとなる 。

⑥ 転置行列 てんち

( m ,n )型行列 Aの 行と列を入れ替えて 得られる行列を 転置行列 といい, 匁 で 表 す。 すなわち,転置行列を以下のように定義する 。 定義 3 1 転置行列 011 a21 au

a12

a13

a12

A=

G21

am1

a22

am2

a23

a m3

am1

a1n a2n

汎=



a22

G1 3

G23

a1n

azn

Gmz

. . .

am3

amn

丸 の ( i ,J )成分は, Aの

Gmn

U ,i )成分である 。

-1の行列 Aは ( m ,n )型 行 列 行 列 汎 は ( n ,m)型行列である 。 注意 定義 3

~

2 1 [2 4 6] A = 1 2 3'

丸= 4 2

6 3 1 3 B= -2 0 2

=[ l -2 O J t B 3 0 2

C=[1 2 3 ] ,

1 ℃= 2 3



D=

゜ ゜

' D =[0 0 1J

1

一般に , (m,n )型行列 A とその転置行列汎について,以下の定理が成り立つ 。

3 0

第 1章 行列の概念





転置行列の性質

'(½) = A'(A+B)= 汎+ 'B

i-

302 2o

と こ る あ で



t B



= 団 A ︵ t



と る







B

︱︱

1 ,J

63 42 21

=確

A

° ー︳

る︱︱

ぁ=

で 要 重 は 式 のめ 後







意例ー 注

:

'(kA)=比4'(AB)='B汎

゜ よ

ヵヽ



As~['. : [ : J , -] o 1 3

( f f i

0 2

=[2Xl+4X(-2)+6X0 2X3+4X0+6X2 1x1+2x(-2)+3xo 1x3+2xo+3x2

-6 1 8 9]

卜[ _3

よって

ここで

-6 -3 1(AB)=[ 1 8 9]

瞑~[ ;。2i : [ : )] =[1x2+(-2)x4+0x6 1x1+(-2)x2+ox3 3x2+ox4+2x6 3x1+ox2+2x3 J -6 -3 9]

=[1 8

デデ

ゆえに

1 (AB)=1B匁



( 1 ) 定理 3 -1の '(AB)='B丸 を 示せ。 ( 2 )' (ABC)=心 B汎を示せ。 A=[a b]のとき, A匁=丸A かつ A豆 と な る 条 件 を 求 め よ 。 C

d

⑥正方行列 行 と 列 の 数 が等 しい行列は重要である 。 p. 1 6,定 義 1 -1の と こ ろ で も ふ れ た

n ,n )型行列の こと を n次 の正方行列,あるいは単に n次行 列 と いう 。 とおり, ( ③

行列の種々の概念

3 1

n次正方行列全体を考えると ,その中では,足 し算,引 き算,掛け算が常に 可 能で,

また 掛 け算の交換法則 (ABキ BA)以外の演算法則が成り立つ 。

注意 行列の演算の際零行列 Onは 0の役割を果たしまた単位行列広は 1の役割 を果たしている 。

AE=EA=A ,E " ' = E , A+O=O+A=A, AO=OA=O

⑥ 正則行列と逆行列 ここまで行列の足し算,引き算,掛け算についての計算方法は 学 んできた 。 では,割り算はどうであろうか。数の場合は,

aが 0でない限り, ax=xa=l

1

となる数 X, すなわち a―l =ー が 1つ存在した 。行 列 の 場 合 は 同 じ よ う に 考 a えることができるだろうか。 この問題を考えるために,

まず,次の定義をする 。

2 正則行列と逆行列 定義 3



n次正方行列 A に対して ,XA=A X=E となる n次正方行列 Xが存在すると せいそく

ぎゃく

き,A を正則行列という 。 X はA の 逆 行 列 と い う 。 次の行列の逆行列はあるか。あ れ ば そ れ を 求 め よ 。

A =[2 4] 3 5

B=[6 4] 9 6

: :: ’⑯~ X =[ x y ] として,条件 XA=AX=Eを書き出すと z w ,. . . . . . .. . . . . . .. . .. .. . . . . .. . .. . .. . . . . . . .. .. . . . . . .. . . .. . .. . . . .. . . . . . . .. . . .. . . .. .. . . .. . . . . . . .. . . .. . . .. . .. . . . . .. . . . . . . .. .

2x+3y=2x+4 z=l 4x+5y=2y+4w=O 2z+3w=3x+5z=O 4z+5w=3y+5 w=l 5 3 2 ' 2

これを解くと x=-- y =2. z=―, w= -1となる 。

よって, A は逆行列 [ー :

同様に x =[ ;

3 2

第 l章 行 列 の 概 念

I

ー ' , をもつ 。

~ ] として ,条件 XB=BX = E を 書 き出すと

6x+9y=6x+4z=l ・ ・ ・・ ・・ ① 4x+6y=6y+4w=O ・ ・・・ ・・ ② 6z+9w=9x+6z=O ・・ ・ … ③ 4z+6w=9y+6w=l・ ….. ④

2

① より 6x=l9y, ② より y=―了X

よ って, y=-½ · 1 ~9y =y —ふ



1 これより ,O=一ー となり矛盾である 。 よって ,① ∼④ を満たす X, y ,

Z, W

は存在しない 。

したがって, Bの逆行列は存在しない 。

ここで, Aが正則 な ら ば 逆 行 列 は 1つしか存在しない 。実際, X . yがとも

)=(XA)Y=EY=Y となるからである 。 にAの逆行列ならば, X=XE=X(AY Aの逆行列は A―1 (エーイ ンバース), また,

a b

[ d]のようにも書き表す。 -1

C

2から次の定理が成り立つ ことがわかる 。 定義 3 匡 匡 正則行列の性質

( 1 ) A, B が n次正則行列ならば,ABも正則であり , その逆行列は B-1Aー1に等しい。すなわち , (AB)-1=B-1A―1 ( 2 ) Aが n次正則行列ならば, Aー1も正則であり , その逆行列は A に等 )-1=A しい 。すなわち (A―1

O⑤

( 1 ) X=AB, Y=B-1A―l とすると XY=(AB)(B-1A―1 )=A(BB-1)A-l=AEA-1=A A―i =E YX=(B-1Aー 1 ) ( A B )=B-1(A―1A)B=B-1EB=B-1B=E よって, XY=YX=Eとなるから. X=ABは正則である 。 また,その逆行列は Y=B-1A―1である 。 ●

( 2 ) X=A―, 1 Y=A とすると XY=A―1A=E

YX=AA-1=E

よって, XY=YX=Eとなるから, X=Aー 1は正則である 。 また,その逆行列は Y=A である 。 ●



行列の種々の概念

3 3

また,

2次の正方行列について,以下のこともいえる 。

A =[a b]に対し, ad-beキ 0のとき C d A―1 =

1

[d

-b

ad-be -c a ]

ad-bc=Oのとき 逆行列は存在しない 。

~@

A に対し, X =[p q]として, A X=E と す る と 以 下 が 成 り 立 つ 。 r s ap+br=l . . . . ..①.aq+bs=O ... ② . cp+dr=O.. . . . ③,cq+ds=l. . . . . .④

① Xd―③ Xbから

(ad-bc)p=d

② Xd―④ Xbから

(ad-bc)q=-b

L1=ad-bcとすると, 4キ 0のとき

― う ,

p=%, q=-1, r= 1

d

ゴ[ _c

よって

X=



s=

-b a]

このとき XA を計算すると, XA=Eも成り立ち,この X が A の逆行 列である 。 また. 11=0 とすると a=b=c=d=O となり,これは ① と④ に矛盾する 。 したがって, ① ∼④ を満たす j J , q , r , sは存在しない 。 すなわち, AX=Eである X は存在せず . Aの逆行列は存在しない 。 : i '( p .8 4以降)で更に詳しく扱う 。 正則行列や逆行列については 第 3月 j J.1 07 )で述べるように, A =[a b]に対して, ad-beをAの 行 注意 第 4章 図 ( C d

列式 といい次のように書く 。

I がまたは d e t ( A ) I A Iは行列ではなく数であることに注意。

3 4



l卒 行 列 の 概 念

零因子と正則行列の関係については, 例題 3のように整理できる 。



。でない 2次の正方行列 A =[ a b]に 関 し て 次 の こ と を 証 明 せ よ 。 C

( 1)

d

0でない 2次の正方行列 Bに対し, AB=Oならば, A もBも正則

ではない 。 ( 2)

~@

Aが正則でなければ AB=Oを満たす 0でない行列 Bが存在する 。

( 1 )

0でない 2次の正方行列 Bに対し. AB=Oであるとする 。

このとき . Aが正則ならば A―I が存在するから, AB=Oの両 辺に左から A-I を掛けて

A-1(AB)=A―1 0 すなわち B=Oである 。 これは. 0でない 2次行列 Bの条件に反する 。

1が存在するから, AB=Oの両辺に また, Bが正則ならば B -1を掛けて 右から B (AB)B-1=0B-1 すなわち A=Oである 。 これは,

0でない 2次行列 A の条件に反する 。

以上から,

0でない 2次行列 A, B に対し, AB=Oならば, A

もB も正則ではない 。

( 2 ) A =[a b]が正則でなければ ad-bc=Oである 。 C d

db] である行列 Bを考えると,

このとき, B=[

-c a

A は 0で

ないから Bキ 0であり,梢 ABを考えると

AB=[: ~ ][ !c~b ] =[ad-be -ab+ba O 0 cd-dc -cb+da]=

[ 。]

=O よって , A =[ a b]が正則でなければ AB=Oを渦たす 0で C d ない行列 Bが存在する 。



行列の種々の概念

I35



次の行列の逆行列はあるか。 あれば,それを求めよ 。

4

2 4 A =[3 5]

6 -4 B=[9 -6]

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・・ ・ ・・ ・ -・ ・・ ・



[A[=2X5-4X3=-2キ 0 であるから, Aの逆行列は存在して

A

—·~

古[ ~,

~·1~[-: ~11

[B[=6X(-6)-(-4 )X9=0であるから, Bの逆行列は存在しない 。

f f i

︱︱

001 O

looo oloo

︱︱

B =

A~[:: 1 : 1

oool

次の行列の逆行列はあるか。あればそれを求めよ 。

c =[ a a-1 a+2 a+l]

Aを 2次の正方行列とする 。E+A. E-Aのいずれもが逆行列をもたなけれ ば が =Eであることを示せ。

~

一般に,正則な n次の正方行列について,次の定理が成り立つ 。 四 臣 ( 1)

逆行列の性質

AA-1=A―1A=E

( 2 ) AB=Eならば B=A-1, A=B-1

戸 =A ( 3 ) (A―1 ( 4) (AB)-1=B闊 ー 1

デデ

( 5 ) kキ 0のとき

(kA)-1=-t『

正則な n次の正方行列について,以下をそれぞれ証明せよ 。

( 1)

俎琲 3 3の (2)

( 2 ) 定理 3 3の (5)

a , tは実数とする 。行列 A=[t at+l]に つ い て ど の よ う な 実 数 tに対 a t+a しても, Aが必ず逆行列をもつような aの値の範囲を求めよ 。

巴 バ~ ( 1)

3 6

~]. B= [~5~3 ] のとき,次の計算をせよ 。

BA

第 1章 行 列 の 概 念

( 2 )( B A ) 1

( 3 ) A(BA)-1B

⑥上三角行列下三角行列対角行列 n次正方行列 A=[a』は, i>jであるすべての ( i ,j )成 分 a , 1が 0であると i ,j )成 分 auが 0であるとき, き , 上 三 角 行 列 といい , i C>

C> C>



00

︱︱ 4





0 0 0 0

+





゜ oolo



o l oo looo

7-



、 .

せ︳ ‘ 形 準⑫ 標

00 0 0

3 1

l



得こ

x

た れ



00



︱︱

ー﹄

田⑤



++

1OOO

oloo

oolo

001O

oooo

-

C> C>

l J J J

2

looo

0 2 C> C> 0 0 1 O 0 3 1O oloo

゜001O

-j

l 扮l ︳︳-

oloo T つ 、 ノ イ l ooo 形 変

t-

本 oo l o 基 01OO列 , ﹃ . l ooo 一、つ 1 ー



looo

01OO

の 23 1O 下 001O 以 ,

︱︱

xx ︱︱ 22



後 最

'

0

4f





` .

︱︱

2

31 21

4

O 2

2

3-



4 1

99





, , i

て ] し

形 変 本 基

を︳

j

"リ 夕

41-



次〇



力'

る あ で 形 準 標 る め 求



し 変 本 基 を

2

0

るて

れし ら対 えに 与れ でこ

, i I: ~:。, I

•J

l-

-o l 2





1 232

2 1

第 2咽 図 例題 1で計算 したように, A の簡約階段化 は

’ ⑱箋

ll

- ︳ー

行列 A~I~]

8 3

[ I ] 基本行列と基本変形

回 正則行列 この節では.基本行列の正則性から出発して.基本行列による正則行列の分解.ぉ よび正則行列の特徴付け を行う 。

⑥ 基本行列の正則性 第 1常 3で述べたように,

n次正方行列 Aが正則であるとは, AB=BA=E

(Eは単位行列)となる n次正方行列 Bが存在することをいう 。 このような Bは , 存在するなら, A に対して唯一に決まるので, これを A―l と書き, A の逆行列 というのであった 。 また, p .3 3 . 第 1章 国 の定則 3 2で示したように ,正則行列の逆行列や, 正 則行列の積もまた正則であり,次の 等式が成り立つ 。

(AB)-1=B-1A―. 1 (A―l戸 =A 次の定理が示すように,

匡口 臣〗

(ただし,

A . B は n次正則行列)

1で導入した基本行列は, どれも正則行列である 。

基本行列の正則性

n次の基本行列 p . . . ( c ),pu( )( a , zj=l, 2, ・・・・ ,n, iキ j , Cキ 0 )は Z J , P 正則である 。 ま た 次 が 成 り 立 つ 。

Pu1 = P , 1 ,

P ; ( c )-1=P ; ( c―1 ) ,

Pu(a)-1=Pu(-a)

特に基本行列の逆行列は,また基本行列である 。

〇R

凡( a )の正則性を証明する 。上 で学んだように,凡 ( a ) を左から 掛け ることは,

i行目に j行目の a倍を足すことであ った 。

-a)に 凡 ( a ) を左から掛けると,単位行列 Eになる 。 よって,凡 ( .

1

0

1

3章 行列の構造

a

l



•••





a



•••

凡( a )凡 ( -a)=

8 4

H.. ・

=E

この議論で,

aと 一 aをとり替えれば,同様に, P, ; ( a )に Pu(-a) を

左から掛けると,単位行列 Eになる こと がわかる 。 以上より

a )凡 (-a)=Pu(-a)凡 (a)=E 凡( とな るので,Pu ( a )は正則であり ,Pu (-a )がその逆行列である 。

a ) 1 = P , ; ( a )が成り立つ 。 すなわち,凡 ( P u ,P , ( c )についても同様に証明できる 。 ●

~

凡( a )が正則であることの証明にならって Puおよび P ; ( c )が正則であるこ とを証明せよ 。

注意 第 2章 2で,行基本操作が可逆であると述べたこ とを思い出そう ( 4 9ページ) 。

そこでも述べたように, ① ( } )の逆操作は ①←パ3自身である が,これに対 応して,凡の逆行列は凡自身である。同様 に , ① X eの逆操作が

( ] )XC―1 で

, ( c ) 1 = P ; ( c―1 )であり ① Xa十① の逆操作が あること に対応して, P a)-1=P , ; ( a )が成り立っている 。 ① X(-a)+① であることに対応して,凡 ( 正則行列の積はまた,正則行列 であるから,基本行列のいくつかの梢は正則行

J .53 第 2章 度 定理 21(行基本変形定理)と前節の j J . 81 . 列である 。 これと, / 定理 1 2(行列の標準形)より ,次の系が導かれる 。

国臣 任意の mXn行列 A について , QAが簡約階段形行列となるような ',n次 正則行列 Qが存在する 。 また,更に QA Pが標準形となるような ' n次正 則行列 Pが存在する 。

⑥ 正則行列の構造 この項では,次の基本的な定理を証明する 。





正則行列の構造

n次正方行列 Aについて ,次の条件は同値である 。 ( a) Aは正則行列である 。

( b ) rankA=n ( c) A は有限個の基本行列の積に等しい 。

厄II E則行列

8 5

前のページの 定理 2 2の証明に先立って,次の例題を考察しよう 。

三 l

n次正方行列 Aの , n行目の成分がすべて 0であるとする 。 このとき, A は正則 ではないことを示せ。



任意の n次正方行列 B =[ bu]について ,積 A Bを考える 。

A の n行目の成分がすべて 0なので, A Bの ( n ,n )成分は,必ず ﹄-

2

加如﹄

2

b1b2b

n

2

b n l

︱︱

* *.

l

~r =:



Lo—°―ニ

︱︱ ︱︱

a l n a z n

AR~r ロニ・

b u如

0になる 。

**:

•O

よって, AB=Eとなる n次正方行列 Bは存在しない 。 これは, Aが正則ではないことを示している 。 ● ・ ----------------------・



~

( 1) n を自然数とし,

zを 1 ; ; ; ;註臼である自然数とする 。 n次正方行列 A の

i行目の成分がすべて 0ならば, A は正則ではないことを示せ。 ( 2)

nを自然数とし, jを 1; ; ; ; ; ・ ; ; nである自然数とする 。 n次正方行列 Aの

j列目の成分が,すべて 0ならば A は正則ではないことを示せ。

~

( 1 ) nを自然数とし, i , jを 1 ; ;i ・ ; ; n,1 ; : ; ; ; j ; ; ; ; nである自然数とする ゜ n次正 方行列 A の i行目と j行目が一致するならば A は正則ではないことを示せ。 ( 2)

nを自然数とし, i , jを 1 ; ; ; ;廷; n , 1; ; , ; j ; ; ; ; nである自然数とする 。 n次正

方行列 A の i列目と j列目が一致するならば A は正則ではないことを示せ。

-2の証明をしよう 。 例題 lを踏まえて, 定理 2 定理 2 2の 〇 R 田 ⇒ ( b)を証明する 。 , A が正則でないことを示す。 対偶を証 明するために, rankAキ n と して

/ J .5 9 .

第 2 章 図 定 J州 2-2 より,常に rankA~n であるから ,

今の場合

rankA 『 I

となるような ,

00 0 0 0 4次正則行列 Qと ,

﹃一

2 1 5

172

011

,

99

1

1 , 1

4

。 ,:

Ill~l~l r 1 , 1

. ' 3

ー﹃

ー一

34 23



、、

99

II ' :

次 の 行列 を 基 本行列 の 精 の 形 で 書 け。

︱︱

3

5次 正 則 行 列 P を求めよ 。

I:':' ~ ロ : II 。2~: ゜,] : 1 :1~11 I~ •: > I

次 の 行 列 が 正 則 か どうか調べ,正則 で ある場合は, 逆行列を求めよ 。

( 1)

( 4)

( Z)

( 3)

~ 1

︱︱

︱︱



`/ 、 数 ’ ’

c



b,

a ︵

、、 2



ooo l ool a ol ab l abc

゜ よ





列︱



T 2342 ノ イ

1 2 3 2

99

︶ ー

逆 3 68 4 の 列 2463

の︱︱

1 イ ノ



5

9 4 第 3翔 行 列 の 構 造

~.

6 . (ブロック基本行列) l ,+l2十・・・・・・十 l k = m として , m 次 正 方 行 列 の 行 と 列 を

それ

i ,j )ブロ ック が l ;Xし行列になるようにする 。 ぞ れ K個に分割し , (

Q 1 1[Q,2[・・・[Qu [・ ・ ・[Q,k

・ ・ ・ --・

Q 2 1:Q22:・ ・ ・:Qz i:・ ・ ・:Qz k .'. ' . ' . '

Q=I : __ :_ふふ…ふ__. ―-ふ…ふ _ _ : _ I(仙は l ; Xし行列)

・ I

・ !

Q; ,:Q; 2:・ ・ Qu :・ ・ Q; k

::: : —.. , . . . . ., . . . . . ., . . . . ., . . . .. .

← . . . . . •. . . .

Q k l;Q 1 ,2;..;Q , , ;;. . . ;Q , , , , また, mXn行 列 の 最 初 の ム 行 を 第 1行 ブ ロ ッ ク , 次 の l 2行 を 第 2行 ブ ロ ッ ク な ど として , その行全体を第 1行 ブ ロ ッ ク か ら 第 K行 プ ロ ッ ク ま で の 行 ブ ロ ッ ク に 分 解 す る。

A , 彎 . . . A2 ( A ;は l;Xn行列)

A= • - -- --- - ----------- …… … 疇

A,

A, ,

( 1 )l ; =しのとき, P , jを次で定義 する(以下,特に何も 書 かれていないプロ ックは, すべて零行列であるとする) 。

999J



i



9 9 9 '﹄

,~

E--



999J

, ' ’ し





p

o:

E 1 1:

←t

3

亙 [l ! : ー . し: _ ? . i , _ j

←j

jE , , , 凡 を 左 か ら A に掛けることは . Aの第 i行 ブ ロ ッ ク と 第 j行ブロ ックが入 れ替わ ることであることを示せ。

i J

( 2) l ,次正則行列 Cに 対 し て た (C)を次で定義する 。

i ' , ( C ) f , , . . ・ [ C : ]. ・ . 1 ←

た( C )を左から Aに掛けることは . Aの第 i行ブロック

A

に Cを左から掛けて .

CA,におき換えることであることを示せ。

翔 末 問題

, 5

( 3) l;=しのとき,し次正方行列 Dに対して, F u(D)を次で定義する 。

E 1 1i 凡 (D)=

l E 1 , j・.. : D: "-----"

←t

[ E ら : _ _ _ _ _,

←J

: E , , , 凡 ( D ) を左から A に掛けることは, A の第 j行プロック A,に 左 か ら Dを掛け て,第 i行ブロックに足すことである ことを 示せ。

( 4) 凡 ,た ( C ),凡 ( D ) の逆行列は,それぞれ,

h .た c c) 1.p(-D)で与えら り

れることを示せ。

( 5) 凡 ,た ( C ),凡 ( D ) を そ れ ぞ れ n X m行列 Bに右から掛けることで, Bはど

のように変化す るか答えよ 。

A AB

7 . A. B を n次正方行列とするとき, rank[0 B ]=rankA+rankB を示せ。

8

行列 A について,次を証明せよ 。

( 1) 正則行列 P ,

Qについて, rankA=rankPA=rankAQ

( 2) r ankA=rank'A

9 6I 第 3草 行 列 の 構 造

I



4章

行列式 m 置換/図 行 列 式/図 行 列 式 の計算/因

行列式の展開

正方行列に関する重要な量として行列式がある。 この章では,行列式の定義から ,行列式を求める具体的な計算方法までを 一貫 してまとめる 。

mでは行列式の定義に必要である ,置換の概念を学習する 。ま た 行 列式を定義する上で必要となる,置換の「符号」の概念についても学ぶ。

mで学習した置換の概念を用いて行列式を定義する 。

図 では ,

行列式の定義式は複雑にみえるが,いくつかの定理によってその基本的 で便利な性質をまとめることができる 。 固 では,行列式のさまざまな基本性質を踏まえて,行列式を計算するた めの系統的な方法を学習する。 田 では,行列式の理論的な側面をまとめる。ここでは行列式の余因子展 開を学習し, これを用いて逆行列の明示公式を与える 。



置換

この節では,行列式の定義に必要な,置換の概念を学ぶ。

⑥ 置換 nを自然数とする 。 n個の文字の 置換 とは, n個の文字(例えば, n個の数 .2 ,. .… . n) を入れ替えて 字1

これらの文字からなる順列 1) を 他 の 順 列 に

おき換えることである 。 例えば

1を 3に , 写す 2) ことは,

2を 5に ,

3を 2に , 4を 4に ,

5を 1に

5個の文字 1 , 2,3 ,4 , 5を(璽複なく)入れ替える操作なので

置換であり,例えば 1 2 3 4 5という順列を 3 5 2 41という順列に置換する 。 この置換を ,例えば

l←→3 2←→5

1 5 :

j 3ー2 4← →4

5f-→ 1 と書いたり,記号で

1 2 3 4 5 3 5 2 4 1)

c J ( j )} の要素の個数である 。 定義 1 1 置換の符号 n個の文字 1 ,2 ,

…… ' nの置換 6 について s g n ( 6 )=

D(X < J ( I ),X < 5( 2 ),・ ・ ・ ・ ・ ・ ,X < 5( n ) ) D ( x 1 ,x2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ ,x砂

として , これを 6 の 符 号 と い う 。 す な わ ち , 置 換 6の符号 s g n ( c J ) とは,

1ま た は 一 1の ど ち ら か で あ り , 次

が成り立つ 。

•sgn(CJ)=l



6の転倒数が偶数

• sgn(CJ)=-1⇔ 6の転倒数が奇数



悩換

1 0 3

三 3

( 1 2 3 4 5 6)の符号を求めよ 。 534621



転倒数を計算するために,順列 5 3 4 6 2 1に注目する 。 • 一番 左 の 5に 注 目 し て , そ れ よ り 右 に あ る 数 の 中で 5よ り小さい ものの個数は

4個

・左から 2番目 の 3に注 目 して,それより 右 に あ る 数 の 中 で 3より 小 さいものの個数は 2個 ・左から 3番 目 の 4に 注 目 し て , そ れ よ り 右 に あ る 数 の 中 で 4より 小 さいものの個数 は

2個

・左から 4番 目 の 6に 注 目 し て そ れ よ り 右 に あ る 数 の 中 で 6より 小 さ い も の の 個 数 は 2個 ・左から 5番 目 の 2に 注 目 し て , そ れ よ り 右 に あ る 数 の 中 で 2より 小 さ い も の の 個 数 は 1個 よって , 転 倒 数 は 4+2+2+2+1=11で, これは奇数なので

1 2 3 4 5 6



65

43

56

¥

34

I

2 1 1 2

99

. , 3

ヽ', 1

54

4 1

23



¥

35

~

12

I

o (2



l

め 求\ を 4 1 号 33 符 の24

u . . ~

12 置換︵

の 次



sgn(5 3 4 6 2 l)=-l ●

置換 の 合 成 と 符号 の 関係について,次の定理が成り 立つ 。

匡国1 [ 8 ] 合成公式 n個 の 文 字 1,2 , …..., nの 置 換

( 5,

てについて

sg n ( < J r )=sg n( < J ) s g n ( r )

I*R

等式

D(xてOJ ,X r( 2 ) ,…… ,X r( n ) )=s g n ( r ) D ( x 1 ,X 2 ,… … , x砂

の両辺の変数 X i ,X 2,…… , X nを い っ せ い に 6で置換すると , 次の 等式が得られる 。

D(X ; , ( r ( l) , )X , ;( て( 2 ),・・・・・ .' X , ;( r ( n ) ) )=s g n ( r ) D ( X , ; ( l ) ,X , ; ( z ) ,・・ ・・・・ , X , ;( n ) ) ) てs g n ( o) D( x1 ,X, z. . . . . .,X n ) =sg n (

6 r ( i )=6(て( i ) )( i =l ,2,・・・・・・, n )であるから , これは sgn(6 r )=sgn(6)sg n( て)であることを示している 。 ● 1 04 第 4章 行 列 式

国[ E T I n個の文字 1 ,2 ,… ・・ ・ , nの置換 6について , s g n ( 6 )=sgn(6―1 )

〇⑤

単位置換 eの符号は明らかに 1である 。 (5(5―i=eより,

sgn(6)sg n(6―1)=sgn(e)=lである 。 よって ,s g n ( 6 )=sgn(6ー 1 ) ●

⑥ 偶置換と奇置換 符号が 1である置換を偶置換といい,符 号 が 一 1である 置換 を 奇 置 換 と い う。定理 1 -1より,偶置換と偶置換の合成は偶置換であり,偶置換と奇置換の合

□]

成は奇置換であり,奇置換と奇置換の合成は偶置換である 。 (互換) • i →l . . . . . .( i -1 ) ; ・ ( i +l ) . . . . . .( j -1 ) 1 りtl ) ・ ・ ・ ・ . .n ーかん

とする置換を互換という 。互換の転倒数を計算するために,順列

1 . . . . . .( i -l ) j ( i+l ). . . . . .( j-l ) i ( j+l ) ・ ・ ・・ ・・ n (左から i番 目 が jで , j番

) に注目すると, 目が i ・左から i番目の jの右にあ って jより小さいものの個数は j-i個 (下の陰影部) 。

1 . . . ..( i-l ) j ( i+l )・ ー ・ ・ ・ . .( jこD _ i l i _ . : ヒ l ] ,・・・・・ ・ n ・左から i番目の jと j番目の iの間にある,左から i+k番目

( k=l,2,……, j-i-1)の i+kの 右 に あ っ て , i+k より小さ い のは,左から j番目の iのみの 1個。

l . . . . . .( i -l ) . 7 ・ ( i +l ) . . . . . .(i+k)・ ・・・・ ・ 〖j, ― kを動かして,全部で j-i-1個。 • これらより他に転倒している箇所はない 。 1-i-l個 . . し

よって,転倒数は j i + l + ・ ・ ・ …+l=Z(j-i)-1で奇数である 。 したが って,任意の互換は奇置換である 。

iと jを入れ替えるだけの互換は , しばしば ( i j) と書かれる 。 iと jの入れ替えを 2回続けると,順列はもとに戻 るので,次が成り 立つ 。

( i j )2 =e (単位置換)

m 置換

1 0 5

E国l □

偶置換と奇置換

nを 2以上の自然数とする。

( 1) n個の文字の置換の個数は n !個である 。

( 2) 偶置換全体の個数は奇置換全体の個数に等しく

~~

n ! '2

個である 。

( 1)は既に述べた 。( 2)を示すために,互換 r=(1 2) を考える 。任意 < J は 6が偶置換ならば奇置換であり, の置換 6に対し, r

6が奇置換な

らば偶置換である 。 また,ザ =eなので, rを左から合成することで, て6は 6に戻 る。 よって

(*)

6← → て( 5

によ って 任 意 の偶置換 6 は奇置換

m と 1対 1に対応する 。特に ,奇

置換の個 数 は偶置換の個数以上である 。 また ,対応(*)で にして考えれば任意の奇置換

6 は偶置換

6 を奇置換

m と 1対 lに対応するので,

偶置換の個数は奇置換の個数以上である 。 以上より,偶置換の個数と奇置換の個数は 一致し ,それ ぞれ置換全体



の半分の個数である 。 ・

n個の文字 1 ,2 .. . . ..,n

の中から.相異なる K 個 (k~n) i 1,Z 2 ,

l k をとり,次のような置換 6 を考える 。

6 ( i 1 )=i 2 ,6 ( i 2 )=i3, . ・ ・ ・ ・ ・ ,6 ( i 1 , 1 ) = i k,6 ( i , , ) = i 1 更に 6は i 1,i 2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ , 在の他の文字 を動かさない(それ自身に 写す)と

1を i 2に , 砂 を 店 に ,・ ・・ ・・ ,i kを i 1にという する 。 このような置換は i ように, i 1,i 2 , ・・・・・・,砂を巡回的に 置換するので,長さ Kの 巡回置換 といい ,次のように 書 く。

( 5 =( i 1 i 2・ ・・ ・在 )

k=2のとき,長さ 2の巡回置換とは ,互換の ことに他ならない 。 一般に,次の 等式が成り立つ 。

(i 1i 2 ・ ・ ・ ・ ・ ・

i k)=(i 1 i k) (i 1 i k 1) " ・ ・ ・ ・ (i 1i 2 )

互換の符号 は 一 lであったから ,定狸 1 -1( p.1 04 ) より

{l (kが奇数 ) -1 (kが偶数)

sgn( i 1 i 2 ... i , , )=

よって ,長 さ Kの巡回置換は,

hが奇数ならば偶置換であり , Kが偶数

ならば奇置換である 。

デ例

6の等式 ( i , 庇 ・ ・ ・ ・ ・ ・

1 0 6 第 4章 行列式

九 ) =(i, i 1 , )( i 1 い) . . . . . .(i , 在)を証明せよ 。



行列式

この節では行列式の定義を与え,その基本性質や. 2次と 3次の場合の計算方法 などについて 学ぶ。

⑥ 行列式の定義 定義 2 1 行列式

n次正方行列 A=[a』 に対して

(*)

I : s g n ( 6 ) a 1 a ( l ) a 2 a< 2 >・・・・・ ・ a面 ( n ) 6

で定まる数を, Aの 行 列 式 と い い

au a 1 2 . . . a 1 n a 2 1 a22・・・a紐 det(A), I A I ,l a』,. an la n 2 . . . a, m などの記号で表す。 ここで,(*) のこにおける

6 は, n個の文字

1 ,2 ,

nの置換全体を動

く 。 行列式の定義式(*)は,

n個の文字 1 , 2 , . . . . . . . nの置換全体にわたる和な

!個の項の和である 。 ので, 全部で n 注意 行列式の記号は l a』 などのように絶対値の記号と 混同されやすいので注意が 必要である 。行列式は絶対値とは関係がなくまた負の値もとりうる 。特に

n=l(A=[ a l l] )のときの行列式は G 1 1の絶対値ではなく .auそのものである 。 a』 で lXl行列 [ au]の行列式を表すことは避けるべきである 。 したがって ,l e tはデイタ ーミナントと読む。 また, d

~

n=2の場合, A =[:: : 二 ]の行列式は, 2!=2個の置換

C~). C~) にわたる 和で あり ,前者の符号が 1,後者の符号がー 1なので

a 1 1 a 12 au a 1 2 det[ ]= l=a 1 1 a2 2-a12 a 2 1 a 2 1 a2 2 a2 1a 2 2 となる 。

厄l 行列式

1 0 7

X.

n=2の場合の計算は, I 叉I 1のような「たすきがけ」 による計算と考えると覚えやすい 。 また ,A =[a C



b] の場合は,

d

det(A)=ad-be である 。 1 又1 1 たすきがけによる計符

次の行列の行列式を求めよ 。



( 1)

[~!l

( 2) [~

n~3 の場合, A~[

~]

( 3 ) [cos0 -sin0 sin0 c o s

。 ]

l 行列式は,,,~,

: : : : : : : : :

個の置換

( 1 2 3) 1 (2 3) 1 (2 3) 1 2 3' 2 3 1 ' 3 1 2' 1 ( 2 3) ( 12 3) ( 12 3) 1 3 2' 3 2 1 ' 2 1 3 にわたる和であり,最初の 3つの符号が 1 , 後の 3つの符号が一 1なの で,次で与えられる 。

det[:::

ニニl~::: : :ニ

G31 G32 G33

G31 G32 G33

=aua22釦 3+a12G23G31+a13G21G32-a11G23G32-a1辺 2 2知 1-a12a2直 3 3

n=3の場合の計算は,以下のサラス 4)の方 法が便利である ( I 区1 2) 。屈12の赤で示したよ うな「左上から右下」の方向の並び +

a1 1a22a 3 3 , a31a1 2a 2 3 , a32a21a1 3

に対しては符号+を,灰色の点線で示したよう な「右上から左下」の方向の並び a13a22a31, a32a23a11, a33a12a21

に対しては符号ーをそれぞれ付けて足す。

4) サラス

1 0 8

( P i e r r eF r e d e r i cS a r r u s )は 19世紀フランスの数学者である 。

第 4章 行 列 式

図 2 サラスの方法



次の行列の行列式を求めよ 。 123 luv

0a b 0 C d m ( ( J si n0 c o s ( ( J r c o s 0 c o s ( ( J 一 rsin0s sin0si n< p rcos0si n< p rsin0c o s r p -rsi n0 cos0

4 56

( 1)

( 2)

( 3)

︱︱







一 丁

/ イ

ダ一

~ •u

4!=24個の項の和で









る あ

︵ t e d

13233343



14243444 aaaa



1-



= AA

合 場 の 4 =

n

aaaa44 a3 3 12223242 a a a a a2 a2 1213141 a a a a a1

m

7 8 9

-a,2a2,G3 3 G 4 4-a,3a22a3 ,a•• -a, 4a 2 2 G 3 3a , , 2 a 3 .a 4 3 -a 1 1a 2 3 a 3 2 a , .-aua 2 4a3 3a42-aぃa2 +a,2 a 2 3 a 3 ,a•• + a , 2 a 2 ,a 3 3 a . ,+ a , 3 a 2 2 a 3 4a . ,+ a , 1a 2 3 a3 4a 4 2 + a , 3 a 2 ,a32a•• + a , . a z ,a 3 3 a , 2 + a , . a 22 a3 , a . 3 + a 1 ,a2 4釦 2 a 4 3 +a,2a2,a 3 , a , 3 + a , 3 a 2 4a 3 1a.2+a,.a2 3 a 3 2a 4 1 a , 2 a 2 3 a 3 4 a 4 1-a,3 a 2 ,a3 4 a 4 2-a,4 a 2 3 a 3 1a .2 -a,4a 2 ta 3 2 a 4 3 a 1 3a 2 4a 3 2a . ,-a , 2a2• a 3 1a 4 3 例 3のように,

4次の正方行列の行列式は , 4!=24個の項をも つ式であり,

3次までの場合よりも格段に 複雑になる 。 よって,これをこのまま暗記 して 計算 に利用することは雅 奨できない 。

合のように,簡単に計算できる場合がある 。 特別な場合として, すなわち,

n次の対角行列 A =[ au] ,

a l l

n次正方行列で i キ jならば a i i=O

a2 2

であるものを考えよう( 図 3) 。 このとき ,置 換

6

について ,at'5(lJG w(zJ・・・・・・an'5(n) は ,

6( 1 )=1 .6( 2 )=2 . すなわち,

・ ・ ・ ・ ・ ・.

a , , , ,

6(n)=nの とき , 似1 3

6 が恒等 置換のとき以外では,す

べて 0である 。 よって

゜ ゜

□]

しかし, 一般の次数の場合も,次の対角行列(第 3章 田 を参照すること)の場

MM'rダj l

det(A)=a11a22…… a



すなわち,対角行列の行列式は ,そ の対角成分の積に等しい 。 例 4より,特に,単位行列 E につ いて, d et(E)=lであることがわかる 。 図

行列式

1 0 9

⑥ 多重線形性と交代性 行列式の定義式は, n !個の項をもつ式であり,項の数は nが大きくなると急 速に大きくなる 。例 3( p .1 02 ) を見ればわかるように,既に n=4のときでも, その定義式は複雑である 。そこで系統的で実際的な計算方法のために,行列式の 基本性質についてまとめておくことが必要である 。 以下,

n次正方行列 A =[ a』 の i行目 ( i=l ,2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ ,n )の行ベクトルを

a;=[a ; 1 a ; 2 . . .a ; n ] で表す 。すなわち ︱︱





n





n

2

n

alaz :.an

nn



2 a1 a a

22.

.. .. .. . . . .. .

2 . an a1 a

111

︱︱

2 a1 a a

= A

行 列 式 の 基 本 性 質 と し て 最 初 に 取 り 上 げ る の は 次 の ( 行 に 関 す る ) 多 重線 形性と(行に関する)交代性である 。両方の定理を述べた後に, 一括して証明を 行う 。

E匡l 臣り

行多重線形性

A の 1つの行 a ;が, a;=kb+lc( k , lは定数で, b=[b 1 あ

・ ・・

加, ]

c=[C 1 C 2 ・ " Cn] ) の形のとき a 1

a 1

a 1

l ・ de t detlI kb+lc =k・det _b, . + a , ,

C

← i行目

a , ,

an

すなわち

a 1 1

a 1 n

a 1 2

c2 detI kbげ l e i k妬十 l

k妬 十 Z e n

a , , 2 . . aw l au a 1 2 .

a n l

=k・ de tI b 1

b 2

b n

a n 1 a n 2

Gn n

l l O 第 4章 行 列 式

← i行目

a n n

「a11

+l・ det

C 1

. . a a 1 2 . 1 n C 2

Gn 1 G n 2 ・ ・ ・

C n an n

← i行目

匡 臣 目 行交代性 Aの i行目と j行目 ( iキ j ) を入れ替えた行列の行列式について,次が成 り立つ。

I a1

a1 a; ← i行目

ai

=-de t c te tI a; ← j行目 aj I a, ,

an すなわち

a 1 1 a1 2

a 1 n

a i 1 a i 2

aj n

au a 1 2

G 1 , z

a ; 1 a ; 2

a ; n

← i行目 ← j行目

c te tI 2 a i , a;

a; n

; 2 ai 1 a.

aj n

G n 1 Gn z

a n n

a n 1 a n 2

a n n

= -de t "●●●

定郎 2 -1の 〇 @ A の i行目を bに取り替えた行列を B , A の i行目を cに 取り替えた行列 を Cとする 。求める行列式は,次で与えられる 。 ~ sgn ( CJ) ·a wo l ・・・・・. { kb< 5 ( i )+L C < 5 ( i )} . . .. . ・ a n < 5 ( n )

5
・ ・ ・ ・・ ・ a, w r ―' ( n ) に等 しい 。 6 が n個の文字 1 , 2,. . . . . ..nの置換全体を動くとき .紅 ―I

もn個の文字 1 . 2,…… ,nの置換全体を動くので p=cr て ー 1とおいて ,

pを n個の文字 1,2, …… , nの置換全体を動か す と,c r=prなので det(B)=区 sgn( p r ) a 1p

a2 p < 2 >・ ・ ・・ ・ ・ an p ( n ) p

定理 1 -1( p .1 0 4 ) より

det(B)=区 sgn( p )sgn( r )a1 p 0 Ja2 p ( 2 J…… a, , p ( n ) p

=sgn (r)~sgn(p)a 1p(l 沼 2p(2) … · ·· a np(n) p

=sgn ( r ) ・ det(A) となり ,定理が証明された 。 ●

~

n次正方行列 A と定数 cについ て. d e t ( c A)=c"d e t(A)である ことを 示せ。

行多重線形性と行交代性か ら,特に行列式に関する次の性 質が尊かれ る。

国臣 n次正方行列 Aの i行目 ( i=l ,2 , ……, n )の行ベクトルを q とする 。 ( 1)

1つの行の成分がすべて 0であるとき,すなわち, a; =O(零ベクトル)

となる iが存在しているとき ,det(A)=Oである 。 ( 2) 2つの行 a; ,aJ( iキ j )について ,a ,=c・ aJ(cは定数)ならば,

det(A)=Oである 。 1 12 第 4慈 行 列 式

〇@

( 1 ) a; =Oなので,すべての j=l, 2 , …… , n につい て au =Oである 。 よって, 任意の置換 6 について a 1r 5 0辺 W(2)…… an r 5 ( n J=0なので,

de t ( A )=Oである 。 ( 2)

c=Oならば a;=Oなの で ,

( 1)より

d e t ( A)=Oである 。

cキ 0ならば 定JI ] !2 -1( / J.1 10 ) より

c a, a; I ← i行目 det(A)=det¥ : =det : =c・ de t a i ai ←]行目 a i a,

I

2( / J.1 1 1)より, 定理 2

I I

i行目と j行目を入れ替えると,ー 1倍にな

るので

ai I← i行目

a;

det(A)=c・ de t

=-c・ d e t ← j行目

e t( A )=-de t ( A )を意味するので, det(A)=Oとなる 。 ● これは d

~

1 2 3 ( 1 ) de t 4 5 6 =O 000 1 2 3 t 2 4 6 =O ( 2) de 04 5

⑥ 転置行列の行列式 転置行列の行列式については,次の定理が成り立つ 。

匡 口 匝月

転置行列の行列式

n次正方行列 A について ,次が成り立つ 。

de t (丸 ) =det ( A)



行列式

1 13

i*R A =[a』 と す る 。転 置 行 列 丸 の

( i ,j )成 分 を 仇 と す る と , 似 = a , ,

が成り立つ 。

de t (汎 ) =区sgn( < J )b w ( l ) b w< 2 > ・・ ・ ・・ ・b 1 1 r r( n ) ( 5

=I : s g n ( < J ) a < J < n 1 a < J ( 2 J 2 ・ ・ ・ ・ ・ ・ a < 5( 1 1 > 1 1 ( 5

ここで, a < J o > 1 a < J < 2 J 2…… a < 5 ( n ) nの項の 順番を入れ替えて,

a1 ,a 2 k ,・・・・ ・・a n k nの形にすると ,i ,j=l,2,.・・・ ・, nにつ vヽ て ( < J ( i ) ,i ) = ( j ,k , ) となっているから, k j=i= 1 a 1 5c 2 > 2 ・ ・ ・ ・・ ・ a 1 5 ( n) n = a 1 1 5―' c l ) a w―' ( 2 ) ・ ・ ・ ・・ ・ a n < 5―' ( n ) である 。 よって

de t (匁 ) =~sgn( +

t

の ︳一下 v 以



T



素 ゞ 要音

n

つ ヽ なーう のこ a よ 上日

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7



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叶重 て (' こ ス ‘ 、 こ る 欠’ こい‘︵て

r-

て]し 2

ここでも,

blbzbn た る 素

に対して ,そ れらの和が以下のように定義されている 。

・ ・・

と い う も の が, また

K"の 要 素 に な っ て い

るということが重要である 。

[ 3 ] 上 の よ う に 定 め た 演 算 ( 和 と ス カ ラ ー倍 ) が , 次 の 演 算 規 則 を 満 た し て い る 。 (Vl ) (u+v)+w=u+(v+w)(和に関する結合律) ( V 2 ) 任 意 の vに対し, v+O=O+v=vとなる Oが存在する(零元の存在) ( V 3 ) vに対し, v+w=w+v=Oとなる wが 存 在 す る ( 和 に 関 す る 逆 元 の 存 在)

( V 4 ) v+w=w+v(和 に関する交換律) ( V 5 ) a ( b v )=( a b ) v(スカラー倍に関する結合律) ( V 6 ) (a+b)v=av+bv(分配法則) ( V 7 ) a(v+w)=av+aw(分配法則) ( V S ) lv=v ここで,

1 38

( V 2 )における 0は 零 ベ ク ト ル であり

第 5意 ベ ク ト ル 空 間

O='[O O . . . O] で与えられる 。 また, ( V 3 )における wは , v='[a, a2 . . . a』 に 対 し

w =-v=t[-a, -a2 " ' -an] で与えられる 。 後 で 述 べ る こ と で あ る が こ れ ら の 構 造 を も っ て い る と い う こ と が , 「Kn がベクトル空間である 」 ということの意味である 。

⑥ 例:数列 次の例として, Kの要素(実数または複素数)からなる数列 { a』の空間を考え よう 。すなわち ,その よ う な 数 列 を す べ て 考 え そ れ ら 全 体 の な す 集 合 を KN と書 くことにする 2)。以下に述べるように .KNも K" と同様の構造をもっている 。

[ l ] KNの 2つの要素,すなわち 2つの数 列 v={a』, w ={ b , ,}に対して. そ の和 v+wという数列が,次で定まる 。

v+w={a , , 十如 } すなわち.数列 { a叶 と 数 列 { b , , }の和とは ,その n項目が an 十加で与え られ る数列である 。 これもまた 数列なので,KNの要素になっている 。

[ 2 ] 幻 の 要 素 , す な わ ち 数 列 v={a』 と .Kの要素 cに対し て,スカ ラー 倍 C V という数列が,次で定まる



cv={c a n} すなわち,数列 { a n}の c倍 と は そ の す べ て の 項 を い っ せ い に c倍すること で得られた数列 の ことで ある 。 これもまた 数列なので, KNの要素になってい る。

[ 3] 上のように定めた i 賓算(和とスカラ ー倍)が,

-(VS ) を満た す。ただし , こ こ で

j ) .1 3 8に列挙した条件

( V l )

Oとは,すべての項が 0であるような数

列である 。 ま た 数 列 v={ a , , }の,和に関する逆元一 v とは

-v={-a , ,} で与えられる数列である 。

2 ) Nは自然数の躾合を表す記号である 。 「 K'」 という記号は 「自然数で番号付けられた Kの数列の全 体」 を表す。

田 ベクトル空間と部分牢間

1 3 9

⑥ 例:関数 最後の例として,実数 R上の関数 f ( x )の空間を考えよう 。 すなわち,そのような関数をすべて考え,それら全体のなす集合を F(R) と 書く ことにする 。すると, F(R) も上で述べたものと同様の構造をもっている 。

[ l ] F(R)の 2つの要素すなわち,

2つの関数 / ( x ) .g ( x )に 対 し て そ の 和

(/+g)(x) という関数が定まる 。 こ れ は 各 実 数 aE:Rに対して, f ( a )+g(a) を対応させる関数である 。 すなわち

(/+g)(x)=/(x)+g(x) ( x E :R) こうして定義さ れた関数 ( /+g)(x) もまた , R上の関数になっているので

F(R)の要素である 。 [ 2 ] F(R)の要素(すなわち, R上の 関数) / ( x )と , Rの要素(すなわち,実数) cに対して,スカラ ー倍 ( c f )( x ) という関数が次のように定まる 。 これは 各実数 aE:Rに対して, c ・ f ( a )を対応させる関数である 。 すなわち

( c f )( x )=c・f(x) ( x E : R ) こうして定義された関数 ( c f )( x ) もまた, F(R)の要素である 。

[ 3 ] 上のように定めた派算(和とスカラー倍)が, p .1 3 8に列挙した条件 ( Vl )

-(VS) を満たす。 ただしここで, u .v . w はすべて F(R)の要素 J , g, hでおき換える 。 ま た , a , bなどのスカラ ーは,ここで はすべて実数とする(すなわち, K=R の場合のみを考える)。 例 え ば F( R)における 0とは , 0と恒等的に 等 しい定数関数 O ( x )であり, 任意の関数 f に対してその和に関する逆元— f は

(-! )( x )=-J ( x ) で定義される関数である 。

1 40

第 5意 ベ ク ト ル 空 間

⑥ベクトル空間 I 及J数の例を述べたが,それらの全体は各々共通の構

以上,列ベクトル,数列,

1]-[ 3 ]をも っている 。 そして, この構造をもっているということが, K上 造[ のベク トル空間という概念の意味である 。 すなわち,ベク トル 空 間 は 次 の よ う に 定 義 さ れ る 。

1 ベクトル空間 定義 1 集合 Vに,次のような構造が定まっているとする 。

[ 1 ] Vの任意の 2つの要素

V, W

に対して,和と呼ばれる第三の要素 v+w

が, Vの中に定まっている 。

[ 2 ] Vの任意の要素 vと,Kの任意の要素 cに対して , スカラー倍と呼ばれ る第三の要素

CV が,

Vの中に定まっている 。

[ 3 ] これらの演算(和とスカラー倍)について ,/ J .1 3 8に列挙した条件 (Vl )

-( V S )が満たされている 。 このとき , VをK上のベクトル空間という 。 ここで, 定義 1 1の集合 Vはさしあたってはどんな集合でもよいし, [ 1]と

[ 2 ]における,和 v+wやスカラ ー倍

CV の定め方も

,それらが Vの中に収まっ

てさえいればさしあたりどのようなものでもよい 。 ただし,これらに関して,

/ J .1 3 8の条件 (Vl )-(V8)が 適 宜 , 満 た さ れ な け れ ば な ら な い と い う の が 唯 ーの要請である 。 逆にいえば この条件さえ瀾たされれば

Vの要素が何であろうと,そして要

素の和やスカラ ー倍がどのようなものであろうと,

VはK上のベクトル空間であ

る。 ベク トル空間 Vの各要素を,

Vの ベクトル という 。 Vのベクトルとは,単に

集合 Vの要素なのであって,その実体は何でもよいし ,それが何であるかという

1 ]-[ 3 ] ことは重要ではない 。大事なことは,その全休の集まりである Vが, [ の構造と性質をもっていることであり,それだけが重要である 。 前項までで述べた 3つの例

• n次の列ベクトル全体 K" • 数列全体 KN • 関数全体 F(R) 田 ベクトル空間と部分空間

1 4 1

は ,

どれも前ペ ー ジで定めた和 やスカラー倍に関 して ベ ク ト ル 空 間 に な っ て い

る3 ¥ n次の 列 ベク トル全体のな す K上のベク トル 空 間

K"を , n次 元 数 ベ ク ト ル

空 間 という。

Knのベク トルとは列ベク トルであり, KNのベク トルとは数列であり, F(R) のベクトルとは関数である,

というように,ベク トル自休はさまざまな姿をとる 。

l ]-[3] しかし,それらの全体がなす「ベク トル空間」という構造,すなわち [ という構造は共通しているのであり,その構造だけから生じる計算や理論が,線 形 代 数学では重要なのである。

・:・ ! +lポイント I … … … … … … … … … … … … … … … ……・-・-・----・ -・ … … … … …… … … …. . :( 1 ) 零ベク トル 0は , p .1 3 8の条件 ( V 2 )によって,ただ 1つに決まる 。実 際 V ( の要素 O 'もまた同様の条件を満たすならば

'





O '=O '+O=O となる 。 ここで,等号 ① は 0に対する条件 ( V 2 )から導かれ,等号 ② は O 'に対する条

V 2 )から蔚かれる 。 件 ( ( 2) Vの各要素 vについて,条件 ( V 3 )の w はただ lつ決まる 。実際, w'も条件

( V 3 ) を満たすなら ①









w' = w'+O=w'+( v+w)=( w'+v)+w=O+w= w となる 。 こ こで

• 等号 ① は ( V 2 ) より • 等号 ② はwについての ( V 3 ) より • 等号 ③ は ( V l ) より • 等 号 ④ は w'についての (V3 )より • 等号⑤ は ( V 2 ) より それぞれ瘍かれる 。

ベク トル vについて,条 件 (V3) の w を「一 v」 と書く 。 K上のベク トル空間 。 のベク トル についても,次の よう に 通常 のベク トル の計算が普通に行え る

3 )f(" と f(' はK上のベクトル空間であり. F(R)は R上のベクトル空間である 。 1 4 2

第 5章 ベ ク ト ル 空 間

[ l ] 任意のベクトル vEVについて ,O・v=O [ 2 ] 任意のベクトル vEVについて,一 v=(-1)・ v

・ 1 +1 ポイント ト… …••…………… ……… … …•…

・ ・------・

- ・ - -- ・ 彎 ●

上の [ l ]と [ 2 ]は以下のように証明される 。

[ l ] O=O+Oなので O・v=(O+O)・ v=O・ v+O・ v ここで最後の等式には分配法則 ( V 6 )を用いている 。上の両辺に一 ( 0・ v)を 足すと, ( V 3 )と ( V 2 ) より O=O+O・ v=O・ v となる 。 [ 2 ] ( V 6 )より

v+(-1)・ v={ l+(-1))・v=O・v=O 同様に (-1)・ v+v=Oもわかる 。

v=(-1)・v+v=O となる 。 これより.一 v=(-1 )・v とな よって v+(-1)・ る。 注意 K=Rのとき n=l ,2 , 3の と き の 数 ベ ク ト ル 空 間 町 は , そ れ ぞ れ 直 線 平 面空間という幾何的な見方ができる。 直線 R

空間 R 3

平面 R 2y

V

x

゜ X

例えば,応 の要素は実数を成分とする 2次の列ベクトルい ]で あ り そ れ は

2つの実数の組なので,座標平面の点 ( x ,y )と同一視できる 。よって, R上の

2次元ベクトル空間杞は.座標平面とみなすことができる 。 同じように , R上の 3次元ベクトル空間 即 は座標空間と同一視できる 。 しかし, このような直観的な幾何的解釈は ,以下で議論するベクトル空間というものの

1つの解釈に過ぎないのでありしかも K=Rで n=l,2 , 3と い う 非 常 に 限定された状況でしか通用しない解釈でしかない。 n次元数ベクトル空間 K" は,むしろ,いくつかのデータの集まりのように ,単に Kの要素である数が並ん だものと考えるべきでありそうであるからこそ幅広い範囲の応用に役立つも のなのである 。特に ,nが大きい場合に,これら「多次元空間」が目で見えない ことを気にする必要はまったくない。



ベク トル空 1 / : Jと部分牢間

1 4 3

⑥ 部分空間 ベクトル空間の部分空間という概念を,次のように定義する 。 定義 1 -2 部分空間

VをK上のベクトル空間とする 。 Vの部分集合 W について,次の条件が満た されるとき, W は Vの部分空間であるという 。

( Sl ) OEW ( S 2 ) v , w E Wならば v+wEW ( S 3 ) vEW で cEKならば 定義 1 2の条件 ( S 2 )は

C V巴

W

W に属するベクトルの和が,また W の中に収まっ

ているという意味であり,「 W は和で閉じている」と表現することが多い。 ま だ 条件 ( S 3 )は

W に属するベク トルの任意の定数倍が,また W の中に収まって

いるという意味で,「 W はスカラー倍で閉じている」と表現する 。 したがって部分空間とは,零ベクトルを含み,和とスカラー倍で閉じている 部分集合の こと である 。

2の条件 ( S 2 )と ( S 3 )は,次の 1つの条件でおき換えられる 。 注意 定義 1 ( S 4 ) v , wEW で a , bEKならば av+bwEW 実際 ( S 4 )で a=b=lとすると ( S 2 )が , a=c, b=Oとすると ( S 3 )が導かれ る。また ( S 2 )と ( S 3 )から ( S 4 )を導くこともできる 。

f f i 峠

( S 2 )+( S 3 )は,条件 ( S 4 ) と同値であることを示せ。

W が Vの 部 分 空 間 な ら ば W はそれ単独で, K上のベクトル空間になってい る。 実際, W は Vにおける 和とスカラー倍で閉じており ,零ベク トルをも って いる 。 また, p, 1 3 8の条件 (Vl)-(V8)で ,

Vを W に お き 換 え た も の が す べ て 満

たされている 。

~ 1 4 4

K上のベクトル空間 Vの部分空間 W は. Vにおける 和 とスカラー倍を .その 単独で K上のペ ク まま W における 和と スカラ ー倍と みなす ことによ って . W トル 空間になっている こと を示せ。

第 5章 ベ ク ト ル 空 間

g (自明な部分空間) • VをK上のベクトル空間とするとき,

Vの零ベク ト

ル 0だけからなる部分梨合 { O}は Vの部分空間である 。 ま た

Vの部分集合と みなせば,



V自身を

V自身も Vの部分空 間である 。

炉の部分集合 Wを次で定義する 。

W={1 [x y z]lx+y+z=O} このとき , W は 知 の 部 分 空 間 で あ る ことを示せ。



定義 1-2 の条件 (Sl) ~ (S3) を確かめる 。

( Sl ) O=' [ O O O ] であるが, O+O+O=O なので, OEW であ る。

( S 2 ) W の 2つのベク トル ' [x y z] .' [x ' y' z ']を とる。 '十 y'+z'=Oが成 これ らは W の 要 素 な の で x+y+z=Oと x り立っている 。

' [x y z]+' [x'y'z']=' [x+x'y+y'z+z'] であるが

( x + x ' )+( y + y ' )+( z + z ' )=(x+y+z)+( x ' + y '十 z ' ) =O+O=O なので,'[x y z] +' [ x ' y ' z ']E W である 。

( S 3 ) W のベクトル ' [X y Z] とKのスカラ ー cをとる 。 ' [X

y

Z] は

W の要素なので x+y+z=Oが成り立ってい

る。c ' [x y z]=1 [ex cy c z]であるが

ex+cy+c z=c(x+y+z )=c-0=0 なので c ' [x y z]EW である 。 以上で, 定義 1 2の条件が確かめられたので,

W が K3の部分空

問である こと が証明された 。



次の W は 町 の 部 分空間であるか調べ部分空間である場合はそれを証明せ ょ。また部分空間でない場合はその理由を述べよ 。 ( 1) W =『[ x ( 2 ) W=『[x ( 3) W =『[ x ( 4) W=『[ x

y y y y

z]I3x-2y+4z=O} z]Ix+y+z~ O} z]lx+y+zは整数である } z]I2x+3y-5z=O.y+7z=O}

圧l ベクトル 空 間と部分空間

1 4 5



実数からなる数列 { a, , )で 漸化式 a , ,+ 2 + Z a n + 1+ 3 a , , = Oをすべての自然数 n について満たすもの全体は実数からなるすべての数列全体 RNの部分空間で あることを示せ。

~

( 1) R上の連続関数全体 C 0(R)は. R上のすべての関数全体 F(R)の部分空

1 1 ¥ Jであることを示せ。 ( 2) 実数からなる数列 { a , ,)で

実数の 値に収束するもの 全体は実数からな

るすべての数列全体 RNの部分空間であることを示せ。 次の定理が示すように 一般に,同次連立 1次方程式の解全体は,数ベクトル 空間の部分空間になる 。

四 匠〗

同次連立 1 次方程式の解の空間

A を, Kの要素を成分とする mXn行列とする 。 このとき ,同次連立 1 Av=O

次方程式

(v=t[Xi

〇@

X2

(*)

・ ・ ・ Xn]) の解全体は ,K"の部分空間をなす 。

W={vI Av=O} とする 。 W は 炉 の 部 分 集 合 で あ る 。 W が部分空間

,1 4 4 . 定義 1 2の条件 (Sl)-(S3) を確か であることを示すために ,p める 。

( S l ) 町 の 零 ベ ク ト ル O='[O O . . . O] は 明 らかに同次連立 1 次方程式(*)の解である 。 すなわち. OEWであ る。

( S 2 ) K"の ベ ク ト ル

V. W

が,同次連 立 1次方程 式( * ) の解である

とする 。 すなわち, Av=Oかつ A w=Oとする 。 このとき

A(v+w)=Av+Aw=O+O=O よって. v+wEW

( S 3 ) K"のベクトル vが 同 次 連 立 1次方程式(*)の解であるとす る。 すなわち. Av=O とする 。 このとき, aEKについて

A(av)=aAv=aO=O よって. avEW 一般に ,同次連立 1次方程式の解全体がなす .数ベクトル 空 間の部分空間を 同次連立 1次方程式の 解空間 という 。 1 4 5

第 5章 ペ ク ト ル 空 間

⑥ 部分空間の和と共通部分 次の定理が示す ように,

Vの部分空間がいくつか与えられたときそれらの共

通部分はまた部分空間である 。 またそれらの和という部分空間を考えることが できる 。 匡



部分空間の和と共通部分

VをK上のベクトル空間とし , u , wを Vの部分空間とする 。 ( 1) 共通部分

unwも Vの部分空間である 。

( 2) Uの要素と W の要素の和として表されるベクトルの全体

{u+wluEU, wEW} を考えると ,これは Vの部分空間である 。



( 1)

( Sl ) Uは部分空間なので OEUである 。 また , W は部分空間な ので OEW である 。 よって, O EUnW

( S 2 )

V,

wEUnW とする 。 Uは部分空間なので v+wEUである 。

また, W は部分空間なので v+wEWである 。 よって, v+wEUnW

( S 3 ) vEUnWおよび cEKとする 。 Uは部分空間なので cvEU である 。 また, W は部分空間なので cvEWである 。 よって. cvEUnW ( 2) Z={u+w I uEU, wE W }とする 。 』

( Sl ) Uは部分空間なので OE Uである 。 また, W は部分空間なの でO E Wである 。 よって ,O=O+OEZ

( S 2 ) v , v'EZ とする 。vEZ なので, v=u+w(uEU, wEW) と書ける 。 また. v'EZなので, v'=u'+w '(u'EU, w'EW) と書ける 。

u+u')+(w+w')であり, u+u'EU このとき, v+v'=( かつ w+w'EWなので. v+v'EZである 。

( S 3 ) vEZおよび cEKとする 。 v← Z なので,v=u+w( uEU, wEW) と書ける 。 このとき, cv=cu+cwであり .cuEU かつ cwEWなので,

cvEZである 。 田 ベクトル空間と部分空 1 1 : 1

1 47

定義 1 3 部分空間の和と共通部分

VをK上のベクトル空間とし , U,W を Vの部分空間とする 。 ( 1) 部分空間 u n wを, Uと W の共通部分という 。 ( 2) 部 分 空 間 { u+wluEU, w E W}を, U と W の 和 と い い , u + w と

書く 。

e : ,(~;:i;~『9二。 次を示!~

ucu+w. wcu+w

2つ以上の部分空間 W , , W z , .. . .. , Wnが与えられた場合も同様である(た だし,

nは任意の自然数) 。共通部分 w,nW2n…… n w nは ま た Vの部分空

間である 。 また 凱+凱十・・・ ・ ・ ・+Wn ={wげ

W叶

・・ ・・・・+wnI w; E W, .i=l, 2 ,・ ・・・・ ・ ,n }

と す れ ば こ れ も ま た Vの部分空間である 。

i .W 2 , ・・・ ・ ・・ ,W , ,が Vの部分空間であるとき. 任意の自然数 nについて, W +・ ・ ・ ・ ・・ +W, ,が Vの部分空間であることを 示せ。 上記の Wげ W2



⑥ 直和と直和分解 部分空 間の和 に つ い て 次 の ような特 別な場合が重要であることが多い 。 定義 1 4 直和

VをK上のベクトル空間とし, u, w を Vの部分空間とする 。 unw ={ o } の場合の u , w の和 u+ wを , Uと W の直和といい

U④ W と書く 。 部分空間の和が直和になっているための条件は ,ベク トルの和による表現方法 が一通りしかないことと密接な関係にある 。実際,次の定理が成り 立つ。 匡 ]旦

直和の条件

VをK上のベクトル空間とし, U, W を Vの部分空間とする 。 このとき , 次は同値。 ( a) 和 u +w は直和である 。すなわち . unW={O } ( b)

1 4 8

u +w の各要素は,

第 5翔

ベ クトル空間

u+ w( uE U,wEW)の形に一意的に書ける 。

~@

( a)⇒

( b)を示す。 u + wの要素

vが,次のように(見かけ上) 2通り

の書 き方をもったとする 。

v=u+w=u'+w'(u, u'EU. w , w'EW) u-u= w- w

このとき

であるが,左辺は Uに属し,右辺は W に属するので,両辺とも u n w に属する 。 しかし,仮定より unw={o) な の で u-u'=w'-w=O であり,

これは u=u'かつ w=w'であることを 意味している 。

よって

vEU+Wを Uの要素と W の要素の和に 書 く書 き方は. ー通

りしかないことが示された 。 ( b) ⇒

( a)を示す。 u n wに 属 す る 任 意 の ベ ク ト ル

vEUなので これは,

vを考えよう 。

v=v+O

vを「 Uの要素と W の要素の和として 書 く」書き方である 。

また, vEWでもあるので これもまだ

v=O+v

vを 「Uの要 素 と W の要素の和として 書 く」書 き方であ

・ る。仮 定 よ り そ の よ う な 書 き方は一通りしかないので,上の 2つの 祖 き方は 一致しなければならない 。すなわち . v+O=O+vの両辺は 書 き 方として 一致しなければならない 。 よって. v=Oでなければならない 。 これは u n wに属する任意のベ クトルが零ベクトルに 等 しいことを意味しているので unW={o)で ある 。

□〉

応 の部分空間

u . wを 次 で 定 義 す る 。

U=『[x y z]lx-2y+3z=O. 3x+y-5z=O} W =『[x y z]I-2x+6y-9z=O}

このとき,和 u + wは直和であることを 示せ。

鴛匿

unw={O}であることを示せばよい 。 unw={' [ xy z ]l x-2 y+3 z = O . 3x+y-5 z = O . -2x+6y-9z=O)

l ニ ロ

な の で 同 次 連立 1次方程式

-2x+6y-9z=O

を考える 。 こ れ を 解 く と 自 明 な 解 1 [x y z]=0=1 [ 0 0 O ] しかない 。 よって unW={o}である 。

田 ベクトル空間と部分空間

1 4 9



次のように定義された応の部分空間

u . wに つ い て 和 u+wが直和であ

るかどうか判定せよ 。

U={'[x W =『[x ( 2 ) U=『[x ( 3) U=『[ x W={' [x

( 1)

y y y y y

z]I 2x+y+4z=O, x+Zy-z=O}. z]I -x+2y-6z=O} z] lx+z= O } . W =『[x y z]I 2x+y+6z=O} z]lx-y-z=O}. -x+2y+4z=O, Zx-y+z=O} z]I

3つ以上の部分空間の 直和も.同様に考えられる 。 Vの部分空間 W1 .W 2 , ・ ・ ・ ・ ・ ・ . Wsについて 各 i =l, 2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ , sに対して

W; n(w げ …・ ・+W;-,+W;+,+・ …-+ Ws )={O} であるとき.和飢十 W叶•••…+凱は直和であるといい

と書く 。更に

V=W 直 W2 E B…… ④ 肌

W,EBW: 憚

. . . . . .E BWs

(* )

, . W2 ,. . . . . . . Wsの直和に 分解さ であるとき.ベク トル空間 Vは,部分空間 W れるといい.式(*)を直和分解という 。

1 . W2 .W3を.次で定義する 。 町 の 部分空間 W



w.~11: IR I妬~11 l fy E R )妬~11~I 年RI が三

この と き 町 は W ,.W 2 . W3の直和に分解することを 示せ。

3つ以上の部分空間の和が直和になるための条件については以下の定理が成 り立つ 。





直和の条件

VをK上 のベクトル空間とし , W i , W2 ,・ ・・ ・ ,飢 ( s ; ; ; ;2 ) を Vの部分空 間とする 。 このとき ,次はすべ て同値。

( a ) W1+W 叶 ・ ・・・・・+W sは直和である 。 ( b) i=2, ・ ・ ・ ・ ・ ・ , sについて (W け Wけ …・ ・ + W;-1 )nW;={O} ・ ・ ・ ・ .,s )が V1+V叶・ ・ ・ ・・ 十Vs=Oを満たすならば, ( c ) v;EW;( i = l ,2 ,・

V1=v2 = ・ ・ ・ ・ ・ ・ = v s =Oである 。 ( d) w叶 W叶• • • • •• 十凱 の各要素は

vi+v叶・ ・ ・ ・ ・ ・ 十 Vs ( v;EW ; , i=l,2 ,・ ・ ・ ・ ・ . 's ) の形に 一意的に 書 ける 。

1 5 0

第 5章 ペ ク ト ル 空 間

wR 国 ⇒

( b)を示す。 W叶 W叶 ・ ・・ ・ ・ +凱が直和なら

w .

(Wげ凱+ •… ·· + W, ー 1 )n 呈

f , V : 爪 (W 丘. . …・+W;-1+W; + 1 +…… 十凱)

I)

={O } な の で (W げ W2+・ ・ … ・+W , ー1 )nW, ={O}が成り立つ 。 ( b) =⇒ ( c)を示す。 V;EW;( i = l ,2 ,・ ・ ・・ . . 's )が V1+v叶・ ・ ・ .十Vs=O

を満たすとする 。 このとき

ーVs =v叶 vz+・・…• 十Vs !

の左辺は Wsに入り,右辺は Wげ 児 十 ・ ・・ ・ ・ 十 Wぃ に 入 る 。 よって , げ W叶 … … 十 Ws -1)nWs={ O }に入るので, Vs=Oかつ 両辺とも (W

v占 Vz 十 ・・ ・・ ・ 十 Vs !=Oであ る。 同様に -vs-1=vげ v叶 ・ ・ ・ ・+vs-2E(W げ 凱 十・ ・・ ・ ・+Ws-2 )nW . ぃ ={ O } Vs-1= 0 かつ v げ V叶 ·…•• 十V s-2=0である 。

より,

2=・ ・ ・・ ・ ・=v s =Oを得 る。 これを繰り返し て. v1=v ( c)⇒



( d)を示す 。 W げ W 叶 . . . ..十 肌 の ベ ク ト ル v凸 v叶 … … 十 V s

また, vi'+v z '十 ・・ ・・ ・ ・ 十 vs ' (v八 三 Wぃ i=l ,2 ,・ ・ ・・ ・ ・ ,s ) と書 けると

する 。すなわち

v1+v叶.. . .. 十 v戸 切+巧十• ・ ・・ ・ 十v s ' ( v ; ,v ; ' EW ; , i=l, 2 ,・ ・ ・ ・ ・. ,s ) とする 。 この と き

この 2つの書き方が一致してい る.すなわち,すべ

=l, 2 ,……, s について v戸 切 で あ る こ と を 導 け ば よ い 。 ての i ( v 1-v i ' ) +( v亡 vz ' ) + ・・・・ ・ ・ +(v 戸囚) =O なので, ( c)より V1 ― 切 =v ← 叶 =……=ぃー囚 =Oであ る。

i = l ,2 ,・ ・ ・ ・ ・ .,s )である 。 よって , V戸 切 ( ( d)===}( a)を示す。

vEW;n(W 凸... … +W; 1+W . 叶 l十 ・ ・ ・・ ・ 十凱) の

, vEW ;であり, とき , v=Oであることを示せばよい 。 このと き も

v=vげ..・ ・ ・ ・ 十V ; 1 + V ; + 1 + ・ ・・・ ・ 十Vs ( viEWi , J・ キi )

と書 ける 。 ところで, は

しか

W1+ W 叶 . . . . . .十 凱 に お け る vの書 き方として

O + ・ …・ ・ +O+v+O + ・ ・ ・ ・ ・ ・+O (i番目が vで,その他はすべて 0)

という書き方があり.書き方の 一意性から , これは

V 1十・ ・ ・ ・ ・ ・ 十V ;一1 +O+v; + 1十 ・・ ・ ・ ・ ・ 十い という 書 き 方 と 一 致 し な け れ ば な らない 。 よって, v=O ●

~

Vの部分空間 W 1,W2,・ ・ ・ ・ ・ ・ , 凱について, W 1+W叶 … … + 間 が 直 和 な ら,任意の r ~s に対 して ,

Wげ W叶 …...

+ w , .も直和であることを示せ。

*)例えば, 「r s ; ; s」は,「 TCSかつ Tキ S」 または 「T=S」が成り 立つ こと を強調して表したもの で 「r es」 と意味は同じ である 。

[ I ] ベクトル空間と部分空間

1 5 1



1次独立と 1次従属

前節で導入したような 抽象的なベクトル空間においてその要素(ベクトル)の 計算で重要なのは

1次結合の概念である 。ベクトル空間による抽象的な線形代数学

とは,ベクトルを 1次結合で書いたり. 1次結合を別の 1次結合に変換するといった .

1次結合に関する計算や理論 を扱う学間であるということもできる 。 この節では,ベ ク トルの 1次結合の概念を蔚入し,

1次独立性や 1次従屈 性や,ベク トルの 1次結合

による表現可能性の間題などについて述べる 。

~ 1 次結合 V をK 上 のベク トル空 間 とする 。 Vのいくつかのベク トル V1 . V2 , , …… , a几 EK によ って Vn E V と,スカラ ー G1, G2 釦

v1+a2v2+・ ・・ ・・• 十a心 n

の 形 に 書 き 表 せ る 式 を ベ ク トル V 1 . V2 , … …, Vnの 1次結合 という 。 ベク トル 空間におけるベク トルの計算とは, は ,

1次結合の計算である 。 次の定理

1次結合の計算の基本 を述べたものである。

四 戸

1次結合の計 算

V をK 上のペクトル空間とし , V 1 , V 2 , ・ ・ ・ ・ ・ ・ , v,,EV とする 。

( 1) 0 (零ベクトル)は V1 , V 2 ,・ ・・ ・ , Vnの 1次結合で表される 。 ( 2) V1 , V2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ , Vnの 1次 結 合 が

2つあるとき ,

, V2 , …… , Vnの 1次結合である 。 その和も V1 ( 3) V 1 , V 2 , ・ ・ ・ ・・ ・ , Vnの 1次 結 合 を 任 意 に ス カ ラ ー 倍 し た も の は , また V 1 , 功,・ ・ ・ ・ ・ ・ , Vnの

~@

1次結合である 。

( 1) O=Ovげ 如 +……+ 如

なので,

0は Vi, V 2 , . . . . . ., Vnの 1次結

合で表される 。 ( 2) x=a1V i+a2v叶..・ ・ ・・十釦 Vn と y=b1V1十妬 V叶....+b11V11 を 2

つの 1次結合とする 。ただし, a 1 ,a 2 . .. . . .,an,b i ,b 2.・ ・・ . ..bnEK である 。こ の と き x+y=(aげ b』vげ (a2十妬) V2十・ ・ ・ ・ ・ 十 (a11+b11)Vn であり, aげ bi , a叶 b 2 . """, an+b苫 K なので, x+y も Vi . V2 , """ , Vnの 1次結合である 。

1 5 2

第 5章 ベ ク ト ル 空 間

( 3) x=a1v占 a2v2+・ …・ ・ + a , , v , ,および cEKについて

cx=ca1v+ca2v2十 ・・ ・ ・十c a , , v , ,

であり ,ca1 , c a 2 , . . . . . ., canE Kなので, ex も V i , V z , . . .. . ., Vn の 1次結合である 。 定埋 2 1か ら V 1 . V 2 , …… ,Vnの 1次結合の全体が Vの部分空間となって いる ことがわかり,次の系が成り立つ 。

国臣 VをK 上のベクトル空間とし ,V i ,V 2 , . . . . . ., VnEV とする 。 このとき , V i ,V 2 , …. .. ,Vnの 1次結合の全体 からなる Vの部分集合は , Vの部分空

間であ る 。



V i, V 2 ,・ ・・ ・ , ・ Vnの 1次結合の全休からなる Vの部分集合を W とする 。

1の ( 1 )から, OEW である 。 ま だ X, y E W なら. 定 理 2-1 定狸 2 の( 2)よ , り x+yEWである 。更に ,x E W と cEK に つ い て 定理

2 1の ( 3)より, cxEWである 。 よって, p .1 4 4 . 定義 1 2の条件 ( Sl )

-(S3)が満たされているので, W は Vの部分空間である 。 このような,

1次結合全体である部分空間は, 以下の議論でも重要な役割を果

たすので次のように名前と記号を定義しておこう 。 定義 2 -1 生成された部分空間 VをK 上のベクトル空間とし ,V i ,V 2 ,・ ・… ・, v,,EVとする 。 このとき , V i ,V 2 , ……, Vnの 1次結合の全体からなる Vの部分空間を 〈 V i ,V 2 , ……, Vn〉

と書 き,V i ,V 2 , …… ,Vnで生成さ れた部分空間 または V i ,V 2 , ・ ・ ・・ ・ ・ ・ Vnで張られた部分空間という 。 また , このとき ,ベクトルの組 a) { v i ,V 2 ,. .…,v』 は W を生成する , または W の生成系であるという 。

Vの部分空間 W が生成系をもつとき, W は 有限生成 であるという 。

~ vの Oでないベク

トル vについて, { v}が生成する 部分空間とは,

vの

aEK} である 。 スカラ ー倍全体 {avI a) 本米ならは. 「 ベクトルの染合 」 というべきであるが「ベクトル の組」とい ういい)]が一般的なの

で本内でもそのいい)jを採用する。

吃]

1次独立と 1次従屈

1 5 3

m n次元数ベク トル 空 間 K"のベク トル

● ・ .

e , ,を ,

次で定義す

0

る。

e i , ez.....

•. • olo: (i=l,2 , ・ ・・・, n )

( ← i番目)

e;=

•O すなわち, e ;とは,上から i番 目 の 成 分 だ け が 1で , 残 り は す べ て 0で あ る よ う な 列 ベク トル である 。 このようなベクトルを, K"の 基 本 ベ ク トル . または 単 位 ベ ク ト ル という 。

x { : H I H ゜ +{ 。 ]

K "の 任 意 の ベ ク ト ル x ='[a1 az . . an]EKn について

=a1e 1+a2e2 十・ ・・・・ • 十 Gnen

であるから, K n の 任 意 の ベ ク ト ル は e 1 , e 2 , ・ ・ ・ ・ ・ ・ , e , し の 1次 結 合 で 表 される 。 すなわち,基本ベク トル は

K"を生成する 。

K n =〈 e , ,e 2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ ,e , ,〉

特に, K"は有限生成なベク トル空間である 。

~

1 ] 1 とする 。

1 。 ] ,

v= [

( 1)

デデ

( 2)

w =[

{ v , w)は 町 を 生 成 す る ことを示せ。 { w)は 応 を 生 成 し な い ことを 示せ。

VをK上のベク トル空間とし, W をその部分空間とする 。 v , , V2, v,,EW な ら ば 〈 Vi , V2 ,・ ・・ ・ ,Vn〉 cwであることを示せ。 VをK 上のベクトル空間とし. V1 , V 2 , ・ …・ . ・ v, および W1, を Vのベクトルとする 。 このとき,次が成り立つことを示せ。 〈 V 1 , 功, ・ ・ ・ ・ ・ ・ ,Vn 〉 + 〈 W1, W2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ ,Wm〉

= 〈 V1, 功,

1 54

第 5章

・・ ・ ・ , Vn , W1,W2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ ,W m〉

ベクトル空間

W_ っ . . . . . , ' Wm

~1 次独立 VをK 上のベク トル 空間とする 。 Vのベクトル V i , V 2 , ・ ・ ・ ・ ・ ・ , Vnの 1次 結 合 によ って

a,vげ a四 2 十・ ・ ・ ・ 十a, ,v, ,=O

( * )

という形に 表 される関係式を , V 1 , Vz ,・ ・・ ・ ・, Vnの K 上の 1次関係.

または 1

次関係式 という 。 ただし,ここで a i . az ,・ ・ ・ ・ ・・ . anEKである 。

1次関係(*)は, a 1 , az ,. . . . . ..anがすべて 0に 等 し い な ら ば 自 明 に 成 立 する 。 このような 1次 関 係 を 自 明 な 1次関係といい , そうでない 1次関係を 非 1 , 自明な 1次関係という 。 すなわち,(*)が非自明な 1次 関 係 で あ る と は , a az , ……, anのうち,少なくともどれか 1つは 0でないということである 。

-2 1次独立・ 1次従属 定義 2

Vのベクトル V1 ,V z , ……, Vnが 非 自 明 な 1次関係をもたないとき , すな ・ ・ +anvn=O な ら ば 必 ず a1=a2=…… =an=O となる わち, a心 +azv叶 … ・

とき, { v 1,功,.. …', Vn}はK上 1次独立であるという 。

m ]

そうでないとき , すなわち , V i ,V z , ……, Vnの非自明な l次 関 係 が 存 在 す

vぃ功,... …, v , 』 は K上 l次従属であるという。 るとき, { ( 1)

1つ の ベ ク ト ル vだ け か ら な る 組 {v} は , vキ 0な ら ば, 1次 独 立

である 。 実際, av=Oで aキ 0な ら ば 両 辺 に a―1を掛けて v=O と なり ,矛盾である 。

( 2) 零ベク トル でない 2つのベク トルの組 { v , w}が 1次従屈であるた め の 必 要 十 分 条 件 は , そ れ ら が 平 行 で あること,すなわち. w=cv となるスカラー cEKが存在することである 。

巴 例

3(2)を証明せよ 。

叶+lポイント ! -・ -・ ---…… ・ ・------……・-----------・---…………………………… …… ベクトルの 1次独立性は次のように,部分空間の直和と関係がある 。 Vのベク ト i , V2 ,・ ・ ・・・・,v , ,について, 各 V;(i=l ,2 ,・ ・・・ . . 'n)が生成する Vの部分空間 ルV V ;〉を 考える 。このとき. 定J 吼1 -4( p .1 5 0)から,次がわかる :{ v , , v2 ,・・・・ ・ ・ ,v , ,} 〈

が 1次独立であるための必要十分条件は , vき, o(i=l ,2 ,. . .…, n )かつ〈 v ,〉 + 〈 V2 〉+…… + 〈v , ,〉が直和であること

p .1 8 7 .章未 問題 4参照 )。 である (

豆I 1次独立 と 1次従屈

1 55

□〉

( 1) 炉 の ベ ク ト ル の 組 『 ],「]}は .K上

1



せ。

1次独立であること を示

1 -2 ] } は. K上 1次従屈であることを 2'-4

( 2) 炉のベクトルの組{[ ] [

示せ。 . . .. . . . . . . . . . . . .. .. . . . . . .. . .. . .. . . . . . .. .. . . . . . . . . . . . .. . . .. . .. . . .. . . . . .. . . .. .. . . . .. .. . .. . . .. . .. . . . .. .. . . .. . . . . . . . . . .. . .

1 し ] . w=[~]

: : 鱈

( 1 ) v=

として

1次関 係 av+bw=O( a , bEK)

を考える 。

av+bw=a[~] +b[~] =[a:b] で あ る が こ れ が 零 ベ ク ト ル に 等 しいので

{a+b=O b=O となる 。 これを解いて, a=b=O となる 。 以上より. av+bw=Oならば a=b=Oである 。 のK上の 1次関係は自明なものしかない 。

すなわち

V. W

よって

{ v , w}はK上 1次独立である 。

[~J.

( 2) v=

w =[二 : ]とする 。

このとき

1

-2

0

]+ しー [4卜 [ 。 ]

2v+w =2

すなわち .2v+w=O という非自明な R上の 1次関係が存在する 。:

v , w}はK上 1次従属である 。 よって. { 次の町のベクトルの組が R上 l次独立であるか 1次従 I 属であるか判定せよ 。



( 1 ){[~], [~]}

( 2)

{[~1l'[~ ]}

( 3) {[~] . [~]. [~]}

数ベクトル空間 Knのベク トルの 1次 独 立 性 に つ い て は 次 の よ う な 判定法 がある 。

1 5 6

第 5l : 芥 ベクトル空間

匡 ヨ 臣回

数ベクトルの 1次独立性

, v { J

, , Vs ,・ ・ ・・ ・ ・ ,V ,について , 数ヘクトル空間 K"のヘクトル V

( i = l ,2 , ・・・・..' r ) として ,nXr行列



a , n

X

A



が On

+ 6

F で次ぅ



;;,



~v,x,+v虹,+···+v心r

次方程式三l:/~

v , ···v,]1~,

なを:: とご!, ' ':,

同り次

︶同 ト

•••

X 1

, + 6

ーク'

件ベー

1

ー*

n

II

X

,方 V 次 1

, '

件 条 数 分〇条 ゜ 矢分る 十 未+ぁ 要ま ー要で 必 、と の ︱1︱2 必 9 。の こ め xxx 一る つ た︳一め ぁも た る x でる を ぁ' と 解 しあ こな だで たる属明 ︵あ自 従

で ︶ “ 立 独

次ゞ lol



明 自

程解~式

=の が xr }AOr_vr



~方な~程 ,次 2 V2l

立がり ° い る和連解和立 え次の連 ',、 考 け、⑫

Ax~[v,

︱︱

•• •





r 2r ? . . . , al a a

222

J~l : : . :

v ,



. ... . .

2n al a a

A~ [ v ,

•••

よ 未知数 x ,知

X,

X 1 V 1十 幼 Vz 十・・ ・ ・ 十x 心 r =O

のことである 。ベクトルの組 { v i , Vz , ……,V r }が 1次独立であるた めの必要十分条件は,この 1次関係が自明なもの,すなわち,

x1=x2=…・・ ・=x , . =Oなるものに限ることである 。 こ れ は 同 次 連 立 l 次方程式 Ax=O,,の解が自明な解 x=Orのみであることに他ならない 。 2)は ( 1)のいい換え(対偶)である 。 よって, (1)が成り 立つ。 ( a) 本米ならば 「 K上

1次独立」というの が正確であるが. 「K上」 が明らかなときは. これを 省略す

, ; J様。 る。 「 K上 1次従属」なども 1 , :)0 , ,は. !{"の零ベクトルを表す 。 ②

1次独立と 1次従属

1 S7

こ こ で 第 2草の定理 3 3( p .6 9 )と

第 4常の定理 4 4( p .1 3 0 )から,ベク

トルの 1次独立性と行列の階数との問に.次のような関係があることがわかる 。

国戸 定理 2 2の状況で,次が同値である 。 ( a) { v 1 , V2, ・ ・ ・・・・, ( b)

Vr} は

1次独立

rankA=r

r=nならばこれらは更に次と同値である 。 ( c) A は正則 ( d)

det(A)キ O

特に. K"の基本ベク トル ( p .1 5 4 , 例 2)の組 { e 1 ,e 2 ,. . . . . .,e , , } は 1次独立 である 。 実際この場合, A =[e 1 e 2 .・ en]は 単位行列 Eに等しく .正則である 。



R'のヘク トルの組

t l

1 r ; 1 . r r~I1 1 か

R上 1次独立てある こ

とを示せ。

篤⑯

J l 叫~r: : ~I

v,~1;1 v,~1 v,~1~I 1

として

1 1

A~ [ v , v,

2



1

︱︱











oolo

︱︱

と る

01OO 1OOO

0 -1

1 を考える 。 A を l ! i約 階 段 化 す

よって , rankA=3な の で 系 2 2から { vぃ 功 , 叫 は R上 1次 独立である 。

1 5 8

第 5f , ' . [ ベクトル空間



示 を と

こ る あ

で 立 独





R

ヒ上



..'

ー﹄

-li-

l-

組組

のの ル

クク

ベベ

のの

RR



︱︱

..

a

値 の



き と る あ

で 屈



R



従 次

2 0ー

︱︱

ola

↓︸

︱︱





よ め



AV T

y=sinx と y=cosxを



︱︱

1ll

︱︱

1ー︳ o

lollo2

1-

デデ

~..~..

実数上の関 数全休のなす R上のベクトル空間

F(R) のベク トルとみなすとき { s i n x , cosx} は R上 1次独立である ことを 示せ。

硯⑮

si nx . cosxの R上の 1次関係

asinx+bcosx=O

を考える 。 ただし. a , bER で あ り , ま だ

(*)

この関係式は左辺が

定数関数 0に関数として等しいこと,すなわち,恒等的に 0である 7[

という意味である 。 x= ーを代入すると,

2

7[

s in —-= l.

2

7[

cos —- =O な

2

ので, a=Oがわ かる 。 また, x=Oを代入する と, 同様に b=Oが わかる 。すなわち. a=b=Oとなり,

1次関係は自明なものに限る 。{

ヂ9

よっ て { s i n x , cosx} は R上 1次独立である 。

'

関数 y=l, y=xおよび y=炉を, F(R)のベクトルとみなすとき {1 ,x ,炉}は R上 1次独立であることを示せ。

Vの ベ ク ト ル の 組 { v i , V2 ,・ ・ ・・ , Vr}が 1次独立であるとするとき,

v i ,V 2 , ……, V s}( s ; : ; ; ; r ) も 1次独立であることを示せ。 その部分媒合 {

園⑯

V i ,V 2 ,・ ・ ・・ ・ ・ . い の 1次関係

a1Vげ a2v2+.. . . .+asvs=O ( **)

が与えられたとする 。 このとき, V 1 , V2 ,. . . ..,Vrの 1次関係

a1v1+a心 2 + ・ ・・・・・十 a心 s+Ovs+I十・・・・・・十 Ov,.=0 が成り 立つ。 { V i,V 2 , .・ …, V r }が 1次独立な ので

a1=a2=・ ・ . .・ ・=a, . =O となる 。 これは V i,V 2 . … . . . . Vsの任意の 1次関係(**)が自明 であることを意味している 。

vぃ功,…… , 叫 も 1次独立である 。 霞 よって. {



1次独立と 1次従属

1 5 9

f f i

Vのベクトルの組 { v , ,V z ,・ ・ …, v , . } (r~2) が 1 次独立であるとする 。 この とき. { v 1―V z , vz-V3, ・ ・ ・ ・ ・ ,v , 1―v , .}も 1次独立である ことを示せ。

~1 次独立性と 1 次結合

VをK上のベク トル空間とし {vi, V2, …… , v , , } を Vのベクトルの組とする 。 Vのベクトル w が与えられたときに. これが V 1 , V 2 , . . . . .. , Vnの 1次結合で表 2 , …… , Vnによって生成される部分空間に属 される ということは W が V1. V V i ,V 2 , …… , v心ということである 。 すること w E〈

補題 2 -1 1次結合と 1次従属性 wが V 1 ,V 2, .. . . ., Vnの 1次結合で表される ,すなわち , w E〈 V i ,V 2 , .. . . .,Vn〉ならば, { v i ,V 2 , ...,V n , W) は 1次従属である 。

~@

wが V 1 , V 2 , . . .. . ., Vn の 1次結合 w=aiv叶 a2v叶 .. … +anVn で表 1 , V 2 , ……, V n . W の 1次関係 されるとする 。 このとき, V a1v1+a心 2十・ ・ ・ ・ ・ ・ 十 anv,,-w=O

が導かれるが,ここで w の 係 数 は 一 1( キ0 )なので,この 1次関係は 2 ,. . . . . .,V n , W }は 1次従属である 。 非 自明である 。 よって, {vぃ V

例 2で 見 た よ う に 応 の 任 意 の ベ ク ト ル v =1 [a 1 a2 . . . an]は.

三:虫~:□: よこ[い~= 。合一般に v~ r ::

~a,e,+a心+

十 a.e.のように単位ヘクトルの

1次結合の形に古ける 。

a,~:

三三□:/るち:

四臣

1次独立性と 1次結合

K上のベクトル空間 Vのベクトルの組 {vぃ Vz, ・・ ・ ・・ ・ ,Vn} が, 1次独立 i , V z , …… , Vnの 1次結合で書 ける であるとし , Vのベクトル w が, V i , V z , ・ ・ ・ ・・ ・ , Vnの 1次結合で書く書き方は l とする 。 このとき, w を V

通りである 。すなわち ,w が V i , V z , ・ ・ ・・ ・ ・ , Vnの 1次結合に w =a 1V1+a2V2+・ ・・ ・・・+anVn= b1Vi 十妬 Vz十・ ・・・ ・ 十bnVn

(*)

のように ,(見かけ上) 2通りに 書 けたとすると , その係数はすべて一致 する 。すなわち

1 6 0

第 5章 ベ ク ト ル 空 間

a 1=bi, a2=b2, …… ,an=b , ,

〇R

(*)のように . wが V 1 ,・ v2 , ・ ・ ・ ・ ・・ , Vnの 1次結合の形に. 2通りに書 けたとしよう 。 このとき

a1Vげ azv叶...… +anvn=b1vげ 妬 V叶..… ・ + b , , v , ,

を変形して. 1次関係

(a1-b1)vげ ( a z一妬) Vz+ …… +( a n―加) v, , =O

が尊かれる 。 { v i , Vz , …… ,Vn} は 1次独立なので a1-b1=0. a2-b2=0 . ・ ・ ・ ・ ・ ・ .a , ,―加 =O

とな る。 ●

~

K上のベクトル空間 Vのベクトルの組 { v , , V2 , ……,v , . } について,次を示 -3の逆) :Vのベクトルが V, i V2 . . . . . . .,V 1 1の 1次結合で表され せ。( 定則 2

るならその表現は一意的であるとする 。 このとき. { vぃ V2 ,. ...,Vn }は 1 次独立である 。

ベク トルは 1次独立 なベクトルの 1次結合で書 けることの判定に ついて,休上 の線形代数においては,次の定理が本質 的である 。

匡 戸

1次結合による表現可能性

K上 のベ クトル空間 Vの ベ クトルの組 { v 1 , Vz ,……, vサ が, 1次独 立 であるとし , w を Vのベ クトルとする 。 ( 1) { v r , V2 ,・ ・ ・・ ・ ・ , Vn , w} が

1次 従 属 な ら ば, w は V 1 , V2 , ·· ·• ··, Vn

の 1次結合で表せる ( す なわ ち, w E〈 V1 , V2 ,・ ・・ ・ , V心) 。 ( 2) w が V i ,V 2 , ・ …・ ・ ,v , .の 1次結合で表せ ないなら ,

{ vぃ妬,......,V n , W}は 1次独立で ある 。



( 2)は ( 1)の対偶である 。 よって, ( 1)のみを示せばよい 。 { v 1 , V2 ,. . . . . .,Vn , W}が 1次従属とすると.非 自明な 1次関係



a1v1+a2v叶 … … 十 anvn+bw=O ( a 1 ,a 2 ,. . . . . .,a n , b K)

(**)

が存在する 。 ここで, a 1 ,a 2 , """, a n , bの中には 0でないものが, 1 ,a 2 , 少なくとも 1つは存在する 。 もし, b=Oであるとすると. a . . . . . . . anの中に 0でないものが少なくとも 1つ存在するので.非自明

な 1次関係 a1v1+a心 2十・・・十 anvn=Oが成立することになり. { v 1 , V2 ,……,v』 が 1次独 立 であることに反する 。 よって, b = I =〇で

ある 。 したがって(**)から ,

W

はV 1 , V2 , ……, Vnの 1次結合

― 舟V 戸『訪ー ーT V "

w=

で表される 。 ・ 閉

1次独立と 1次従属

1 61



基底と次元

ベク トルの 1次結合による表現の問題は自然に「基底」の概念を甜く 。枯底によ っ て ベ ク ト ル 空 間 の 任 窓 の ベ ク ト ル は そ の 1次結合の形に 一意的に内くことが できる 。そのため,基底の概念は各ベクトルの完全な記述を可能にする基礎を与えて いるといえる 。ベクトル空間が基底をもつとき甚底に)萬するベクトルの個数は各 I f ] の「大きさ」を表す直製な益で ベク トル空 間に対して 一意的に決まり .ベク トル 空 [

ある 。 これをベクトル空間の次元という 。 この節では最初に基底の概念を i 尊 入 し そ の 存 在 と 個 数 の 一f j :性を示すための 2 つの原理延長原理と差し替え原理について述べる 。 こ れ ら の 原 理 ば 抽 象 的 で は あ るが極めて具体的なアルゴリズム(手順)として理解することができるという点が 煎要である 。 そのため,この節ではそのアルゴリズムとしての側而を巫視してさ まざまな定理の証明を与えていくことにする 。

⑥ 基底 この節で最も重要な概念は,次に定義する基底の概念である 。 定義 3 1 基底

Vを K上 の ベ ク ト ル 空 間 と し , V 1 , V2 , "".,Vnを Vの ベ ク ト ル と す る 。 次 v i ,v 2 ,. . . . . . .v , , } は Vの の 2つ の 条 件 が 満 た さ れ る と き . ベ ク ト ル の 組 { きてい

(K上 の ) 基 底 で あ る と い う 。

( B l ) { v 1 ,v 2 , … …, Vn}は Vを生成する 。すなわち ,V=〈 V i ,V 2 , ……, V n〉 ( B 2 ) { v1 , V2 ,… … , v』 は 1次 独 立 で あ る 。 条件 ( B l )は

Vの す べ て の ベ ク トル が V 1 ,V 2 , .. . . .,V nの 1次 結 合 で 書 け

るということであり条件 ( B 2 )は そ の 書 き 方 が 1通 り (- 意的)であること

p.1 6 0. 定 f l j !2-3参照) 。 す な わ ち . { v i ,V 2 , …...v , , }が Vの を意味している (

g

基底であるとは,

Vの す べ て の ベ ク トルが, V i,V 2 , ....V nの 1次 結 合 の 形

に , 一 意的に書ける,

ということである 。

n次 元 数 ベ ク ト ル 空 間 K"の ベ ク ト ル 基 本 ベ ク ト ル e ,.e 2 , ....e , ,を p .1 5 1 )で 1 附か め た よ うに, 考えよう 。 2例 2(

{ e, €2, . . . . . .,e n}は Kn

を生成する 。 また, 系 2 -2( j ).1 5 8 )の後 に述べたように,

{ e1 ,e 2,・ ・ ・ ・ ・. 'en}は 1次 独 立 で あ る 。 よ っ て { e , ,e 2 , ・・・・・ . 'en} は Knの基底である 。 こ れ を 数 ベ ク トル空間 K , ,の 標 準 基 底 という 。

1 6 2

第 5序 ペ ク ト ル 空 間

一般のベク トル 空 間 に お け る 基 底 の 存 在 に つ い て は 次 の 定 理 が あ る 。 (以下 に述べる定理や系の証明は,後でまとめて行う 。)

匡口 匝〗 基底の存在 有限生成 a ベクトル空間は基底をもつ 。

一般に,ベクトル空間 Vの基底は,存在するならば 1迎りではなく,多くのと

V

り方がある 。 しかし,次の定理が示すように基底をなすベクトルの個数は, に対して 一意的である 。



臣国 基底に属するベクトルの個数の一意性

VをK上の有限生成ベクトル空間とし , Vが 2通 りの基底 加,

V2, ・ ・ ・ ・ ・ ・ , V』 , {w1, W2,

…… ,

Wm} をもつとす る。 このと

き ,

n=niである 。 すなわち ,基底をなす ベ クトルの個数 は, Vに対して一意 的である 。

各 Vに 対 し て 基 底 を な す ベ ク トルの個数が,甚底のとり方によらず一定であ ることから , その個数は Vだけから決まる,重要な醤であることがわかる 。

2 次元 定義 3 VをK上の有限生成ベクトル空間とする 。 Vの基底をなすベクトルの個 数 を

d im V と書 き, Vの K上 の 次 元 と い う 。 m は di mensi onの略でディメンションと読む。 注意 di

~

n次元数ベク トル 空 間 知 は 標 準 基 底 { e , ,e 2 ,. . . . . .,e , , }( 例 1)をもち, , dimK"=nである 。 それをなすベクトルの個数は n個である 。 よって すなわち,

n次元数ベクトル空間はその名前の通り,

n次元のベク ト

ル空間である 。

a)

実は 「 有限生成」 という仮定は必要ないのであるがこれを論じ るた め に は 基 底 と い う 概 念 の 手 直しの他に無限狛合に関する抽象的な取り扱いが必要となる 。 そのため.本間では議論しない。 ただし

l , k子力学などでは無限次元のベクトル窄間を扱う必要もあるため. この種の問題は完全に

無視できるものではないことを注意しておきたい。



基底と次元

1 6 3

叶+1ポイント I …………… …………… ……… …………………… . . .. . . . .. . . ..... . . . . . . . . . . . 次元の概念は.係数体 Kに依存している 。例 えば,複素数体 Cを考えよう 。これは.

C上の 1次元数ベク トル空間 C とみなすことがで き る が そ の 場 合, もちろん C 上の次元は 1である 。 しかし,これを複素数の和と 実数倍によ っ て 実 数 R上のベ ク トル空間と みなすと .例えば { l,i}(iは虚数単位)がその基底になる ゆ.1 8 7 . 収」~I 廿J 題 5 参 照) ので

R上の次元は 2である 。

一般に. C上の n次元ベク トル 空間は.スカラーを 実数に 制限して R上のベクトル 空間とみなしたときその次元は Znである 。

⑥ 延長原理 ま ず こ の 瑣 で は , 基 底 の 存 在 定 理 (定狸 3 -1 )の証明をしよう 。証明の本質 は,次に述べる「延長原理」という,非常に簡単な原理にある 。 補題 3 1 延長原理

VをK上のベクトル空間とし , {v1,

V2, . . . .. ., Vけ

1次独立な組とする 。 このとき , もし 〈 V1, らば(すなわち , Vキ

V2,

ない. Vの 任 意 の ベ ク ト ル

を Vのベクトルからなる ,

Vi, V2 , ・ ・ ・ ・ ・・ , V1 ,が

…… ,V1,〉ならば) , 〈 V1,

Vk+I

をとると , {v1,

V2 ,

Vを生成しない な

V2, ・ ・・ ・・ , V心

……,

に属さ

Vk, Vk+I} はまた

1次独立である 。



VH 1



V1, V2 , ・ ・ ・・ ・ ・ , Vk の

1次結 合で表せないので, j ) .1 6 1 . 定理

2-4( 2)より , {v1, V2, …… ,Vk, Vk+I} は 1次独立である 。

この補題(延長原理)を用いればベクトル空間 Vの基底は.次のように具体 的なアルゴリズムで構成できる 。 基底構成のアルゴリズム

[ O J 最初に B={ }(空集合)としておく 。 [ 1] Bのベクトルで生成される Vの部分空間〈B〉 が Vに等 しいならば ( I)

Bを出力して終了する 。

[ 2 ] さ も な け れ ば 〈B〉に属さない Vの ベ ク ト ル を 任 意 に と っ て Bに加 え ,

[ 1]に戻 る ( 2例 3( 1 ) . p.155および延長原理(補題 3 1)から , Bは

1次独立である)。

a)

1 6 4

Bが空集合のときは〈 B〉 ={O}(零ベク トルだけからなるベクトル空間)とする 。

I 第 5印

ベク トル 空間

このアルゴリズムでは,〈B〉 ~v り である限り,

[ l ]に戻って [ 2 ]を繰り返す 。

これを繰り返して〈B〉= Vとなれば終了し . そこで出力された B={v1, Vz ,… ...,V叶 が Vの基底となる I ) 。 図 1でその様子を示 した 。

Vキ { O } ならば, V1キ 0であるベクトル Vi を とり, B={叫 と す れ ば Bは 1次独立であり,

V

w , W2

.

•Vg



Vn

o ・ I 1 . : W1

部分空間 W1=〈 B〉を生成する( 屈11の直線) 。

,_ v 2

W汽 V な ら , 飢 の 外 に あ る Vのペク トル Vzを 任意に とって , これを Bに付け加える 。延長原理

図 I 基底の構成

より Bは 1次独立 で 部分空間凱=〈B〉を生成 する 。 W戸 V なら. Wzの外にある Vのベクトル V3を任意にと って. これを B

B〉を生成する 。 に付け加える 。延長原理より Bは 1次独立で, 部分空間 W3=〈 これを繰り返して, Bが Vを生成するまで続ければ ベク トル の組 Bは 1次独立 であり, かつ Vを生成するので,

Vの碁底となる 。基本 的 には, 基底の 構成は こ

のようにしてなされ, それによ って基底の 存在が証明 される 。 しかし, この議論 には,

1つ大きな 問題点がある 。それは, この 手順が有限回の繰り返しで必ず終

了するとは限らない ことにある 。

1( p.1 6 3 )の Vに対する仮定「有限生成 」は, このためにある 。具体的 定理 3 Vの生成系

, には. 上の「基底構成アルゴ リズム」を少 し改良し て G={v1, V2 ,. . . . . .,Vr}を入力とし,

そこからいくつかのベクトルを選んで, 基

底 Bを構成するというものにする 。つまり , 次の定理を証明する 。

匡 ヨ 臣国 基底の存在(改良版)

VをK上の有限生成ベクトル空間とし, Vのベクトル V i , Vz , ……, Vr が Vを生成するとする 。 このとき ,生成系 { v i ,V 2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ , Vr}の中から, ;,V位, ベクトルをいくつか選び出して, {V1

・ ・ ・・ ・ ・,



V

( 1 ~i1 く胚店)の中で,



ってしまって矛盾

iが最 小 のものをとり.こ

V ; , を加 え,これを改めて Bとする 。延長原理(袖

-1 )から, Bは 1次独立である 。 V=〈 B〉ならば Bは Vの基底を与 題3 える(ここで証 明は終了する) 。 以 上 を 繰 り 返 す。その Kステップ目 (k=l ,2 , ・・・・・・)は.次の通りである 。

[ k ] Vキ 〈B〉ならば i k番目より以降の v ,の中で,〈B〉に屈さないものが

,( i =l ,2 , ……,r )が 存在する 71 (さもないと.すべての v V;I'V位 ・ ・・ ・・ , V心に属してしまうので, V=〈 V1, V2 , 〈 9

となってしまって矛盾である) 。〈 B〉に属さない 最小のものを と り.これ を

V ; , , + 1

とする 。 Bに

. . . . . ., Vr〉 = 〈B〉

V; ( i > i 玉)の中で,

V ; , , + 1

iが

を加え,これを改め

-1 )から, Bは 1次独立である 。 V=〈 B〉な て B とする。延長原理(補俎 3 らば Bは Vの基底を与える(ここで証明は終了する) 。 仮定から. Vは

Vt. V2........ Vr で生成されるので以上の手続きは,

5) 空狛合が Vの基底となる 。

6)i 五のとり方から.互番目までの

V; は.すべて〈 B〉に屈している

ことに注意。

7)松のとり方から . i .番目までの

V; は.すべて〈 B〉に属している

ことに注烈。

1 6 6

釘~5f位

ベク トル空間

何回目かのステップで終了し,そのとき得られていた B={v;,, v位'......,Vり ,}が Vの基底を与える 。

3の証明が出力として出してくる基底は,次の 定即 3 ように簡潔に述べることもできる 。 与えられた Vの生成系 { v 1 ,V 2 , …. . .,v , . } の各番号

i=l, 2 , ・・・・・・ , rにつしヽて • V 1 , V 2 ,

・ ・ ・・ ・ ・ ,

v , 1で生成される部分空間の中に. ー

V; が属さない

と い う 条 件 が 満 た さ れ る と き 番 号 iを 主 番 号 と 呼 ぶ ことにする 。 ただし.最初の主番号とは 'V;=¥=〇である 最小の iのことである 。 すなわち.主番号とはそれ以前の番号のベクトルが 生成する部分空間から最初に飛び出すベクトルの番号の ことである 。



町 の ベ ク トル の組

{[~], [~], [~], [~], [~], [~], [ 『 } ] を考え.左から 1番目' 2番目と番号を付ける 。 こ の と き 主 番 号 は ' 3と 6である 。

Vの生成系 { v i ,V z , ……, Vr} に対して,その主番号を小さい順に i i .i 2,"".,i n とするとき, {v;" V ;2 ,. . . ..,V i』 が 定耶 3 3の証明のアルゴリズムが出力し てくる Vの基底である 。

f f i

以下の生成系 Gから. 定刑 3 3の証明のアルゴリズムを用いて応の粘底を

梢成せよ 。

化 =[~], vz=[~], V3=。 [3],V4=[ ~ ] ,Vs=[ ~]}

G=

与えられた生成系から基底を取り出す手順(定理 3 3の証明のアルゴリズム) の応用については,少し後の「次元の計算」の項 ( p .1 7 4 )でも詳しく辿べる 。 図

基底と次元

1 6 7

⑥ 差し替え原理 次 に 基 底 に 属 す る ベ ク トルの個数の 一意性( 応即 3 -2,/ J.1 6 3)の証明をし よ う。 この 定 理 は 次 に 述べ る「差 し替え原理」という原理を用い て証明 される 。

2 差し替え原理 補題 3

VをK上のベクトル空間とする 。 Vのベクトルの組 {w1, W z , ・ … ・・ ,W n』 が, それぞれ

{v1, Vz , ・ … ・・ ,V』 と

1次独立であり , かつそれらが生成する V

の部分空間が一致するとする 。すなわち V1, Vz, 〈

このとき ,Vi, の中の

Vz,

・ ・ ・ ・ ・ ・ , Vn〉 = 〈W 1 , Wz, ・ ・・ ・ ・ ・ , W m〉

……,

v, , の任意の

1つ

V;に対して , W1, W z , ・ ・・ ・ ・, Wm

W Jが存在して ,次が成り立つ 。

( a) V; を W J に差し替えた {v,,

…… ,V;-1, W J, V;+1, …・ ・ ・ ,V』 も 1次独立

である 。 ( b) V; を WJ に差し替えた {v,, ……,V;-1, W J , V; +1 , ・ ・ ・ ・・ ・ , V』 も, {v,, v2,・ ・・ ・ ・・ , v , ,} や { w, , W2, ・ ・ ・ ・・ ・ , Wm} V1, 功 , 〈

・ ・ ・ ・ ・ ・ , Vn〉 = 〈W 1 , W2, ・ ・・ ・ ・ , W m〉 V1, =〈

€t@

と同じ部分空間を生成する 。

W= 〈 v ぃ功 , •••…,

・ ・ ・ ・ ・・ , V;-1 , Wj, V;+1 , ・ ・ ・ ・ ・・ , Vn〉

Vn〉 = 〈W 1 , W2, ・ ・ ・・ ・ ・, W m〉とする 。必 要 な ら ば 添

,として 字を 適当に入れ替えて,差し替える v

V1 を考える(すなわち,

i=lとしても 一般性を失わない) 。以下.いくつかの段階に分けて証明 する 。 第 1段 階

U=〈V2, V3, …… ,v心 と す る 。 ucwで あ る が Uは W

より 真 に小さな 実 際,

V の部分空 間 である 。 すなわち,

U=W とする と •

補辿 2 -1より.

これ は

V厚

u~w である 。

U=〈 V2, V3, ・ ・ ・ ・ ・ ・, Vn〉である 。 しかし ,

{v1 , V2, ・ ・ ・ ・ ・・ , V叶

が 1次従屈である こ とを意

味し , これが 1次独立である と仮定したことに反する 。 よって, 第 2 段階

Uは W よ り真に 小 さい 。 U~W = 〈 W1, W 2, ……, w,,し〉なので,

W1 , W2, . . .. . .. W m

の 中 で 少 な く と も 1つは Uに属さない(すべて属すなら. W1, 〈

W2, . .. .. ., W叫〉 ~u となり ,

, って しまう) 。必要なら . W 1

U= 〈 W1, W 2, ……,W m〉 =W とな

W2 , . . . .. ., W m

の添字を入れ替えて,

w底 U としてよい 。 6 1 . 定則 2 -4( 2)より. このとき, p,1 である 。 1 6 8 第 51 ; 1 ベクトル空間

{w1, V2, . .. . . ., v, ,} は

1次独立

第 3段 階 Vz,V3,・ ・ ・ ・ ・ ・ , V戸〈 vり 応 , . . . . . .,Vn〉= W かつ W1E〈 W1, Wz , .. . . .,Wm〉= Wなので,次 が成り 立つ 。

〈 W1, Vz ,. . . . . .,Vn 〉cw

(t)

ところで, W1EW=〈 V i ,V z ,・ . .. . .,Vn〉なので, {w1, Vi,Vz , …… ,Vn} は 1次従属である 。 {w1, Vz , ……, v , , } は 1次 1 , Vz , ……, Vn}は 1次従 独 立であり,それに Vi を付け加えた {wぃ V

属 な の で 定 則 2-4( 1)より , Vi は W1, Vz , . . . . . ., Vn の 1次 結 合 で 表 せる ,すなわち V1E〈 W1,功,... . . .,Vn〉

である 。 よ っ て す べ て の V i( i = l ,2 , ……, n )が 〈 W1, Vz ,...,V心 に 属 す る の で W =〈 vぃ 功 , ・ ・ ・ ・ . .,Vn〉C 〈 W1, V 2 ,・ ・・ ・ ・ ,Vn〉

( : j : )

(t)と(中)から, W =〈W1, Vz,.…・, Vn〉となる 。 すなわち V 1 ,V z , .・ ・・・ ,Vn〉=〈 W1, V z ,・ ・ ・ ・ . .,Vn )= 〈 W1,Wz, . . . .. .,W m〉 〈

以上で,補題が証明された 。 差し替え原 理 を用いると, 定理 3 2は次のように証明される 。 j3 - 2 の ~© 定且!

ベク トル 空間 Vが 2通りの基底 { v i ,功 , ・ ・ ・ ・ ・ ・ , Vn} , {w1, Wz, ・ ・ ・ ・ ・・ , w, ,}

をもつとする 。 必要な らば

前者と後者を入れ替えて ,

n~m としてもよい 。

差 し替え原理 ( 補題 3 2)か ら , Viを何らかの Wi 1 に差 し替えて , { w i 1 ,柘 , ・ ・ ・ ・ ・ ・ , 叫 が基底である ようにできる 。 更に, Vz を何らかの w拉

に差 し替えて. {w, ; 1 , w拉 9 ぃ , ・ ・・ ・・ ・ ,V』 が 基 底 で あ る よ う に で き る 。 これを繰り返して ,すべての v,( i=l,2,…… ,n ) を差し替えれば

(*)

{W J i > WJ , ,・ ・ ・ ・ ・ . ' w,n}

という形の 基底が得られる 。 もし, n WJ , , .. . . .,WJ , ,〉なので,

補題 2 -1( } J .1 6 0 )より ,

1次従属である 。 しかし ,

{ w J i > w拉,

. . . .. .,

w1 , , , w Jは

{w11'w 拉,

. . . .. .,

w1 , , , w;} は {w1, Wz , … …, w, ,}の部分集合なので,

1

次独 立でな ければならない ( j J .1 5 9 . ② 例遁 4参照) 。 これ は矛盾である 。 よって, n=1nでなければならない 。 図

基底と次元

1 6 9

④ 次元の性質 有限の次元をもつ(すなわち,有限個のベク トルか らなる基底をもつ)ベク ト

3( p .1 6 5 ) より.有限生成(す ル空 間 を 有 限 次 元 ベ ク ト ル 空 間 と い う 。定理 3 なわち.有限個のベク トル で生成される)ベク トル空間は 基底をもつので.有 限 次元である 。 よって.ベクトル 空 間が有限次元であることと.有限生成であるこ

p.1 6 4 )や,その改良版(定雌 3 3の とは同値である 。基底構成のアルゴリズム ( 証明)を使うと.基底や次元の性質について .更に細やかな事実を証明すること ができる 。 四口臣月

基底の延長

Vを K 上の有限次元ベクトル空間とし, W を そ の 部 分 空 間 と す る 。 { v , , V2 , ……, v』 が W の基底であるとき,これにいくつかの Vのベク + t ,V k + 2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ , Vn を追加して { v i , V2 ,. . . . .. ,Vh , Vh + t ,・ ・・ ・・ ・ ,V , ,} トル Vk

を Vの基底にすることができる 。



Vの生 成系 { w 1 , Wz ,・ ・・ ・ ・ ・ , Wn}を 1つと , り これと 与えられた { v1 , Vz ,. . . . . .,vけを合わせて G={v1, 功,

・ ・ ・ ・・・,

V k , W1,Wz ,・ ・ ・ ・ ・ ・ , w, ,}

を考える 。 これも Vの生成系である 。そ こ で こ の Cを入力として 定 則3 -3の証 明の アルゴ リズムを実行する。こうすると,最初の [ k-1 ]

ステップ までで. B={v1, Vz , ……, vけ が得られる 。(あるいは最初 ,…… ,vけ と し て し ま っ て ,手順の [ / 2 ]ステップ目 から B={v1, Vz

からスタ ートして もよい 。)よって, Bのベクトルを最初の K個に含ん だ , 匡曰臣国

Vの基底が最終的に出力される 。 次元の特徴付け

VをK上の有限次元ベクトル空間とし,その次元を nとする 。 ( 1) Vのベクトルの組 {w1 , W2 ,……, W』が 1 次独立ならば , n~m で

ある 。すなわち , Vの次元は,

1次独立な Vのベクトルの個数の最大値

である 。 ( 2) Vのベクトルの組 {w1 , W2 ,・ ・ ・・ ・ , Wm}が Vを生成するならば, n~m である 。 すなわち,

最小値である 。

1 7 0 第 5卒 ベク トル空間

Vの次元は , Vの生成系のベクトルの個数の

〇⑤

( 1) { w 1 ,W 2 , ……, Wm}が 1次独立であるから,

これは部分空間

W =〈 W 1 ,W 2 ,. . . . . .,Wm〉の基底を与える 。 定理 3 4より,これに Vのベクトルをいくつか追加して,

Vの基底に

することができる 。

Vの基底に属するベクトルの個数は nなので, m ; : : , ; nが成り立つ 。 ( 2) { w 1 ,W 2 ,. . . . . .,Wm}が Vを生成するので,

らいくつか取り出して,

定理 3 3より,そこか

Vの基底にする ことができる 。

; : : , ; mである 。 ・ よって,そのベクトルの個数は m 以下なので, n



系2 2, と 第 2窄定且t I2 2を用いて . Vが n次元数ベクトル空梢1V=K"の場

5I I )の別証明を与えよ 。 合に 定理 3

5から.基底と次元の性質に関していくつかの有用な結果を得ること 定坪 3 ができる 。

国臣 VをK上の有限次元ベクトル空間とし , その次元を nとする 。 { v i ,V 2 , …… ,Vn}を Vの n個のベクトルの組とする 。 このとき ,以下はすべて同値である 。 ( a) { v i,V z ,. . . . . .,v』 は 1次独立である。 ( b) { v 1 ,V z , ……, V1 1 }は Vを生成する 。 ( c) { v1 ,v 2 , …… ,Vn}は Vの基底である。



田⇒ ( b)を証明しよう 。 ・・ ・・ , 叫 を 1次独立とすると, 定 耶 3 -5( 1)より , そ の 個 数 { v i ,V 2 ,・

nは.既に 1次独立 なベクトルの最大個数を達成している 。 したがって,これ以上ベクトルを付け加えて. 1次独立にすることはで きない 。 もし , { v 1 , V2 ,.. . . .,V 1 1 }が生成する Vの部分空間が, Vより

1 .p .164)により, 真に 小さ いなら,延長原理(補題 3 { v i ,V 2 , ……,v , , }に更にベク トルを付け加え て ,

1次独立になってし

まう 。 よって, { v i ,V 2 ,. . . . . .,V』が生成する Vの部分空間は Vに一致する 。 すなわち, { v 1 ,V 2 ,. . . . . .,V』 は Vを生成する 。



基底と次元

1 7 1

次に, (b)= ⇒ ( c)を証明しよう 。

{ v , ,V z ,. .. . .,v . ,}は Vを生成するとする 。 . l ] !3 -3より, { v 1 , Vz , .. . . .,Vn}の中からいくつかのベク トルを選び 定f

出して. Vの 基 底 に す る こ と が で き る が 定理 3 5( 2)より,個数 nは

Vを生成できるベクトルの個数の最小値であるから,

Vの基底にするに

は { v 1 ,V z , …… ,Vn} の中のすべてを選び出さなければならない 。 よって, { v 1 , Vz ,. . . . .. ,v,}は既に Vの基底である 。 ( c) ⇒

( a)は,基底の定義から明らかである 。

以 上 で 題 意 が 証 明 さ れ た。

因戸 { v i ,功 , ・ ・・ ・ ,Vn}を K"の n個のベクトルの組とし , それを並べて得られ る n次正方行列を A =[V 1 V2 " ' v. ,]とする 。 このとき ,以下はすべて同値である 。 ( a) { v 1 , V2 ,. . . . . .,Vn}は 1次独立である 。 ( b) { v 1 ,V 2 , …… , 叫 は

K"を生成する 。

( c) { v 1 ,V 2 , ……, v. ,}は K"の基底である 。 ( d) A は正則である 。



条件 ( a) ,( b) ,( c)が同値であることは.既に 系 3 -1で示している 。

2( p .1 5 8 )より, ( a)と ( d)が同値である 。 系2 定且! j3 4( p.1 7 0)では,部分空間 W が有限次元である(基底をもつ)ことを仮 定した 。 実は次の定理が示すように有限次元ベクトル空間の部分空間は.また有限次 元である 。





部分空間の有限次元性

VをK上の有限次元ベクトル空間とし , W をその部分空間とする 。 このとき , W も有限次元ベクトル空間である 。

1 7 2

第 5翔 ベ ク ト ル 空 間

~® wについて. j).164の「基底構成のア ルゴリズ ム」を実行する 。 この手順が,何回か の繰り返しの後に 終 了 す れ ば よって 有限次元 であり,

W は基底をもち ,

この手順が終了することを 示そう 。

この手順では,繰り返 しの回 数 1回ごとに , Bに属するベク トル の個数 が 1個増え る。 ところで, Bは 1次独立な W のベク トル の組であるか ) .1 7 0 . 定J l j !3 5(l)から. ら, 1次独立な Vのベク トルの組でもあるが,j

Bに属する ベク トルの個数は ,dimV を超えることはでき ない。 よって ,上の手順はど こか で終了 しなければな らない 。 次元は,ベ ク トル空間の 「大きさ」を 測 る最である 。 よっ て 大 き い ベ ク トル 空間ほど,次元は大きくなる 。 このことを物語っているのが,次の定理である 。

四臣刀

次元の大小

VをK上の ベ クトル空間として , W,

U をその部分空間で u~w である

ものとする 。 また , W は有限 次元であるとする 。 このとき ,次 が成立す る。 ( 1) u も有限次元 であ り ,

d i m U~ dim

W

( 2) U = Wであ るための必要十分条件は , d imU =dimW であること

である 。

($@

( 1)

Uは有限次元ベクトル空間 W の部分空間なので, 定判!3 -6から,

Uも有限次元である 。 そこで, Uの基底 { v i , V2, …… ,

Vm}

(m=dimU) を考えると,これは W の 1次独立な ベク トルの組なの 5(l)より , dim U= m~dim W である 。 で , 定則 3 ( 2) U= Wな らば dimU=dimW であるのは自明である 。

逆に .dimU =dimW とする 。

4より. 定理 3

uの基底 {v1, V2, …… ,v』 を 延 長 し て .wの基底

を作ることができる 。

m W なので,この延長で付け加えられる W しかし. m=dimU=di のベク トルの個数は 0個である 。すなわち, { vぃ V2, ……, Vm} は既 に W の基底にもな っている 。 V1, V2, … …, よって, U =〈

Vm〉 =

Wである 。 ■



基底と次元

1 7 3

⑥ 次元の計算 VをK上のベクトル空間とし, { v i ,V z ,. . . . . .,Vr }を Vのベクトルの組とする 。 { v i , Vz , ……, V r }で生成される Vの部分空間を W とする 。 Wの次元を計算す の生成系 { v i , Vz ,……, vサ の 中 か るには, 図 2に示された手順によって . W ら 1次独立なベク トル の 組 を そ れ が W を生成 するようにとればよい 。 以下では,

Vが n次元数ベクトル空間 K"である場合に.この方法を具体的

に述べよう 。そのために次の補題を証明しておく 。

3 補題 3 PをKの要素を成分にもつ n次正則行列とする 。 ( l) Knのベクトル V i , Vz ,. . . . . .,Vrの, K上の 1次関係

a 1v1+a2 v叶・ ・ ・ ・ ・ ・十 a rvr =O ( a 1 ,a 2 , ・・・・・・ , a,-EK) が成り立つための必要十分条件は, P v 1 , Pvz , ---,Pv, .の, K上の 1次 関係

a1Pv1+a2Pv2十 ・ ・ ・ ・・ ・十 a , . P v r=O が成り立つことである 。 ( 2) { v i , V2 ,…… ,V r }が 1次独立であるための必要十分条件は,

{Pv1 , Pvz ,……, Pvr}が 1次独立であることである 。 ~~

( 1) a心 +a 心 + --+arvr =Oの両辺に, 左から Pを掛ければ

P(a1vげ az vけ … … 十 a心 r)=a1 Pvげ az Pv叶 --十 arPv r =O が得られる 。逆に ,a1Pvげ a2Pv 叶 + ar Pvr =Oの両辺に, 左か

+ -…・+ar v , . = Oが得られる 。 ら p-1 を掛ければ, G1Vげ a心 2 ( 2) { v i ,V z ,…・ ,V r }が 1次独立であるとす る。

a1 Pvげ a2 Pv2 十・ ・ ・ ・ ・ ・ 十a r Pvr =O を Pv, 1 Pv z .. Pvrの任 意の

1次関係とする 。 z v z + -十 a , . v , . = 0 となるが, 両辺に左から p-1 を掛けると G1Vげ a { V i , Vz ,. . . . . .,Vr }が 1次独立なので,a戸 az=・ ・ ・ ・ ・ ・ = ar =Oである 。 v 1 , Pvz . ……. Pvrの任意の 1次関係が自明であることを これは P P v 1 ,P v 2 , …… ,P v , .}は 1次独立である 。逆は 意味している の で {

Pの逆行列 p1を用 い て 同 様 に 示 さ れ る 。 この補題を踏まえて 実際に .ベクトルの組が生成する部分空間の基底を求め るための方法について考えよう 。 1 7 4

第 5序

ベクトル空間

R 'のヘク トル

, v ~r v,~ rj v,~r~: j v,~r ゜1 j

n i ’v , { j

~

ではカ

0~

――っ

p

OOO

—+

~

i

︱ . -

~



.

. ︱ ~

. ~ ~ ~

~ [ . ~ ~ ~ -



︱ -

~ ~

-





ー列 5 5 >4P 5│

A

2

2 + Vi

P ょ︱-_-、 れ l ︱︱

5

て っ

..

..

2

1OOO

123O

とがる

pb

5

-234



、W



ゞ カ ら と力、



の 汐 ら. 立合 . 、り斜



3 3



読次 が











1

゜、



-







. ・ ︱











.

~

、 ら

. -

i

あ a °で . つて

成次

5

35

の力

ヵ ーる

0

i

︱ . -

i

i

~

i

i





i

. . i i

~

~



"~



Vi5 る あ

5

}ょ

aJbJbJ は柘 . .,',.', ,

ょ{ぃ



~

. V 式 v c:; ;;:, : 係 . > ,. わ関りぃ;; ' ;;:,: , :

'VJ.5}

5=>

5 即さ遷 .成よ i Vl• 生の ~ で W ~

み独__これで

取立

'

3 る ;2;:,' カ 。 25 と +るあ o l o o れで+こる

oo1O

p



Pv

3



I



5

-――

P

て―― し

。 p

こり



味式 2

pv

行 則



立 独

をドーよ と ,.ー―こ}ー よ

p

1

︳ ︳ ︳ るあ→—ぃ れいで A

こ 。

あと

=るな次成



正刈→→とよ 次 Vl

簡こい i p5

勺っ 糸よ



t ィ ' 段てこ_

. . ..

]=

i1 2 3 P io o 1 O 5 o o l o ~ 5Vipこるげ l P3 0 0 0 ;;:, i- v . , i o 1 O O V I V= -O 1 O O -P ︱ 1 000 l o o o ,伊 ︱ , :.-;ooo ―――りー



︱-︸

1 23O



~ ~

-

. -

1 75

基底と次元



:

-

.

L :

W の基底を求めよ 。

'

(

2

OOO

︱鱈[

.. .

. .

Vl







••

叫 て生 成 さ れ る 町 の 部 分 空 間

Va, Va, Vぃ

を考える 。 加,

3

注意

生成系 { v 1 ,功 , V 3 ,Vぃ V s }から W の基底を取り出す方法は上のやり方だけ

1の代わりに V3をとって, { v 2 ,V 3 ,v . }も W に限るわけではない。例えば, V の基底になる。

v 1 , v2 ,. . . . . .,v . , }が生成する部分空間 W の基 一般に, Knのベクトルの組 { 底を生成系 { v 1 , 功,......,v . , }の中からベ ク トルを取り出して作 るには ,定 即3 -3( p.1 6 5)の証明の方法を用いるわけであるが,その際, 例題 lのように,

nXr行列

A =[ V 1 V2 ・ " V r] の簡約階段化を 考えると便利である 。 叉1 3のようであったとする 。すなわち, 行列 A の簡約階段化が.I

Pが存在して, PA=[Pv, Pvz c ,

Pv ,]が図 3の形になっているとする 。

C2

C3

c ,

aa2 a3

r r ー

ららら

lll

23 al a a

+++



r



・ ・ ・ ・ ・ ・. . . .・ ・ .. . . . . .. . . . . . .・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・

このとき階段の段が落ちる列の列ベクトル(主列ベク トル)

Pvc" Pvc ,・ ・ ・ ・ ・ ・ ,Pv 令 は 1次独立であるから

Vc pV e , ,・ ・ ・ ・ ・ , ・ Vc s は 1次独立である 。 また. 図 3の行列から

• Pvi=O( j < c 1 ) • Pvi(c1v V , , 1が得られることを示せ。

dx

1 9 6 第 6平 線 形写 像

: ・ ・ ! +1ポイント 1 ----------------. :一般に,線形写像 f:V--->Wは. Vの零ベクトル O vを. Wの零ベクトル Ow : : に写す。 すなわち

f(Ov)=Ow 実際. 定 : / i t1 2の条件 ( L 2 )において .a=Oとすればこの等式が祁かれる 。

p.1 9 4 . 定義 1 2の条件 ( L l )と ( L 2 ) ) は,次の 1つの条件 線形写像の条件 (

( L 3 ) と同値である 。 ( L 3 ) 任意の V 1 , VzEVおよび任意の a 1,a2EKについて J ( a 1V 1+azvz)=ai/(v1)+azJ(v 砂 実際 ( L l )と ( L 2 )から (Ll)

( L2 )

f(a1v1+a2 v砂 =J ( a 1vi)+J ( a z v z )= a i / ( v 1 )+ad(vz) と計算されるので ( L 3 )が尊かれる 。 また ( L 3 )において a戸 a2=l とすれば ( L l )が導かれ, a戸 a . a2=0. v戸 v とすれば ( L 2 )が埒かれる 。

条件 ( L 3 )において,ベク トルやスカラーの個数を 2個 よ り 多 く し て も 同様 に ( L l )と ( L 2 ) と同値になる 。 すなわち,

fが線形写像であるための条件は

( L 3 ) ' 任意の v 1 ,v 2 ,・ ・・ ・ ・ ,v , . EV お よ び 任 意 の a , ,a 2 , .. . . .,arEKにつ いて

J ( a 1v 1+a2v2十・・・・・・十 a , . v , . )=ad(v,)+ad(v2)+ …… +a,.J(v,.) が成り立つことであるとしてもよい 。 この最後の条件は,

Vのベクトルの V 1 , V2 ,・ ・ ・ ,V rの 1次結合が,同じ係数

( v 1 ) ,f ( v 2 ) ,・ ・ ・・ ・ ・ .f ( v r )に写されること をもつ J れば

もっと大まかないい方をす

fが 1次結合という式の形を保存することを表している 。

a : ,

条件 ( L 3 ) と条件 ( L 3 ) 'が同値であることを示せ。



線形写像

1 9 7

⑥ 線形写像の例 A を. Kの要素を成分にもつ mxn行列とする 。 12

nn

︱︱

aaa

22 12

... . . .

a a a...

ll

︱︱





i l J

2 a1 a a...

︱︱

a ︱︱



A

, m 2



2ー

I I



ー n

n次元数ベクトル空間 Knから, m 次元数ベクトル空間 Kmへ の 写 像

fA;Knー→ K " 'を , !A(v)=Avで定義する 。 A とは, すなわち,写像 I

n次の列ベク トル v='[Xi

Xz



Xn] に

行 列A

¥︶ =

︱︱

X n ︱︱

nX xnx n2 nm a1 a

+++

i ー

i



a



2 i

++: ・+

22

知功知

2 a1 a a

+ + +'



an

XixlXl

11

︱︱

2, a1 a

• •



. .





m

2



︱︱ ︱︱



Xixz

1222



. . . . .. ainazn:.amn . . . .

... .

a a a:.

11 12

︱︱

⋮” aaa

︱︱

︱︱

fA

Xixz:・Xn

︵\

を掛け算して得られる m 次の列ベク トル Avを対応させる写像である 。

こうして定義された I Aは,次の定理が示すように, K上の線形写像である 。

E国l 圧固

行列写像の線形性

写像 f A:K n +K " 'は, K上の線形写像である 。

~@

v , , V2EK"について ! A( v 1+v2)=A(vほ 叫 =Av1+Av 戸 f A (い+ん ( v 2 )

m

また, vEK"お よ び aEKについて

! A ( a v )=A(av)=aAv=afA( v )

以上より. 定 義 1 2の 条 件 ( L l )と ( L 2 )が 渦 た さ れ る の で, 写 像 f A は線形写像である 。

例題 1の線形写像



f:R2

2 -3 R2は A =[1 4 ]に よ る ハ に 等 し い 。

(じ ]) = [~ ~3 H : J = [ 2;;}; J =1( じ] )

実際, ! A

1 9 8

第 6章 線 形 写 像

デデ

練 ~lJ?

6の写像 fの中で線形写像になっているものについて.それが ! Aと等し

くなるような,

2次正方行列 A を求めよ 。

V . wをK上のベク トル 空 間 と し 写 像 f:V-----t W を 任 意 の vEVに対 して. f(v)=Owとなる 写像とする 。写像 fはK上の線形写像であることを示 せ。 錬習 1 0の写像 fのように,すべてのベクトルを零ベクトル 0に写す線形写像 れいし ゃぞう

を,零 写像 といい , し ば し ば 単 に 数 字 の Oで書かれる 。す な わ ち 零 写 像

0: V >W とは,すべての vEVに対して , O( v )=Oなるものとして定義され る線形写像である 。

⑥ 線形写像の合成 次 の 定 理 が 示 す よ う に 線 形 写 像 の 合 成 は ま た 線 形 写 像 で あ る 。 また ,線形 写像 fが逆写像



正国 ( 1)

1 1をもつなら f―1もまた線形写像である 。

合成と逆写像の線形性

V , W, U をK上のベクトル空間とし ,J:v-wと

g: w 一 U を線形写像とする 。 このとき , 合成 g 。 f:V —→ U もま た線形写像である 。 ( 2)

V ,

W を K 上のベクトル空間とし,

f が逆写像 f ― i:w —→

@)@

f:V —→ W を線形写像とする 。

V をもつなら ,f 1もまた線形写像である 。 ー

( 1 ) 合成写像 g。 fについて, p,1 9 4 ,i : ' .義 1-2の条件 (Ll) と (L2) を 確かめ る。 V 1 , V2EVについて ①

( g。 / )( v1 +vz )=g(/(v1+ v z ) )=g(/(v1)+f ( v 2 ) ) ②

= g ( / ( v 1 ) )+ g ( / ( v 2 ) )=( g。 !)( v 1 )+( g。 !)( v z ) ここで, 締 式 ① で は fについての条 件 ( L l ) を 等 式 ② では gにつ いての条件 ( L l )を用いている 。 また, vEVと aEKについて ①



( g。 !)( a v )=g(/(av))=g(a/(v))=ag(/(v))=a(g。 !)( v ) ここで 等 式 ① で は fについての条 件 ( L 2 )を

等 式 ② では gにつ

いての条 件 ( L 2 ) を用いている 。以上より,合成 写像 g・fについて 条件 (Ll) と (L2) が成り立つので, g•f は線形写像である 。

[ I ] 線形写像

1 9 9

( 2 ) 逆写像 1 1について, 定義 1 2の条件 ( L l )と ( L 2 ) を確かめる 。

W i , W戸 W について, v 1 = / 1 ( w 1 ) , v戸 r1(w2) とする 。 このと き,/(叫 =w1, J(vz)=wzである 。 fについての条件 ( L l ) より

J(vげ vz)=w凸 Wzであるが, これから vげ v戸 r1(wげ W z ) がわかる 。 よって

1-1(w1+w り=v1+v2=!―i ( u ) 元+!―1 ( w 2 ) また. w E Wと aEKについて v=r1(w) とする 。 このとき

J ( v )= wである 。 fについての条件 ( L 2 ) より J(av)=awであるが, これより av=!→(aw)かわかる 。

m

よって

r1(aw)=av=ar1(w)

以上より,逆写像 1 1について条件 ( L l )と ( L 2 )が成り立つので.

f―1 は線形写像である 。

m X n行列 Aによって決まる線形写像

! A:K " ,K " 'と ,

[ X m 行列 B

によって決まる線形写像丘 :K" ' ,知 を 考 え る 。 このとき,合成写像

fs 0! A:K " ,K1は,積 BAによ って決まる線形写像 f n Aに一致する 。 f s0 !A=f n A 実際, vE炉 に つ い て



Us0 !り(v)=ん( / . 4 ( v ) )=ん (Av)=BAv=! s A ( v )

応 か ら Rzへの R上の線形写像 fを

t ([ : ) ] = [ z ; ; } ;]

で定める 。 また,応から Rへの R上の線形写像 gを

g( [:])=u+v で定める 。 このとき ( gの ( に ] )を求めよ 。

2 0 0 第 6卒 線 形 写 像



A =[2 -3]とすると, f=fAである(例 3) 。 ま た 1X2行列 1 4 (行ベク トル )Bを B=[1 1 ]で定める と,g=んである 。実際

! s( [:J )=[l 1 ] [:J=u+v=g( [:J ) よって, g。 fは BとAの積 BA=[3 1 ] によって決まる線形写像 である 。すなわち

( g' ! )( [:] )=[ 3 1J [:]=3 x+ y

I I

巴 応 から 応 への線形写像 1( じ ]) = [ :~: ] を考える 。 ( I)

f=f Aとなる 2次正方行列 Aを求めよ 。

( 2 )g(「]) =½ [ u+v ]はfの逆写像である こと を示せ。 v -u+v ( 3) g=んとなる 2次正方行列 Bを求めよ 。また ,BはAの逆行列であること を示せ。

④ 同型写像 定理 1 1( p .1 9 4 ) よ り,線形写 像/: V > Wが逆写像をもつための 必要十 分条件は , fが全単射であることであり . このとき p ,1 9 9 . 定耶 1 3( 2 )よ , り 逆 写像

1 1は線形写像である 。

3 同型写像 定義 1 V,W をK上のベクトル空間とし ,f:V一→ W をK上の線形写像とする 。 fが全単射であるとき , fをK上の同型写像という 。線形写像 fが同型写像 であることを記号で

f:V二 W と書く 。 また , このとき ,ベクトル空間 Vとベクトル空間 W は K上 同 型 で あ る と い う。 Vと W が同型であることを記号で

v~w と書く 。

f:v - wが同型写像なら, 逆写像 f―l も同型写像である 。すなわち , f:Vニ ->Wならば, 1 1:wニ_.V である 。 工

線形写像

2 0 1

Rzの部分空間 W を次で定義する 。

『〉

W ={ [:] 2x-y=o} 1 2

また, 2Xl行列 A =[ ]によって決まる線形写像 !A:R>町 を考 える 。 ( 1) ハ の 値 域 は W に含まれることを示せ。

( 2)

;疇

/ Aは V=Rから Wへの同型写像であることを示せ。

( 1)

/ 4 . ( x )=[1]x=[x 2

で あ る が 任 意 の xER について

[ , : J E W

てある 。'::て,んの値域は

W

に含まれる 。

( 2 ) W の任意の要素は. xER によって' [X ]という形に 魯 ける 2x



列ベクトルであり.

f:V [X

これは

I パx)に等 しい 。 よって .

W は全射である 。 ま だ ん ( x )=f . 4( x ' )な ら ,

卜[ x ']であるから. x=x'がいえる 。 こ れ は 几 が 単 射 2 x '

2x

であることを示している 。以上より,几は全単射であり.よっ て同型写像である 。

同型写像 f:Vニ ->Wがあるとき,ベク トル空間 Vとベクトル空間 W は.ベ クトル空間として(構造上は) 〈 同じもの 〉 とみなすことができる 。すなわち. 個々のベクトルが具体的に 何 であるかということには関係のない,ベクトル空間 としての構造(和とスカラー倍の構造)だけに注目するならば写像 Iによって, 両者は完全に対応し ,ベクトル空間としては区別ができないということである 。 実際

fによって ,両者の要素(ベクトル)は 一対ー に完全に対応し,

しかも.

その和とスカラー倍の結果も保たれているのでベクトルの和とスカラー倍によ って表現される計算,すなわち 1次結合の計算は,すべて同じになる 。 第

5箪 では,「ベク トルとは何か」ということは線形代数学においては重要な

ことではなく.それら 全体のなす「ベクトル空間」という構造が重要である こと を強調した 。 これは個々のベクトルが具体的にどのようなものであるかという

2 0 2 第 6意 線 形写 像

ことにこだわらないという考え方である 。 そ し て . 同 型 の 考 え 方 は ま さ に こ の 考え方を体現 している 。 例 え ば 例 題 4で は 杞 の 中の. る直線

1次 元 の 数 ベ ク ト ル 空 間 Rと. 2次 元 数 ベ ク ト ル 空 間

y=2xで定義される部分空間 W(すなわち, J i/ 形的には原点を通

y=2x)が同型であることを示した 。 その個々の要素(ベクトル)に注目す

るならば

Vのベク トルは 実数であり . W の ベ ク ト ル は 2次 の 列 ベ ク ト ル で あ

るからそれらは具体的な「もの」としてはまったく異なったものである 。 . しかし .ベクトル空間としては Vも W も

どちらも 1次 元 の ベ ク ト ル 空 間 で

あり.その個々の要素の具体的な姿によらない.ベクトル空間の構造という観点 か ら 兄 れ ば 両 者 は 〈同じもの 〉 なのだということである 。

(

応の部分空間 w~j[ ~ I x+y+z~o) を考え 3X2 行列 A~ [ で決まる線形写像

i i l J

I A・応 ー→ 応を考える 。I Aは 応 か ら Wへの 同型写像を

与えることを示せ。

~

数列全体のなすベク トル空間 R'= { { a , , }ia,,ER}の部分空間 W を. 3項間漸 化式 a , ,+ 2 = a , , + 1+ a , ,を満たす数列全休

W={{a,,)I すべての自然数 nについて a , , + 2 = a , , + 1+ a , , )



として定義する 。f:w →杞 を / ( { a , ,})=い ]で定める 。f :w a 2

R2

は同型写像であることを示せ。

』 線形写像

203



線形写像の基本性質

前節では.ベクトル空 f l ¥ ]からベクトル空間への抽象的な写像として線形写像を導 人した 。そ し て そ の 具 体 的 な 例 と し て 数 ベ ク ト ル 空 間 の 間 の . 行 列 A によって決 ま る 写 像 ん を 考 察 し た 。 この節では .線形写像自体の基本性質について考察しよう 。 この節の考察からわかるように.概念としての線形写像は.行列と密接に関連して おり .行列に関す るさまざまな性質や概念の多くは .線形写像の'性質や概念が背景に ある 。実際行列の性質としてより.線形写像の t i : 質や概念として理解する方が. よ り本質的であることも多い 。 そして線形写像という背景を踏まえて行列を理解する ことで行列やその計符についてより本質的で見通しのよい視界を得ることができ る

⑥ 線形写像の決定 V . W をK上のベクトル空間とし,

Vの ベ ク ト ル の 組 { V i ,V z ,. . . . . .,V n }が

Vの 基 底 を 与 え て い る と す る 。 こ の と き K上 の 線 形 写 像

f:V->W

に対し

V nの fに よ る 像 に よ っ て . w のベクトルの組

て , V i ,V 2 .

{ / ( v 1 ) ,/ ( v z ) ,. . . . . .,/ ( v n ) } が決まる 。 逆に,

W の n個 の ベ ク ト ル の 組 が 与 え ら れ る と , 次 の よ う に , 線 形 写 像



f:V

W が た だ 1つ決まる 。

匡 臣〗

線形写像の決定

V , W を K上 の ベ ク ト ル 空 間 と し , { v 1 ,V2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ ,v , , )を Vの基底とする 。 , W2 , ……, W』 に対し こ の と き , W の 任 意 の n個 の ベ ク ト ル の 組 {w1 て,

K 上の線形写像 f:V —→

Wで

Wj=/ ( v i ) (}=1,

2 , ・・・・・ ・, n )

を 満 た す も の , す な わ ち , 各 Vj を 与 え ら れ た Wj に 写 す も の が , た だ l つだけ存在する 。

〇R

ぃくつかの段階に分けて証明する 。 第 1 段階

まず,写像 f : V —→

W は, 次 の よ う に 作 られる 。 Vの 任

意のベク トル vは 基 底 { v i , V2 ,. . . . . .,V n }の 1次 結 合

2 0 4

第 6芹t 線形写像

b 1 V 1十妬 V叶 .・ ・ 十加 V n 伽, 妬 , ・ ・ ・ ・ ・ ・ , bnEK) の形に,一意的に書くことができる 。 そ こで

J(v)=か w1+妬 W2十 ・ ・ ・ ・・ ・ 十bnWn とする 。 すなわち, V 1 , V2 ,. . . . . .,V nの 1次 結 合 を そ の 係 数 b 1 ,b 2 ,

. . . . . .,b nをそのままにして, W 1 ,W 2 , ……, Wnの 1次 結 合 に 写 す と いうことである 。 こうして,写像 f:V---->Wができる 。 第 2段 階 次に,こうして梢成された写像が線形写像であることを示す 。

そのため. } J .1 9 4 . 応義 1 2の条件 ( Ll)と ( L 2 )を確かめよう 。

( Ll) v , v'EVを V 1 , V2 , …… , V nの 1次結合 v=b1V1十妬 v叶......+bnVn ( b i ,妬 , ・ ・ ・ ・ . .,bnEK) b , , ' v n ( b i ' ,b z ' ,. . . . . .,b , , ' E K ) v'=b団 +b2'v叶.....+ の形に書く 。 このと き

v+v'=( b 1+ b i ' ) v 1+(か+加) v2+.. .. +(加十 b , , ' ) v n である 。 ま た , こ の と き 写 像 fの作 り 方 か ら

J(v)=b1悶 + 妬 w叶... . . .十 仇 Wn f(v')=b1如 + 加 W叶 … … 十 b n ' W n J(v+v')=( b 1+b i ' ) w 1+( b2+b 2 ' ) w 2 +.…・+(加十 bn ' ) w , , である 。 よって

f ( v )+J ( v ' )=( b 1W1+妬 W2十・ ・ ・ ・ ・ ・十加 W n) +( b i ' w 1+bz'w2十・・・・・・十 b n ' w n ) =(か十 b i ' ) w 1+(加十 b 2 ' ) w 2 + ・ ・ ・ ・ ・ ・ +(bn+b n ' ) w n

=f(v十り)

( L 2 ) vEVと aEKについて , vを V 1 ,V 2 ,・ …", V nの 1次結合 v=b 1 V 1十妬 v叶......十加 V n ( b 1 , 妬, ・ . . . . .,b nE K) の形に書く 。 このとき

av=ab1V1 +ab2V2+. . . . . .+abnVn

である 。 写像 fの作り方から

J(v)=か W1十妬 W2 十・ ・ ・ ・ ・ ・ 十 加 Wn !(av)=ab1W1+a加 W2+… … +a如 w , ,

である 。 よって

a f ( v )=a(b1w げ加 W2+ …•••十如 Wn) =ab1W1+ab2w2+…… +ab,,wn=J(av)

以上より,

fが線形写像であることが示された 。

第 3段 階 最 後 に , W1=f(vJ( j=l,2 , …… ,n)を 満 た す 線 形写像は, ただ 1つしか存在し ないことを証明しよう 。 そ の た め に たす線形写像が,

同じ 条 件 を 満

もう 1つあったとする 。 すなわち ,線 形 写 像



線形写像の基本性骰

205

g:V---->Wが Wj=g(vJ(j=l, 2 , ……,n )を満たすとする 。 このと Vの任意のベクトル vを基底 { v 1 , V2 , ……, Vn }の 1次結合

き ,

v=b1V1十妬 v叶・ ・ ・ ・ ・ ・ 十b n V 1 1( b 1 ,b 2 ,・ ・ ・ ・ . .,b,,EK)の形に杏くと g(v)=g(b1V1十妬 V 2十 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 十b ,,vn)=b1g(v1)+妬g ( v 2 )+.・ ・ ・・ 十b , , g ( v n ) =b1wげ妬 w叶·…••十加w,,=bd(v1)+ 妬 /(v2) +…… + b , J ( v , , )

=f(b1V 1十切 v2 + ・ …..十加 v砂=f(v) すなわち. Vのすべてのベクトル vについて J (v)=g(v)であるから,

f=g となる 。 これは,条件 wi=f(vJ ( j=l, 2 ,. . . . . .,n )を満たす線形写像は,た だ 1つしか存在しないことを示している 。 注意 上の証明の第 1段階では

vが { v 1 ,Vz ,. . . ..,v , ,}の 1次結合に一意的に書け

歪 こ と そ れ によ って係数 b 1 .b 2 . ... . . 加 が vに対して一意的に決まること が重要である。そのために, { v 1 ,V z ,… . . .,V』 が Vの基底であるという仮定が 必要なのである。

1より.次のことがわかる 。 VをK上の n次元ベクトル空間とし 定理 2 如,功,・・・・・・, v , , } を Vの基底とするとき,

Vから任意のベクトル空間 W への

K上 の 線 形 写 像 f:V---->Wを 与 え る こ と は W の n個のベ ク トル の組を与え ることと 圃値である 。具体的には . wの n個のベクトルの組

{ w 1 ,W 2 ,・ ・・ ・ ・ , w』を与えれば,

m ]

に写すことで

Vの 基 底 の 要 素 V ;( i = l ,2 ,. . . . . .,n ) を w,

Vから W へ の 線 形 写 像 が 1つだけ決まる 。すなわち.線形写像

は基底の行き先を指定することで一意的に決定されるということである 。



1次元の数ベクトル空間 Kから,任意のベクトル 空 間 Vへの線形写像

k

V は. lEKの行き先として Vのベクトルを(任意に) 1つ指定す

ることで決まる 。実 際 任 意 に 与 え ら れ た Vのベクトル vEVに 対 し て

aEKを avEVに 写 す 写 像 を 考 え れ ば そ れ は 線 形 写 像 で あ り . 1を

vに写す。 すなわち,線形写像 K - > Vを与えることと. Vのベクトルを 1つ与え ることは同じことである 。

~ I

V .

wをK 上のベクトル空 l l l Jとし

{ v , ,V 2 ,… . . .,v , ,)を Vの基底とする 。線 → W がすべての V ;( i =l ,2 ,. .. .,n ) を Wの零ベクトル 形写像 f:V一

Owに写すなら. Iは零写像であることを示せ。

2 0 6 第 6窄 線 形 写 像

□ m X n行列 A =[ a』によって決まる,

n次元数ベクトル空間 K"から,

m 次元数ベク トル空間 Kmへ の 線 形 写 像 IA:K" —• Kmは ( p .1 9 8) .

K"の標禅基底(第 5, ・ 伶図 例 1){ e 1 ,e 2 , ……,e , , }に屈するベク トル e J

﹃一

Jj

a1 a2a

-l



~ ヽ

J





j

m

•O



·1:

a m n

a , , , 1 0 1 1 1 2



る。 実際, f,(e,)~Ae,~1 仰

﹃一

, z a 1 1 a a 22

a i n

を , A の第 j列ベク トル に 写 す 線 形 写 像 と し て 決 定 さ れ る 線 形 写 像 で あ 0:

は , 行列 Aの第 j列ベク トル である 。

0章 ( p .7 )で既に述べたことである 。

例 2の n i , n=2の場合は,

d ] で決まる 1 次変換は, [ ; ] を[ : ] に

a b

2次正方行列 [

すなわち.

C

[~] を [ ! ] に

それぞれ写すものとして決定さ れ る。

例 2の 考 察 か ら 数 ベ ク ト ル 空 間 の 間の 線 形 写 像 を す べ て 決 定 す る こ と が で

きる 。

匡臣回

数ベクトル空間の間の線形写像

数 ベ ク ト ル 空 間 Knから ,数 ベ ク ト ル 空 間 K ' "への ,任 意 の K上 の 線 形 写像

f:K 1 1 > K 1 1 1に対して, f= ん

となる mXn行 列 Aが 一 意 的 に 存

在する 。 すなわち ,数ベクトル空間から数ベクトル空間 へ の線形写像は , 行列から決まるものに限られる 。

($R

{ e, ,e 2 ,・・ ・・. . ' e n}を K"の標準基底と す る。 各 j=l,2 ,. . . . . .,n につ いて

トルであるから, m 次の列ベク トル

基本ベク トル e jの行き先が等しい 。 すなわち,



行列 A か ら 決 ま る 線 形 写 像 ! A:K"一→ Kmを考えると,



G m 1 Gm2



G m j

︱︱

f~I てある。 このとき, Af::

a 12 a2 2

55.amn

厄)

J(dは K"'のベク

fと 几 は 各

/(d=/A(eJ 辺 線形写像の基本性質

207

U=1, 2 , …,n )である 。定理 2 1より.線形写像は基底の行き先でた だ 1つに決まるから,

fと f Aは等しい 。

④ 像と階数 V .

wをK上のベク

トル空間とし,

f:V->W をK上の線形写像とする 。

次の定理が示すように,線形写像 fに よって

wの部分空間の逆像は Vの部分空 間である 。

間であり. 四口臣国 ( 1)

Vの部分空 間の像は W の部分空

部分空間と線形写像

Vの部分空間 V 'について , fによる V 'の像

f(V')={f(v)I vEV'}は W の部分空間である 。 ( 2)

W の部分空間 W'について , fによる W'の逆像

r'(W')={vEVI/(v)EW' }は Vの部分空間である 。

〇@

( 1 )j ) .1 4 4 . 第 5卒』ふ 1 2の条件 ( Sl ),( S 2 ),( S 3 )を確かめよう 。 ( S l ) V 'は部分空間なので OEV'である 。/(0 )=0であるから 峠

f(V ' )である 。

( S 2 ) / ( v 1 ) , f(v 咋 f(Vり ( v 1 , v2 EVりについて, V 'は部分空間 なので vげ V2EV'であり . Iが線形写像なので

f ( v 1 )+f ( v z )=J ( v 1+vり 匂 (V りである 。 ( S 3 ) f ( v )句 ( V ' )(vEV ' )および aEKに つ い て 『 は 部 分 空 間 なので avEV'であり,

fが線形写像なので

a f (v)=/ ( a v )Ef(Vりである 。 ( V ' )について条 件 ( Sl ) ,( S 2 ),( S 3 )が成り立つので 以上より, f J(Vりは W の部分空 間である 。 ( 2 ) 第 5収定義 1 2の条件 ( Sl ) ,( S 2 ) ,( S 3 )を確かめよう 。 ( S l ) W'は部分空間なので / (O )=OEW'である 。 よって, OEF1(W')である 。

( S 2 ) V 1 , vz E/→( J i Vりとする 。 こ の と き f ( v 1 ),f(vz)EW'であ , り W は部分空間なので J ( v 1+v z )=/ ( v 1 )+/ ( v z )EW'であ る。 よって. Vげ v 2 EF1(Wりである 。

( S 3 ) vEf→(W りおよび aEKとする 。 このとき f(v)EW'であ

(av )=af(v)EW'である 。 , り W'は部分空 間なので ,/ よって .avEF1(W りである 。 2 0 8 第 6章線形‘切象

Vの部分空 間 V ' と そ の fによる像 J(Vり と の 間 に は 次 の 関 係 が あ る 。 匡 口 臣月

部分空間の像

Vのベクトルの組 { v 1 ,V 2 , .. . . .,V r}が V ' を生成するとき ,J ( V ' )は W のベクトルの組 { f ( v , ) , !(叫,……,!(叫 }で生成される 。 特に , V 'が有限次元ならば, J ( V ' )も有限次元であり ,

dimV'~ dim /(V') である 。

〇R

V 'は { v 1 ,V2 , …… , v , .}で生)成されるので V 'の任 意のベク トルは a1v1+a2v2+… . . .+ arVr ( a , ,a 2 ,. . . . . .,a r E 三I ) く という形に 冑ける 。 これを線形写像 fで写すと

ad(v,)+ad(v2)+ ・ ・・・・・十 arf(vr ) ( a , ,a 2 ,. . . . . .,a,.EK) となる 。 これは ,f (V')のすべてのベクトルが f ( v 1 ),f(v 2 ). . . . . .. .

f(v』の 1次結合で書けることすなわち { f ( v , ) ,f(vり , …… ,f ( v , . ) } で生成されることを意味している 。

V 'が有限次元であるとして { v 1 ,V 2 ,. . . . . . .v , . }が V 'の甚底であ m V'=rである) 。 るとする(よって. di f ( V ' )は { f( v 1 ) , !(叫,..... . .f ( v , . ) } で生成されるので, p.1 7 0 . 第 5草定岬 3 -5( 2)より J ( V ' )の次元は r=dim V '以下 である 。

以上の結果を踏まえて線形写像に関する ,次の 霞要 な概念を定義しよう 。 定義 2 -1 線形写像の階数

V , W をK上の有限次元ベクトル空間とし ,f:V >W をK上の線形写像 とする 。 このとき , W の部分空間 J(V) (!の値域)の次元を ,線形写像 fの 階 数 と いい ,r ank/と書く 。

rankf=di m/(V) 匡

臣国

行列写像の階数

Kの要素を成分にもつ mXn行列 Aで決まる線形写像 f A:K"-->Kmの 階数は,行列 Aの階数に一致する 。すなわち

r ankん =rankA

厄] 線形写像の甚本性質

2 0 9

tDR

A =[V1 を

Vz

Hの 列 ベ ク ト ル

とする 。 す な わ ち . Aの 第 j列

Vn]

・ ・ ・

VJ とする 。 VJ ( j=1 ,2 , ……, n )は.

K " 'の ベ ク ト ル で あ り . 線 形

Aは. K"の基本ベクトル e 1( j = l ,2 ,. . . . . .,n )の行き先が 写像 f

uで

意 的 に 決 定 さ れ る も の で あ る (例 2) 。 K"の基本ベ

あるものとして

クトル e 1( j = l ,2 , ……, n )は K"を生成する(基底である)から. 定

則2 4より. f Aの 値 域 !A(Kり は . Aの列ベクトル { v i , Vz, …... ,V叶 で生成される. Kmの部分空間である 。 第 5章系 3 3( j J .1 7 7 ) より.そ

4





8

J

3

J







4



-

り外











2

一 E



一川





"5

•••



iビ r刀 -、

~の 1‘ 々

~R ペ

.

外 K

0

olo.

令フ ヶ 牙

i J 1

A



を基底にもつ 。 また, rank/ 戸 r ankA=3である 。

R

]直

o





さで

~れあ

i

じ ︳ . ・ / ‘ 一る る

7' J



i

A ~生ーo

‘ . 5 □阪

I

fA

CR



刀 7 .

hr





l~,Il~,11'.I

なわち

•.

R



fA 像 写を 形比白





決 ら ‘ま ヵ

1

' ー

段り





I ︱で l loo レダ , i i J fこ i 0 .--W の核 Ker( / )は. fの定義域 Vの部分空 間である 。 線形写像の核は,その線形与像が写像として単射であるという性質と,密接な 関係にある 。すなわち,次の定理が成り 立つ。

匡口臣国 単射性と核

V , W をK上のベクトル空間とし ,f:V>W をK上の線形写像 とす O}であることで る。 fが単射であるための必要十分条件は ,Ker(/)={ ある 。

fiR

Iが単射ならば J(v)=Oとなる vは零ベク

トルしかないから.

Ker(/)={ 0}である 。逆に Ker(/)={ 0 } とする 。 v , v'EVについて. f ( v )=J (v' )であるとし よう。 ここから v=v 'であることを示せばよい 。 J(v)-J(v' )=Oであるが,f(v)-f ( v ' )=f(v-v')な の で v-v'EKer( / ) である 。Ker(/)={ 0 } で あ る か ら , こ れ は v-v'=O である こと,すなわち v=v 'である こと を示している 。

□]

よって ,

Iは単射である 。

A =[ au ]をKの要素 を成分にもつ mXn行列とし ,Aで決まる線形写像

! A:K">K ' "を考 える 。 このとき .ん の 核

Ke,U , ) + { : J Ax~ o) とは,同 次連立 1次方程式

Ax=O の解空 間の こと であり ( p .1 4 6 . 第 5章定理 1 -1参照) .その次元

dimKer( / A ) とは. 1 府の自由度のことである 。

匝l 線形 写像 の 1.~ 本性賀

2 1 1



2 3 行列 A = -1 -1

1 2 0 2

-2 -3 -1 1 1 1

4 4 から決まる線形写像 / A・R5 >忙 2 3

゜ ゜ r : ::『

の核 Ker( ん)の基底を 1組求めよ 。 また.その次元を求めよ 。

1 0 -1 0 1



A の簡約階段化は

:]てある 。 よって 同次連立

0 0 0 00 1次 方 程 式 Ax=O(x='[x y z u v ] ) を解くと, z=a1 と 12

︱︱

10

xy

v=a2を任意定数として

︳ー

3

uv

00

z1 =a11ll+a2I0

となる 。 そこで,u ,=1[ 1 0 10O ] ,

U 2=t[-1 -2 Q - 3 1 ] とおく 。 同次辿立 1次方程式 Av=O の一般解は, U 1.U 2の 1次結合で与えられるので, Ker(/ りは

{ uぃ U 2 }で生成されている 。 また, u ,と m の 成 分 は 次 の 性 質 をもっている 。 ・(上から) 3番目の成分(任意定数にした zに対応する成分)が

u ,では 1であり, m では 0である 。 ・(上から) 5番目の成分(任意定数にした vに対応する成分)が,・

u ,では 0であり, U 2では 1である 。

u , ,uサ は 1次独立であることがわかる 。実際 このことから {

-1 -2 =o =ci11 +c2 o l -3 1

C1Uげ C 心

゜ ゜

oJ L 1 _

とすると,上から 3番目の成分に注目して c 1 = 0 . 5番目の成分に 心の基底の 1 注目 して c2=0 となるからである 。 よ っ て Ker(/ 組として { u 1 ,u叶がとれる 。 ま だ そ の 次 元 は 2である 。

2 1 2



6卒 線形写像

例題 2の解き方を 一般化して, mXn行列 A によって決まる線形写像

I A:K" >K 1 1 1の核 Ker(/A)の求め方について考えてみよう 。 Ker(/A)は 同 次連立 1次方程式

Ax=O.

x=1[X1 Xz

の解空間である 。行列 Aの 簡 約 階 段 化 が

・ ・ ・

( * )

Xn]

図 1のようであったとする

(r=rankA)。 1 2

J



I r

}3

99 99 9 9



123 a aa

jjj

a1 a 2 a 3



.. .. . . 111 +’+ +

000

Ia 1 i i+l ・ ・・a1;,-1 0 a i ; 2+1 ・・ ・a1i , -l 0

••

: 1 a , 1 ,十 1 . . .a , , ,

図 l 行列 A の節約階段化

このとき,

第 2章 で学んだように,(*)の 一 般 解 を 求 め る た め の 便 利 な 方 法

は , Aの 簡 約 階 段 化 の . 主 列 で な い 列 ( 段 が 落 ち な い 列 ) に 対 応 す る 変 数 を 任 意 定 数化 す る こ と で あ っ た ( p .6 3参照)。今の場合は. jキ J i ,J z , ……, J sであ る列番号 jについて Xj=c1

と任意定数化することで,同次連立 1次方程式(*)の一般解は x=c1u1十・・・・ ・・+ch-1Uj,-1+ci,+1u尼 1+・ ・ ・ ・ ・ ・+c 尼 1Ui r + l+・ ・・ ・ +enUn

の形になる 。 すなわち, K er(ん)は n-r1釦l のベクトル U1, ・ ・・・・・, Uj ,―1 ,叫 + 1 ,・ ・・ ・ ・・ , U ; , 1 , U;,+1,

・・・・・・,

U; r + l,・ ・・ ・ ・ ・ , Un

(**)

で生成される 。 更に,これらのベクトルは次の性質をもっている 。 • UJ の上か

ら j番目の成分は 1であり,任意の k=l ,2 ,・ ・ ・ ・ ・, ・n .

Kキ i .} 1 ,} 2 ,… ・ ・ ・ ,方について.上から!?番 目 の 成 分 は 0である 。 これより.(**)のベクトルは 1次独立であることがわかる 。

e r ( / . 4 )の基底の 1組を与える 。 また, Ker(/ 心の次元は よって.(**)は K n-r=n-rankAである 。



線形写像の基本性質

2 1 ' . l

゜ ' : 1

奇一





゜ l ょ 352 め 2 O l 3 求-︱



er

︳の

︶ ︵

k

︳ー 甚



31 390

24 -

AfA







••

から決まる線形写像

f ,•

R'—町の核

またその次元を求めよ 。

⑥ 線形写像と連立 1次方程式 前 の 項 で 確 認 し た よ う に 数 ベ ク トル空 間の場合に限れば線形廿像の概念は, 辿立 1次方程式と密接な関係にある 。 そ こ で そ の I 及J 係についてもう少し詳し く考えてみよう 。



連立 1次方程式の解の存在と自由度



連立 1次方程式

Ax=b

(*)を考える 。

ここで, A は m Xn行列であり , xは n個の変数からなる変数ベクトル,

bは m 個の定数からなる定数項ベクトルである 。 ( l) 連立 1次方程式(*)が解をもつための必要十分条件は , bが ん の

値域 !A(Kり に属していること ,すなわち

bE/A( K" )

( ↑ )

である 。 ( 2) 等式(↑)が成り立つとき ,(* )の解

x=v。(voEK") を任意に 1つ

とれば,一般解は x=vo+v, vEKer(/A)の形である 。特に,連立 l 次方程式(*)の解の自由度は, dimKer(/ りである。

~@

( l)

Ax=bが解をもつということは .f . 4 ( x)=bとなる xEK"が存在

するということである 。 これは,

bが写 像 ん の 値 域 に 屈 し て い る こ

とに 他な らない 。 ( 2)

x=v。が Ax=bの 1つの解であるとする 。

。とすると このとき. Ax=bの任意の解 xについて v=x-v

Av=A( x-vo )=Ax-Avo=b-b=O であるから, vEKer(/A)であり, x=vo+v(vEKer(/ 心)となる 。 逆 に こ の 形のベク トル x=v o+v( vEKe r ( / A ) )は

Ax=A(Vo+v)=AVo+Av=b+0=b なので,(*)の解である 。

21 4 第 6章 線 形 写 像

・:・ ! +lポイント ト…………… ……… ………...…… ………… ……… ……… ……… ………へ: AI b ]の階数が綺 しいことを 示 した 。 これと, 定理 は , Aの階数と拡大係数行列 [ 2 7の条件 bE八 (Kりが同値であ ることは次のようにしてわかる 。

A を列ベクトルで魯いて. A=[v 】



・ ・V n]とする 。行列 Aの列ベクトル

( v 1 ,V 2 , …… ,v , , }で生成される K " 'の部分空間が f A ( l { " )であり.その次元が rank/ 戸 r ankA である 。 [ AI b ]の列ベクトルは, A の列ベクトルに bを付け足 V 1 ,V 2 ,. . . . . .,V n ,b }で与え られる 。 [ AI b ]の列ベクトルで生成される Km した { の部分空間を W とする 。明らかに !A ( K " ) < ; ;w である 。 こ の と き 次 の 詞 値 性 が 成立する 。

rankA=rank[ AI b ]⇔ dim/A( K " )=dimW II )



( 2 1

!A(K")=W⇔



!A(K")

ここで, ① の同値性は, / J,1 7 3. 第 5, 収定理 3-7( 2)からわかる 。 また, bEWで あるから ② の同値性の「⇒」の方は明らかであるが逆も, bEf A ( K 1 1 )ならば

{ v 1 ,v , ,. . .. .,v , , ,b )で生成され る部分空間 (=W) は { v 1 , V2 ,. . .…,v , , )で生 成される部分空間 (=JA(Kり)に等しいことからわかる 。 7(1)の条件と. 第 2冷定理 3-2(J )の条件は.同値であることが 以上より. 定琲 2 2), と 第 2章定理 3-2( 2)の主張が同じであることすなわち わかる 。定理 2-7(

dimK e r ( / A )=n-rankAであることは ,r ankAがAの簡約階段化の段が落ちる 心が.段が落ちない列の個数に鈴しいことからもわかる 列の個数で dimKer(/

/ J.2 1 7 )からもわかる 。 が す ぐ 後 に 述 べ る 定則 2-9(

⑥ 線形写像と次元 次に ,線形写像とベク トル 空間の次元の 関係 について調べよう 。 そのために, 線形写像と 1次独立性について,次の定理が成り立つことを示そう 。

四 口 臣 固 線形写像と 1次独立性

V , W を K 上のベクトル空間として, f:V---->Wを K 上 の 線 形 写 像 と する 。 { v 1 ,V z , ……, V r } を. Vのベクトルの組とする 。 ( 1) W のベクトルの組 { !( v i ) ,J ( v 2 ),・ ・ ・ ・ ・ ・ ,J ( v r ) } が 1次独立なら,

{ v i ,V z ,・ ・ ・ ・ ・ ・ ,v , . } は 1次独立である。 ( 2 ) fが単射であるとき, ( 1 )の逆が成り立つ 。すなわち, { v ,,V 2 , ……, V r }

が 1次独立なら , { f( v , ) ,J(v 2 ),・ ・ ・ ・ ・ ・ ,J ( v , . ) }か 1次独立である。

図線形与像の基本性質

21 5

@R

( 1)

{ v 1 ,V z ,. . . ..,V r }が 1次独立であることを示すために , 1次関係 釦

v1+a2v叶・ ・ ・ ・ ・ ・ 十 arvr=O

(*)

( a 1 ,a 2 ,・ ・ ・ ,a ,EK)が成り立っていると仮定する 。 これを 、

と ,

Iで写す

/ ( a 1v1+a心 2 十 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 十a r v r )

1次関係

・ ・ ・ ・ ・ 十a , . f ( v r )=O =a1/(v1)+az/(vz)十・ が成り立つ 。 { / ( v 1 ) ,/ ( v z ) , …… ,/ ( v , . ) }が 1次独立なので ,

a戸 a z = ・ ・・ ・ ・ ・ = a , . = Oとなる 。 こ れ は 最 初 の 1次関係(*)が自明な ものに限ることを意味している 。

vぃ功, ・ ・ ・ ・・ , Vr }は 1次独立である 。 したがって { ( 2)

{ / ( v 1 ) ,/ ( v z ) ,・ ・ ・ ・ ・ ・ ,/ ( v , )}が

1次独立であることを示すため.

a , f ( v , )+az!(vz)十 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 十a r / ( v , . ) = O

1次関係

(**)

( a 1 ,a z ,. . . . . .,arEK) が成り立っていると仮定する 。 こ の と き 」こ と同様に / ( a 1v ,+az防 + ・ ・ ・・ ・ ・ + a r v , . ) = Oなので

a1Vげ a心 2 十・ ・ ・・ ・ ・ 十a , . v , . E K e r ( / ) である 。 ところで.

Iは単射なので. Ker(/)={O}である( 定即 2-6 .

p ,2 1 1) 。 よって a1Vげ azv 叶……十a , . v , . = Oとなるが 加,功,・ ・・ ・ ・・,V叶 が 1次独立と仮定したので

a1=a2=…・ ・ ・=ar=Oとなる 。 こ れ は 最 初 の 1次関係(**)が自 l リ l なものに限ることを意味している 。 したがって { / ( v , ) ,/ ( v z ) , ……, / ( v , . ) }は 1次独立である 。

国臣〗

同型写像と次元

V , W をK上の有限次元ベクトル空間として ,/: v-

w をK上の同型

写像とする 。 また, { v 1 , Vz , ・・・・ ・ , ・ v叶 を Vのベクトルの組とする 。 このと き

{ v 1 , Vz ,・ ・ ・・・,叫 が Vの茎底であるための必要十分条件は , W のベク

トルの組 { /( v 1 ) ,/ ( v z ) ,・ ・ ・ ・ ・ ・ ,/(v砂}が W の基底であることである 。特に ,

dimV=dimW である 。

(*@

dimV=n とし, { v 1 , 功,・ ・ ・・ ・ ,V n}が Vの基底であるとする 。 fは単 射なので,

W のベクトルの組 { t ( v 1 ) ,J(v2 ) ,・ ・ ・ ・ ・ ・ ,f ( v , . )}は 1次独立

である 。 また.

fは全射なので

定理 2 4より ,

{ t ( v 1 ) , J(v2 ) ,・ ・ ・・ ・ ・ , f(v砂}は W を生成する 。すなわち, { t ( vぶ f ( v 2 ) ,・ ・ ・ ・ ・ ・ , f(vn )}は W の基底である(特に , dimW=n=dimV である) 。

2 1 6 第 6翔 線 形 写 像

逆は,

fの逆写像 1 1を考えれば,上と同様に証明される 。 璽

上 で 述 べ た よ う に 線 形写像 fが mXn行列 Aから決ま る線形写像

f=fA:K " >Kmである場合には, Aの簡約階段化を B として n=(Bの段が落 ちる列の個数) +(Bの段が落ちない列の個数) =rankA+dimKer(/ 心 という 等式が成立す る。次の定理は , この 等式の背景には,行列か ら決ま る もの に限らない ,一般の線形写像において成 立する 一般形があることを 示 している 。

匡 臣 国 線形写像と次元

v . wをK上の有限次元ベクトル空間として ,J:V--->WをK上 の 線 形写像とする 。 このとき .次の等式が成り立つ 。

dimV=rankf+dimKer(/) 定J l j !2-9 の ~@

Vの部分 空 間 Ker(/)の基底 { uぃ Uz ,. .. . . .,Us }をと る。

また, W の部分空間 f(V)の基底 { w , ,W z ,. . . . . .,w , . } をとる 。

s=dimKer(/)であり. r=dim/(V)=rank/であ る。各 i=l ,2 , ……, rについて . Vのベクトル V ;を , J(v;)=w; となるように とる %

{ u 1 , U2 ,・ ・ ・ ・ ・・ ,Us ,V i , V2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ ,V r }

(t)

が Vの基底 と な る こ と を 示 せ ば dimV=r+s と な り 定 理 の 証 明 が 終 わ る。そこで (t)が Vの基底であることを,証明しよう 。

[ l ] ( ・ j ・ )が 1次独立であること示すために,

1次関係

G 1 U 1十 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 十 as us +b1Vi +. . . . . .+br vr =O が成り 立 っていると仮定する 。 この両辺を fで写すと, UjEKer(/)

,2 ,・ ・ ・ . . . ' s )から (j=1

b 1 W 1十妬 W叶......十か v . , =O

とな る。 { w 1 , Wz ,……, Wr}は 1次独立 なので, b1=bz=--・ ・ ・ ・ = b , . = O である 。 これより,

もともとの 1次関係は

a1u1+a2u2 +・ ・ ・-+as us =O となるが, { uぃ U z ,・ ・ ・ ・ ・ ・ ,U s }が 1次独立なので, a 1 = a 2 = ・・ ・-=a s =O となる 。以上より,最初の 1次関係は自明なものであることがわかり . よ って, (t)が 1次独立であることが示された 。



2) W ; J( V)なの で J(v; ) =w;となる V; E Vは存在 す る。



線形写像 の基本性質

217

[ 2 ] (↑)が Vを生成することを示そう 。 Vの任意のベクトル vを考える 。

J(v)は J(V)の要素なので, W 1 . W2. . . . . . .,Wrの 1次結合 /(v)=b1W1十加 W2十 ・ ・・ ・ ・ ・ 十 brWr の形に書ける 。 この係数 b i .b 2 ,. ・ ・ ・ ・ ・ . か を 用 い て . Vー ( b 1 V 1十妬 v2+.… ・+brVr) と いう Vのベクトルを考える 。 これを fで与すと

f(v-(b心 + 妬 vけ・ …..+ b , . v r ) ) =f(v)-f ( b 1V 1十妬 V2 +. .… ・ + b , . v , . ) =か W1+b 2 W2十 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 十b , . w r -(か W1十加 W2十 ・ ・ ・・ ・ ・十か W r )

=O となるので , v-(b1V叶 妬 V 2十 . . . . . .+ brvr)は Ker(/)に入る 。 よって,

1 ,U 2 , …… , U sの 1次結合 これは U v-(b1V i十妬 V 2十・・・・・・十か v , . )=a1U 1+a 2 ぃ+• ・ ・ ・+a s Us

に書ける 。 よって

v=a1uげ a2u叶…...+asUs十か V i十あ V2 十・・・・・・十か V r

となり. Vは U 1 , U2 ,・・ ・ ・ ・ ・ , Us ,V 1 ,V 2 , ・・ …・, v , .の 1次結合で書 ける 。 すなわち,

Vのベクトルの組

C t )は ,

Vを生成する 。

この定理から.線形写像と次元に関して,いくつかの重要な 事実が得られる 。

国臣 V , W を K上の有限次元ベクトル空間として, f :v - wを K上 の 線 形 写像とする 。

( 1) /が単射ならば, ( 2)



dimV2dimW

fが全射ならば, dimV~dim W

( 1) fが単射ならば,

定理 2 6( p.2 1 1 ) より, Ker(/)={O}なので,

dimKer(/)=Oである 。 よ っ て 定理 2 9( p .2 1 7 ) より . dimV=rank/=dim/(V)だが, f(V)は W の部分空間なので,

p .1 7 3 . 第 5章 定 理 3 7(1)より dim/(V)2dimW である 。 これよ り , dimV争 dimW が得られる 。

( 2) fが 全 射 な ら ば J(V)=W なので, 定理 2-9より,

dimW=dim/(V)=rank/=dimV-dimKer(/)2dimV

2 1 8 第 6洋 線 形写像

国臣 V , W をK上の有限次元ベクトル空間として, f:V---->Wを K上 の 線 形 写像とする 。 また, dimV=dimW とする。 このとき ,以下は すべて同値 である 。 ( a) ( b)

( c )

~Q»

fは単射である 。 fは全射である。 fは全単射(すなわち.

同型写像)である 。

[ l ] ( a) ⇒ ( blを示す。 fが単射であるとすると, 定理 2 6より. Ker(/)={O} なので, dimKer(/)=Oである 。 よ っ て 定即 2 9よ り . dimV=rank/=dim/(V)である 。一 方

J(V) は W の部分空

7(2) 間 で あ る が dim/(V)=dimV=dimW な の で 第 5章定耶 3 より . W=J(V). すなわち fの値域が W 全休に 一致する 。 これは f が全射であることを示している 。

[ 2 ] (I 正 ⇒ (c)を示す。 Iが単射であることを示せばよい 。 fは全射な ので, J(V)=Wである 。すなわち,

rank/=dim/(V)=dimW=dimV である 。 よ っ て 定理 2 9より dimKer(/)=Oで あ る が こ れ は Ker(/)={ 0 }であることを示して いる 。 よっ て 定理 2 6より , fは単射である 。

[ 3 ] ( C) ⇒ ( a)は自明である 。

デデ

よって,題意が証明された。

K上の 7次元ベクトル空間 Vから 3次元ベクトル空間への線形写像

f:V >W について. dimKer(/)がとりう るイ f / 1をすべて求めよ 。 次の事実を 定琲 2 9などを用いて証明せよ: mWを考 / ( v i ) ,f(vり , …… , J(v砂}は W を生成するので えると , {

fは全射

であり 系 2 3より, 同型写像である 。

1 0が意 味するところは ,次の 通 りである 。線形 代 数 学 の 立 場 で は 定理 2 個々のベクトル空問の〈特徴〉は,甚本 的には「次元」しかない 。次元の同じベ クトル空間は同型であるという意味で,〈同じもの〉とみなされる 。 これは現実の数理科学や工学のさまざまな場面で .実際に現れるさまざまな ベク トル 空間 も 線 形 代 数 学 の 枠組みでは次元という単一の尺度で, 一律に扱 うこと ができる ことを意 味 し て お り 線形代 数学 という学問が,応用 上強力な 理 論であることを示している 。

2 20 第 6卒 線 形 写 像

困線形写像の行列表現 前節までで線形写像を定義し.その甚本的な性賀について述べた 。 ま た 数 ベ ク トル空間の側の線形写像の例として行列によって決まる線形写像を考えた 。実は. 線形写像と行列の間には.更に 一般的で密接な関係がある 。線形写像と行列は,概念 的に同じものというわけではないが考えているベクトル空間の基底を固定すること で線形写像ば常に行列で表現できる 。そしてこの「行列表現」というテクニック を駆使することによって.線形写像に関するさまざまな現象を行列の具体的な計算 に帰沿することができる 。 こうして抽象的なベクトル空間や線形写像についての理 論 を 本古の前半で行った行列による辿立 1次方程式の解法や,基本変形など 具体的 な計鈴の数 々に還元できるわけであり . ここに線形代数学という学問の醍醐味がある 。

⑥ 線形写像の行列による表現 V .

wをK上 の 有 限 次 元 ベ ク ト ル 空 間 と し , dimV=n, dimW = m とし,

V

の基底 { vぃ功,.....,v , , }と W の基底 { w 1 ,W 2 ,. . . ..,Wm}が 与 え ら れ て い る とする 。 このとき,

K 上の 線形 写像 f:V —→

W について,各

VJ ( j=l, 2 , …. .. ,n )

の像 J (vJは W のベク トルなの で , W 1 ,W 2 ,. . . . . .,Wmの 1次 結 合

f(v 」 )=auw1+a2JW2十・・・・・・十 amJWm

(*)

( a u , a2 J,・ . . . .・ ,a , , , J E K )の形に, 一 意 的 に 書 くことができる 。 このとき .係 数 i J( i=l,2 , ・・ ・ ・ ・ ・ , m, j =l, 2 ,. . . . . .,n )によって. に現れた mn個 の 数 a

mXn行列 A=[a』 が た だ lつ決まる 。 』との関係は,次の形式的な式で表現できる 。 線形写像と行列 A=[a

~ ヽ



ヽ ~



* *

aln599

2ー



︱︱

22





I

.. . .



2.II a1 a a

ll

ー ー

︱︱

2 a1 a a

︱︱

J(vn)]=[wi

w

・ ・ ・



[ / ( v i ) J ( v り

••

実 際 ( *)は(* *) に お い て , 次 の 陰 影 部 に 注 目 し て , 通 常 の よ う に 行 列 の 積の計算をして得られる 。

j列日

I

G 1 1. . . Gu・・・Gin [/(v1)・・・J(v;)

応 ) ] ~ [ w, 如

r

Wm] a ; ,. . .a . ". . .a ' . "

G m 1 ・・ ・G , n j ・・ ・Gmn 悶線形写像の行列表現

2 2 1

式(**)に現れる [/ ( v , ) f ( v z ) .・ f ( v , , )]や [W1 Wz . . . Wm] は .

W や Vの ベ ク ト ル を 行 ベ ク ト ル の 形 に 並 べ た も の で さ し あ た り 形 式 的なも のである 。 し か し こ の 形 式 に 従 って,行列の積を実行すると,当初の 1次結合 の式( *)が得られる 。すなわち.式(**)は(*)を形式的に行列形に書いた ものである 。 注意 式(**)の書き方はさしあたり形式的なものであるがしかし,後で見るよ う に 実はさまざまな計算と整合する書き方である。したがってその意味はと

もかく計算に便利な書き方として理解しておくとよい。 上の行列 A (すなわち,式(**)で決まる m X n 行列 A=[a』 ) を 線 形 写 像 f:V > Wの.Vの基底 { v , ,功 , …... ,v , , }と Wの基底 { w ,,W2 ,. . . . . .,Wm } に1 及l する 表現行列 という 。 これについて次の定理が成り立つ 。 匡 臣 り 線形写像の表現行列

V , W をK上のベクトル空間とし, Vの基底 { v 1 ,V2 ,・ ・ ・・ ・ ・ ,v , , } と Wの 基底 { w , ,W2 , ……, w,}を固定する 。 ( 1) 線形写像 /:

v -w に対して,その Vの基底

{ v , ,V 2 , ……, Vn }

と W の基底 { w , ,W 2 , ……, w , , , }に関する表現行列 A は一意的に決まる 。 ( 2) 逆に,任意の m X n行列 A に対して,線形写像

f:v - wで,そ

v , ,V2 ,……, V n } と W の基底 { w , ,W2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ ,w , , , } に関 の Vの基底 { する表現行列がA に一致するものが存在する 。

i*R (1) A と B が線形写像 f :

V —->W の.

Vの基底

如,功,......,叫と W の基底 { w , ,W z ,・ … ・ ・ , Wm} に関する表現 行列であるとして. A=B を示せばよい 。 この と き 次 が 成 り 立 つ 。

( [ / ( v 1 ) / ( v 2 ) ・ ・・f(v n )] =)[ uり W2 ・ ・ ・W m] A=[ W1 W2 ・ ・ ・W m] B A=[a』.B=[b』 と す る と .上の等式より .j=l, 2 ,・ ・ , ・n に ついて

auw,+azjW叶 ・ ・ ・ ・ ・ ・ + a 1 1 u W m = b u w ,+b2jW2十・ ・ ・・十 bmjWm すなわち

(au-bu)wげ ( a z 1 b z ; )w叶 ・ ・ ・ ・ ・ ・ +(am1-bmJwm=O

である 。 { w 1 ,W z , …… ,Wm }は 1次独立なので

au-bu=azj-bZ j =・ ・ ・ ・・ ・ = a 1 1 u b 1 1 u =O となり ,Aの成分と Bの成分が一致することがわかる 。 よって .

A=Bである 。 2 2 2 第 6章 線 形 写 像

( 2) mXn行列 A=[a』が与えられたときに. j ) .2 2 1(**)によ って , 逆に

fを定義する 。すなわち. wの n個のベクトルの組

{ u 1 ,U z , …… ,u』 を 与 え ら れ た 行 列 A の成分 auを用いて uJ=au皿 +a2 ,W2十 ・・・・・・十 am JWm Ci=l ,2 , ・・・・・・, n)で定義して

UJ=f(叫

(j=l, 2 , ・・・・・・, n)

であるものとして(定理 2 1 .j ) .2 0 4によって)定まる線形写像

J:v---wを対応させる 。 こ の と き ( * * ) が 成 り 立 つ の で f の表現行列は Aである 。



Wを s inxと COSX で生成される F(R)の部分空間とし.蔚関数をと るという R上 の 線 形 与 像

d :W —• W を 考 え る (} ) .1 9 6 . 山 例題 2 dx

d dx

参照) 。線 形 写 像 ー 一 の , 定 義 域 W の 基 底 { s i n x ,c o s x } と.終域 W の基底 { si nx ,c o s x }に関する表現行列を求めよ 。

d d s i nx=cosx, - cosx=-sinxであるから dx dx



が成り立つ 。 よって,

~

囚cosx]=[sinx cosx][01 -1 。 ] 求める表現行列は[『 。 ] lである 。

[fx-sinx

x を変数とする n次以下の多項式全 1 本がなす,

R上のベク トル空間

w , ,を考

d

え.甜関数をとるという R 上の線形写像—- :W , , +W 1 1 1を考える ( p.1 9 6.

dx

[ l J糾渭 7参照)。 w3 の 非 底 {1 , X, 炉,炉 }と. W2 の基底{[, X, が}に関

する

~

d

dx

・W a

.

T 化の表現行列を求めよ 。

)

Vを { v , ,V 2 , V3 , V, 叫を基底にもつ K上のベクトル空間とし . Wを { w , , W2 )を払底にもつ K上のベクトル空間とする 。 K上の線形写像

ーW を次で定義する 。

J:V

/(v1)=w1+5w2. J(v2)=w,+w2. /(v3)=3w,十 7 w 2 . f(v ) , 、=Zw1+6w2. f(vs)=w,+w2 線形写像 Iの. Vの基底 ( v , . V2 ,V 3 ,v , , Vs }と W の基底 { w , , W2 )に関する 表現行列を求めよ 。



線形写像の行列表現

I

223

~

A=[a』 に よ っ て 決 ま る . n次元数ベクトル空間 K"から. m 次元数ベクトル空間 Kmへ の 線 形 写 像 !A:K "ー→ Kmを考える m X n行列

ゆ. 1 9 8) 。 こ の と き 行 列 Aは,線形写像 f Aの. K"の標準基底( 第 5 落 3 例 1.p .162){ e 1 ,e 2 ,・・・・..' e n }と

{ e ' t ,e 2 ,・・・ ・ ・ , ・e 伍籾

Kmの標準基底

に閾する表現行列である 。

実際 例 2 より , t,(e,)~r

a u は行列 A の第 J列 ヘ ク ト ル て あ り , こ

as

Kmの 椋 準 基 底 を 用 い )

れは

1

1

/,(e,){J~a., I : j +aul j + +am,[

(n

=aue~+a2ie2+· ・ ・ ・ ・ ・ + a , , u e盆 と也けるが,これは線形写像んの, K "の標準基底 { e 1 ,e 2 ,・ ・ ・ ,e 1 1 }と . Kmの 標 準 基 底 { e ¥ ,e 2 ,・・・ ・・ ・ ,e 似}に関する表現行列が A に一 致するこ とを示している 。

。 第な



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••

3)[("の 基 本 ペ クトルと. [( "'の),~ 本 ベク トル を 1 2 S :別 す る た め に 後 者 を ダッシュ「'」 を 付 け て 占 い 1(i=I ,2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ , n)は n次 の 列 ベ ク トル で あ り. e ,( i = l , 2,・ ・ ・ ・ ・ ・ ,m)は m 次 の 列 ベ クト た。 e ル で あ る こ と に 注 慈。

2 2 4



6窄 線 形 写 i 象

よ っ て 式 ( 土 ) は 実 は 「A=EA」という , 自明に正しい式を表してい る。 すなわち, p. 2 21の表現行列を表す形式的な式(**)は.数ベクトル 空 間の 間の線形写像の場合には,単に形式 的であるにとどまらず,実際に成り立つ式に なる 。

5 '

次を示せ。

( 1)

零写像 Q:K" > K " 'の , K"の標準基底と K " 'の標禅基底に関する表現

行列は,客行列 0である 。 ( 2)

恒等写像 i d: K " > K "の.定義域および終域 どちらについても K"の

標準基底に関する表現行列は.絹位行列 Eである 。

⑥ 合成と表現行列 V , W .

U を K 上の有限次元ベクトル空間とし

J : V —→

W と g:W > U

をK上の線形写像と しよう 。 このとき 合成によって . K 上 の線形写像



g。 J:V

U が得られる 。

線形写像の合成と表現行列の関係については,次の定理が成り立つ 。





合成と表現行列

dimV=n, dimW=m, dimU=lとして , { v i ,V 2 , …… , v , , } , { w 1,w2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ , wm}, { u 1 ,u 2 ,・・・ ・ ・, ・ ud を そ れ ぞ れ V , W, U の基 底とする 。 また,

Vの基底 { v i , V2 ,・・ ・ ・・ ・ , V叶 と W の韮底

{ W 1 , W2 , …… ,Wm}に関する fの表現行列を A とし , W の基底 { w 1 ,W 2 ,・ ・ ・ ・ ・, ・ W』 と Uの基底 { u, 1u 2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ ,u i }に関する gの表現行 Aは mXn行列であり, B は lXm行列である) 。 列を B とする ( V 1 ,V 2 , …… ,v , ,}と Uの 基 底 { ui , U2 ,… ・ ・ ・ ,ud このとき , Vの基底 { に関する gザ の表現行列は,行列の積 BAで与えられる 。



Vの基底 { vぃ応, ・ ・・・ ・ ,Vn }と W の基底 { w 1 , W2 ,・・ ・ ・ ・ ・ ,Wm}に関す る fの表硯行列が A なので,次の式が成り立つ 。

[/(v 1 ) /(vz ) ・ ・・ /(v n )]=[w1 Wz ・ ・・ W m]A

(*)

また , W の基底 { w 1 , W2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ , Wm}と Uの基 底 { u 1 ,U2 , …… ,u i } に関す る gの表現行列が Bな の で 次 の 式 が 成 り 立 つ 。

[g ( w 1 ) g(w z ) ・ ・ ・ g(wm) ]=[U 1 Uz ・・ ・ui]B

(**)

⑬l 線形写像の行列表現

225

これより (] )

[g。 J ( v 1 ) g。 f(v 砂 . . . g。f(vn)]=[g(w1) g(w2)・ ・ ・g(wm)]A 2

=[U 1 U 2 . . . U1]BA これは,

Vの 基 底 { vぃ功,・・・・ ・・ ,v , , } と Uの 基 底 { u 1 ,u 2 , ・・・ ・ ・ ・ ,u i }

に関する gザの表現行列が, BAで与えられることを示している 。

・. ・ 1 + lポイント I ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・・ ・・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ --・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 定則 3 2の証明として上で述べたものは.形式的な計符によって簡略化されたも のであるがそれが成分ごとに実際にやっている計算をここで具体的に書いて確 かめておこう 。

A =[ au J . B=[ bk ;]とする 。 .2 ,・ ・ . . ・ ・ .lを動き , iは 1 .2 , ここで. kは 1

m を動き. j は 1 .2 .

. . . . . . . nを動く添字である 。 式(*)の烈味は. j=l, 2 ,. . . . . .,n について

J(vJ=auw1+互 W叶 .. . . . .+am 」Wm

( * ) '

であることである 。

=l, 2 ,. . . . . .,m について また .式(**)の意味は. i

g(w,)=bぃU 1+b2,Uけ

+buu1

(** ) '

であることである 。最初の式の両辺を gで写すと

g。f(vJ=g(auwi+az 」W z十 ・・・・・・十 Gm jWm ) =aug(w,)+a幻 g ( w z )十・・・・・・十 a , , l ) g ( w , , , ) となる 。 これが証明中の 等式①の慈味である 。 等 式 ② は,[g ( w , ) g ( w z ) ・ . . g(wm)]を(**)の右辺でおき換えて得られ る。

=l, 2 , .. . . ..m についての(**)'を代入すると 実際最後の式に, i

g。f(v 」 )=au(b11u ,+b 2 1Uz 十・ ・ ・ ・ ・十 b 1 1u) 1 + a 2 ; ( b 1 2 U 1十 如 u叶

. . . . . .十 如 u i )

十・ ・・ ・ ・ 十G m ; ( b , 1 1 1U i+b z mUz 十・ ・ ・ ・ ・ ・ 十b 1 1 1 1 U 1 )

= ( 鸞 buau)u,+(言 似 a,1)uけ I l l

+ ( 苫 buau)u1

となるが BAの(!?, j )成 分 は 区 似 a , ;であるから.これは等式 ② が成り立つ

1 1

ことを示している 。

2 2 6



6章 線) f 扱' . b j ' . f 象

亨〉

lの状況で,



2 階尊 I具l 数をとるという線形写像し1x)二;:— の,

定義域 W の基底 { si nx ,c o s x } と,終域 W の基底 { s i n x ,c o s x } に関 する表現行列を求めよ 。

⑳⑯

例辿 1よ り . 羞:の定義域 W の基底 { si nx ,c o s x } と,終域 W の

。 ] l

si nx ,c o s x } に関する表現行列は [ 『 砧底 {

なので,求め

る表現行列は

[~。l ][~。l] =[。l ~l ] 注意 実 際

が . d2 -2cos x= -cosxなので mx=-si nx ,— dx dx2s

[ fzsi nx

玉す c o s x] =[s i n x cosxJ[。l~l]

である 。

f f i.,

dz

' 叫1 ! /1の状況で 2階蔚関数をとるという線)I 多写像―― よ dx2:W3->飢の. w3

の基底 { 1 , X, X汽が }と.

w ,の基底{1 ,x )に関する表現行列を求めよ 。

線形写像を行列で表現することで,線形写像の写像としての性質は,行列のさ まざまな性質に翻訳される 。例 え ば 線 形 写 像 が 同 型 で あ る こ と は ,表現する行 列が正則であることに翻訳される 。

四 口 臣国

同型写像の表現行列

dimV=dimW=n として ,線形写像 f:V---->Wを考える 。 { v 1 , Vz ,・ ・・ ・ ・ ,vふ { w 1 , Wz, … ・ ・ ・ , w』 を そ れ ぞ れ V , W の基底と

し ,

Vの基底 {v1 , Vz ,・ ・・・ ・ , V』 と W の 基 底 {w1, Wz ,・ ・ ・ ・ ・ ・ , w, ,}に関

する

fの表現行列を A とする 。 (Aは n次正方行列である 。) fが同型写像

であるための必要十分条件は, Aが正則行列であることである 。 また,こ のとき, A の逆行列 A―1は, W の基底 {w1, Wz, …・ ・ ・ , w』 と Vの基底 { V 1 , Vz ,・ ・ ・ ・ ・ ・ , Vn} に関する 1-1:W >V の表現行列である 。

ふ 線 形1 ' 1 : f 象の 行列 表現

227

〇R

fが同型写像であるとして, f 1の W の基底 {w,, W 2, ……, w , ,}と ー

Vの基底 { v i , v2 ,...,v , , }に関する表現行列を Bとする 。 このとき, v , , v2 ,. . . . . .,v , ,}に関す gサの(定義域および終域としての Vの基底 { る)表現行列は BAで あ る が g寸 =idv(恒等写像)なので,その表現

2 2 2.定則 3 1( 1 )より. BA=E 行列は単位行列 Eである 心 よって .p. である 。 同様に. f • g= i dw なので, AB=E もわかる 。 よ っ て .A は 正則であり, B=A1である 。

1の証明のように, 逆に . Aが正則であるとする 。 このとき 定郎 3 A ― l に対応する線形写像 g:W--->V を作ると,

g • f の(定義域および

終域としての Vの基底 { v i ,V2 ,……, v , , }に関する)表現行列は

A―'A=Eなので. g寸 =i dvである 。 g寸(叫 実際, [

g寸 ( v 2 ) .・ gザ ( v , , ) ]=[v , v2 .・ v , , ]E なので

;をそれ自身に写す。 よって, V i ,V 2 ,. . . . . ..V nの任意の 1 gサ は 各 V 次 結 合 も そ れ 自 身 に 写 さ れ る 。 ゆえに. g。 f=i dvである 。 同様に.

fo gの(定義域および終域としての W の基底 { w , , W 2, ……, w , , } に関 する)表現行列は AA-'=E なので, f • g= i dw である 。

fは同型写像であり,

したがって,

gがその逆写像である 。

~1 次変換の表現行列 VをK上のベクトル空間とし, { v , ,V 2 , ……, v , , }をその基底とする 。 Vの 1 次変換 ( { !:V--->Vの,定義域 Vの基底も終域 Vの基底も { v , ,V 2 ,...,v , , } で考えた場合の表現行列を,

Vの 1次変換¢の,基底 { v , ,v 2 ,. . . ..,v , , }に関

1,定則 3 2.および定理 する 表現行列 という 。一 般の線形写像について 定理 3 3 3を そ れ ぞ れ 1次変換の場合に適用することで次の定理が得られる 。 以下. VをK上のベク トル空間とし Vの基底 { v , ,V 2 ,. . .,V n }を 1つ固定する 。

四戸

1次変換の表現行列

( l) Vの 1次変換 , : p:V>V に対して ,基底 { v, v 2 ,. . . . . ..v , ,}に関

する表現行列 A は一意的に決まる 。 ( 2) 逆に .任意の n次正方行列 A について,

Vの 1次変換 , : p:V >V

でその基底 { vぃ V 2 ,. . . . . .,V n}に関する表現行列が A に一致するも のが存在する 。 4) [v ,

2 2 8



v ,

v , ,]=[V1

6翔 線 形 写 f 象

V2

v . , ] Eなので。

匡 戸

1次変換の合成と表現行列

1次変換 c p :v , vの,基底 {vi, 功 , ・ ・ ・ ・ ・ ・ , Vn} に関する表現行列を A とし,

1次変換 r f ; :V---,Vの,基底 { vi , V2,

・ ・ ・ ・ ・ ・ , Vn} に関する表

現行列を Bとする 。 このとき ,合成 か cp:V---,Vの,基底

{ v 1 , V2, ……, v』に関する表現行列は BAである 。

1次変換 c p :V一→ V で,逆変換 c p―i:V —• V をもつものを,

,2 1 9 .系2 -3より, な 1次変換,あるいは 自己同型という 。p



c p :V

V上の 可逆

1次変換

V が可逆であることは, ゅが単射であることと同値であり, また,



が全射であることとも同 値である 。 匡 □ 可逆な 1次変換の表現行列

1次変換 c p :V---,Vの,基底 { vi ,功 , ・ ・ ・ ・ ・ ・ , A とする 0

Vn) に関する表現行列を

( f )が可逆であるための必要十分条件は ,A が正則行列であるこ

とである 。 また ,このとき ,逆変換 屈 ] の,基底 { vi , V2, ……, v』 に 関する表現行列は, A の逆行列 A-Iである 。

⑥ 基底の変換 VをK上のベクトル空間とし

{ v 1 , V2,

Vの 2つの基底

・ ・・ ・ , Vn}

と {v~. v ; ,・ ・ ・ ・ ・ ・ ,v ;, }

が与えられているとする 。 このとき,各 v,(i=l ,2 , …… ,n )を v ;に写すこと で ,

Vの 1次変換



q ;:V

V . q ;仇) =v; ( i = l ,2 , ・・ ・ ・ ・ ・ ,n )

が決まる ( p .2 0 4 . 定雌 2 -1参照) 。

{ v ; ,v ; , ……,凶}は Vを生成する ので,外 V)は Vに一致する。すなわち , 3より . ( ( ) は 可逆な 1次変換である 。 1次変 ¢は全射である 。 したがって, 系 2 換(()り基底和い v幻…… ' V叶に関する表現行列を p とすると 定則 36よ ー

, り Pは n次正則行列である 。 また,次が成り立つ 。

[ v ; v; ・ ・ ・糾]=[Vt

Vz・ ・ ・ Vn]p



線形写像の行列表現

229

すなわち. P=[p』 と す る と , 以下が成り立つ 。

v1=Puv1+P21v2+・ ・ ・ ・・・十 P , u V n ( i = l ,2 , .・・・・, n )



この n次正則行列 Pを. Vの基底 { v i ,V 2 ,. . . . . .,V , 』から基底

{v~, v ; ,. . . . .. ,糾 }への 変換行列 という 。 K"の基底 { v i ,V 2 , ・・・ ・ ・・ ,V n )が与えられたとし,これを並べて得られ 1 V 2 … る n次正方行列を P =[V

V n]とする 。 第 5常系 3-2から,

Pは正則行列である 。 また

[V 1 V 2 ・ ・ ・ V n]=EP=[e 1 e 2 . . . e n]P という自明に成り立つ式により, Pは Knの標準基底 { e 1 ,e 2 , ……, e n } から基底 { V i ,V 2 ,・ ・ ・ ・ ・・ ,V』への変換行列であることがわかる 。 逆に, P を任意の n次正 則 行 列 と す る と き そ の 列 ベ ク ト ル か ら な る

Knの ベ ク ト ル の 組 { V i ,V 2 , ……,vサ (P=[V i V 2

・ ・ ・

V n ] ) は, 第

5章系 3 -2( p .1 7 2 ) より K"の基底であり . Pは Knの標準基底

{ e 1 ,e 2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ ,e n }から基底 { vぃ功,・・・・・・, V n }への変換行列である 。

旱 R' の碁底 jv,~ [H v,~ [ : ] 防= []) から払)氏 ju,~ [:]. '沿~[H v a { ) ]

への変換行列 Pを求めよ 。

寓匿

[v ; v ; V3]=[V 1



V 3]p となる,

I [い i~[ : : : ]

ばよい 。

!

v ,



103 で 132 ︱︱ の︱︱

[v ; v ; v ;] ~ [ : : 1 3 6

v ,



-f

[ f : i !HT~: ~:][:l : ]



p

34

= 2 3 0 第 6章 線 形 写 像

3次正方行列 Pを求めれ

: l J ・

: 9

~

R'の払底 !"・{l ・v,{

n r

l ·v,~ I

から

基底 jv;~ [ /1·v,{ ] ·vs{]) への変換行列P を求めよ 。 ⑥基底変換と表現行列 J:V一 ->WをK上の線形写像とする 。 また, Vの 2つの碁底 { v 1 ,V 2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ ,V n }と { v ¥ ,v 2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ , v~} が与えられておりまた, W の 2つの基底

{ w 1 ,W 2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ , Wm} と { w ' 1 ,w ; ,・・・ ・・ ・ ,w伍 } が与えられているとする 。 このとき • 線形写像 fの ,

Vの枯底 { v 1 ,V 2 , ……, v』 と

W の基底 { w 1 ,W 2 , ……, w , , , }に関する表現行列 A • 線形写像 fの ,

Vの基底 { v ' 1 ,V z , …...,凶 }と

W の基底 { w ¥ ,W z ,. . . . . .,w ; , , }に関する表現行列 A' という. 2つの m X n行列 A . A'が定まる 。 こ れ ら の 行 列 は 同 じ 1つの線形写像を行列で表現したものであるが,表現す るときに用いた Vと W の基底が異なっている 。 そこでこれらの行列 A . A'の関係について調べよう 。

Aが線形写像 fの ,

Vの悲底 { v 1 ,V 2 ,. . . . . .,V』 と W の基底

{w, 1W 2 ,. . . . . .,Wm}に関する表現行列であることより

[/(叫 J ( v 2 ) . . . J ( v , , ) ]=[W1 w2 … A'が線形写像 fの ,

{ w ; , wら ・ ・ ・ ・ ・ ・ ,

Wm]A

(*)

Vの基底 { v ¥ ,V z , ……, v~} と W の 基底

W 似}に関する表現行列であることより

[/ ( v ' 1 ) / ( v 2 ) . . . / ( v ; , )]=[ w; Wz . . . w~, ] A ' ( **) が そ れ ぞ れ 成 り 立 つ。

W 1 ,W 2 ,. . . . . .,Wm}から { w ; ,W 2 ,. . . ..,W伍}への変換行 また, W の基底 { 列を Qとすると

[w; w; ・・ ・ w伍] =[ W1 W2・ ・ ・W m]Q



( ↑ )

線形写像の行列表現

2 3 1

が成り立ち,

Vの基底 { v 1 ,V 2 , ……, V n}から { v ; ,V 2 , ……, v叶 へ の 変 換 行

列を P とすると ・・ [v ' , V 2 ・

( : j : )

v~ ]= [v , V z ・ ・ ・ Vn]P

が成り立つ 。 この最後の式から,次が導かれる 。 [J ( v ' i ) f ( v z ) …

f(v砂]=[/(v1) / ( v 2 ) …

f(vn)]P

( : I : ) '

実際 ( : I : )の意味すると ころは, P =[ p , J とすると ・ ・ ・ ,n ) VJ=Puv1+P2 jV 2十・ ・ ・ ・ ・ ・ +PnjVn (j=1,2,・・・ ということであった 。

,・・ ・ ・ ・,n について よって ,j=l,2 J ( v J )=f(Puv1+P 2 j V2 十・ ・・ ・ ・ 十P n j V n ) ・ ・・ ・ ・ +Pn jf(v砂 =Puf(v1)+P 2 j f ( v 2 )+・ となり,

これが(土)'の意 味である 。

(**)と (t)より [f ( v ' i ) J(vz) . . . f(v;)]= [Wt W2 . . . Wm]QA' が得られる 。 これと,(中)'および( [W1 W2

*)から

・W m]QA' Wm]AP=[W1 W2 ・ ・

となり,ここから AP=QA' という関係式が導かれる ( p .222. 定理 3-1( 1l 参照) 。 以上より,次の定理が証明された 。

四口匝〗

基底変換と表現行列

K 上の線形写像 f : V —→

W の, Vの基底 { v 1 ,功 , …・ ・ ・ , Vサ と W の基

底 { w 1 ,W 2 ,・ ・・ ・ ・ ,w , , ,}に関する表現行列を A とし , Vの基底 w;, W z , ……, W伍 } に関する表現行列 { v ¥ ,V z ,・ ・ ・ ・ ・ ・ , 凶 } と W の基底 { を A'とする 。 また , Vの墓底 { v 1 , V2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ ,V , 』 から { v ' 1 ,V z , … •• •,凶 }への変換行列を P とし ,

W の基底

{ w 1 ,W 2 ,・ ・ ・ ・・ ・ , Wm}から { w ' 1 ,W z ,・ ・ ・ , W伍}へ の変換行列を Qとする 。 このとき ,次が成り立つ。 A'=Q-1AP

2 3 2

第 6邸 線形写 i 象

↑一

:

像のょ 写 形 線域を の列 底 上 ノ イ碁

R 9| の ︳1︳ '42

A'

列 1 / イ



︱︱

2



七4 3





゜ め 求

1 表 杖 ”:



︱︱

︱︱





132 = 令-.





~基換 ~準変換

~標の変 ~の

土小





i





.

'

4

-し. e l ︱ ︱と i .

~

. .e

A

-︱

2>

e,

-o 1

_︳︳︳

ll /

Jvt5

p>

l

への

5W









'

底︱

4Vlw

e3 2

e



olo3

021

︱︱

c 2

l

e

=標

3

-Q

132e

-

5

ー[

標 の



3



2

w

’ l









ら 、 + “ 底 基



R

3





す成なで

つ -Wi , と[立ちる Q

Wt5 [

w





r 甚— _. ――準 4

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は 。 P

1 つ’る— V と[ 立ち あ るっでるりわあ 列た とがす行まとがす列

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3oo1O 。 い ヽj A

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5 が

~-s 国す立 (2W ~基 とり 詞丁 ~ 成 jA55 ~の -

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域 ︷e とりォ 二義 を の す 成 な ~定底こ

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5 5

]

0

2 3 3

線形写像の行列表現



}

2

R 終 と —~現



' C )

o olo

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o -l ︳︳

'

︱︱

`4



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4_

R

,

XAViwl

4

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~~ • — }] R3



R-o1 ーる る ま︱︱す 域 =1J 決義 5 で定し

0 2 ーの 5f A 35



5 る 1 2-3 え'-ー



•.

21 ' 考 o olo1ー 3を 1一 ︳_= = VzWZ

-—-

これらから

[/ . 4 ( V 1 ) / . 4 ( V 2 ) / . 4 ( V 3 ) f 4 ( V 4 ) ] = [ / . 4 ( e 1 ) f A ( e 2 ) 八( e 3 ) 八( e 4 ) ]P

=[c1 =[W1

釦 W2

c 3]AP

w』 Q―1AP ︱︱

02l

i』 i~1~5

︱︱ ︱︱

:

Q'AP~ [ ~

2oll 2loo oolo looo

よって,求める 表現行列は

•... . . . . . . . . . . . . .~[.il. . /~2, i . . ) 1 ,1 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .

f f i

紺清 2の線形写像 f:V 一→ W を考える 。 Vの払底を入れ粋えて新しい砧

v 2 ,V 3 ,v , , Vs ,v , )を考える 。 また. 底{

wの払底 { w ; , 叫}を

w;=wげ 5w 2 w2=w,+w2 で定める 。線形写像 fの , Vの基底 { v 2 ,V 3 ,v , ,V s ,v , )と Wの基底 { w ; , Wz )に関する表現行列を求めよ 。

1次変換 Vの表現 行 列 の 場 合 は 通 常 定 義 域 と し て の Vと終域 としての Vで,同じ基底を考える 。 よって,その基底変換による表現行列の変換 は,次のようになる 。

回 臣〗

基底変換と表現行列 (1次変換の場合)

1次 変 換 < p:V-->Vの ,

Vの基底 { v 1 ,V 2 ,・・ ・ ・ ・,V』 に 関 す る 表 現 行 列

v ' , , Vら……,糾}に関する表現行列を A' とする 。 をA とし , Vの 基 底 {

vぃ功,……, v , , } から基底 { v; , Vふ ……, v ; , }への変換行列 また .基 底 { を P とする 。 このとき

A'=P-'AP が成り立つ 。

2 3 4

第 6章 線 形 写 i 象

2

の一求

R



25 R



T ノイ

R J

3

R

1

3

ヽ ノ 0



l 4 1

を 列





る す





J J J コ

"

-﹁

︱︱

W J

︱ ︱

356





3

R

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/ イ

R 現 表る= る ま す 決 ー

1

よ換 sA め 変 換求次 変を i j ダ 次

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2

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78 [



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3

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で︱︱ ま -’) 2 4 5 ﹂-︱ サ リ 125= で げい 4 5 2 1 = ︱1 7 ︱ 52W633 いし戸げ

A

列︱︱列底

底 基

2



R

T畑 j ノイ





次次



. . 1 2 , '

2



~.



l





・・ :] +1ポイント/ -……---------… ………………………---:有 限 次 元 ベ ク ト ル 空 間 Vの 1次 変 換 r p:V+V に対して. 「¢の行列式 det ( r p )」 : というものを定義する こ とができる 。 これは, とって

d e t ( r p )=det( A) とすればよい 。 別 の基底による 表 現行列を A' とする と , 系3 1より A'=P-'APとなる正 則 行 列 が存在するので

d e t ( A ' )=det(P-'AP )=de t ( P )-1 de t ( A )det(P)=det(A) となる 。 つ ま り , 上 の de t ( r p )は ,

ゅの表現行列のとり方に依存せず,

ゅだけで決

まる値である 。

亙l 線形写像の行列 表現

235

Cl ol I1 u1 m1 n 座標変換と線形写像 コラム 原型の線形写像のイメージを最もよく伝えているのは, 1 解析幾何学における座標の 線形変換であろう 。 図 1はオイラーの著作 『 無限解析序説』 ( 全 2巻)の第 2巻か ら採取した 。平面上に i l! 線 Lと 2直線 R S. r sが描かれている 。 2直線は点 Aに

S . おいて交差 していて ,その 交差角は 0である 。 曲線 L上の点 M から 2虹線 R , uで r sに向 ってそれぞれ垂線 MP, MQが下ろされている 。長さはそれぞれ y ある 。 2直線の交点から P , Q ま で の 距 離 を 測 定 し そ れ ぞ れ X, tで表す。 これ で同 一の点 M に対し. 2種類の数値の組 ( x ,y ) ,( t ,u )が指定された 。 これらは それぞれ 2直線 R S, r sに関して点 M の位置を指し示す座標である 。 点 Pか ら 線 分 MQに 向 け て 垂 線 Pqが 下 ろ さ れ ている 。 また Ppは Pから直線 r sに下ろされた 垂線である 。 いろいろな線分の長さは

Pp=Qq=xsin0, Ap=xcos0, Pq=Qp=ysin0, Mq=ycos0の よ う に 表 示 さ れる 。 これより

AQ=t=Ap-Qp=xcos0-ysin0 QM=u=Qq+Mq=xsi n0+ycos0

図l

これで,,~:M に附随する 2 種類の座標の関係が明らかにな っ た 。 オイラーはこのよ



case -sine ]とヘクトル case

う に 盟 い た が 行 列 A =[ S ! I l ると,

[ X ] .[ ] tの言葉を用い y u

この関係は [t] =Aに]と表示される 。Aは角 0の回転を表す直交行列で

u

あり,座標系 ( t ,u ) を反時計回りに 0だけ回転すると座標系 ( x ,y ) に移行するこ とをこの関係は示している 。 座標系 ( t ,u )に関して方程式 t2+3正=2を書くと.これは楕円を 表 している 。角

1 2 1 0を tane=ー により定めると .case= .s i ne= となる 。 2 /5 /5 行列 A により座標系を変換して新たな座椋系

( x ,y ) を作ると,この座標系に関して上記の楕

沢=1 0という形にな 円の方程式は 7x2+8xy+13 る(図 2)。

t 叶 3 正=2 と 比 べ て ま っ た く 異 な っ て い る が それでも両者が表す楕円は同 一である 。 オイラ ー はそこに 一種 の 篤 き を 見 た が そ の 驚 き は 線 形 変 換により自在に移り合う座標系の任意性に根ざし ているのである 。

2 3 6



6釘 ' ( 線形写像

1 '+ 3 好 ~ 2 定 + 8xy + l 3炉 ~ 10

図2

章末問題

1 VをK上のベクトル空間とする 。 Vの基底 {v,, v 2 ,. . . . . .,v , , )に 対 し て , 同 型 写 像 I: K" V が J(e;)=v;(i=l, 2 , …. .. ,n )で定まる ことを 示せ(ただ し , { e 1 ,e 2 ,. . . . . .,e』 は K"の標雌基底とする) 。 ま た , 逆 に 同型 写 像 I: K " >V



が与えられると,

{ / ( e 1 ) ,/(e2 ) , ...,f ( e , , ) }が Vの 基 底 と な る こ と を 示 せ。 (これ

→ V の形の同型写像を与えることは同じ によって . Vの基底を与えることと. K"ー ことであ ることがわかる 。)

2 . 次の行列 A か ら 決 ま る 線 形 写 像 ! Aの 像 お よ び 核 の 基 底 を , そ れ ぞ れ l組 求めよ 。 また f Aの階数を求めよ 。 1 1



゜ ゜

1

1

12 -1 1 3 ( 2) A = 1 1 1 -1 2 1 0

2 -1 3 -1

( 1)

A=

( 3)

1 1 A= 1 1

3 4

2

1 2 1 3 1 1 1 0 1 1 2 -1

゜ ゜

3 . X を変数とする n次以下の多項式全体がなす.

R上 の ベ ク ト ル 空 間

0 1 0 1

w , ,を考え,祁

d dx

関数をとるという R上 の 線 形 写 像 ― -:T ¥ 1 1 >l t f l , , _,を考える ( [ l j紬宵 7参照) 。 J ; J / 1 1 の基底 { l ,x ,x 2 ,. . . . .. ,x 1 1 } と.

wぃ の 基 底

{ 1,X, X汽 ・ ・ ・・ ・ ・ ,xnl )に関する

d dx

ー一の表現行列を求めよ 。

4.Vを {v, Vz,V3 , 叫 を 基 底 に も つ K上 の ベ ク ト ル 空 間 と し . Wを { w , ,W z , W3) を基底にもつ K上 の ベ ク ト ル 空 間 と す る 。 K上 の 線 形 写 像 / : V > Wを , 次 で 定 義する 。

/(v,)=wげ 3wz+2w3 /(vz )=2w,+6w2+4w3 /(v3)=2w叶 W3 /( v , )=2w, +4wz+3w3 線 形 写 像 fの. Vの 基 底 { v , ,V z ,V 3,v, }と W の 基 底 { w , , Wz ,W3)に 関 す る 表 現 行列を求めよ 。

章末問題 I 2 3 7

5

( I )

J

記の払底 jv,~ [ / 1·v,f0I·v,~ [ ゜1 1

カ ら 知の標礁甚底への変換

l 応 の , . , 氏 jv,~[ / 1·v,{' I ぃ= [ ゜]]) から 行列を求めよ 。

( 2)

即の ,J.~ 底

vs~[:']. vs~[:']. v,~ [ ~: 11 への変換行列P を求めよ 。 6 行列

5 ]

1 3 -8 4 で決まる線形写像 [A 1 4 -9

A=[

l i : JI : l ・ I l : l 1

3

6

と町の基底

R3 —町の.

杞の基底

u : 1 . [ : n

に関する表現行列を水めよ 。

7.2つの K上の線形写像 J ,g :V->W と a, bEKに対して .写像 af+bg:V W を. ( a f + b g ) ( v ) = a f ( v ) + b g (v )で定義する 。af+bgも . K上



の線形写像であることを示せ。

8.n個の文字 1 .2 ,

. . ... nの附換

6に つ い て 置 換 行 列 E ( 6 )を考える( 第 l心 ' , : ,礼

和u :題 10. p,134)。任意の n次正方行列 A=[ a 』 について { E ( 6 )『 AE(6)=[ b 』 とする(すなわち,

{ E (6 ) J 1 A E ( 6 )の ( i ,j )成分を似とする)と .b u = a ( 5 ( ; ) ' 1 U )で



あることを示せ。



~*

゜ ゜

このとき





A=



*o

n次正方行列 Aが 次 の 形 で あ る と す る 。 -0 *

A"=O(零行列)であることを示せ。

2 3 8 第 6邸 線形写像





7章

内積 [ l ] 内積と計量ベクトル空間/田 直交変換とユニタリ変換

麟ベクト)レ積(外積)

高校で学んだ平面のベクトルにおいてはベクトルの「長さ」や.ベクト ルとベクトルのなす「角」といった概念があった。そ してそれらの概念は ベクトルとベクトルの「内積」という概念から定まるのであった。線形代数 学においては個々のベクトルが物自体として何かということには一切関係 のない .ベクトル全体のなす空間の構造に注目するのであった。そのため. 一般のベクトル空間においては,そのベクトルの長さや.ベクトルとベクト ルのなす角という概念はそのままでは考えることができない。よってこ れらの概念は新たな構造として改めて導入する必要がある。 この章ではベクトル空間において内積の概念を定義し .それが導入され たベクトル空間である「計量ベクトル空間」の一般論について議論する。



内積と計量ベクトル空間

この節ではベクトルの内栢の概念を甜入し,ベクトルの長さベクトルとベクト ルのなす灼.正規直交基底などの基本的概念について学ぶ。

⑥ 内積の定義

: J .

高校で学んだ平面のベク トルにおいては ,成分表示されたベク トル v=[

w =[: :]に 対 し て そ の 内積を ( v , w)=aふ +aふ と し て 定 義 し た 。 この内梢は,次の 4つの条件を満たしている 。

( I l ) ( v , w)は第 1成分について, R上線形である 。すなわち,次が成り立つ 。 •( v 1 + v 2 , w)=(v1, w)+(v2, w) •( a v , w)=a(v, w) ( I 2 ) ( v , w)は第 2成分について , R上線形である 。すなわち.次が成り立つ 。

•( v , Wi+w2)=( v ,w i )+( v , w2 ) •( v , aw)=a(v, w) ( I 3 ) ( v , w)は対称である 。すなわち.次が成り立つ 。

•( v , w)=(w, v )

( I 4 ) 任意のベクトル vについて ( v , v)~o であり. ( v , v)=Oとなるのは. v=Oであるときに限る 。 一般のベクトル空問における内積は.上の条件をi i 闘たすものとして定義される 。 定義 1 1 内積

Vを R上のベクトル空間とする 。 Vの任意の 2つのベクトル

V, W

に対して,

実数 ( v , w)ER が 1つ決まり 叱 上の条件 ( I l) -( I 4 )を満たすとする 。 この とき , R上のベクトル空間 V上 に 内 積 (・ ' ・) b l が 1つ定義されたという 。

vとwの内栢は.上のように ( v , w) という記号で 表される ことが多いが.ベ クトルとベク トルの「梢」のような形の v・wで書かれることもある 。 [ / ) 写像の, t 菜を J i jいると . Vの 2つの直科 vxvから Rへの写 i 象 VxV 一~R が決まっているとい うことである

b ) この記けは, 窓味の,

2つのペクトル

V. W

を,、点 「・ 」の と こ ろ に 人 れ た ら 尖 数 ( v , w)が決まるという

J じけ上の枠(・, ・)を 表している 。

2 4 0 第 7窄 内 桔

注意

この定義から示唆されるように一般のベク トル空間上の内積という概念は条

1つの

件 (Il)~(I4) を満たすものであれば基本的には何でもよい。つまり

ベクトル空 間 上 に は 一般には無限 に多くの内積が存在しうる。 よって 次項で 定義するベ クトルの大きさの概念も 内 積 の と り 方 を変えれば変わる。平面ベ クトルの場合は直観的に明らかな標準的なベクトルの長さの概念があったが 一般のベクトル空間においては長さの概念は最初から与え られているものでは なく 内積を導入することで改めて定義する必要のあるものなのである。例え 1つの内積(.'・ )が入っているときそれを一律に正のスカラ ー a>Oに



(・ '・ )も内積である。 よって a倍 したもの a

I l )と ( I Z )は 対 称 性 ( I 3 )の 下 で は ど ち ら か 1つで十分である 。 注意 内積の条件 ( 内和の条件 ( I l )と ( I 2 )は , 双 線 形 性 と 呼 ばれる性質である 。 これより, 一 般に,次の 等式が成り立つ 。

( a心 ,+a心 2 , b,w,十切 w砂 =a,か( v , , w,)+a,切( v , , w2 )+a2b1(v2, w,)+a2妬 ( v 2 , W2 ) ( *) 実際 ( I l ) より

( a ,v,+a2功,か W1十妬 w2)=a, ( v , , b,w,十妬 w2 )+a2 (v2 ,b 1w,十妬 W2 ) が成り立ち.右 辺のそれぞれの項に ( I 2 )を適用すれば(* )が得られる 。

~

I この等式( *)を証明せよ 。

f f l

( 0 , w)=(v, O )=Oを示せ。

m ]

冒頭で述べた,平面ベクトルの 内積 は . 次 の よ う に 数 ベ ク トル 空間における

椋準内租というものである 。

レ ︶

ーヽ=

ク>



an

b ll





b2



a2





a

︶ w定

b

w ベ t の=め





ー ー

2 を 。 の>,梢ぅ 易> ( F7 ‘ ︶ ' R こと て 間、上積 > ' l l 内 空っ R 準 ルこ .4 . は標 t ク b lbz :.b ni の ベ︱ こ -n 数︱︱ .R 元 W と 次’るを n ー一す積 n の alaz :.a 義 内 上︱︱︱一定の とこ >

R

I

J

。 る

~、

且] 内枯と和1 批ペクトル空間

2 , 1 1

デi

例 lの標準 内梢が. 内栢の条件 ( I 1 ) ( I 4 ) を満たすことを示せ。

a ,b ]上連続な関数全体のなす. R上のベクトル空間 閉区間 [ C0( [ a , b] )を考えよう 。f ,gEC0( [ a ,b ] )に対して



( ! ,g )= f(x)g(x)dx a

と定義すると.

呼例

これは C0( [ a ,b ] )上の内積を定める 。

2の(.'.)が内租の条件 ( I l)-(I 4 )を満たすことを示せ。

⑥ エルミート内積 次に,複素数休 C上のベク トル空間上の内栢の概念を尊入しよう 。 定義 1 2 エルミート内積

Vを C上のベクトル空間とする 。 Vの任意の 2つのベクトル

V, W

に対して ,

v , w)EC が 1つ決まり ,次の条件 ( Hl) -( H 4 )を満たすとする 。 複素数 ( このとき, C上のベクトル空間 V上に複素内積,またはエルミート内積 (. '・ )が 1つ定義されたという 。

(Hl )( v , w)は第 1成分について , C上線形である 。 すなわち ,

( H 2 )

( v1+v2 ,w)=( vi , w)+(v2 , w) ( av,w)=a(v,w)

( v , W1 +w2 )=( v , wi)+( v ,w 2 ) ( v,aw)=a ( v , w) 6

が成り立つ。

が成り立つ“。

( v , w) =( w , v)

(I— I3)

( H4 ) 任意のベクトル vについて ( v,v)~ O であり, (v , v)=O となるの は,v=Oであるときに限る 。

v ,v )=( v,v )である。す 注意 条件 ( H3 )より任意のベクトル vE Vについて ( v ,v)は実数である。条件 ( l I 4 )はこの実数が常に 0以上であるこ なわち ( と そ し て 0に等しいのは v=Oのときに限ることを意味している。 a) 第 2成分に関する「半線形付」 と呼ばれる性質である 。

/ ; ) 複索数 aに つ い て

2 4 2

第 7卒

1 J 、 j 秘

iでその複索共役を表す。

K=Rの 場 合 の 内 梢 と 同 様 に . Vと wのエルミ ート 内栢も ,ベク トルとベク トルの 「和」のような形の v・wで也かれることがある 。 注意 エルミート内積の条件 ( Hl)と (HZ)は 条 件 (H3)の 下 で は ど ち ら か 1つで 十分である 。

H l ).( I I 2 ) より, 一般 に 次 の 等 式 が 成 り 立 つ 。 内梢の条件 (

( a 1 vげ a 2功, b1w叶 妬 W 2 )

デ干

=a1b 1 ( V 1 ,W 1 )+a1l i z C v 1 , W2 )+ a 2 b 1 ( V 2 ,W 1 )+ a 2 b 2 ( V 2 ,W 2 ) (↑)

上の等式(↑)を証明せよ 。

i

( 0 , w) =( v ,0 )=Oを示せ。



.ヽ



ー ー

an-

b





a2



b2





b



a

︵エ標



、>

↓)

0

る め 定 を

-︶







i の





C nc

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積ぅ ク> 内ぃ ベ︱ w t トと の︱︱ つ ︶ w一 積 ミ 2 内 の>,ル準

cn



W

妬 ・ :bn れ 積 村 —

間、上 空っ

︶ トーはを ︱︱ ク b l



― 女 委—ー. 元 ,\、 汐 .

n ︱一すル, l 義工 の a l S :. a 上ー︳︳一定の C とこ >

巴 例

3の標準内和がエルミート 内私の条件 ( I Il ) ( I I 4 )を満たすことを示せ。

⑥ノ ルムと角 以下, K =R または Cとして, K上のベクトル空間 Vの内粕とは, K =R の場

1 ) .K =Cの場合 はエルミ ー ト内梢( 定 義 1 2 )を意味す 合は通常の内梢( 定義 1 るとする 。

VをK上のベク トル空間とし,

Vの内栢(・,・)が 1つ与えられているとする 。

こ の よ う に 内 柏 を 1つ 決 め た ベ ク ト ル 空 間 l の こ と を 内積 空 問 あ る い は 計量 ベ クトル空間 という 。

I )正 確 に は ペ ク トル 空間 Vと そ の 上 の 内 秘 (・ ,・ )の組 (V, (・ ,・ ))のこと 。

田 1、1 枡と , i拡ベクトル空間

243

特に.

K=Rの と き

実計 量ベクトル空間 といい. K=Cのとき.複素計量

ベクトル空間 という 。 計屈ベクトル空間上では.ベクトルの大きさの概念を定義することができる 。

3 ベクトルのノルム 定義 1 Vを計皇ベ ク トル空間とし , ( ・ , ・ )をその内積 とする 。 vに対して

llvll=~石下 とおいて .この値を vの,この内積での vの大きさ ,あるいは ,ノルムという 。 このように定義されたベクトルのノルムの概念は,

もちろん,ベク トル空間上

の内栢のとり方に依存する 。 しかしそれ自体としては,ベク トルの大きさとし て次のように期待される性質のいくつかをもっている 。

匡口 尼〗

ノルムの性質

ベクトルのノルムについて ,次が成立する 。 (1 )

任 意 のベクトル v について llvll~O で あ り ,

l l v l l = Oとな るの は ,

v=Oであるときに限る 。 ( 2) l l a v l l = l a l l l v l l " 1( a E K ) ( 3) l ( v ,w)l~llvllllwll ( S ch w a r zの不等式) ( 4) llv+wll~llv ll+ llwll (三角不等式)



( 1 )は内積の定義における条件 ( I 4 )のいい換えである 。 また p ,2 4 1の 式( *)および p ,2 4 3の式 (t)から,次が容易にわかる b 0

I I av+bw1 1 2 =I a『l l v肥 十a b ( v ,w ) + a b ( v ,w ) + l b l2 l l w l l2 特に .I I a v1 1 2 =I a『 I Iv l l 2な の で こ こ か ら (2)が甜かれる 。 ( 3) ( v ,w)=Oな ら ば 題 意 の 不 等 式 は 明 らかである 。 よって

( v ,w) キ 0

とする 。 特に .Vキ 0 である 。 a=I 『 :~1 とする 。 ( v , w)

( a v ,w)= ( v ,w ) = l ( v ,w ) Iなので ( a v ,w ) l ( v ,w ) I は実数である 。特 に ( a v ,w )=( w ,a v )である 。 このとき

a)複索数 aEC について. [ a lはその絶対イ1 u[a[=;;:%を表す。 b)f (=Rの場合は a.bは実数なので [lav+bw[l 2 = [ a l ' l lv [ l2+Zab(v . w)+Ib『l l w l l 'となる 。

244

釘~7

1 ; 1 1 J 、 J . f i ' (

任意の実数

2次式

tについて. I Itav+wll2~0 なので, tについての実係数 l l t a v + w l『=J J a v J Jゲ + 2 ( a v ,w ) t + I Iw J J2

は 常 に 0以上である 。 よ っ て そ の 判 別 式 は 0以下とならなければならないので

( a v ,w)2-JlavJJ2llwll2~0 ここから.

l ( a v ,w) J~Jla vJ IJlw J I ( v , w)

が得られる 。

( v , w)

J a l2 = ・ =lなので,両辺を J a J = lで割 っ J ( v ,w ) Il ( v ,w ) I て.題意の不等式 l ( v ,w)l ~II v J I J Iw l lが得られる 。 しかし,

( 4) 題意の不等式の両辺とも

0以上であることと

l l v + w lド= l l v l l 2 + 2汎( v ,w ) + l l w l l2 i l l v l『+2 1 1V 1wI I + I Iw1 2 =( Iv ll + I Iw ll ) 2 であることからわかる 2)。 ただし ① で , ( 3 )の不等式を用いた 。

K=Rで

V, W キ 0のとき

次がわかる 。



1 ; : : ; ;

, 定理 1 -1(3)の不等式

( v , w)

( S ch w a r zの不等式)から,

; : ;1

l l v l l l l w l l

この性質をもとにして次のような定義をする 。 定義 1 -4 ベクトルのなす角 (K=R) 実計量ベクトル空間の零ベクトルでない 2つのベクトル

( v , w)

= c os 0 l l v l l l l w l l

V, W

に対して

( o ; : : ; ; e ; : : ; ;沿

で決まる 0を,ベクトル vとベクトル wの な す 角 と い う 。



次のベクトル めよ 。 また. ( l )

( 3)

V, W V. W

についてそれぞれのベクトルの標準内梢でのノルムを求

l

のなす角を求めよ 。

v=[~]. w=[~]

( 2 )v~[ : l w~[~11

v { Iw {I

2) 似索数 aについて.汎 ( a )でその実部を表す。



内梢と ? ; I孤ベクトル空間

245

零ベクトルでない任意のベクトル

vに つ い て そ の ノ ル ム l l v l lは 0でない実

数 で あ る か ら こ れ で v自身を割って,新しいベク トル V

( * )

l l v l l を考えることができる 。

この新しいベクトルは , vに平行で, そのノルムが 1のベクトルである 。 このように,零ベク トルでない任意のベクトル vに 対 し て そ れ に 平 行 で ノ ル ムが 1であるベクトル(*)を作ることを 正規化 といい,ベクトル(*)を vの 正規化 という 。

5 '

4 ~

’•

︱︱

︱︱

-︱

︱︱



~

1 2)

1322

I~I I

,. 3 ',

( 1) [ ~ ]

31 ー 2 ︳ー

次のベクトルを正規化せよ 。ただし.内梢は標準内栢を考えているものとする 。

⑥ 正規直交基底 2つのベクトルのなす f りの定義(定義 1 1)をうけて,

2つのベクトルが直交

するということを次のように定義する 。

-5 ベクトルの直交 定義 1 計量ベクトル空間 Vの 2つのベクトル

V, W

について

( v , w)=O

が成り立つとき , vと w は(内積 ( . '・ )に関して)直交するという 。

K=Rで,ベクトル

V, W

が零ベク トルでないなら,

V, W

が直交するとは,

7[

そ の な す 角 が 一 で あ る こ と に 他 ならない 。上 の 定 義 で は こ の 幾何学 的事実を

2

踏まえて. K =C である 場合も , また

V, W

のどちらかが零ベクトルに等しい場

合も ( v , w)=Oであることを「 vと w は直交する 」 ということにしている 。

匡 口正

ベクトルの直交と 1次独立

K上の計量ベクトル空間 Vの零ベクトルでないペクトルの組 { v 1 , V2, ・ ・・ ・ , V叶 が,対ごとに直交している ,すなわち , i キ jについて

( vり

2 4 6

釘 笞

Vj)=O であるとする 。このとき ,{ v i ,V2, ・ ・・ ・,Vn} は

7, : . . 仏J . f i ' l

1次独立である 。



1次関係

a1Vけ・ a 2 V 叶・ ・・・・・十 a nvn =O ( a 1 ,a 2 , ・・・・・・, a手 K)

(*)

が成り立つとする 。 i = l ,2 ,・ ・ ・・ ,n について . i キ jなら ( V j , V) 、=O なので

( a 1 v 1+a2v叶..…・ + a , , v n ,v , ) = a 1 ( V 1 , V;)+叫 V 2 ,V ; )+・ "・ ・ ・ 十a n ( V n ,v , )=a,I I V ;1 2 となる 。

0,V;)=Oに等 しく .V圭 0より I I v , I I = 1 = 0なので, a,=Oである 。 これが ( = l ,2 , ……,n についていえるので, これがすべての i

1次関係(*)

は自明であることがわかる 。

V 1 ,V 2 , ……, V n}は 1次独立であることが示された 。 よって, { これを踏まえて ,次のような定義をする 。 定義 1 6 正規直交基底

v 1 ,V z , .…・, V』 は,次の条件を満たすとき , 計量ベ クトル空間 Vの基底 { 直交基底という 。

(01 ) V 1 ,V z,. . . ..,V nは対ごとに直交している 。すなわち ,i キ jなら

( v ; , v1)=0である ( i ,j=l,2 ,. . . . . .,n )。 直交基底は ,更に次の条件を満たすとき ,正規直交基底という 。

( 02 ) V 1 ,V z , ...,V nはすべてノルムが 1のベクトルである 。すなわち ,

i =l,2 ,. . . . . .,n につしヽて l l v ; l l = l

~

K"上で標準内積(.' . )を考えると. Knの標準基底{釦, e z , …. .,en } は正規直交基底である 。

~

次のベク トル の組が , K3の ( 標準 内積に 関する)直交基底であることを 示せ。 ま た そ の 各 ベ ク トルを 正規化 し 正 規 油 交 某 底 に せ よ。

1 1 . J :I : ' J .I~, l l I I I

内柏と計餓ベク トル空間

247

~ v,~ ['. ]v,~ 口 l[ l 'V 戸

0

2 ~1

とする 。

5

( vぃ 叫 =l・(-2)+2・l+0・5=0 ( v i , V3 )=1・2+2・(-l)+O・ l=O ( v 2 , V3)=(-2)・2+1・(-1)+5・1=0 よって, { vぃ功,叫は対ごとに直交している 。

,2 4 6 . 定狸 1 2より. { vぃ 功 , 叫 は 1次独立である 。 特に. p dimK3 =3な の で { vぃ 功 , 叫 は い の 基 底 で あ る ( p .1 7 1 .第 5収系 3 1参照) 。 したがって { v 1 , V2 ,ぃ}は,知の直交基底である 。 また.各ベクトルを正規化して.正規直交払底

l六[:], Ao [ :'] 方[~,II が得られる 。

~

/~く :・ ベクトルの組が !{3の(標準内 t i ' l に関する)『': 交枯底であ ることを 示せ。 i f規直交砧底にせよ 。 その各ベクトルを正規化し ..

![。1].[H[~:JJ

⑥ グラム・シュミットの直交化 計量 ベクトル空間 Vの.与えられた基底 { v 1 ,V2 ,. . . . . .,V 1 1}か ら.正規直交 基底を作るための手顛について考えてみよう 。

… . . .凶}を構成

まずは. 基底 { v, 1 V2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ ,V 1 1 }から .匝交基底 { v ; ,V2 ,・ する 。

[ 1 ] v 1 1=v1 とおく 。 [ 2 ] V炉=v2-x1v ' 1 とおいて. v ' 1と V 2が直交するように.未知定数 X 1 を決め る。すなわち, X 1についての方程式 ( v2 ,v ; )=Oを解く 。

( V 2 ,v ; )=( v2 ,v ; )-X 1 I I v ' 1 1 1 2

2 4 8

箱 7窄

! J 、 J 枯

( v 2 ,v ' 1 ) ( v 2 ,v ' i ) である 。 よって.泌 =v2v ; とする 。 I I v ;1 2 I Iv ;1 2

であるから. X1=

[ 3 ] v i : =v亡 X 1v;-x 2 凶 とおいて. V ¥ , V. 2V i :が対ごとに印 交する ように.未 知定数 X 1 ,X 2を決める 。すなわち, X 1 ,X 2についての連立方程式

{( v : i ,v ¥ )=O (応,伍) =O を附く 。既 に 私 と 近 が 直 交 し て い る の で

( v ; ,v ¥ ) = ( v 3 ,v ' i )-x, l l v ' 1 I I円 ( v i : ,v2)=( v 3 ,v 2 )-x2l l v2 l l 2 ' , ) ( い , V2 ) 如, v であるから.x1= である 。 .x 2= I Iv , '1 2 1

l l v W

( V 3 , v; )

て' よっ ぃ =v3―

I I v ;1 2

( V 3 , v2 ) V2とする 。 I I ' 1 1 2 V 2

v ;-

以上のような手顛を繰り返して,凶まで計符する 。その I iステップ日

( / i = l ,2 , ……, n ),すなわち

, v , の決定は.次のようになされる 。

[ ! ? ] v, , =v,,-x1v;-x 2 必―. . . . . .-X k 1Vい と お い て , v; ,V2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ . V kが 対

I

1 ,X 2.. . . . . .,X炉 1を決める 。すなわち, ごとに直交するように,未知定数 X ( v ; , , vD=O

x , .x ,... . . ..x ,,についての辿立方程式

( v i

" . ' H

を解く 。

( v k , Vい ) =O 既に V 1 1.V 2 , ... . . Vいが対ごとに直交しているので

( v ; , ,v ; ) = ( v , , ,v ; )-x ; l l v : 1 1 2 = であるから x;

( vh ,v ; )

I I v : 1 12

である ( i = l ,2 , .. . . .,! ? -1 ) 。

( V 1 , , v; ) ( v 1 , , Vz ) ) ( V 1 , , Vい 一・・・・ ・・一 V2 v ;V1 , 1 とする 。 I I v ' 11 1 2 I I v 2 1 2 1 I I v , ,I1 1 2

1 , よって.vk '=v



v ; ,V z , …… ,v ; , } 以上の手順を nステ ップ 日まで繰り返すことで,直交基底 { が得られる 。最後に,得られた直交基底の各ベク トル を正規化 し て 正 規 直 交 基 底

{v ; V z ... . V~ I I v ;I I ' I Iv 2 I' I 'I I v ; , I I} が得られる 。

田 内梢と汎紐ベクトル空間

249

任意に与えられた基底から,直交基底および正規直交基底を構成するための, 上記のアルゴ リズムをグ ラム ・シュ ミッ トの直交化 という 。 グラム ・シュミットの直交化によって計屈ベクトル空間上のいかなる基底か ら出発しても正規直交基底を得ることができる 。 これより .次の定理が成り立 つことがわかる 。 匡 庄 正規直交基底の存在 有限次元の計量ベ クトル空間は ,正規直交基底をもつ 。



jv,~ [ ~ l

lJ J v,~ [

v,~ [: ])

I こグラム・シュミノトの直交化を

適用 して, K3の(標準 内積に関する)正規直交基底を構成せよ 。

~ [1]v',~v,~ [ 。1] [ 2 ]v z = v 亡 X ぷとして, ( v z ,v ; ) =l 2 x 1 =0とすると , X戸

1 2

一 である 。

よって,妬~v亡+v',~-J [ J l z [ 3 ]

v ' . i = v 3 x 1v ; x z必とすると, ( v ' . i ,v ; )=一 l 2 x 1 = 0およ



3 ( v ' . i ,V z )=--3 - -xz= O より, Xi=- ½, x 2 = -lである 。 2 2

よって

v;~ ぃ+長+ve~ [ ] ] 以上より,求める正規直交基底は

j7z[~,]·A-[i,J. , )・ ] >- [ :

2 5 0

第 7卒 内 枯

~

{パ],v2= [~]} にグラム・シュミットの直交化を適JIJ して炉の

(1)

(標準内栢に関する)正規直交基底を構成せよ 。

( 2)

jv,{J

v,~[『I·v+ 2

I Iにグラム・シュミソ トの廊交 化 を適 用

2

して , 炉 の(標禅 内粘に関する)正規直交粘底を構成せよ 。

⑥ 直交補空間と正射影 Vを内梢(・, ・ ) (K=C のときはエルミー ト内積)を もつ計紐ベク トル 空 間と し ,

Sをその部分集合とする 。 このとき, Sのすべてのペク トルと直交する Vの

ベクトル全体を考え. 51 .と密 くことにしよう 。 すなわち



={viすべての wESについて ( v ,w)=O}

次の補題が示すように,

どんな部分集合 Sに対しても, 51 .は Vの部分空間に

なる 。

1 5 . 1は Vの部分空間である 。 補題 1

〇R p.144.第 5窄定義 1-2の条件 (Sl),(S2), (S3)を確かめよう 。 ( S l ) すべての wESについて, ( 0 , w)=Oである 。 よって, O E S . l ( S 2 ) V 1 ,V 2 E S . l とする 。すなわち,すべての wESについて . 如, w)=( v 2 , w)=Oとする 。 この と き

( vげ Vz , w)=(v1, w)+(v z ,w)=O+O=Oである 。 よって , v占 v 2 E S . 1

( S 3 ) vES1 .とする 。すなわち,すべての wESについて. ( v , w)=Oとする 。 この とき,任意の aEK につ い て ( a v , w)=a(v, w)=Oである 。 よって, avES1 . 以上より, 51 .について条件 ( S l ) .( S 2 ) ,( S 3 )が成り 立 つので. 51 . は Vの部分空間である 。

vES上ならば Sのベク トル の任意の 1次 結 合 釦 w,+a2w2十・・・十 asWs ( w , , W2 ,・ ・ ・…, WsES)について ( v , a1w叶 a2W 叶・… ・ ・+a s ws ) = a 1 ( v , w1)+aiv, w2 ) + ・ ・・ ・ 十a s ( V , Ws )=O である 。 田

内梢と,1 1 ・ : , tベ クトル空間

2 51

すなわち.

V は Sのペクトルの.いかな

る 1次結合とも直 交する 。 よって ,

W を Sで生成される Vの部分空間とすると.次が成り立つ 。 s1 .= w 1 . 定義 1 7 直交補空間

Vの部分空間 W について,部分空間 w.L を W の直交補空間という 。

刊 : r 交補空間という概念がも つ顕著な 性 質 と し て 次 の 定 理 が あ る。 匡

匠月

直交補空間による直和分解

Vを有限次元計量ベクトル空間とし , Wをその部分空間とする 。 このと き. Vは W と 加

〇〇

の直和に分解する 。すなわち, V=vV④ wL .

次の 2つを証明すればよい 。 ( a) V = W + WL .である 。すなわち,

Vの任意のベクトル vは. W の

ベクトル w と. w.Lのベクトル w'によって v=w+w' と四ける 。 ( b) w nw L .={o}

( a)を示す。そのために,

W の正規直交基底 { w , , W2 ,・・・・・・, Wm}を

) とる (m=dimW)。 Vの任意のベク トル vについて, a;=(v, w, (i=l, 2 ,. . . . . .,m) として, w =釦 w1+a2wげ....十 amWm, w i , w;)=心 な の で *) u=v-wとする 。 ( ( u , w; )=( v , w,)-a,=a;-a;=O が , すべての i=l, 2 ,. . . . . .,m で成り立つ 。 { w , , W2 ,・・・ ・・ ・, Wm}は

W を 生 成 す る の で こ れ は u E WL .である ことを意味し ている 。一方, w E Wであるから, v=w十 u E W + WL .となる 。 次に, (b)を示す 。 vEWnW.L として v=Oであることを示せばよ

I v1 1 2=( v ,v ) を計算すると .v E Wであり,かつ vEW.Lなの で い。I ( v , v)=O となる 。 よって(内栢の条件 ( I 4 )から) v=Oである 。 定狸 1 4より.有限次元計砧ベクトル空間 Vの部分空問 W が与えられると ,

Vの任意のベク トル vは.次のように,

W に屈する成分と.その直交補空間

wL .に属する成分の和に. 一意的に分解できる ( p.1 4 8 . 第 5咽定珊 1 3参照) 。 *la ;はクロネッカ ー記号( 箱 lり125ページ)である 252

釘~7 ↑;,1

1 J . Jf 1 ' t

w上

v=w+w'(wEW, w'EW ) 上 , このとき . wを

・ w

vの W への 正射影 という 。 ま

た. T lの任意のベクトル vに対して,その W へ の正射影 w を対応させることで.写像

Pw:Tl —• W

( v← Pw(v)=w)

が定義される 。 これを, W への 正射影作用素 という 。





正射影作用素の線形性

正射影作用素 Pwは, Vから W への, K上の線形写像である 。

〇R

第 6章定義 1 2( p.1 9 4 ) の条件 ( L l )と ( L 2 ) を確かめる 。

( Ll) V i , vzEV について, v1=w,+w'1, v戸

W叶

Vの直和分解 V =WEBW 上に従って 叫

( w 1 , w2EW, w ' , , w戸 W . L )

と.それぞれ一意的に分解する 。 このとき. P w ( v ; )=w;(i=l, 2 ) である 。

v1+v2=(w,+wz)+(w'1+w2) であり . wげ

W戸

W. w;+w倍 三 間 で あ る か ら , こ れ が vげ Vz

の直和分解 V=WEBWL .によ る (-意的な)分解である 。 よって .Pw(vげ vz)=wげ

W戸

/ J w ( v i )+Pw(vz) となり, Pwにつ

L l )が成り立つ 。 いて ( ( L2) vEV について,

Vの直和分解 V = W④ W 上に従って

v=w十辺

(wEW.w'EW. L )

と,一意 的に分解する 。 このとき ,Pw(v)=wである 。任意の

aEK について, av=aw+aw' であり, awEW, aw℃:w L .で あるから,これが avの直和分解 V=WEBW.L による(-意 的 な ) 分解である 。 よって. Pw(av)=aw=apw(v) となり, Pwについ て ( L 2 )が成り立つ 。

I I ] 1 J 、 j 私と対似ベクトル空間

2 5 3

応J f l !1 4の証明から,次のことがわかる: { w , ,W 2 , ……, Wm} を W の正規 直交基底とすると,任意の vについて

Pw(v)=(v, w1)wげ ( v , w2)w叶 … ・ •・ +( V , Wm)Wm

(*)

である 。

J wの具イ本的な表示(*)を用いて 定理 1 5の別証を与えよ 。 正射影作用素 /



i

~ l [ : 1] . [



で生成されるいの部分空間を

W

とする 。 このとき

v~I:l

W への正射影を求めよ 。ただし,知の内柏は標準内秘を

の ,

考えるものとする 。

r 1 J . ll にクラム・シュミットの直交化を適n—J して, W r:



1

-1

の正規直交基底

: . J '富l I J i

jw,~)3 [ 尋 ︵っ 1 ー

るて︶

をょ

o

~

のる

-︱

>る

き考





︱ .



︱︱ す ー 3- ーと の ︱︱も

42 . .







とを る栢 す 内

│g

3





.影



と準 w 標 よ を t

I J 11



3

るた

さよ 成め



でを

__寸



_-

·

︱︱ ー

1-

7 3=

︱-



1 45-

l-7

︱︱



~

-



k

︱ー

分 "p 音 の

し だ

11 [

K

︱︱

-





~

生求

2

︵> げ w

~ ~

w ︶2 w

w

lol り 正

︱︱ 122 ヘ ︱ -W ‘ .`

第 7章 内 粘



—.

Ji





' ーー\



w

p

ヂ 2 5 4

us~

~

l f : l

て 生 成 さ れ る 知 の 部 分 空 間 を W とする 。 K'から W へ の 孔 射

影 作 用 素 を , K3の 1次 変 換 Pw:K 3 >K3 と み な す と き , そ の 標 準 基底に関する表現行列を求めよ 。



W の正規直交基底は

! K : [ I I

てある 。

よって

[f , w ( e , ) Pw如 )

したがって

]~+ I::}[

P w ( e , )

,

求める表現行列は

~ l[:J. l :

]½I::: I

e , e , e ,

111 , [ 1 ] 1 11 1 1 1

で生成される知の部分空間を

てある 。

wとする 。K"から

W への正射

K 3 >応 と み な す と き . そ の 標 準 基 底 に 影作用 素 を . 知 の 1次変換 Pw:

関する表現行列を求めよ 。

] 江

内粘と計批ベクトル窄間

255

回直交変換とユニタリ変換 実計餓ベクトル空間(または複素計屈ベクトル空間)上の 1次変換で内梢(または エルミート内柏)を保存するものを直交変換(またはユニタリ変換)という 。 これらの 変換は内積を保つのでベクトルの大きさや .実計屈ベク トル空間の場合はベクト ルのなす角も不変にする変換である 。 そのため.これらの 1次変換は .物狸や工学などのさまざまな場 H ii に登場する .非 ‘常に重要なものである 。 この節では直交変換とユニタリ変換を甜入しその基本性質や.それらの計算法 について学ぶ。

⑥ 対称行列とエルミート行列 Kの要素を成分にもつ n次正方行列 Aが,その転 置 行 列 汎 と 等 し い ( 汎 =A) とき, A を n次の 対

a11

a12 a13・ • •

G13 Gi i : G33 .• .

称行列という 。

• • ・a1n

a1 2 a2 2 a23 ・• ・ • • ・a2n 3 , , .•. G

対 称 行 列 A =[ a u ]に お い て は , そ の ( i ,j )成 分

a ; ,と

C i ,i )成 分 a j ;が等しい

( a u = a j ; )。

... a,,. a 1 , , a 2 , , a : i , , ・・書

対称行列は. 図 lの よ う に 対 角 成 分 に 対 し て 対

図 I 対称行列

称になっている 。

a

I i i1の陰影部)の成分が決まれば.それ以外の成分は すなわち,上三角部分 (

自動的に決まる 。 (例えば 図 1の ( 2 ,1 )成分が

a12

になっていることに注意。)

対角行列は対称行列である 。 よって特に,単位行列や零行列も対称行列である 。

f f i

A. B を n次の対称行列とする 。 ( 1 ) A+B .l i A( I 造 K)は対称行列であることを示せ。 ( 2) ABは対称行列になるか。 ずいはんぎょうれつ

複 素 数 を 成 分 に も つ 行 列 A について, A*=汀 と し て , こ れ を Aの 随 伴 行 列 という 。

a』 の随 伴 行 列 A* と は す べ て の 成 分 の 複 素 共 役 を と す な わ ち , 行 列 A =[ ってから , 転置をとって得られる行列 [ 元」である 。

2 5 6 第 7章 内 w

a12

. . .

a1n

a21

a22

. . .

a 1 1 1 1

a 1 1 1 2

au





a11

G21

G 1 1 1 1

a2n

a12

a22

G 1 1 1 2

amn

a1n

a2n

a , , , "

次を証明せよ 。 ( I )

(A*)*=A

( 2) A . B を複素 m X n行列とするとき

(A+B)*=A*+B* A を複素 LXm行 列 Bを複素 m X n行列とするとき (AB)*=B*A* ( 4) Aが n次正 則行列ならば, A* も n次正 則行 列 で あ り ( A*)-1=(A―I ) * ( 3)

である 。 ( 5)

d e t(A*)=det(A)

複素数を成分にもつ n次」下方行列 Aが ,

白分自身

a 1 1 a12 a13・ • • • • ・a1n

の随伴行列 A* と等しい (A*=A) とき, A を n次

i ' i 1 i a22 a23 ・・• • • ・ a加 i i1 . 1 i i 2 : i a,3 ・・・ • • ・a3,,

の エ ル ミ ー ト 行 列 と い う。 エルミート行列 A=[a』 に お い て は そ の

1・ .

( i ,j )成 分 い

auが

( i ,i )成 分

aJ; の 複 素 共 役 に 等 し

a -1 1 1 a -: ! 1 1 G -3 1 1 ・・• ・・・ a, , n

(au=元) 。

似1 2 エ)レミート 1 子 ダ) I

, ヽ=如 (i=l,2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ ,n )である 。 特に, a すなわち, エル ミ ー ト 行 列 に お い て は そ の 対 角 成分はすべて実数である 。 エルミー ト行列 も そ の 上 三角 部 分 ( I 叉1 2の 陰 影 部 ) の 成 分 が 決 ま れ ば , そ れ

□]

以外の成分は自動的に決まる 。

実 対 称行列“ はエルミ ート 行列である 。 また, 実 数 を 成 分 に も つ エルミ ート 行列は,対称行列である 。



A . B を n次のエルミート行列とする 。 ( l) A+Bはエルミー ト行列であることを示せ。 ( 2 ) ! ?が実数なら .kA はエルミー ト行列であることを示せ。



e t ( / l )は実数である ことを示せ。 エルミ ート行列 Aの行列式 d

a) すなわち .実数を成分とする対称行列。

匝l 直交変換とユニタリ変換

257

⑥ グラム行列 { vぃ功,・…・・, V叶 を Vの基底とする 。 このとき,が個の実数 gヵ

( i , J=l, 2 ,・ ・ ・ ・ ・・ ,n )を , 次で定義しよう 。 (*)

gu=(vi, v ; )( = ( v ; , vJ) この { g』で内積(.'・)は完 全に決定される 。実 際

Vの任意のベクトル

v=a1v1+a心 2 十・ ・ ・ ・ ・ ・ 十G nVnと w=b1V叶 加 V叶.....+b心 nに対して i=l j=l

(**)

i=l j=l



二i 〗〗疇[ 〗□

nn "n ( v , w)=こI:aj b ; (vj , v;)=I:区b ; g u a 1

0



で ヽ/よ

.J

よ・る

('>

︶あ







.



μー一

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と る’,'

︸ヽj

・ :

9~i





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一 丁 , 1





山 t

i

-.4



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9し

••••



ー ヽ ノ

ー ‘ / る 、 ヽ' Vl / ー ー ー5 V I I

'v ,'

j ヽ







’し .

_ し ノ ‘ー ‘ ー

, ' , 2.

2 2 2. v> .

j ヽ j

G

定︵︵︵に 固 .... . を

T.

正積

•••

5Vlvz5"



.I

’ヽ

22,

.V

}ィ

i u 方︵と g

よ︷

VViv> 底ー よ ,゜ ', , よすス せ III vー ︵ >v> 月 る ︵:.` ︵ の ー t i ︱ -V " . .底さ= 1 ぃ l-' ︶基定 の giIJ *の央[ 。 、 l ) う V 1 ︵ ‘ ・で夕=.、

し• ー エり



• ( ((' • V

K"の標準内栢(・,・)と基本ベクトル e ,( i = l ,2 ,. . .…, n )について ( e j ,e ; ) =ふ (似はクロネッカ ーのデルタ)である 。 よって, Knの標準内梢(・,・)の.標準基底に関するグラム行列は. n

g

次の単位行列 Eである 。

v 1 , V2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ ,V 1 1 }が,計麓ベクトル空間 Vの正規直交基 より 一般 に , { 底ならば ( v i ,v ; )=ふ ( i , j=1 ,2 , …… ,n ) なので,その 内栢 (.'.)

v1 ,V2 ,…… ,v , ,}に1剥するグラム行列は単位行列 Eである 。 の,基底 {

2 5 8

第 7r , ' t 1 、 J . f i ' 1

5 '

f] 上連続な関数全体のなす. R上のベクトル空間 c o( [ 0 ,f ] ) / , gEC ゜ ( [ , of ] )に対して (/, g) /(x)g(x)dx

閉│ 区I H J[ 0 ,



=~:

となる内梢を考える(例 2( / J. 2 4 2 )参照)。 Vを. { s i n x ,c o s x }で生成される

c 0( [0, f ) ]の部分空 ILIJとする 。第 5章 ② 例題 3(/J.159) より. { si n x ,c o s x }は Vの基底である 。内私(・, ・ )の. Vの払底 { si nx,c o s x }に l l ) , J するグラム行列を求めよ 。 グラム行列の性質としては次が基本的である 。

匡口臣〗

グラム行列の性質

Vを内 積(・, ・ )を も つ 計 量 ベ ク ト ル 空 間 と し , { v , , V2, …… ,v』 をそ の基底とする 。 ( 1) 内積(.'・) の,

Vの基底 { v , , V2,

・ ・ ・ ・ ・ ・ , Vn} に関するグラム行列

G=[ g』 は エ ル ミ ー ト 行 列 で あ る 。 (よって ,K=Rなら Gは 対 称 行 列である 。) ( 2) v=a,v 1+a心 2+… ・ ・ ・ + a , , v , , , w=b1vげ 応 +・ ・ ・ ・ ・ ・ + b , 心

につい

a 1 て



, b加

b , , ] Gr : : 1

V, w)=[ (

次が成り立つ 。

( I I 3 )( v , w)=(w,v)よ り,g _ ; ; = g u , よって, G*=G

( 1) 内粕 の 条 件

が成り立つ 。 すなわち. Gはエルミ ート 行列である 。 ( 2) 前ページの等式(**)を古き直せば題意の等式が得られることを n

示そう 。そのため .c 、 = 区 guaJ( i=l,2 , … ,n ) とすると .(**)より

﹃-

-︳ら

bn



''

•••

cn

b2 ーで b

C.I

=な

b` , .

2n ・ :a a1 a ﹃一

︱︱

゜ る

ー ,1





、 ド ` エ l





意 題

•••



ー ー



る あ で

Cl8

"2[-

-G ︱ \ノ w

(, >-

CI8 一ーカ

}=1





cn



] 豆

直父変換とユニタリ変換

259

線形写像の行列表現の場合と同様に,内租のグラム行列も,基底を取り替える と.別の行列に変換される 。その変換の様子を調べてみよう 。

Vの基底として { v , ,V 2 ,. . . . . .,V 1 1 }と { v ; ,Vん・…・・, v ; 』が与えられている

v 1 ,V 2 , ……, V n }か ら {v ;,V z ," ' " ' ,v ; ,}への基底の変換行列を とし, { P=[p』とする 。 すなわち

[v ; V z ' ' ' v ; ,]=[V 1 V 2・ ・ V 1 1]P とする 。 また.内積(.'・)の基底{V 1 ,V 2 1 """, V I L }に関するグラム行列を

G=[g, 」 ] , 基底 {v~, Vふ ・ ・ ・・ ・ ・ , 凶}に関するグラム行列を G'=[ gはとする 。 このとき. V戸 Puvげ 伽 v2+. . .… + p , , ; v , ,であるから



合 ) k

g圧 ( v 1 , v;)=( P u v 1 , ~ P砂

(t)

n1 1 1 1n =: Z : :: Z : : : P u加 ( v 1 ,v , , )= : Z : :: Z : :瓦 g 砂 u k=I l=I

k=I l=I

これより.次の定理が成り立つことがわかる 。



臣国

基底変換とグラム行列

計量ベク トル空間 V上の内積 (. .・)の,基底 { v i , Vz ,・ ・ ・ ・ ・ ・ ,v , . }に関す 』 , 基 底 {v ; , v2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ ,v ; , } に関するグラム行列 るグラム行列を G=[g

gはとし, { v i ,V z ,・ ・ ・・ ,v , . }から { v ; ,Vら・ ・ ・ ・' v ; , }への基底 を G'=[ p』 とする 。 このとき ,次が成り立つ 。 の変換行列を P=[ G'=P*GP

@R

等 式 (t)を踏まえて,

エ n

n次正方行 列 A=[a』 を Q 1 , ;= 91 Oである 。 よって,

Gは正則である 。

⑥直交行列とユニタリ行列 VをK上の計量ベク トル 空 間 と し て そ の 内積 (K=C のときはエルミ ー ト内 積)を(. '・ )とする 。 Vの 1次変換で,内積を不変に保つものは,応用上も重 要であることが多い 。 定義 2 -1 直交変換・ユニタリ変換

Vの 1次変換

(p:

v-→V が,次の条件を満たすとする 。

( U ) Vの任意のベクトル

V, W

について , 位 ( v) ,r p ( w ) ) = ( v , w)

このとき ,¢ をユニタリ変換という 。特に ,K=Rのときは ,直交変換と いう 。

図 直父変換とユニ タ リ変換

2 6 1

匡口臣

ュニタリ変換と正規直交基底

VをK上の計量ベクトル空間とし ,< p : v-→ V を, Vのユニタリ変換と する 。

( l ) Vの任意のベクトル vについて ,I I 孤v ) l l = l l v l lが成り立つ 。 すなわち , 叫 よベクトルのノルムを不変に保つ。 ( 2)

(K=R) 叫 よ零ベクトルでない Vの 2つのベクトルのなす角を不変

に保つ 。 ( 3) { v 1 ,v 2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ ,v , , }が Vの正規直交基底なら,

仰( v i ) ,< p伍),・ ・ ・・ ' < p ( v , , ) }も Vの正規直交基底である 。

@~

( 1) -( 3)のどれも,

ゅが内柏を不変に保つことから 明 らかである 。 ■

ユニタリ変換(および直交変換)の表現行列には以下のような顕芳な性質 がある 。 四口臼

ュニタリ変換の表現行列

VをK上の計量ベクトル空間とし ,(. ' ・ ) をその内積 ( K=Cのときはエ ルミート内積)とする 。 加,

V2,

……, Vn} を Vの基底とし,この基底に関するグラム行列を

G=[ g』 とする 。 また ,( ( J :v----.v を , Vの 1次変換とし ,基底 {v ぃ功,•••…,

v』に関する

( ( Jの表現行列を

U=[uはとする

0

このとぎ

以下は同値。 ( a) ( ( Jはユニタリ変換である 。

( b l U*GU=G が成り立つ。 v 1 , Vz , …… ,v 』 が Vの正規直交基底ならば' ( ( Jがユニタリ変換 特に , { であるための必要十分条件は, U*U=Eであること ,すなわち ,

U*=U-1であることである 。



n

叫叫 =~uuv; i=l

(J=l ,2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ ,n ) であるから, i ,J=l, 2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ ,n

について n

n

n

n

如( v J ,( f J ( v ; ) ) = I :I :u u u h ; ( v 1 , vk)=区 図 U 1 , ; g 1 , 1 U 1 J l=l h=l

である 。

2 6 2 第 7, ; 1 内枯

l=I h=I

¢がユ ニ タリ変換であるための必要十分条件 は,すべての

i ,j=l ,2 , …… ,n について ( c p (vふ c p ( v ; ) ) = ( v 1 , v; )=g ; Jとなる こ と である 。 これ は n

n _

I :I :U1,;9kl叩 =g , 1 1=1 k=l がすべての i , j=l, 2 ,. . . ..,n について成り立つ こ とであるが,こ

r'GU=Gであるこ とに他 ならない。 れは [ 如,

V2,

……, v』 が Vの 正 規 直 交 基 底 な ら ば グ ラ ム 行 列 Gは単位

} J .2 5 8 , 例 4) 。 行列に等しい ( U=Eが成り立つ 。特に, よって. この場合は U* de t ( U * )det (U)=det(E)=1より det (U)キ 0で あ る か ら Uは正 則 で . U':'U=Eより U*=U-' となる 。 定理 2 4の結果を踏まえると,次のように定義される行列の概念が重要である ことがわかる 。

2 直交行列 ・ユニタリ行列 定義 2 n次正方行列 Uが U*U=E, すなわち U*=U-1を満たすとき, Uを ユ ニ タリ行列という 。特に ,K=Rの場合は ,直交行列という 。 すなわち . n次の実正方行列 Uが直交行列であるとは ,1UU=E , すなわち ,

t u=u 1が成り立つことである 。 et(U*)det (U)=I det(U)ド =de t ( E )=l ユ ニ タ リ行列 Uは正則行列であり .d で あ る か ら そ の 行 列 式 de t(U) は絶対値が 1の複素数である 。 同様に,直交 行列 も正則行列であり,その行列式は 1または一 1である 。

4から .特に,次のことが成り立つ 。 定坪 2

困臣 n次正方行列 Uから決まる ,K"の 1次変換 ( { J u :K">K"( , : p u ( v ) = U v) が,K"の標準内積に関してユニ タ リ変換であるための必要十分条件は ,行 列 Uがユニタリ行列であることである 。 次の定理は, ユニ タリ行列(お よび直交行列)が,行列と してど のようなもの であるかを 明 らかに している。

塁 ]

直交変換とユニタリ変換

263

匡 四

ュ ニ タリ行列の構造

n次正方行列 Uについて,次は同値である 。 ( a)

( b)

Uはユ ニ タリ行列である 。 uを列ベクトルで書いて U=[U1

{u1, U2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・ , U』

U叶とすると,

は K"の,標準内積に関する正規直交基底である 。 ︱

ー? 9



こ こ



Il

• ••

uuu *]*2 uuu



* " "





*n

* ” ”

, . .... .

222





u u

ら ヽ 力 る





各 成 分 u; *い は , 列 ベ ク ト ル

u u u... *]* 2 uuu

,' u u u... *1*2 uuu ︱︱ =

︱︱



* U T 叫:・ un

︱︱

. . u ••

€*®

U2 . . .

Uj と列ベクトル U iの標準内梢に等しい

(l例 3 .p ,2 4 3) 。 U*U=Eであることは, u ; ' uJ=似 で あ る こ と に 他

m ]

ならず,

こ れ は {uぃ U2, ……,Un} が 標 準 内 粕 に 1剥する正規直交基

底であることに他ならない 。

〇咽 で述べた,回転の

1 次変換を与える行列 [: ~::

~:~『 0 ]は.直交

行列である 。 よって. 特に.

この 行 列 が 与 え る 平 而 R 2上の 1次変換は.直交変換である 。

これは .平面のベク トル の大きさを不変にしている 。実際.これ

は原点を中 心 と し た 回 転なので.ベクトルのノルムを不変にするのは明

デデ

らかである 。

[c o s0 -sin0]が直交行列である こと を確かめよ 。 si n0 c o s0 y

L

町 の 零 でないペクトル w で生成される部分 空間 (すなわち,原点を通る附線)を Lとす る。杞 の 1次変換のを

( v , w) 叫 v)=-v+2

J J wJ 2w

あることを示せ。 ( 2) q ;の ,

R2の標準基底に f M ]する表現行列

を求め,それが直交行列になっていること を確かめよ 。 2 6 4 第 7郊 1 、 1 梢

x

で定義する。 ( l) q ;はLにI 渕する折り返し(鋭 映)変換で

似v )

厘ベクトル積(外積) いわゆる「ベクトル積(外積)」は,応の 2つのベクトル

V, W

に対して同

じ く 記 の ベ ク ト ル v x wを与える派算である 。 この補遺的な節で,ベクトル 積の定義や,その幾何的意味などについて考察しよう 。

⑥ベクトル積

R、 3 の 2 つのヘクトル v~ I ::

l w~I: ; l

が与えられたとする 。 このとき,

vと w のベクトル積 vxwを.次で定義する 。

a z 妬



a 1 b 1



b l

gal の

妬妬

b l妬

︱︱︱

S5al



G 3 妬 , a 1 b



vXw=l

︱︱

G 3 b 3

a 2 b 2 ベクトル積について.以下の性質は基本的である 。 ( a) (交代性)

デデ

( b) (線形性)

vXw=-wXv (avげ b v 2 )Xw=av1xw+bv2Xw (ただし, a . bは実数)

上の性質 ( a)と( b)を証明せよ 。

R3の標準邸底 { e , ,e 2 , 叫に対して.次を証明せよ 。 e 1xe 2 = e 3 ,e 2xe 3 = e 1 ,e 3xe 1=e2 行列式の 3列目における余因子展開 ( p .12 5. 第 4, ) : 定理 4 1)か ら 次 の 公 式

C 3

23 c1 c c

u~ [ :: I について, (vxw, u)~::

23 b1b b

がわかる 。

a 3

ただし,ここで内柏(.'・)は.応の標準内積である 。

塁 ]

直交変換とユニタリ変換

265

⑥ ベクトル積の幾何的性質 ベクトル梢は,次のように,空 間の幾何学的に顕著な性質をもっている 。





ベクトル積の幾何的性質

記 のベクトル ( 1)

V, W

のベクトル積 vxwについて,次が成り立つ。

vxwは vと wの両方に,標準内積に関して直交する 。

( 2) l l v x w l lは, vと w によって作られる平行四辺形の面積に等しい。

v~[J : w~[~:l とする。 a ,



b ,

a 1 b 1 a , ( 1) (vxw, v)= a 2 b2 a 2 =O( p . 1 1 5 , 第 4咽 如刑 2 6)よ り . Q3



Q3

vxwと vは直交する 。 vXwと w も同様である 。 ( 2 ) V と w によって作られる平行四辺形の面精は

S = . / l l v l l 2 l l w l l 2 ( v , w)2 に等しい。 これを計符すると

S=./(aげ十 a22+aげ )( bげ十 b22+bげ)ー ( a ,b 1+a2妬十 Q3妬 )2 =./(aふ ー b辺 3戸+(aふ ー 妬 a 1 ) 2 + ( a 1妬一 b心) 2 = l lvxwll z

z

ベク トル梢 vxw の 向 き は ,



次のようにして決定される 。 x

y

y

x

( x , y, z )がこの順に, 図 3右 の ようになっているとき

( x , y, z ) は右手系をなしている という 。 すなわち,

xから yに向か っ て

図 3 左手系と 1 i予系

右手のヒラを体の内 側に回 すとき, 親 ゆ び が 指 し て い る 方 向 ( こ の 場 合 は 上 方 ) が zの方向になる 。ベ ク ト ル 積

vxwの向きは,ベク トル の組 ( v , w, vxw)が右手系をなすように定められる 。

266~'17'1存

1J、Jfi'[



グラム・シュミットの直交化の由来

コラム

「グラム・シュミットの直交化」のグラムはデンマークの数 学者ヤアアン・ペダー セン・グラム ( 1 8 5 0 1 9 1 6年)を指し

シュミッ トという のは ドイツの数学 者 エル

ハルト・シュミット ( 1 8 7 6 1 9 5 9年)のことである 。 シュミ ッ トの 1 9 0 7年の論文に 「線型および非線型栢分)j和'式の理論第

I心I I :指定された関数系による任慈関数の

展 開 」 と い う の が あ り テ ー マ は 粕 分 方 程 式 論 で あ る 。 この論文において .理論構 築の 1つの 補助手段としてグラム・シュミットの直交化が語られた 。

[ a,b]で定義された実数値連続関数の全体を Hで表すと .

実直線上の有界閉区 間

然に関数の和と l 剥数のスカ ラー 1 音が考えられて H は無限次元の(い い換え ごく「l ると,布限個の基底が存在しない)ベク トル 空 間 になる 。 この場合,

[ a ,b ]上の

個々 の辿続 関数がベ ク トル である 。 Hに所屈する 1次独立な関数系 < p , ( x ) .< p z (x ) . . . .. .ゅ , , ( x )が与えられたとき,シュミットは新たな I 灼数系 c / ; , ( x ).仰 ( x ).

c p , , ( x )を次のように J l f (次構成した 。 < / ; 1( x )



( x )



牝( x)=

叫) — 叫x) 〖如)約 (z)dz

j ~>V0 1は 0を固有値にもち,

Vに属する零ベク トル

d vの固有 値 0に対する固有ベク トルで でないすべてのベク トルは, i ある 。



A , μ を, 1次変換いり 相辿なる ( , lキμ)固有値と し, W, 入

μ wを

それぞれ A,

μ に対する固有空間とする 。このとき. W, 入nWμ={O}である ことを 示せ。

a) す な わ ら

Vのすぺ てのベク トルを 0に写す 1次変換。

田 固有値と固有ベクトル

273

練晋 2か ら ゅ の 相 異 な る 固 有 値 に 対 す る 固 有 空 間 の 和 飢 + 肌 は . 直 和 で ある こ とがわかる 。 次の定理は . これを一般化 したものである 。

四 口□

固有空間の和

・・ ・ ・・ ・入 r を, 1次変換 ゅの互いに相異なる(すなわち . i キjにつ ふ,九 ・ いて んキ , l J固有値とする 。

, +w入,+・・・・・・十 W心 は直和である 。 このとき , 固有空間の和 W入

〇R 第 5虚定理 1-4(p.150)の条件 (c)を 自 然 数 rに関する数学的帰納法 で確かめる 。

r=lのときは自 明である 。 r=s>lと して. r=s-1のときの条件 ( c)は成立していると仮定する 。 V;EW , 入( i =l ,2 ,・ ・ ・. . ' s )について v ,+v2+. . . . . .十 vs=O

( * )

入,なので とする 。 この両辺 に 1次変換①を施すと , V;EW,

ふv 1+t12v2+. ・ ・ ・・ 十 入s Vs=O

(**)

となる 。 そ こで ふ X(*)-(**)を計算すると

1 1 ) v 1 + (ふー t 1 2 ) v 2 +・ ・ ・ +(ふ一人ー 1 ) V s 1=O (ふー t となる 。 r=s-1のときの条件 ( c)(数学的帰納法の仮定)からすべて

,・ ・・ ・ ・ , s-1について(ふ―心 Vj=Oとなるがふキ入)なの の j=l, 2 で

V j=Oである 。 これを( *)に代入して, Vs=Oとなる 。 ,2 ,. . . . . .,sについて v,=Oとなり. 第 5 以 上 か ら , す べ て の i=l

窄定則 1 4の条件 (c)が確かめられた 。

国[ 8 J キjについ ふ.九・・ ・ ・・・,ふ を. 1次変換 が D互いに相異なる(すなわち . i て んキ A ; )固有値とする 。 また , V ;(i=l,2 ,・・・ ・ ・ ・ ,r )を 固 有 値 A ;に対す

v 1 ,v 2 ,・ ・ ・ ・ ・・ ,v , . }は 1次独立である 。 る固有ベクトルとする 。 このとき , {



1次 関係 a 1v叶 a匹 2 十 ・・ ・ ・・ 十a , . v r =Oを考える 。 定則 1 -1より (第 5章 定理 1 4参照),すべての i =l ,2 , ・・・・ ・ ・ ,rについて. a心 =Oである 。 ところで,

V;は固有ベク

トルなので v ぎ 0である 。

よって,すべての i=l ,2 , …… ,rについて a;=Oとなり . 如,功,•• • …,

2 7 4

第 8沼

v』 が 1次独立である こ とが示された 。

固有値問題と行列の対 f り化

⑥ 固有多項式 こ の 項 で は 特 別 な 場 合 と し て 数 ベ ク ト ル 空 間 V=K"の場合を考えよう 。

Vの 1次変換は,(標準基底での表現行列をとることで)一意的に決まる n次正 方行列 A によって 四:

Kn_,K".

c p . 4 ( v ) = A v

と紺ける ( p .2 0 7 . 第 6卒 図 定則 2 2参照)。 仰 の 固 有 値 固 有 ベ ク ト ル . 固 有 空 間 を そ れ ぞ れ 行 列 Aの 固 有 値 固 有 ベ クトル.固有空間と いう 。 庭

K について

.w={xEK"Ic p パx)=,ix}は 同 次 連 立 1次)j程式 入

(*)

(A-11E)x=O の解空間である 。 よって 入がA の固有値同次連立 1次方程式(*)が非自明解をもつ ⇔

rank(A-11E)d~' ]

B=P-1AP= ここで,恥は d次の単位行列,

0は (n-d)Xd型の零行列 , Cは

dX(n-d)行列で,A'は (n-d)次正方行列である 。 -2と還元定理 ( p .1 1 9 . 第 4章定理 3 1)により よって, 定理 1 凡( t )= 凡 ( t )

=det(tE-B)=det[( t, l ) E d C ] 0 tE n-d-A' =( t , 1 ) dd e t ( t E n d-A') =( t , l ) d F A , ( t ) よ って,凡 (t) は (t - ,l) d で 割り切れるので

d~m が成り 立つ 。

特に, m=lならば次がわかる 。

国正 入がAの重複度 1の固有値であるとする 。 このとき ,dim凱 =1

2 7 8

第 81 咋 問有値問題と行列の対角化

⑥特別な形の行列の固有多項式

m

特別な形の行列について,固有多項式や固有空間がどのようになるか確かめて



みよう 。

a 1 1

a 2 2 上 三 角行列 A =

の 固 有 多 項 式 Fパ t )は,次

O n n で与えられる。



凡( t )=( t a l l )(t-ad. . . . . .( t a n n ) 実際. } J.1 2 0.第 4硲系 3 -1( 1 )より

t-an

t a 2 2 凡( t )=det(tE-A)=

t-a血

=( t a 1 1 )(t-a2 2 ・ )・ ・ ・ ・ ・ ( t an n)

︱︱





よ,.



`j 、 t ︵



ド ‘ 、

Fム

項 多





イJ ︱ ︱

2 2

a

= A 列 l , 1

角 三

マ ー

〇...

aー

︱︱



n ” " a



凡( t )=( L a 1 1 )( l a 2 2 ) ・・ ・ ・ ・ ・ ( t a , , , , )で与えられることを示せ。 ︱︱

・ ヽ

. て

-︶

'>





. . .

2

A

AF

lo

_-

︱-

r

せ 示 を



り ︵

.

︵2



A F t 、 ‘ l¥



FA

t

F A

A 。

AO

T



ッ︶

ィ ) 1

り 1

対 ク



ロ(



田 l 固l 有値 と固有ベクトル

2 7 9

特に.対角行列については.次の定理が成り立つ 。

四 口 応月

対角行列の固有多項式と固有空間

n次の対角行列

A~ [ ふ Em, を考える 。

入, E , . ,

. .



j 0

ふE m , .

,2 , ……, rについて , ( i ,i )対角ブロ ックは 1 1 ; E m ,であ ここで各 i=l 7 1 ;次の単位行列である 。 (よって, m凸 m2十・・ ・・・・十 i nr =nで り,Em,は 1 ある 。) また ,ふ,九 …… ,1 1 rは互いに相異なる 。すなわち ,んキ入 j ( iキj ) とす る。 このとき ,Aの固有多項式 凡 ( t )は次で与えられる 。 凡( t )=(t-,l1 ) 1 1 1 1 ( t-1 1 2 ) m , .・ ・ ・ ・ ·(t-11r)111•



すなわち ,A の固有値は ふ,九 …… ,, l , .であり ,各 i=l 2 . . . . r について ,ん の重複度は m;である 。 また ,ん の固有空間

w入の次元は i

i n ,に等しい 。

dimw,,=m, 〇~

Fパt )=( tーふ) 1 1( f 1 1 2 ) 1 1 1 2・ ・ ・ ・ ・ ・ ( l A r ) " 'rとなることは,

例 2からわかる 。

また, K"の標池基底の最初の 1 n 1個

{ e 1 , e2 , ・・ ・ ・・ . 'e m , } は す べ て ふ に 対 す る 固 有 ベ ク トル なので dimF V , ふ; s : ; m 1である 。 これと, 定則 1 3から , dimW : , 入=n i iがわかる 。 同 様 に 次 の m2個

{ e m 1 + l , e1 1 1 1 + 2 ,・ ・ ・ ・・ ・,e 1 1 1 1 + 1 1 12 } は す べ て 入 2に対する固有ベク トル な の で 上 と 同様に dimW, 入 2=m2 がわかる 。 これを繰り返して,題意の等式 dimW, , 入=m;( i =l,2 ,・ ・ ・ ・・ ・ ,r )が 得られる 。

2 8 0 第 8邸

固有値問題と行列の対灼 化

図正方行列の対角化 前節の冒頭では,固有値や固有ベクトルの意味を解説する中で. 一般の行列 A を基 底変換によって対角行列で表現すること,すなわち,正則行列 Pが存在して p-1AP が対角行列にできる例について述べた 。 このように,与えられた行列を.砧底変換に よりその表現行列を取り替えることで,対 角 行 列 で 表 現 し な お す こ と を 行列の対角 化という 。対角化は常にできるというわけではないが,

1次変換の現象を理解する

上で,極めて便利で強力な手法である 。 こ の 節 で は 行 列 の 対 角 化 に つ い て

1通り

のことを学ぶ。

⑥ 正方行列の対角化 n次 正 方 行 列 A の 固 有 多 項 式 凡 ( t )は , n次 の 多 項 式であり , A の 固有値と は.凡( t )=Oの解である 。 よって, A は高々 n個 の 固 有 値 を も つ心

n次 正 方 行 列 Aの . す べ て の 固 有 値 を

ふ.

1 1 2 , ・・・・・・.ふ

(*)

とする 。 ただし , こ こ で こ れ ら の 固 有 値 は , 互 い に 異 な る と す る 。 すなわち, んキふ ( iキj ) とする 。 各 i =l,2 ,・ ・ ・・ ・ ・ , rに つ い て , 固 有 値 ふ に 対 す る 固 有 空 間 W入,を考 える 。 そ の次元は, d i m f , V , , 入=n-rank(A-入; E)である 。 今 こ れ ら の 次 元 の 和 が nに 等 し い , す な わ ち , 以 下 が 成 り 立 つ と し よ う 。

dim叫 +dim閃+・・ ・ ・ ・・ 十di mW : 入 , . =n l の 定 理 1-1より, Knの 部 分空 間の和

( ナ )

w,入+W : 入,+… … + W: 入,.は直和であり,

/ J .1 7 9 , 第 5や系 34より , そ の 次 元 は nに等 しい 。 よ っ て ( 2)よ り

j ) .1 7 3, 定 埋

3-7

K n=W: ふE BW, 心④ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ④ W心

となる 。

=l,2 ,. . . . . .,rに つ い て , 固 有 空 間 これは , 次 の こ と を 意 味 す る :各 i の甚底

{w;1, w 心, ・ ・ ・ ・ ・ ・ , W;mJ

w , 入

(m;=dimW : 入,)をとると. そ れ ら を す べ て 並 べ た

W11, W12, . .・ ・ ・ ・ ,W1m,, W21, W2 2 , . . . . . ., W2m2, . .. . . ., W,、I , Wr2, . . . . . . . Wrm. ,

(**)

は!{"の基底を与える 。 そ こ で, n次 正 方 行 列 Pを以下で定義する 。

P=[W11

W12 ・ ・ ・W1111,

W2 1

W22

・ ・ ・ W 2m2

・ ・ ・Wrt

Wr 2 ・ ・ ・Wrn , , .]

2) 投 素 数 ま で 訊 せ ば 韮 複 を 込 め て ち ょ う ど n個の固有値が存府する。

図正方行列の対灼化

2 8 1

こ の と き Pは n次正則行列であり, K"の標準基底から基底(**)への変

p .2 3 0.第 6常 固 例 2参照) 。 よって , B=P-1AP は,行 換行列を与えている (

列 A で決まる 1次 変 換 釦 : K" —• K' しの基底(**)に関する表現行列である 。

︱︱

入 ー

2

m

E

、A2

︱︱



t



” E '

l-1n

列 1A ク イ

対個町

f J 1



OU

︱︱

im

:W 分 成 角 対





値ー 有 固



,

n





t ィ

う間 p い空列の と有行め 固則た 2 の正る の直次あ

心 ° 固な能 忍のう可

し A ょ i で

9

4 ヽ

” " "

反カ

固_~定対で)

'T ー



対 し



l 2 ' 召 p 可f ')A 七 条 → 7 イ

d =i( p =こ の



ヒヒ

d る角 =んこ , な対 E m 加灌引とが ・カ ょ lj 3o1 wタリ AL)• 11 る行 た [ •Ar ..の ,し肛あは . 2i m~

ヵェ閃 BA ょ i.lml

o ll

,1, ' E I l l こ ︵

.

Or,

EA 1i '0 ジ ら ゞ う A ︱ 力 ぇで︱︱る'の一な A ...の ヽは固ぺいす p

’〇

’と’

し 1 な A に 前しち示 て 匹ー ヽ力 ゞ w EB ︳し分,等わ , 入 pp 2 未 成 m てにな理る I 入︱-= 意 l-di し n す 定 あ 凡 PBf .=こ一 、ヵ ので , を 女J ・,' i m ぅ 利ー るく汐こ件

EA Al

0

3) 対角化可能であることをしばしば半単純ともいう 。

Or

=[A1W11 A 1 W 1 2 ・ ・ ・ A 1 W 1 1 1 1 1A 2 W 2 1 A2W22・・・A2W2m2・・・ArW,・1 A , W , 2 ・ ・ ・A , w , . , , , , ]

鯰〇 ︱︱

, ,

, w ー



w ー

2

, 2

w



2

w



m

W i

ー ー

︱︱

w

8邸 1 i , 1布値問題と行列の対灼化



2 8 2

W22 … W z m 2 ・・ ・ Wr 1 Wr2… Wr m ,] A P= A[W 1 1 W1 2. . .W 1 1 1 ,珈

•••



一ーがこで,よのす'条 p るるこにの元在は分 = なあこうこ次存実十 とでよのが要

•••

(wu)=Awu=んw / J 四

w , , この行列 Bは,次のように計算される 。 各 i = l ,2 , ……, rについて,

( j = l ,2 ,・・ ・ ・ ・ ・ ,叫は,釦の固有値んに対する固有ベクトルであるから

が成り立つ 。 よって

匡口臣〗 正方行列の対角化可能条件

n次正方行列 A の固有多項式 凡 ( t )が, K上 で 次 の よ う に 1次 因 子 の 積 に分解したとする 叫

t )=( tーふ) 1 1 1 ' ( t -, 1 z ) " " 2 ・・ ・ ・ ・ ・ ( t -ん ) 叫.ふキ A 」 ( iキj ) 凡 ( すなわち ,A の互いに相異なる固有値の全体は ふ , A 2 , ・・・・・・,んであり,

,r ) とする 匁 このとき.以下は

i = l ,2 入、の重複度が m,である ( 同値である 。 ( a)

AはK上で対角化可能である 。 すなわち, K上の n次正則行列 Pが

存在して , P 1APが対角行列になるようにできる 。 ー

( b) 各

i = l ,2 ,. . . . .. rについて.固有値 , 1 ;に対する固有空間を W入

とするとき .次 が成り立つ 。 dim 閃 +dim 肌+ •… ··+dim

W, 入, .=n

( ↑ )

w :④ ・・ ・・ ・ ・ ④ W心である 。

すなわち, Kn=W, 入IE B ( c) 各

入2

i = l ,2 ,・・ ・ ・ ・ ・ , rについて ,dimW,,=m;が成り立つ 。

また, A が 対 角 化 可 能 な ら ば, その対角化 p-1APの 対 角 成 分 に は , 各

i = l ,2 , ……, rについて,固有値 Aしはちょうど m;個 並 ぶ。



( b) ⇒

( a)は 既 に 上 で 証 明 し た 。 また .

mげ mけ... …+ ni,.=n なの

p-1APが対角行列



Q5

7 2



hr



' /

で t ︵

•I

り"`ヽ ぁ a

‘,l

,' ノ ‘ t

A



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p.r

ー 1





ヽj k a2 ふ -F ︱︱

! ‘ ノ‘_ ノ

7 7 F A 2 p. ヵ t 、 ミ ` i きりこ とょ 。 る 2 る ぁ 例 あ で 田 で

• (

O ot

p

(a FA . ’ . t ( m2 '、`ノ 8 り︱ -ib ょ )5 2 P / .\ A , ー ︱1︱ ヽ ノ = 理 FP" ふ p 定 =︱ A l ヽ ` ノ t t(

=OU o tan1

で , ( c )⇒ ( b)は明らかである 。( a) =:}( c )を示そう 。

に等しいので,各 i=l ,2 ,. . . . . .,rについて, c t1 .



G ' n の中

のちょうど m;個 が ん に 等しい 。

a) K=Cの と き は 凡 ( t )は必ずこのような 1次因了・の利i に分解される 。 b) 凡 ( t )の次数は nな の で m , + 1 1 1 , + ・ ・ ・ ・ ・・ 十n z , . = nである 。



正方行列の対灼化

2 8 3

よって, Pに更に適当な問換行列 ( / J .1 3 4 . 第 4芹 パ; tォ ; J I U題 1 0)を掛け たものを改めて Pとおき(すなわち . Pの列ベク トルを適当に並べ替えて)

P-'AP~[ ふE.,,

1 0

A,E , . , . .



, l , . E , , , , .

であるとしてよい 。 こ こ で 対 角 成 分 に は m;個の入 I

( i = l ,2 ,・ ・ ・ ・ ・ ・,r )が並んでいる 。 このとき, p. 2 7 7 ,系1 2と p .2 8 0. 定則 1 1より. dimW 入, =m;( i = l ,2 ,・ ・ ・・・ ,r )が成り 立つ。



以上で定理の主張はすべて証明された。

国臣

n次 正方行列 A が, K上 で n個 の 互 い に 相 異 な る 固 有 値 ふ. 1 2 ,. . . . . . • l , , , ︱

2 A あさ題 でたは

閉 ︵ c り



-1 満 A _ ゞ A ll ︱ ’力 .



2 .の ! て ー J ‘ 2 定

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判・・ た こ l' 定 ま

0

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’ し 可 ー しヒ ︱︱ィ ・ ー等角 ' 各 し対 。 変 ーでる り複上れ ょ重 K さ

のよ ヒ ` ノ ヽ 8 i '・ィ

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7 A A 角 2 ょ’対 ゅ れでに 3 この形 ー .る の 系 りれ意

R

. . m f L. Iょ . l d i 条 ︱

=つ

A

p

In'



-’て p



存在して ,P 1APを次の形にできる 。

一ーし

A

IO

をもつとする 。 このとき , Aは対角化可能であり , K 上の n次正則行列 Pが

上で述べた行列の対角化の手順をここでまとめておこう 。 行列 Aの対角化の手順

[ l ] n次正方行列 A の 固 有 方 程 式 凡 ( t )=det(tE-A)=Oを解いて .A の 固有値をすべて求める 。

[ 2 ] 各固有値入について,同次連立 1次方程式 (A-!lE)x=Oを解いて , 固有空間肌の基底を求める 。

[ 3 ] 各固有空間の基底を並べて .K"の基底にする(ここで Knの基底に ならない(数が足りない)ならば対角 化不可 能である) 。

[ 4] 得られた基底のベクトル

P=[V1

V2

・ ・ ・

Vn]

V1, V2, . . . . . . . Vn を 並 べ て 基 底 変 換 の 行 列

を作る 。

[ 5 ] p-1APが求める対角行列である 。

2 8 4

第 8卒

固布値問題と行列 の対 j ( J化

,! ,l ~ A~[, J! 8

1 2

が対角化可能かどうか調べ対角化可能ならは

対角化せよ 。 . . . . . .. . . . . . . .

t-3 -8 -12



凡( t ) = -2 t-3 -6 =(t+l)2(t-l) と計符されるので . A

2

4

t+7

の固有値は 1(重複度 1 ) と, ー1(重複度 2)である 。

4

基 よ

,9

W i





l [ : □ 1







の簡約階段化 を計符すると,これは [ ;

︱︱

2 1O

2

﹄-

E-A~[-2 2 -2 -8

2 6

ー _8o l o

1に 対 す る 固 有 空 間 附 を 計 算 す る た め に



] )をもつ 。

﹃一

126

84

基 は





で の な

w

﹃一



6 3 0 0 2 0 0

ー ー

とっ

'

すを

多——





r.



-o1

ー﹃

1II 3



ィレし

7lo

T

︱︱ ,し 底’

段︱︱ 階 約

簡' の

loo

4︱ ︱︱︱

-2



︱るも

A

一か

E

42



︱︱こ

-1に対する固有空間 W-1を計算するために



よって, dimW,=lおよび dimW-,=2で,これらはそれぞれ固 有値 lお よ び ー 1の重複度に等しいから , Aは対角化可能である 。

の基底を並べて r~[ □ :~2

Pー 'AP~[: i•, I

-, 実際.附の払底と W

すると

, ゜

~3



o ,



正方行列の対角化

285

□]

p. 2 7 6 .

田 例題 1 の A~ [:

l

~1 : は 固 有値〇(重複度 2 )と固有値

0 2 0

2(重複度 1) をもつが,固有値 0に対する固有空間

w。の次元は

1であ

り,阻複度の 2と等しくない 。 よって, A は対角化可能ではない 。

⑥ 正方行列の三角化 定狸 2 1( p .2 8 3 )で示されたように. 一般にはすべての n次正方行列が対角化 できるわけではない 。そ し て 実 際 に 例 1のように対角化できない正方行列の 例は存在する 。 し か し 次 の 定 理 が 示 す よ う に 任 意 の 正 方 行 列 は . ( 少 な く と も C上では) 適当 な基底変換によって,上三角行列によって表現することができる 。 これを行 列の 三角化という 。 四 口 臣固

正方行列の三角化

A をK上の n次正方行列とし,次の条件が満たされるとする 。

(*) A は Kの中に,重複を込めて n個の固有値 ふ , A 2 ,・ ・・ ・ ・ , ふ , をも つ

( /)。



このとき , K上の n次正則行列 Pが存在して .Pー 1APを上三角行列にで ふ**...* 入2

p-'AP=

きる 。

*. * *

),

すなわち,

n次正方行列で, その(重複を込めて) n個の固有値すべてが

Kの中に入るものは,三角化可能である 。



自然数 nについての数学的鼎納法で証明する 。

n=lの ときは ,いかなる 1次正方行列 も既に上 三角行列である 。 よ っ て 題 意 は 自 明に成立する 。

n>lとして ,n-1次花方行列でその(重複を込めて) n-1個 の固 有値が Kの中に入 るものは 三角化可能 であると仮定する 。A は(重複を 込めて) n個の固有値ふ,心""", 心 を . Kの中にもつとする 。 a) この条件は. f(=C なら.い つで も成り 立つ(代 数学の基本定理) 。

2 8 6

第 8月 t 同布値問題と行列 の対灼化

Aの 固 有 値 ふ に 対 す る 固 有 ベ ク ト ル クトル

V2, ・ ・ ・・ ・ ・, Vn を追 加

して,

V1 を

と り こ れ に n-1個 の ベ

{ v i , V2, ・・…・ ,V』 が

K nの 碁 底 に

なるようにする( 第 5収定理 3 4.j J .1 70) 。 そこで, 凡 =[V1

V2

. . .

Vn]

とすると,

これは!{"の標準基底から基底

加,訪,・・・・・・,叫への基底変換行列であり ,P i 1 A凡 は 次 の 形 に な る 。

戸 ここで

AP,{f

*~*

1

Bは n-1次の正方行列であり t ーふ

凡 (t)=F 凡 ―1 A P 1( t )=





゜ ゜ •



tE正 ,-B

=(t-ん)凡 ( t )

よって, Bは(重複を込めて) i l 2 ,. ・ ・ ・・・.心を固有値にもつ 。 ゆえに, Bは(重複を込めて) n-1個の固有値を Kの中にもつ 。 したがって(数学的帰納法の仮定から) n-1次正則行列 Qによって

n次正則行列~ J Q'BQ~I''* • . ~ —

とてきる 。 そ こて



圧{゜ ~ 01

として,

P=P1凡 と す る と

P-'AP~P,-,P,-'AP,P,~r,-•

l~' *~ ・1 凡



{ 0Q 。1r:' *~* 1 r !0~ 'j 図 正 方 行列の対角化

287

, tI *

゜ ゜



I ふ





1 1 2 *





Q―IBQ

となり, A は三角化される 。







以 上 で 数 学 的 掃 納 法 に よ り . す べ て の nについて題意が示された 。

④ 実対称行列 ・エルミート行列の対角化 A をK上の n次正方行列とし. A*=A を満たすものとする 。すなわち .A を 実対称行列,またはエルミ ート行列と する 。 このと き Aの 固 有 値 に つ い て 次 の定理が成り立つ 。 匡

臣 国 実対称行列 ・エルミート行列の固有値

n次正方行列 A が A*=Aを満たすとする 。 このとき ,A の固有値はすべ て実数である 。

O⑤

AをAの固有値とし .vEK"をその固有ベクトルとする 。1で Aの複 素共役を表し.

vで vの複素共役.すなわち.列ベクトル vの成分の

複素共役をとったものを表すとする 。Av=,lvな の で Xv=Xvであ る(冗は A のすべ ての成 分の複素共役をと ったもの) 。 よって,特に, tvA*=X'vが成り立つ 。 (.'・)で K"の標雄内粕

(K=C の場合は エル ミート内積)を表すとする ( p ,2 41 . 第 7が 1例 l および / J .2 4 3 . 例 3参照) 。

1 1 ( v ,v )=t v 1 1v=1vAv=るA*v=汀 v=X(v, v ) ここで, vキ 0なので l l v l l2=( v ,v ) = ¥ = Oであるから,これより 11=Xと なる 。 すなわち. l ,は実数である 。 実対称行列やエルミート行列の特別な性質は,固有値だけでなく,固有ベクト ルや固有空間においてもみられる 。 , E l り !1 -1( p.2 74 )で は 一 般 の n次正方行列 の,異なる固有値に対する 固有空 間の和が直和に なって いることを示したが,次 の定理が示 すように,実対称行列やエルミ ート行列 の場合には .更に強いことが 成立している 。 2 8 8

第 8卒

固有伯問題と行列の対角化





固有空間の直交性

n次正方行列 A が A*=A を満たすとし ,ふμ をAの相異なる固有値と μ は,K"の標準内積 に関して直交し する 。このとき ,固有空間 凱 と W ている 。

v , w)=Oである 。 すなわち,任意の vEW,と wEWμ について , (

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vEW 入と wEWμ とする 。 このとき. Av=,lvかつ Aw=μwが成り 3より,μ 立つ 。特 に 最 後 の 式 か ら 1wA*=μ1wが成り立つ( 定則 2 は実数であることに注意) 。 よって

, l ( v , w)=1 函 v=t 五Av=1亙A*v=μ1函v=μ(v,w) ここで. l ,キ μ なので ( v ,w)=Oとなる 。 実対称行列やエルミ ー ト行列は,常に対角 化可能である 。 しかも.次の定理が 示すように基底変換の行列 P として ,ユニタ リ行列 を用いて対 灼化ができる 。 匡

臣国 実対称行列 ・エルミート行列の対角化

A を n次エルミート行列とし ,ふ, i l 2 ,・ ・・,心 をA の固有値の全体(重複 も込めて)とする 。このとき ,ユニタリ行列 Uが存在して

叫AU~U冴u{'A,

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臼王三ダ[レ;よ`::三:



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ェルミ ート 行列の場合を証明する(実対称行列の場合も同様である) 。 自然数 nについての数学的帰納法で証明する 。

n=lのときは, A はもともと対角行列である 。 よって U=E=[ 1 ] (単位行列) というユニタ リ行列によって. 自明に題意の形になる 。

n>lとして, n-1次のエルミ ート 行列は ユニ タリ行列で対角 化でき ると仮定する 。A の固有値ふを 1つとり.その固有ベクトル

V1

をと

l v』で割っておいて, l l v1 ll=l と正 規化し て る。必要なら ば ノ ル ム l おく 。ただし .ここでは 内積はすべて標準 内積を考える 。V1 に直交す

w I( v i,w)=O }は Knの部分空問であり ,その るベク トル 全体 W ={ 次元は n-1である 。 ②

正方行列の対角化

289

任意の w E Wについて AwEWであることを示す。そのために

( v 1 , Aw)を計符すると .w E Wなので ( v 1 , Aw)=twA*v1=twAv1=1五ふ v1=ふ1wv1=ふ( v 1 ,w)=O よって .AwEWである 。 これより .次のことがわかる: A で決まる 1次 変 換 四 は W 上の 1 次変換¢: w —• W(w← •Aw) を定める 。 W 上には, Kn の標 i焦内 梢(・,・)を W に制限することで,内積が定義される 。そこで W の正 規直交基底 { v z , V3, ……, v』をとり.この払底に関する¢ の表現行

v 1 ,V z , ……,Vn} は K"の正規直交基底を 列を Bとする 。 このとき, { 与え. これに関する Aの表現行列は,次の形になる 。 入I Q .. Q

こ:~st [ v,

v-'AV~V'AV~ r O

V a]はユ ニタリ布夕:てあ



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264 第 7, ; ,

Bが n-1次エルミ ー ト行列であることを示す。(*)の両辺の随伴を 入I Q . . . Q

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(Aが実対称行列の場合は直交行列)によ って

))はすべて正 十

1 1( 5 ( 1 ) . 1 1 ( 5( 2 ). .. .. .. . 1 1( 5 ( 1 !

• 次の n —個(すなわち.入 0) という形であるとしてよい 。

[ l a ] c>Oのとき, Sは 楕円面 である 。

[ l b ]

Cく 0のとき,

[ l e ] c=Oのとき.

Sは空集合である 。

sは 1点(原点のみ)である 。

[ 2 ] ( n + , n —, n o ) = ( 2 ,1 ,0 ) または ( 1 ,2 ,0 )の

. y, zを 適 当 に 入 れ 替 え , ま た とき:変数 x 1>0. 必 要 な ら ば 全 体 に 一 1を掛けることで, a . a30. a3Oのとき, Sは 一葉双曲面 である 。 [ 2b ]

Cく 0の と き

Sは 二葉双曲面 である 。

[ 2 c ] c=Oのとき, Sは 楕 円錐面 である 。 ー葉 双 1 1 1 1而

y

二葉双曲面

[ 3 ] ( n + , n —, n。 )=( 2 ,0 ,1 ) または ( 0 ,2 ,1 )のとき :変数 X .y . Zを適当に 入れ替え,

1>0, a2>0, また,必要ならば全休に一 1を掛けることで, a

a3=Q と仮定してよい 。 このとき,平行移動 ( x ,y , z)=(x'-2~1, y'-2~ ' z ' )

3 0 4 第 8卒

固有値問題と行列の対角化

によって新しい座標 ( x ' ,y ' ,z ' ) を導入すると,定義式( *)は

a 1 x ' 2 + a 2炉 + 妬 z'+c'=O ( c 'は実数)という形に変形される 。 よって.最初から.定義式は

aぷ +az 炉+b3z=c ( a 1 , a2>0 ) という形であるとしてよい 。 妬キ 0とすると,

zを z+c~ l と 取り替えるという平行移動によって .

c=lと仮定 してよい 。 このとき ▲

z

[ 3 c ] c>Oのとき.

sは空集合である 。 sは楕 円柱である 。

‘ `

Cく 0のとき.

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[ 3 b ]

- 9 9 99

, '

妬=Oな ら ば



[ 3 a] Sは楕円放物面である 。

y

[ 3d] c=Oのとき, Sは直線である 。

楕円放物面

[ 4 ] (n+ , n —, n。 )=(l ,1 ,1 )のと き :変数 X, y,

zを適当に入れ替え.また,必要ならば全体に一 lを掛けることで, a i > O . aべ0 . a3=Qと仮定してよい 。 ま た [ 3 ]と同様の平行移動によって,定義式 は最初から

a1x2+a2沢+妬 z=c ( a 1>O . a2Oの と き ( ア) c

2次 1 1 1 1線 Sは窄集合である 。 2次 11 線 Sは I/ : (である 。 ( ウ) c 'Oかつ a,=Oのとき. c'=--cとすると

4 a ,

[ a] b戸 0の と き 2次 1 1 1 1線 Sは放物線である [ b ] b,=Oのとき [ c t ] c'>Oのとき 2次t r l l 線 Sは 2本の直線である 。 [ / 3 ] c'=Oの と き 2次 曲線 Sは 1本の直線である 。 [ r l c'Oのとき . 2次 1 1線 Sは空掛合である 。 [ / 3 ] c'=Oのとき' 2次 曲線 Sは 1本の直線である 。 [ r l c'Oの と き 2次 r t ll 線 Sは空狛合である 。 [ / 3 ] c'=Oのと き. 2次 1 1線 Sは 1本の虹線である 。

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I 答の部

356

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23

第 9章

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ジョ ルダンの標準形

広義固有空間とジョルダンの標準形

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練習 1 略

練習

練習 2 略

練 習 }:

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1 p-'AP= 2 0 0 10 1

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2 I]とすると .p -•1\P = [0 3 3 IO ] P=r-2 I 2 0 I I -1 0

0 0 3

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習末 練章

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答の部

357



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