復刊 ホモロジー代数学 4320019466, 9784320019461

代数学の一分科として形成されたホモロジー代数学の内部の問題に限定して、一般的体系を重視し記述した好解説書。『現代数学講座3.ホモロジー代数学』として1957年に初版発行後、以来、長年にわたり多数の読者にご愛読いただいてまいりました。この度、

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復刊 ホモロジー代数学
 4320019466, 9784320019461

Table of contents :

目次
第1章 加群
1. 加群
2. 函手
3. 射影的,移入的加群
第2章 複体,ホモロジー
4. 複体
5. ホモロジー
6. 射影,移入分解
7. 函手とホモロジー
第3章 導来函手
8. 導来函手
9. Ext,Tor
10. Künnethの関係
11. 積
第4章 次元,Syzygy論
12. 環の大局次元
13. 半単純環,遺伝環
14. 強半準素な次数環
15. 局所環,可換ネーター環
16. テンソル積の大局次元,多項式環
第5章 多元環のホモロジー
17. 多元環のホモロジーおよびコホモロジー群
18. 標準複体
19. 多元環のコホロモジー次元
第6章 群のホモロジー
20. 係数遊離環
21. 群のホモロジー群とコホモロジー群
22. 部分群との関係
23. 有限群
第7章 リー環のホモロジー
24. リー環のホモロジー群とコホモロジー群
25. 標準複体
26. 半単純リー環
第8章 拡大論
27. 加群の拡大
28. 多元環の拡大
29. 群の拡大
30. リー環の拡大
第9章 スペクトル列
31. スベクトル列の機構と基本性質
32. スベクトル列の応用
参照文献
[19]
[38]
索引
アイオカキクケコ
サシスセソタチテ
トナニノハヒフヘホミユ
ヨリレ
記号表

Citation preview

9‘ z:•' z: •' z:., 云 読者の皆様へ . .ヽ、'‘999 9.、、 , 9,、‘”、、9•9

本 書は 、 「 現代数学講座 ・ 3ホモロ ジ一 代 数 学」( 秋月康 夫 ・功力 金 二郎 ・ 佐々 木重夫 • 福原満洲雄 • 吉 田耕作編集 )

として 1 9 5 7年に初版を発行し、以来、 長年にわた って多 くの 読者の方々にご 愛読 いただき、おかげさまでご高評を 得てまいりました 。その後の印刷事情 な どか ら久しく品切れ状態を続けてお りましたが、このたび、 多 くの皆様か らの復刊のご要望にお応えするべく、 新 たに単行本として 再発行することと いたしました 。 しかしなが ら、当時の活字組版 ・凸 版印刷時の紙面を流用して本文を復元 したため、文 字や記号のカスレなど、 お見苦 しい箇所も散見されるものと 存 じます。かなりの箇所で可能な範囲で の修正を施してはおりますが、技術上 の限界としての事情をご理解いただき、 ご寛容のほどお願い申し 上げます。 共立出版 ( 株) . 、 . , . . . ,、 . ・ ‘` ' ’ 、 ’ヽ ・ • 9

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9 .

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` ”

ホモロジ一代数学 中山正 共著 服部昭

共立出版株式会社

序 ホモロジ一代数学がその体系化の先達であり中心であった H.C a r t a n ,S .

7 o ] C巻末文献表参照) として出版されたのは昨年で E i l e n b e r gによる一書 [ ある. しかし同書が書かれたのは数年前であったので,その後にいくつかの進 展,とくに内容的な意味におけるそれがなされているまた同書は主として一 般的体系を重視して書かれていることはその序文が示すとおりである.そこで ホモロジ一代数学を同書の大網に沿いながらも,その後の進展のいくらかを盛 り,かつ紙数のゆるす範囲でなるべく内容的に紹介したならば,単に邦文によ る参考書をという以上の意味をもつであろうと思ったのが,秋月教授のおすす めのまま敢えて本稿の筆をとった動機である.従ってそれらの点をここに述べ ることは,すでに [ 7 o ] を読まれた方も少なくないであろうかと思われる読者 に対する著者の務めであろう.すなわち,ほぼ章を追うならば,既知の遺伝環 の場合を拡張して環の大局次元をイデアルの次元の問題に還元した Auslan—

der[ 3 ]の補題は非常に便利であり, ( 6 . 1 1 ) ,( 1 2 .3 )に述べてある. Syzygy 論は, E i l e n b e r g[ 1 2 ] が永尾ー中山 [ 3 3 ] ,E i l e n b e r g ー中山 [ 1 6 ' ]におけるべ キ零根基の半準素環の射影加群の構造および極小準同型の考えを用いて極小分

14に紹介して, 解を考察し,非常に一般の場合に展開した理論を §

その根幹

としたまた S erre[ 4 1 ] の正則局所環の特徴づけなどを §15に紹介した.

Syzygy論は E u l e r P o i n c a 玲指標と H i l b e r t特性函数の関係から重複度論 にも応用されるが,

それについては S amuel, 永田, Serreの研究,

とくに

[ 4 2 ] を見られたい (§15に関連し追加文献 Tate[ 5 0 ] 参照) テンソル積の次元論については E i l e n b e r g R o s e n b e r g Z e l i n s k y[ 1 7 ]に より精密な研究がされたが,頁数の関係からそのごく初歩の部分を A uslander

[ 4 ] の一結果と共に述べた ( § 1 6 ) . それでも [ 7。]よりは相当前進しており, 応用として多項式環や行列環につき述べたことも同書におけるより精密化され ていることは個々の定理について見られたいただし既述のように中間的な結

2

果しか述べられなかったので,詳しくは [ 1 7 ] や原田 [ 1 8 と近刊] を見られ たいこれらのことほ多元環のテンツル積のコ*モロジ一次元やその応用につ いても同様である. R osenberg-Zelinsky [ 4 0 ] は分離多元環の特徴づけに 援用し,無限拡大体についての結果は残念ながら省略した.体の上の有限階多 元環のコ*モロジ一次元の問題は池田ー永尾—中山 [26] における構造論的決定

で解決されたが,それを E i l e n b e r g[ 1 1 ] の方法によって述べた ( § 1 9 ) . 群のホモロジーについて,

Hochschild-Serreの完全甚本系列は服部 [ 1 9 ]

の方法で述べた ( §22)(スペクトル列の方法にも 9章で触れた).有限群のホ モロジーについては,

本講座の河田敬義教授の「代数的整数論」 ( [ 2 8 ] )に詳

述されてあるので,本稿ではごくあっさりと一般論との関連を述べるにとどめ た. Herbrandの補題や Tate[ 4 6 ] の定理もそこにゆずり,*モロジー群の 消える加群についてもテンゾル積や構造(中山 [ 3 6 ] , [ 3 8 ] )は省略し,

単に

連続二次元で云々の定理(の精密形)を 0次元における基本完全系列(の類似) を援用して導くこと ( [ 3 8 ] ) についてだけ言及した (6章,問).周期的な* モロジー群をもつ有限群の決定 ( A r t i n T a t e )も [ 7。]にゆずることにして 言及しただけなので,ここにそうした有限群の具体的の決定は鈴木 [ 4 3 ] によ って与えられたことを付記しておこう.

4 7 ] の n重拡大は §27 に述べた,他方,正 体系的にはさかのぼるが,米田 [ 2 5 ] の特徴 田教授の提案の自己移入性の条件による準フロベニウス環の池田 [ づけおよびその E ilenberg ー中山 [ 1 6 ] における精密化 ( § 1 2 ) , プリューファ

2 0 ] の Torによる特徴づけ (§13)はいずれも言及するにとど 一環の服部 [ まったこと, Eilenbergー池田ーJans—永尾—中山

[13,

1 5 ,1 6 ' ,2 7 ] における剰余

環の大局次元やコホモロジ一次元,群のコ*モロジーにおける Lyndon[ 3 1 ] , 淡中 [ 4 5 ] 等の研究を省略したこと,すべて残念だがやむを得なかった.さら に一般的のこととして,

Hochschild [ 2 2 ] の相対ホモロジーも割愛した. 相

対的立場によって一層明瞭になる事がらも少なくないのであるが,全般的にそ の立場をとることは現状としては不適当と思ったからであり,相対ホモロジ一 は低射影(移入)性などに一寸姿を出すだけにとどめた.従って Adamson

3

[ 2 ] における群の柑対*モロジー, 中山 [ 3 5 ] , R o s e n b e r g Z e l i n s k y[ 3 9 ] における単純環,原始環のそれもすべて省略した. 再び論及した方のことにもどれば,

§26に C h e v a l l e y -E i l e n b e r g[ 9 ] ,

K o s z u l[ 2 9 ] のJ 1一環のコ*モロジー論の一部を紹介したので,松島教授の 本講座「リー環論」と相侯って読まれたい.ただし上述のように相対コホモロ ジーは論じなかった.さらに全般を通じ,ごく細かいことだが射影,移入次元の 基本性質 ( 6 .4 ) ,( 6 .5 ) の直接証明を与えたり,拡大のことを標準複体につい て説明したり,スペクトル列に関する諸群をむしろ従来の与え方によって述べ

a t e l l i t e の理論は省略して直接にホモロジーに移ったり たり,他方いわゆる s したのなど,いずれも読者の便を思ったのであり,おそらく歓迎していただけ ると思う.しかし,上述の諸事項やこれらの諸点を除き,全般的には C artan-

E i l e n b e r g[ 7 o ] の体系に忠実であることに努めた. それは敢えて異をたてる 必要はないし,また同書の用語や記号で書かれている最近の多くの論文の閲読 に読者が不便を感じられないようにと思ったからでもある. ホモロジー論は近年代数的整数論と代数幾何学に著しい成果をあげた.すな わち,前者ではすべてのガロア拡大を通じてイデール類群に基本 2次元コホモ ロジー類を見出すことにより高木ーアルティン類体論の相互律を精密化すると 共にその非アーベル拡大に対する影響力を深め,さらにイデール類群,数群 1 こ おけるすべての次元のコホモロジ一群が一斉に決定された.同時に類体論の 証明の再編成も行われた.これについては,幸い本講座には上記の河田教授の

u l e r すぐれた講述がある.他方,後者においてはベクトル・ベンドルの E Poinca玲指標と

Chern

類の関連において把える小平ーSpencer-Serre—

Hirzebruch の代数多様体のみごとな R-R—定理が得られた.本稿でもせめ

て層のコホモロジーを述べて,この方面への入門の便としようと思ったのだ が,果たせなかったので,秋月教授の「調和積分論」によって見られた<,本 講座の小松教授の講述においても論ぜられることと期待する.位相幾何学全般 における意義を同講で見られたいのはいうまでもないそのような応用(とい うよりそれこそ本質であるが)を念頭にもちつつ,しかし代数学の一分科とし

4

て形成された*モロジー代数学の内部の問題に一応限定して,それをなるべく 内容的に,かつ最近の進展を紹介しつつ記述しようとしたのが小稿であるが, 頁数や時間の制約もあり意図のごく一部しか果たせなかったのを残念に思う.

i l e n b e r g ,R o s e n 終りに,未発表の原稿や書信の自由な使用を快諾された E b e r g ,z e l i n s k y ,原稲の整備や校正に協力してくださった小野孝,服部リウ, 水谷明,都筑俊郎,都筑睦の方々に深く感謝の意を表します. 1957年 4月

著者の饒舌なる一人記す

目 次 第

1章 加

群 ......................................... .1

1 .加

群 .. . . .. . . . . .. . . . .. . . .. .. .. .. . .. . .. . . .. .. ... . . .1

2 .函

手・............................................ 4

3 . 射影的,移入的加群..• . .• • • • ・ ・・ ・• ・・ • • ・• ・• • • ・ • ・・ ・ ••••••・ • 12 第

2章 複体.

ホモロジー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 0

4 . 複 体 ・ ・・• • ・• ・• • • • • • ・• • • ・• . .• • • • • • • ・ ・• • ・・ ・ •・ ••••・ ・・20 5 .

*モ ロ ジ ー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・

25

6 . 射影,移入分解・ ・・• ・・・・• ・• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • ・・31 7 . 函手とホモロジー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・• 37 第

3章 薄 来 函 手・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・43 • ・・• • • • • • • • • • • • • • • ・・• ・ ・• ・・• 4 3 8. 導来函手・・・ • • • • • • • • • • • • • ・

9.E x t ,T o r ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・53 1 0 .K i i n n e t hの関係・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 58 1 1 . 積・ ・・・・・・・・・・・・・・・・• ・・・・・• ・・・• ・• ・・・・・・・• ・・・・・・・・・・・・・・・60 第 4章 次 元 'Syzygy論・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・・ ・・ ・ ・・ ・・ ・ ・・ ・・ ・ ・・ ・・・ ・・ ・69

1 2 . 環 の 大 局 次 元 ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ . .・ ・・ ・ ・・ ・・ ・・ ・・・ ・ ・ ・・ ・69 1 3 . 半単純環,遺伝環・ • • ・・• ・• ・• • • • • • ・• • ・• • • • • • ・・・・・• • ・• ・・・• • 71

1 4 . 強半準素な次数環・ ・・・・・・・・・・・• ・・・・・・・・・・・・・・• • • • • • • ・• • • • 77 1 5 . 局所環,可換ネーク一環・ ・・・・・・• • • • • • • • • • ・• ・・・・• ・・・・• • ・・・87

1 6 . テンソル積の大局次元,多項式環・ ・・ . .• ・• ・・ ・・ ・・ ・・ ・• • • • • • ・• 92 第

5章多元環のホモロジー・・ ・・・• ・・・• ・・・・・・• ・• ・・・・・・・・・・・・・・・・・96 1 7 . 多元環のホモロジ-. コ*モロジ一群・ ・・• ・・・・・・・• • • • • • ・• • • 9 6

1 8 . 標 準 複 体 ・ ・・・・・• ・・・・・• ・・・• • ・・・・・• • • • • • • • ・• • • • • ・• • ・• • • 99 1 9 . 多元環のコホモロジ一次元・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 102

2



6章

群のホモロジー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 109

2 0 .係 数 遊 離 環 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ・ 109 2 1 . 群のホモロジ一群とコ*モロジ一群・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 112

2 2 . 部分群との関係・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 119 2 3 . 有 限 群 . . . .•. •. ・・・・・• ・・・・• ・・・・・・・・・・・• ・・・• • • ・• ・・・・・・ 1 3 2 第

7章 リ一環のホモロジー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 138 2 4 . リ一環のホモロジー群とコ*モロジ一群・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 138 2 5 . 標 準 複 体・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 141 2 6 .半 単 純 リ 一 環 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ・ 146

第 8章 拡



論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 155

2 7 . 加 群 の 拡 大・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 155

2 8 . 多元環の拡大・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 160 2 9 . 群 の 拡 大・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 162 3 0 . リ一環の拡大・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 166 第

9章 ス ペ ク トル列・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 169 3 1 . スペクトル列の機構と基本性質・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 169 3 2 . スペクトル列の応用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 175

参 照文

献 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ・ ・ ・ ・ ・ ・ 181

索 弓・ I・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 s s 記



表・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 188

第 1章 加



1 . 加 群 本書では環といったとき常に単位元 1をもつこととし部分環といったとき常にほじ めの環の 1をふくむもののこととする.環の準同型も 1を 1に写すもののみ考えるま たある環 4 を作用環にする加群,

すなわち A—左,または A—右加群 A といったとき

A の 1は A の恒等写像 I Aをおこすものとする. IAは準同型環の 1であり多く 1で表 わす.加群の単位元すなわち零, 型加群の Oも 0で表わされる.

とくには環の零を 0で表わす. 0準同型すなわち準同

ある環 A についての 4—加群,

A準同型等を考えてい

ることが明らかのときは 4ーを略すことが多い.また左,右加群の別を略すことも多い. 他方,それらを明示する要のあるときは,たとえば A , I' を環とし 4—左加群 A, A左— r—右加群 B を考えるというとぎ (AA,

A—左— A—右加群 A,

A B I ' ) と書いて表わす.

なお, このように

とくには A—両側加群 A といった場合,常に複加群の意味すなわ

ち結合律(連合律)(入 a )ッ=入 ( a ツ)(入O) をみたすものであり,再び順次に t o ,t 1 ,・・・をつくって得られる. (6)以下の構成,定理はすべて同じように正複体,移入分解に対して行い証明するこ

37

7 . 函手と*モロジ一

とができる.たとえば ( 6 . 9 ) では dimA の代りに i n j . d i m A としてよい. 次の A u s l a n d e r[ 3 ] の補題は後に使用する:

補題 6 ,1 1 Aー加群 A の部分加群のある整列族 { A ; Iiはある整列集合の上 を動く}において,

i~j なら A.;CAi,

U;A;=A, すべての iにつき dim、 I

(A;/A/)~n C ただし A/=Uiく山)ならば, dimAA~n である. (証明) n = : 1のときは自明.次に n=Oとする.すなわち A ; / A ; ' が射影的である. よってんは直和 A ; '十B , となり,ここに B ,は A t / A ; ' と同型,従って射影的である.

A=Uふであるから A は {Bふの直和に同型になり,やはり射影的となり主張が成り 立つ.よって n>l とする. A ,A , , A;'



の元を基とする 4—自由加群をそれぞれ F,Fゎ



F ; 'と し , A Aこ )A ; ' に応じ F Fこ汎'とみる.

F→ A の核を C とすれば C,=F;

nc. Ci'=F/ncはそれぞれ F ;→ A ; ,F ; '→ふ’の核である.そして 0→ C 1→F ;→ A;→0 (完全), ( O→ C i '→)F ; '→ A ' ;→ 0 (完全)より容易に 0→ C ; / C /→F ; / F ; '→ A ; / A ; '→ o C 完全)

; / F ; 'は A,における A ; ' の余集合を基とする自由加群だから ( 6 . 6 ) となる.ここに F



により d i m A ( C ; / C / ) ; ; , ; ;n-1 である. C=U心 , c'=UJ

>

ようにつくれば,定理は ( 5 . 6 ) により上定理と同じように証明される.この X ,X , , .を

,A , , .を生成元の系とする C A )自由群を X。 ,x μ 。 とし,写像 A , , .→A叫 つくるため, A でひきおこされる準同型 X。μ→ X皿’紐 < p , ' ) で直極限 LimX μ 。 をつくれば X o と同 >

型になり同一視される. x ; 。μ→ A , , . の核を B , , . と す れ ば ふ → A の核 B は B , , . の直極 限になる. B ,B μ .を A ,A , , . の代りにして同様の崩成を続ければよい. 定理

8 , 5 0→ A'→ A→ A"→ oC 完全), 0 →C '→ C→ C"→ 0(完 全 ) に 対

する

→ →

炉 T(A",C ' ) R叶 1T(A',C ' )

(7)

↓ ↓ Rn+1 T(A",C") R"+zT(A',C")

は逆可換である. LTについても同様. (証明)

T(X,Y)等を項にする 5節 ( 1 3 ) のような図型(その中の系列が上の (2))

をつくって ( 5 . 4 ) を適用すればよい. 定理

(8)

8 , 6

可換図型

0→ A'→ A → A"→ 0 (完全) ↓ ↓ ↓

0→ A i '→ A,→ふ”→ 0 (完全)

4 6

第 3章 導 来 函 手

および C→C 1から得られる

R11T(A",C)→Rn+1T(A',C) (9)





R n T ( A i ' ' , C )→R n + 1 T ( A i ' ,C)

RnT(A",C , )→Rn+1 T ( A ' ,C , ) ↓



RnT(A",C)→R"+'T(A',C)

および A と C の役割をとりかえて得られる類似の二図型は可換である. LT につき同様. (証明)

( 6 .1 0 )C およびその双対)から容易である.

X を A の上の非輪状の正複体, Y を C の上の非輪状の負複体とすれば

( 6 . 1 ) ,( 6 .2 )から準同型 H(T(X,Y))→RT(A,C) が得られる.また X が A の上の移入的正複体, Yが C の上の射影的負複体なら同定理から RT(A, C)→H(T(X,Y)) が得られる.これらにつき,たとえば

. 7 X が A の移入分解, 0→Y '→Y→Y"→Oが 0→C '→C→C" 定理 8

→oC完全)の上の射影的負複体の完全系列であれば 0→T(X,Y")→T(X, ' )→ 0(完全)の連結準同型を横の矢にする Y)→T(X,Y RがI ' ( A ,C ' )→ Rn+1 T(A,C") ( 1 0 )





Hn(T(X,Y'))→ Hn+1(T(X,Y"))

は可換である. '→Z→Z"→0を 0→C '→C→C"→0の射影知屏とし, Y の系列と (証明) 0→Z

これとに ( 6 .1 0 ) を適用すれば容易に細られる. さて,以下の諸考察に用いるために,函手の連結系列の概念を 5節の一変数 の湯合から多変数の場合に拡張する.すなわち,たとえば再び共変,反変の二 変数の函手の場合につき,それは族 {T"}であって,一つの変数の函手とみて (すなわち他の変数を固定して) 5節の意味で連結系列をなし(従って (9) の第一の図型で RnTを Tn としたものが可換),

さらに (9) の第二の図型

およびその A,C の役割をとりかえたもので R勺~

を T" としたものが可換

になるようなものとする.各変数につき完全,すなわち (4) に相当する系列 および A,Cの役割をかえたものが完全であるとき完全な連結系列であると

"T,L』~ はそれぞれ函手の完全連結系列をなす. 函手の連結 いう.かくて R





系列の自然変換 I D :{ T 1 1 } {Un} とは各 n につき自然変換炉: Tn unが

4 7

8 . 導来函手

与えられ連結準同型と可換であることをいう.たとえば rp:T→ U が函手の 自然変換であれば, A,Cの移入,射影分解 X,Yについての準同型 T(X,Y) → U(X,Y) からひきおこされる Rザ (A,C)→ R叱T(A,C)は自然変換 {R"T} → {R 叩}を与える. 定理

8 8

( I ) :

{T"}→ { U " } を函手の連結系列の自然変換とする.

( / J O : TO→ び が 同 型 変 換 で あ り , さ ら に



ここに

A が移入的, C が射影的ならすべて

n>Oにつき T"(A,C)→ か (A,C) が 同 型 で あ る と す れ ば , す べ て の n

~o につき(!)":

(証明)

T"→ U"が同型変換である.

はじめにたとえば反変な一変数 C の函手の場合を考える. そして O~iO についても R:T→R"

T が同型になる. 次の定理は ( 8 . 1 4 )の 場 合 冗 に 属 さ ぬ ー 変 数 に つ い て の R勺 '(LnT) の完 全系列は,その変数を分解しないで得られるという著しい事がらを示す: 定理

8 1 5

冗に属さぬー変数を

D ,他 の 冗 に 属 さ ぬ 変 数 全 部 を C ,元 t こ

属する変数全部を A とし, A の共,反変に応じての移入,射影分解の全部を

X で表わす. ( 8 . 1 4 ) の条件が成り立つとし,そして Dが共変であるとすれば ( 1 5 )

0→ D '→ D→ D"→ o C 完全)

に対応する

( 1 6 )

0→ T (X,C,D')→ T(X,C,D)→ T(X,C,D")→ O

8 . 導来函手

5 1

ほ完全であり,これのホモロジー完全系列

( 1 7 )

・・ ・ →R力T(A,C,D)→R:T(A,C,D")→R:+1T(A,C,D')→ ・ ・ ・

は (8.14) の同型変換により R勺~ の

( 1 8 )

・ ・ ・ → RnT(A,C,D)→R'、 T(A,C,D")→Rn+1 T(A,C ,D')→ ・ ・ ・

になる .Dが反変のときおよび (証明)

( 1 5 ) に対する完全系列

LTについても類似.

( 1 6 ) の完全のことは ( 8 .1 4 ) より. さて,(いくつかの変数) C の共,反変

に応じての移入,射影分解の全体を Y とし,また ( 1 5 ) の移入分解,すなわち ( 1 5 )の 上にある D ' ,D ,D" の移入分解の完全系列 0→W'→W →W"→0をとれば, Y,W',

1 6 ) の各項が 0→T ( X ,Y ,W')→T (X,Y ,W;)→T ( X ,Y ,W") W,W" の飾りにより (

→0 (完全)の各項に準同型にうつされ,そして可換図型を得る.両系列のホモロジー完 1 7 ) ,( 1 8 ) であり,両系列の項の間の準同型でひきおこされる ( 1 7 ) ,( 1 8 )の 全系列が ( 項の間の写像が ( 8 . 1 4 ) のそれであるから, ( ( 5 . 3 ) に続く注意により)主張を得る(連

8 . 1 4 ) の写像が自然変換であることから当初より明らかなこ 結準同型について以外は ( とである).

のを 7t の部分集合とすれば R:T → R勺~ ほ R:T→R:T → R勺~ の稜に分 解される.

いま函手 T においてその一変数を共反変に応じて移入,射影加群

に固定したとき常に残りの変数の函手として完全になるならば, Tは右平衡で あるという.

8 . 1 4 ) によれば右 移入,射影をとりかえて左平衡を定義する. (

平衡な T では変数の任意の空でない部分集合 7t につき R勺~ が R:T と同 一視される.左平衡についても類似. このように右平衡な函手の右の導来函手は一変数の場合に還元され,さらにそれほ前 述のように左完全の函手の場合に帰せられるから.ー変数の左完全函手 Tについて RnT の特徴づけを与えよう.すなわち,それは函手の完全連結系列 { T"} であって T0=T, T応 =0CnO に対し常に Tor~(A,I')

=0 ならば (6) は同型である. ( A ,C の役割をかえて同様). (証明)

T o r : ( A ,r)=出 (XR が)だから後半の仮定は X@AI' が非輪状,従って

AR 江の射影分解であることを示し,上の準同型→ が同型になる.

rお よ び C がふ射影的, A が cp-射影的ならぼ, I ' n>O に対し Torn(A,C)=0 である. 系 9 .1 1 (Ar.rC) で

(証明)

( 9 .10) により Tor~(A®灯, C ) : : : : : T o r : ( A ,C ) , そしてこれは n>O のとき

o 0. しかるに A は A@江の r—直和因子だから Tor~(A,C) (n>O) も . りA,rC) ((rA,AC)) なら (7)

Homr(I'釦 A,C)=HomA( A ,C) (Homr(A,HomA( I ' ,C))=HomA( A ,C ) ) .

A の A—射影分解 cc の Aー移入分解)を考えて同様に

定理 9 1 2 (AA,rC) ((rA,AC)) の場合

9 . E x t , Tor

C8)

5 7

Ext¥(r ⑭A A,C)→ExtA(A,C) (Ext¥(A,HomAC r ,C ) )→Ext1(A,C))

が存在し, n=O では同型 (7) になる. p>O に対して常に Tor~(I',A)

(Ext 気I',C))=Oならば (8)は同型である. 系 9 . 1 3 (rA,rC) で r が Aー射影的, C が Aー移入的, A が c p ー射影的

( I ' , Aが ふ 射 影 的 で C が祈移入的)ならば, n>Oに対し Ext¥(A,C)= 0である. 次に ( A r ,rC) において, A,C の r—射影分解 X,Y は A,C の上の非

輪状の A—負複体であるから (6.1) より Tor~(A,C) → Hn(XRAY) が得ら れる. aRc(EA R ん)→ aRc(€ ARrC) で得られる ARAC→ ARrC と合 せて

Torn(A,C)→Torn(A,C) I '

A

(9)

が得られる.類似に ( rA,rC) に対して

Ext 沢A,C)→ExtJ(A,C)

( 1 0 )

が得られる.そして容易に 定理 9 .1 4( A r ,rC) に対し,

Torn(A,C)→Torn(A釦 r,C) I '

A

( 1 1 )



‘‘ゞ↓

r

r

Torn(A,I'釦 C)→ Torn(A,C)

(左上から出る横縦の矢は (6) とその類似, 斜矢は

C9),

右下に入る縦横

Q S ) A I '→ A, I ' 釦 C→ C でひきおこされる)は可換である. ( 1 0 )に の矢は A ついて類似).

( 9 . 3 ) ,( 9 . 4 )の i )⇒ i i ) と同様に, T が共変の一変数の函手で dimAA ( i n j .dimAA) ならば m>nに 対 し ら T(A)(RmT(A))=Oである.反変の i m A ,i n j .dimA と ExtAの関連に暗 ときぱ LT,RTがとりかわる.さて, d 示されて, A右(左)加群 A の弱次元 w.dimAA を , w .dimAA ; £ ;n とは A

A

m>nに対し Torm(A,C)(Torm(C,A))が C の函手として 0であることで あるとして定義する.

くわしくは w .r .dimAA(w.l .dimAA) と書く.また

5 8

第 3章 導 来 雨 手

w . d i m ; ; ; ; ;〇を (A-)平坦 ( f l . a t ) という. 定理 9 ,1 5 ふ 加 群 A につき常に

( 1 2 )

w.dimAA ; ; ; ; ;dimAA

であり,とくに A が有限生成の Aー加群からなる Aー射影分解をもてば(たと えば A が有限生成の Aー右加群で A が右ネークー的ならば) ( 1 2 ) で等号が 成り立つ. (証明)

前半は上の注意から明らかである.さて,後半を証明するため A—右加群 A

が後半の条件をみたすとすれば (9.9) により任意の 4—右加群 B,

移入的な Zー加群 C

(ただし Zは整数の環)に対し Tor出 ( A ,Homz(B,C ) ) : : : : : H o m z ( E x t A ( A ,B ) ,C) であ る. w.dim瓜 < m なら,左辺従って右辺が 0である.与えられた Bに対し Cを ExtA (A,B) と同型な部分加群をもつ移入的な Zー加群にとることができるから,これは ExtA (A,B)=O を示し, dim瓜 < mである.

定理 9 . 1 6 A を整域とするとき, (A-加群) Tor~(A, B)( n2 :1 ) は常に

t o r s i o n加群である. (証明)

( 9 .2 ) により A が有限生成の場合を考えればよい . Aに t o r s i o n がなけれ

A

A

A

ば ( 2 .1 2 ) の F をとって (Torn(F,B)=Torn+i(F,B)=0 だから) Torn(A,B ) : : : : : ( 2 . 9 ) により) t o r s i o n 加群であ Tor1+i(F/A,B) であり,ここに右辺は F/A と共に (

り,従って左辺もそうである . Aに t o r s i o nがあるときほ, A の t o r s i o n元の全体を

A

A

A

T(A) で表わせば完全系列 Tor, 心 (A),B)→Torn(A,B)→Torn(A/T(A),B) が得られ,

ここに両瑞の項が t o r s i o n加群のことをすでに知ったのだから中央もそうである.

1 0 . Kiinnethの関係 H(ARC) とH(A)RH(C), H(Hom(A,C)) と Hom(H(A),H(C)) の関 係 を 考 え た い ま ず 一 般 の 函 手 T から出発し,そのある一つの変数を前景に 出すが, ( 7 . 3 ) 等の場合と異なり他の変数の変性は証明の式にも全然現われな いから,たとえば単に二変数の函手 A,Cの函手を考えることにする.ここに

Cは単に残りの変数を示すだけで一つであることは本質的でなく,またその変 性も証明に影響しない.第一の変数すなわち添字 1の み の 集 合 を 冗 と し て ( 8 .

14) の前に述べた意味の R:T,L訂~ を考えるが,わかり易いようにこれを

5 9

1 0 . K i i n n e t h の関係

RAT,Lれ~ で表わそう.

1 0 1 T が右完全で, A につき共変であるとする. A ,C を複体とし

定理

( 7 . 1 ) で与えられる準同型佑: T(B(A),H(C))→H(T(B(A),C)), a 2 :T (Z(A),H(C))→H(T(Z(A),C)) がいずれも同型であり,さらに L1AT(B(A),C)=O=L1AT(Z(A),H(C))

(1)

であるならば,第二矢が ( 7 . 1 ) の a であり第三矢が 1次の完全系列

o →T(HCA)),HCC))→H(T(A,C))→L1AT(H(A),HCC))→0

C2)

が成立する . Tが A につき反変なら B(A),Z(A)を B'(A),Z'(A) とする. (左完全の T について類似). (証明)

( 7 . 3 ) による可換図型(点線ナシ)

T ( B ( A ) ,H(C))→T ( Z ( A ) ,H(C))→T(H(A),H(C))→O ↓IX1

↓ 匹 ↓a

H(T(B(A),C ) )→H(T(Z(A),C ) )→H(T(A,C ) )→H(T(B(A),C ) )→H(T(Z(A),C ) ) ↓f 3 ↓a戸 ↓ a2-1 0→L召 T(H(A),H(C))→T(B(A),H(C))→T ( Z ( A ) ,H(C)) を考える.上下の二系列は T の右完全性および仮定 (1) の後半から完全である. C1) の前半から, 0→Z(A)→A→B(A)→oC 完全)を考えて, T ( Z ( A ) ,C)→T(A,C) が単準 同型であり,山についての仮定と合せて ( 7 . 5 ) により中央の系列も完全である.

よっ

3が可換を保つように存在し一意的に定まり, a ,/ 3を第二,三矢として て点線の矢 f (2) が完全になることが容易にわかる.中の系列の第三矢が 1次,凶および下の系列

3は 1次である. の第二矢が 0次だから f なお, T が一変数,従って C が存在しないときは CXi, CX2 の同型性の仮定

1T(B(A))=0=L 1T(Z(A)) だ は自然に満たされており,仮定は (1) なる L けである. さて,R=⑳A につき 定理

(3)

1 0 2

A—右複体 A, A—左複体 C において

Tor1(B(A),B(C))=Tor1(B(A),H(C))=Tor1(Z(A),B(C)) =Tor1(Z(A),H(C))=O

であるとすると,第二,三矢が 0 , 1次なる完全系列

(4)

0→H(A)RH(C)→H(ARC)→Tori(H(A),H(C))→O

60

第 3章 導 来 函 手

が成立する.

(3) の第一,二項が 0のことから T o r 1 ( B ( A ) ,Z(C))=Oでもある.よって

(証明)

( 1 0 .1 ) の上述の一変数の場合により a 1:B(A)@H(C)→H ( B ( A ) Q S ) C ) が同型.

同様

に位: Z ( A ) Q S ) H ( C )→H ( Z ( A ) Q S ) C ) が同型になる.さらに仮定 (3) の後半より T o r i

( B ( A ) ,Z(C))=0でもある.

よって, 0→Z(A)→A→B(A)→0(完全)を考えて,

T o r 1 ( B ( A ) ,C)=Oでもある.かくて ( 1 0 .1 ) の仮定がすべて T = Q S )に成立するから定 理が得られる. とくに C を加群として

1 0 , 3 Aー右複体 A, Aー左加群 C において



(5)

Tor,(B(A),C)=O=Tor1(Z(A),C)

であれば,完全系列

o →凡(A)RC→比(ARC)→Tor1(Hn-1CA),C)→0

C6) が成立する.

同様に Hom=HOmAにつき 定理

1 0 . 4 ふ 複 体 A,C において

(7)

Ext1(B(A),B'(C))=Ext1(B(A),H(C))=Ext'(Z(A),B'(C)) =Ext1(Z(A),HCC))=0

ならば,第二,三矢が 1 , 0次なる完全系列

C8)

o →Ext1(H(A),HCC))→H(Hom(A,C))→Hom(H(A),HCC))→0

が成立する.(双対の仮定の下に類似の定理が成り立つ). 系

1 0 , 5 Aー複体 A , Aー加群 C において

(9)

Ext1(B(A),C)=O=Ext1(Z(A),C)

であれば,完全系列

( 1 0 ) 0→Ext1(Hn-1CA),C)→Hn(Hom(A,C))→Hom(H,.(A),C)→0 が成立する.

( 1 0 .3 ) ,( 1 0 .5) をホモロジー,コホモロジ一の一般係数定理とよぶ.

1 1 . 積 k を可換環とする. K多元環(または K 上の多元環) 4 とは環であって K—加群を

6 1

1 1 . 積

( k k ' ) ( 双') ( k ,k'EK; 入 , 入I EA) をみたすものをいう. k→ k lによ なし ( k i ¥ . ) ( k '入 ' )=

' り環の準同型(しかも K を Kー多元環と見ての多元環の準同型) K→ A を得る. A ,I を k—多元環とすれば k—加群 A®xI' は(入@,y)(入'® ッ ')=(入入 ' ) R C 7 7 ' )C 入 , 入1 £A;

, ツ7 1E I') なる積で K—多元環になる. そして I'RxA と同型である. 入→入⑭ 1 ,ッ→ 1

@7f i .K多元環の準同型 A→ 4⑭x I ' , r→ AR江を与える. A-左加群 Aが た 左 加群でもあって, A , I 'の元の作用が可換であり, K の各元の A ,r における像の作用 が一致すれば, A は ARxr左加群と見られる.逆も成り立つ. A-左—r—右加群 A と いったとき, A,rの元の作用が可換であるとすることは 1節にも約束したが, K-多元 環A ,I 'の場合にはさらに K の各元の A ,rにおける像の作用が一致するものと仮定す る.従って, I'* で r に逆同型な K—多元環を表わせば,

A-左—rー右加群とはすなわち

A®xI'*—左加群である.

以下本節では一定の K の K—多元環 A,I',2 等を考え,

RK, HomKを

R,Homで 表 わ す . ( A A R I ' ,必 ) の と き A釦 B は ( a釦 b ) (淡如) = ( a r y ) Q 9 A( b u ) により I'Rふ右加群になる.(とくに, (Ar,BI) に つ き ARBが I'Rふ右加群である).類似に (rAA,BARI) のとき Hom,1.(A,B)は ( f ( r y⑳ q))a=(f(rya))u(fEH o m , 1 .(A,B)) により I'Rふ右加群になる.(とくに, (rA,BI) のとき Hom(A,B)が I'Rふ右加群である).そして ( A A R I ' ,AB ふ I ' @ I C ) のとき自明的な対応で同型 C1)

CA釦 B)Rr@I 年 ARA ⑭r (B 釦 C)

が成り立ち, ( A A R I ' ,, 1 . B I ,Cr@I) のとき

(2)

H o m , 1 . @ r C A ,HomI( B ,G ) ) ; : : : : :HomrRI(A匈 B,C)

である.これらは 2節の類似の関係の拡張であり,同じく函手の自然同型変換 とみられる.

3 . 1 0 ) ,( 3 . 1 1 ) の拡張であり, そして次定理は (

(1), (2) に

より同じように証明される: 定理

1 1 .1 (AA@r,A.BI) で A が ARた射影的,

A釦 B が I'®E—射影的である.

( r A , 1 . ,BA®I)

B が 2—射影的ならば

で A が r—射影的,

B が A

®足移入的ならば, Hom,1.(A,B) が I'®I—移入的である.



1 1 2

(Ar,BI) で A が rー射影的, B がぷ—射影的ならば,

A⑭B が

6 2

第 3章 導 来 函 手

I'®S—射影的である.

(rA,Bi:) で A が rー射影的, B が 2—移入的ならば

Hom(A,B) が I'®Z—移入的である.



1 1 . 3 A が 射 影 的 な ARI' ー加群で A が Kー射影的ならば A は

r ー射

影的である .A が移入的な A®I'ー加群で A が K—射影的ならば A は r-移

入的である.

定理

1 1 .4 (AA⑭r ,A B i : ) につき X, y

足(すなわち は

を A,B の A®I'—射影分解,

A-

A*Rふ)射影分解とするとき, A が Kー射影的であれば XRAY

A釦 B の上の I'Rふ 射 影 的 負 複 体 で あ る が , さ ら に I',I も Kー射影的

で n>O に対し Tor~(A,B)=O であるならば, X®AY は A釦 B の I'®.S­ 射影分解をなす.類似に,

( r A A ,BARI) につき X,Yを A,Bの I ' A ー射影

ARふ移入分解とするとき, A が Kー 射 影 的 な ら ば HomA(X,Y) は

分解,

Hom,t( A ,B) の上の I'Rふ 移 入 的 正 複 体 で あ る が , さ ら に 的であり

r , zも Kー射影

n>Oに対 し ExtA(A,B)=0であれば HomA(X,Y)は HomA(A,

B) の I'Rふ移入分解である. (証明)

前半を証明する .A が K—射影的なら (11.3) により

に ( 1 1 .1 ) により

X⑭AY

ほ r®2—射影的である.

Y は 2—射影的.故

@Aは右完全だから (2.4) により

X⑱ AYo+Xo ⑭A Y 1→X o ⑭A Y o→A釦 B→0 (完全).よってさらに n>Oに対し Hn ( X i ⑭A Y)=Oになれば X⑳AYが非輪状になるわけだが, r ,: i : も k—射影的とすれば A x .y は (11.3) より A,B の 4—射影分解になり H,.(Xi⑭AY)は T o r , . ( A ,B )に他な らないから主張が証明される. 系

1 1 .5 (Ar,B i : ) につき X,y を A,Bの た , Zー 射 影 分 解 と す れ ば

XRYは ARBの上の I'Rふ•射影的負複体であるが, n>O に対し Tor~ (A,B)=O ならばそれは A®B の I'®Z—射影分解をなす.

( r A , B i : ) につき

X,y を A,Bの た 射 影 , ふ 移 入 分 解 と す れ ば Hom(X,Y)は Hom(A,B) の上の I'®Z—移入的正複体であるが, n>O に対し Ext生(A,B)=O であれ ばそれは Hom(A,B) の I'®A—移入分解をなす.

定理

1 1 . 6

A,I',Z を K—射影的とする. A I

(A 脳 r .A B i : ,r @ i : C )に お い て n

>Oに 対 し Torn(A,B)=O=Torn(B,C) とすれば

63

1 1 . 積

(3)

TorI'RS(A釦 B ,C ) : : : : : : T o r A R I ' ( A ,B釦 C)

であり, 0次のところではこれは (1) の同型になる.類似に, (A 脳 I ' ,ABふ

CN;S) にこおいて n>O に対し Tor~(A, B)=0=Ext1(B,C) とすれば ExtA@rCA,Homs( B ,C ) ) : : : : : : E x t r 0 z ( A釦 B,C)

(4)

であり, 0次のところでこれは (2) の同型になる. \証明)

X ,Y ,Zを A ,B ,Cの ; J ⑳r , A*⑳: : E 射影分解とする.仮定により ( 1 1 . 4 )

から X⑳A Y , Y@sZが ARAB, B⑭;;C

の r®::E—,

4⑳rー射影分解になる. よって

T o r r 0 : c ( A 釦 B ,C)=H((XJ 釦 Y ) R r 0 s Z ) ; : ; 湛 ( X J ⑳ ⑬I ' ( Y i ⑳立)) = TorA 紅 ( A,B RsC) となる.後半も同様. さて, K多元現 A ,I 'に対し簡単のため JJ=ARI' とおく. A右加群 A,

rー右加群 B の射影分解 X,yにつき XRYは

(11.5) により ARBの上

の 9—射影的負複体であるから,任意の 9—左加群 M に対し準同型

H((XRY)釦 M)→T o r S J(ARB,M)

(5)

を得る.同様に企右加群 M に対し準同型

ExtgCARB,M)→H(Homg(XRY,M))

C6)



を得る.そこで, ( A A ,A C ,B r ,rD) につき ( a⑳ AC)Q9(bQ9rd) (aRb)RJJ( c

Rd) なる同型 c p 1:(A 釦 C)R(B ⑳r D ) : : : : : : ( A R B )釦 (CRD) に対応するその上の同型 (XRAC)R(YRrD)::::::(XRY)Rg(CRD) の H を とり, M=CRDとおいた (5) との積をつくれば H((XRAC)R(YRrD))

→Tor9(ARB,M) を得る.他方

(7.1) により H(X 釦 C)RH(YRrD)す

A ,C)RTorrC B ,D) からこの左辺への準同型 a がある.合せ なわち TorA( て結局 T—積

(7)

T:TorA(A,C)RToザ (B,D)→TorSJ(ARB,CRD) A

I'SJ



を得る.次数を考えれば Torp(A,C)RTorq( B) Torp十 q(ARB,CRD) で あり, P=q=Oでは

( { J 1

になる.

同様に ( A A ,C A ,r B ,rD) につき ((cpd)(c釦 a ) ) b=Cf(aRb))c で定義さ れた同型

6 4

第 3章 導 来 函 手

c p 2 : HomSJ(ARB,Hom(C,D));:::;Hom(CRAA,Homr(B,D)) と (6) および 7 節のばから上—積

C8) 上 : Extn(ARB,Hom(C,D))→Hom(TorA( C ,A ) ,Extr(B,D ) ) を得る. ExtS+¥ARB,Hom(C,D ))→Hom(Tod(C,A ) ,E x t ' f ( B ,D ) ) をひ

{ ) 2になる. きおこし, P=q=Oでは ( 次に

v ,八とよばれる積を定義するため

i) A ,I 'が Kー射影的, i i ) n>Oに対し Tor 翫A,B)=O

と仮定する.このとき

C5),C6)は (11.5) により同型である.そこで (AA,

AC,rB,rD) につき c p s:HomA( A ,C)RHomr( B ,D)→HomJJ(ARB,CRD) を ( cpsCfRg))(aRb)=faRgbで定義し,これと C. 6 ) の逆および 7節の a とから上と同じようにして V—積

V :ExtA(A,C)RExtr( B ,D)→Extn(ARB,CRD)

C9)

を得る.また ( A A ,A C ,r B ,Dr) につき

c p . : Hom(C,D)RSJ(ARB)→Hom(HomA( A ,C ) ,DRrB) を 如 Cf 釦 (aRb)))g=f(ga)Rbで定義して,これと C5) の 逆 お よ び ば とから八—積

( 1 0 ) 八 : T o r J J(Hom(C,D ) ,ARB)→Hom(ExtA( A ,C ) ,Torr( D ,B ) ) を得る.

V, 八の次数についての性質も T, 上と類似であり,

( f ) s ,( { ) 4 との

関係も同様である.

T(a@b), ( J _ a ) bを普通 a丁b ,a J _ bで表わす. V , 八につき同様.

1 .7 可換環 K がすべての K-加群が射影的であるようなものとする 定理 1 ( 1 3節に見るように, このとき実は K は直交する有限個の可換体の直和であ る ).T, 上はいずれも同型になる.さらに A,I'が右ネーター的で A,Bが

' -有限生成であれば それぞれふ, I (証明)

v .八も共に同型である.

K についての仮定から上の i ) ,i i ) はみたされており上述のように C s ) ,

(6) はいずれも同型である.

さらに R=Rxが完全になるから ( 7 . 3 ) により a ,a '

も同型である.例, ' P 2 そして対応する複体の準同型も同型であったから,かくて T,上

1 1 . 積

6 5

がいずれも同型であることがわかる.次に ' P a ,< J J 4 はそれぞれ A=A, B =I'のときにほ 同型であり,従って A ,B がそれぞれ A , ーr 有限生成かつ射影的のときにそうである. しかるに A ,rが右ネーター的で A ,B が 4 , ーI ' 有限生成なら ( ( 6 . 3 ) の後に注意し たように) A, B は A-, rー有限生成の射影加群からなる射影分解 X, y をもつ.その P a ,< J J 4 に対応して考えられた複体の準同型が上の注意により同 ような X, y をとれば '

型になり,従って V,/¥がいずれも同型であることが知られる.

1 1 8 I'=K=Bのときには上, I ¥はそれぞれ (9.7), (9.9)の p , O) の仮定の下で u :Ext1(A,C)REx 位(B,E)→Ext や (ARB,CRE) n:Tor~+q(Hom(C, E ) ,ARB)→Hom(Ext1(A,C ) ,To ば(E,B)) が得られる.ただし A,B,Cは左加群, E は Uでは左加群,

nでは右加群

(aRb), ( n a ) bをそれぞれ a u b ,anbで表わす.これらの叙をそれ とする. U ぞれカップ積 (U —積).キャップ積 Cn-積)とよび,

その性質の中,

それぞれ

( 1 1 . 9 ) ,( 1 1 . 1 0 ) から導かれる次の二つが基本的である: 定理

1 1 . 1 1 逆可換律: ARAの自己同型 i ¥ . R i ¥ . '→i ¥ . ' R i ¥ .を T とし, D=

DT と仮定する.このとき ( 1 1 )

aub=(-l)PqbUa (aeExd(A,C), beExt~(B,E)).

定理 1 1 . 1 2 結合律:図型 D

( 1 2 )

D⑳1

A , , , , , , , A R A ' . . >ARARA D ARA1RD

が可換であるとする.このとき

( 1 3 )

( a U b ) U c = a U ( b U c ) ,a n ( b U c ) = ( a n b ) n c .

また A—準同型 C®E → F は広義のカップ積

1 1 . 積

67

u :Exd(A,C)RExtj(B,E)→Extr-q(ARB.F)

→Hom(C,E) は広義のキャップ積 n :T o r f . + q ( F ,ARB)→Hom(Exd(A,C ) , Tori(E,B))

を , A準同型 F

をひきおこす.

→ARA の 存 在 を 仮

A が 可 換 環 な ら ば 次 の よ う な 積 も 定 義 さ れ る (D:A

定しない).すなわち, A R 瓜一 A であるから T—積,上—積を K=A=I'tこ ついて適用すれば次の形になる:

f f i:TorA(A,C)釦 TorA(B,D)→TorA(A釦 B,C釦 D),

W:ExtA(ARAB,HomA(C,D))→HomA(TorA(C,A),ExtA(B,D)) 問,.

環の準同型 4 → r および I'—左加群 A に対し 1.

A である. I . d i mの代りに 1 .i n j .dim として同様

dimAA~1. dim江 +I.dimI '

( ( 9 . 2 )を用いる.実は w.l .dim

でも同様のことが成り立つが.この方法ではできない). 問 2 . A を整域, Q をその商体とする.A加群 A ,Cにつき T ( A .C)=A ⑭C(R=

@A) とおくとき, R0T(A,C)=Q ⑭A@Cである. c o→ A→ Q⑭A→(Q/A)RA→ oC 完 全)から A の Q⑭A=Xo→ふ→…なる移入分解, C の類似の移入分解を考えよ). 問 3 . 加群の可換図型 0→ B '→ B→ B"→ o C 完全) t p '↓ 烈 ↓t p "

0→ D'→ D→ D"→ 0 (完全)

'→ S→ S"→ 0 , 0→ V '→ V→ の上行.下行の上にある負複体.正複体の完全系列 0→ S V"→ 0を考える. S o→ B→ D→ v o(中央は免両端は飾りの写像)で S o ,V 0を結ん で得られる複体・・・→ S 1→ s 。 →v o→ y 1→ … を W = ( S , ' P ,V)で表わす(ただし次数 はたとえば Sのを生かせば V での次数を 1だけ上げたものを考える) . W ' = ( S ' , ' P ' ,

V ' ) ,W " = ( S " , , p ' ' ,V")も同様に定義すれば, 0→ W'→ W→ W"→ oC 完全)を得る. '→ S→ S"→0および 0→ V '→ V→ V"→0のそれを これのホモロジ一系列は, 0→ S ダ , t p ,t p " を通した準同型で結んだ可換図型 … →H i ( S )→ H i ( S " )→ H o ( S ' )→ H o ( S )→ Ho(S")→ O ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 0→ H 0 ( V ' )→ H0(V)→H0(V")→H1(V')→ ・ ・ ・ の中央部分に ( 1 .2 )を適用して得た完全系列と一致することを証明せよ ( [ 7 o ] ,V , §10

0(W),H0(W),. . . 等の関係するところを吟味すれば他は明らかであ 参照;もちろん H

68

第 3章 尊 来 函 手

る).(これは 8節 ( 1 2 ) Cとくにほ ( 1 3 ) ) による完全系列を,複体のある完全系列 0→

W'→W →W"→0のホモ戸ジ一系列として得ることができることを示す.すなわち, 0→A'→A→A"→0(完全)に対し T ( A ' ,C ) ,T ( A ,C ) , T(A",C )を B ' ,B ,B" と ( A ' ,C ) ,. .・を D ' ,・・・とし, T , U に適当な射影,移入分解を入れた複体を S ' , し , U

S ,S"および V ' ,V , V" とし, さらにダ,・・・としては自然変換 fによる B '→D ' , ...をとればよい).

第 4章次元, S yzygy論 1 2 . 環の大局次元 ( 9 . 3 ) ,( 9 . 4 ) より直ちに

2 . 1 環 A についての次の諸条件は互に等値である: 定理 1 A—左加群 A に対し dimA A ; £ ;n;

i )すべての

i i ) す ぺ て の Aー左加群 A に対し, i n j .

dim 』 ; £ ; n ; i i i ) m>n に対し E xt'J=O; i v )ExtA+l=O; v)ExtAは 右完全(ただし iii)—iv) で ExtA をふ左加群の函手としての意味にとる).

かくて A がすべての Aー左加群をうごいたときの

Sup(dimAA)= S u p ( i n j .dimAA)

C1)

を環 A の左大局次元とよび, I .g l .dimA で表わす.右大局次元 r . g l .dimA も同じように定義される. 定理 1 2 , 2 1.gl.dimA=nならば, A左加群の一変数の函手 T につき m

> nでは RmT=O=LmTであり, RnT(LnT) は右(左)完全である. (証明)

( 9 ,1 5 ) の前の注意と ( 8 . 2 )よ り .

定理 1 2 . 3 環 A につき

C2)

I .g l .dimA=Sup(I.dimA( A I L ) )

(ただし L は A のすぺての左イデアルをうごく)である. I .g l .dimA>O ならば

(3)

1 .g l .dimA=1+S u p ( l .d i m , 1L)

(同上)である. (証明) A左加群 A の元を任意に整列して a iで表わし 'A,を j~i なる Qj で生 成された部分加群として ( 6 . 1 1 ) を適用すればよい.すなわちそこの A/tま iOに 対 し が =0であ

>OAnがこのとき Il=lをみたすべきだからで る.なぜならイデアル I=図n ある.

次数環 A の斉次のベキ等元 e は当然 0次であり, A が次数部分加群

サL 2であれば, l=e1+e2(e;cL;) の e ;f ま斉次 なる左イデアルの直和 A=L

従って 0次のベキ等元である. A を次数環とするとき,射影的な A—次数左加群 P が部分加群の族 {Pi心

の直和であって各 p , , .が斉次の一元で生成されている場合 ,P は A—準自由加 群であるという.このとき P , , . の斉次の生成元を a , , .とし, a , , .と同じ次数の一 元 加 を 自 由 基 と す る Aー自由加群 A b , , . をつくれば.加→ a , , . により 0次の

Aー全準同型 A b , , .→ P , , .を得る.上の諸注意から A には斉次ベキ等元 e , , .があ って A e , , .加∼凡となる.よって P は 直 和 区A e , , .加(各 b , , .v ま斉次, e , , .v ま斉 次ベキ等元)となり,これは A—準自由加群の一般の形を与える.

(単なる)環 A の極大左イデアル全部の共通集合 N は極大右イデアル全部の共通集 合と一致してイデアルをなし ,A の根基とよばれる .A が有限生成の 4—左加群で NA

7 8

第 4章 次 元 , Syzygy 論

=Aをみたせば A=Oである ( [ 5 ]( 1 8 . 1 ) 参照).剰余環 A/Nが半単純のとき 4 は 半準素であるという.

このときさらに modNでペキ等, すなわち a2:=amodN をみ

たす a£.A には必ず a:=emodN をみたすベキ等元 et:Aが存在するならば, 4 は [ 5 ] 参照,そこの定義と少し違うが,等値であること同書の 強半準素環とよばれる ( ( 1 7 . 1 2 ) ,( 1 1 . 1 1 ) ,( 4 6 . 8 ) から知られる).

がで, AD が強半準素であるものを考える.これ 以下では次数環 A =区祖O を強半準素な次数環とよぶことにする(単なる環として A は必ずしも強半準 素でない) .AOの根基を NO として N=N°+区n>OAn とおき,これを次数環 としての A の根基とよぶことにする(単なる環としての A の根基には一般 にならない) . I'=A/N=A0JN°fま 半 単 純 で あ り , そ の ベ キ 等 元 は か の ベ キ 等元で代表される. A次数加群について→ を書いたり準同型といったとき, とくにことわらない限り次数加群としての A—準同型のこととする.

A-次数左

加群全部とそのすべての Aー準同型のなすカテゴリーを函で表わそう.そし てその部分カテゴリー筑が

1 ) A,B心, a : A→ B ならば a 心;

2 ) 記 a:A→ B が全準同型で A e別 な ら ば BE筑 ; 3 ) AE班 4 ) p が Aー準自由加群で P/NPE別 な ら ば PE班 ; 5 ) A 直, NA=A ならば A=O をみたすとき,別は完備カテゴリーであるといい,それがさらに

6 ) 釦 BCAバIならば B心 をみたすとき強完備とよぶことにする.

. : ; o A "が次数イデアル N で A/Nが(環として)半単純なるものをも (次数環 d=工n



て は (A/Nが上の注意により 0次のみだから) N I:n>oA"である.従って N=N°

+ : E n : : : 心仔であり,が/ N ° . : : : : : A / Nは半単純である.よって NDはかの根基をふくむ が,いまカテゴリー別で 2 ) ,3 ) ,5 )をみたすものがあれば, N°i まかの根基になる. すなわち, L Oをかの極大左イデアルとすれば 2 ) ,3 )により A=A/(LD十区n > o A " ) £



, 漑 5 ) により NAキA すなわち LO十NキA ,L 0十N坪 か だ か ら L O NDである).

7 9

1 4 . 強半準素な次数現

定理

1 4 1

完備カテゴリー別に属する A—左加群 A に対し, A-準自由加

群 Pe別 を と っ て

t'P

0→ C→ P→ A→ o C 完全), ImiCNP

(1)

なるようにすることができる.

I'=A/N=A0/N° は半単純だから rー加群 A/NA を直和区R , , ,(R,,,~re,,,a,.,

(証明)

e , , ,は AO /J)ベキ等元, a , , ,EAは斉次で a , , ,は aμ,modNAの類)と表わすことができ る.自由基 { b μ , } (ただし b , , ,I t .a , , , と同じ斉次数)をもっ Aー自由加群の部分加群なる A—準自由加群 P=:EAe,,, 加をつくれば知加→ a , , ,により

2 ) ,5 ) から全準同型 'P:P→

A を得る .'Pでひきおこされる P/NP→ A/NAは構成により同型だから Ker奴CNP であり, Ker n に対し Xm

=0); i i ) l.dimAA;;i;n; i i i ) Ext~+1cA, I')=O;

i v ) w . l . d i m ; 1 . A ; : ; ; ; n ; v) Tor~+1(I',A)=O. (証明)

i )⇒ i i ) , および i i )⇒ i i i ) ,i v ) ,v )は明らか. i v )⇒ v ) も明らか. ( 1 4 . 6 )

)⇒ i) を示す.また r が半単純だから r—加群 r は移入的であり, (9. 7 ) の (6)は v

により Ext~+\A, I')=Homr(Tor~+1(I', A),I ' ) . i i ) なら左辺,従って右辺が o .r は半単純だから,そのとき Tor~+1Cr, A)=0であり, v ) が出る.よって i)-v) がす ペて等値である. かくて極小射影分解は単に A—次数加群による射影分解の中で長さが最小

( ( 1 4 .7 ) ) なだけでなく,すべての射影分解の中で長さが最小になる.

さて,

あるカテゴリー別につきそれに属する加群の射影(移入)次元,弱次元の

Supをそのカテゴリーのそれぞれ大局次元 g l .dimC 大局移入次元 g l .i n j . l .dim) とよぶ. dim), 弱大局次元 (w.g 定理 1 4 , 8 強半準素の次数環 A の A一次数左加群の全体(とその準同型全 体 の 意 ) の カ テ ゴ リ ー 函 が 強 完 備 カ テ ゴ リ ー 別 を ふ く め ば (I'=A!N)

C7)

g l .dim配 w.gl.dim配 g l .dim筑=w.gl.dim別 ; ; i ;W.r .dimAI ' ; ; i ;W.dimAI ' .

(証明)

単項の 4—次数左加群 Aa

( aは斉次)とある左イデアル L による AILの

間に 0 次とは限らぬ 4—同型が成り立つ.よって dimAAa=dimA(A/L) である.

2 ) ,3 )

1 2 . 3 ) の証明と同じようにして ( 6 . 1 1 ) より g l . d i m領は dimA により A/L心.他方 (

Aaの Supになる.よって g l . d i m領 ; ; ; ; ; ;g l . d i m別となるが,

もちろんこであり,=

l . d i m飢 し か る に g l .dim屈 になる.この右辺ほ ( 1 4 . 7 )の ii)-iv) により =w.g . i ; ; ; w .g l .dim領. i ; ; ; w .g l .dim別だから (7)のはじめ四項は等しくなる.次に (7) の はじめの;;;;;;は ( 1 4 .7 )の v)⇒ i i ) より.第二の;;;;;;は明らか.

第 4章 次 元 ,

8 2

S y z y g y論

定理 1 4 9 上の ( 1 4 . 8 ) と同じ仮定でさらに A の A一次数右加群全体のカ A

テゴリーおが強完備カテゴリーおをふくむとする. T o r n ( I ' ,I ' ) = . a O ,

Tor~+1(I', I ' )=0(I'=A/N)なら,かつその時にかぎり, Ext 気r,r 圧 0 , Ext~+1(I', I')=Oであり,

C8)

g l .dim配 w.g l .dim配 I .dimAI'=w.I .dim 江 =n g l .dim憩 =w.r .dimAI ' = r .dimAI'=w.g l .dim思=

が成り立つ.上のような n がなければ n=oo として (8)が成り立つ. (証明)

=ExtA+1(r,I')=Oであり,

( 1 4 . 7 )で A=I' とすれば T o r 1 + 1 ( I ' ,I ' )=O

はじめの主張が成り立つ. そして同じく A=I' とした同定理により n=w.1 .d i m江= l.dimバ·~gl.dim~. 同様にか= w .r .d i m AI ' = r .d i m AI'~gl. dim~- ( 1 4 .8 )によりこ

の一方の式の終項が他方の第::::項を越えない.よってすべてが等しい.

4 1 0 上の ( 1 4 . 9 ) と同じ仮定の下に,そこの n n に対し Tor!(A/R,A)=Oならば, かつそのときにかぎり, m>n+h に対し Tor!(A/R,A!lhA)=0 であり,そ してこのとき A

A

Torn+h(A/R,A ! l h A ) ; : : : : T o r n ( A / R ,A). とくに, A~RA なる場合は w.1.climA (A/1,..A)~h, w .r.climA(A/R)~h.

(証明)

まず h=l のときを考える.入=ふとおけば, a →入a なる A—左準同型 f入:

A→ A が単準同型であり,これを第二矢として 0→ A→ A→ A/ 入A→ 0(完全)となる. よって

( 1 1 )

A A A T o r p ( . A / R ,A)→T o r p ( . A / R ,A)→T o r p ( . A / R ,A/ 入A) A

A

→T o r p 1 ( . A / R ,A)→ T o r p 1 ( . A / R ,A) (完全) 入でひきおこされる.すなわち A の射影分解 X に対し f: 入 を得る.第一,四矢ほ f

A→A の上の準同型 F入 : X→ X を考え, 1 ⑭Fい ( . A / R ) @ 広 →(AIR)@ 江からホモ P

ジー群に移った写像である.

⑳F入により ば 1

しかるに Fいか→入X

(Xi IX) ととってよく,そうすれ

t R x→ 炎 距 = 拉 釦 =0C t1:.A/R). かくて

( 1 1 ) の第一.四矢は 0

であり

( 1 2 )

A

A

A

0→ T o r p ( . A / R ,A)→ T o r 1 1 ( . A / R ,A/ 入A)→ T o r p 1 ( A / R ,A)→ 0 (完全) A

A

A

となる. p=n+I とおいて T o r n + i ( . A / R ,A/ 入A ) ; ; : ; T o r , . ( A / R ,A ) .p> n+Iとして Torp

( A / R ,A/AA)= 0 . 逆に, m>n+l なら Tor~(.A/R, A/ 入A)=O とすれば P>n+Iに対 A

しT o r 1 , i ( A / R ,A)=O. A

次に h>I とし h の代りに h-1 のとき定理が成り立つものとすれば, T o r m ( . A / R ,

AJJ ぃ A)=O(m>n+hー1 ) , ;;:;Tor~(AJR, A) (m=n+h-1). A の代りに A / I 1 1 , 1 A として心を入として上を適用すれば, ( A / l r . 1 A ) / ふ( A / I 1 1 , 1 A )= A / ( ; ¥ . 1 1 , A + I 1 1 , _ , A )=

o r A ( A / R ,A/I 』 )=0(m>n+h), ;;::Tor~+1• 1 ( A / R ,A / l 1 1 , . . 1 A ) ; ; : ; AilhAに注意して, T

第 4章 次 元 , Syzygy 論

86 A

T o r , , ( . . r l / R ,A) (m=n+h). 証明ほ帰納法で完了する.

系 1 4 2 3 別を強完備カテゴリーとする. Adlおよび A の中心に属する

N の元ふ,・・・,入h が ( 1 4 . 2 1 )の条件をみたせば, ( 1 4 . 2 1 )で等号が成立す る . (証明)

( 1 4 . 7 ) の ii)=-v) と ( 1 4 . 2 2 ) より.

( 1 4 . 2 1 )ー ( 1 4 . 2 3 )は 1 5 ,1 6節で使うが,同じく次節で応用され,また ( 1 4 . 3 ) と関 連してそれ自身興味ある ( 1 4 . 2 5 ) を証明するため

補題 1 4 2 4 A を強半準素の次数環 , Nをその根甚とする. A-左加群のな すある完備カテゴリー別に属する

B , 別 に 属 す る 射 影 加 群 P および準同型

f:B→P につき, f で ひ き お こ さ れ る / ' :B!NB→P!NPが単準同型なら ば,かつそのときにかぎり, Im/が

P の直和因子になる.

(証明) P/NPは完全可約だから P/NP=lmf'十 江e , .む ( e 丑 μ=Up.£Im/'), V=:Evre ふ f'=:E がのベキ等元)なる直和分解が得られ,

v: t ょる直和分解がある.さらに Im

( e ふ = i i v £ 杓 (I'=A/N; e , , . ,e vl : J : .

u , .お よ び 恥 の

P における代表元 u , . ,V vを

とれば P=区, . A e , . u , .十区v A e v v ッ(工μ・ : E v , +いずれも直和)なる直和分解の得られる

1 4 . 2 ) の証明の後半の示すごとくである. こと (

ここに U p .は Im/の中からとってあ

るとしてよい.そして Up.=f 如なる b , , . eB をとる.必要なら e , , .をかけて,如 = e , , .如

e , , . u , , .が直和だから区 A e , , .如も直和であり, f 'が単準同型だか であるとしてよい.エA ) により)この和は B に一致する.かくて fが単準同型であり Im/= ら(完備性の 5 ~Ae,,.u,,. は P の直和因子である.逆は明らか.

補題 1 4 2 5 A,N,別 は ( 1 4 . 2 4 ) と同じで別は強完備であるとする. Ae 別とし, Y を A の上の別の加群からなる射影的負複体で,その微分,飾りを

d ' ,c 'としたとき次の条件をみたすものとする: i ) 必 Y;CNY;-1 で d ; ' t こ よる

Y;/NY;→NY;-1/N2Y いが単準同型; i i )c 'による Y。 !NY → 。AINA

が単準同型.このとき Y は A の極小射影分解 X の中に, Y ;が ふ の 直 和 因子になるように埋入することができる. (証明)

( 9 . 3 ) により 1:A →A の上の準同型 J:Y→X がある. i i ) により Y o/N



Yo→Xo/NXo も単準同型である.上補題により / o :Y o→Xoは単準同型でその像が X

→ 。

の直和因子になる.従って N Yo/N2Yi NXo/N2 ふが単準同型であり, i )の Y 1/NY1

87

1 5 . 局所顔,可換ネーク一環

→NYo{N2Yo とそれの積もそうである.よって Y1/NY1→Xt/NX1(→NXo{N2Xo)もそ 1 :Y i→X1 も そ う で あ り , そ の 像 が ふ の 直 和 因 子 に な うである.故に補題により f る.このように続ければ f が単準同型で f(Y)が X の直和因子になる.それを Y と 同一視したとき X の微分,飾りが Y の上では d ' ,e 'になること

fが複体としての準

同型で l ; t の上にあることから見易い.

1 5 .

局所環,可換ネーター環

環 A がただ一つの極大左イデアルをもてば,それは A のただ一つの極大右イデアル にもなり,従って A のただ一つの極大イデアルであり, 4 の非正則(すなわち逆元を もたない)元の全体になる(たとえば [ 5 ] 参照).このとき A を完全準素環という.逆 に非正則元の和は常に非正則元である環ほ完全準素である.完全準素環 4 の極大イデ アル N は A の根基であり, A/N=I'が体であるからそのベキ等元は A の 0,1の類だ けであり , Aは強半準素である.かくて前節が A に適用され,たとえばネーター的で あれば有限生成の 4—射影加群は 4—自由加群であり, gl.

dimA=I .dimAI ' =r .d i m A I '

であり,この値は(有限のとき) Tor~(r, I ' )キ 0 , Tor~+1(I', I')=O(あるいは Torの 代りに E x t ) なる n である.

A をある体

rの上の(互に,および rの元と可換な)変数

X t ,・・・,加の(形式的)

ベキ級数の環 I ' [[ x i ,・ ・ ・ , Xn]]. あるいは d i s c r e t eでない付値(賦値)で完備な可換体

rの上の収束ベキ級数の現

I ' { a : 1 ,・ ・ ・ .a : , . } であるとすれば, Ai まX t ,・ ・ ・ , Xn で生成さ

れたイデアル N を極大イデアルとする完全準素環であり A/Nzrであり. Aがネーク ー的であることも見易い.しかも (14.23) で A=A としてわかるように

rの 上 の ベ キ 級 数 環 I'[[妬,・・・,のn]], あ る い は d i s crete で な い 付 値 で 完 備 な 可 換 体 rの 上 の 収 束 ベ キ 級 数 環 T{x,,・・・,Xn} と 定理

1 5 1

A を体

すれば

(1)

gl.dimA=n

可換な完全準素環を局所環とよぶ.以下にネークー的な局所環 A を考察する. N を その極大イデアルとすれば, N/N2 の r —組成長 (I

=A/N)は有限であり A の Krull

次元(すなわち A の素イデアルの真に増大する列の項数の Sup から 1をひいた値)は これを越えないこれが等しいとき 4 は正則であるという(このとき A は必然的に整 1 ] 参照).たとえば r が可換体のときの I ' [ [ x 1 ,・ ・ ・ , 域になる)(秋月,近代代数学 [

第 4章 次 元 , Syzygy 論

88

砂]]およひ: r 和,・・・,のn} は正則局所環であり, その K r u l l次元は n である .rが 可換のときの ( 1 5 .1 ) は一般化されて

定理 1 5 . 2 正則局所環 A の K r u l l 次 元 を n とすれば Cl)が成り立つ. (証明)

ふ,・・・,ふ E Nを N炉 の

rー独立基の代表元とする

(I'=A/N). それは N

を生成する.さらに,ふ,・・・,入 h で生成されたイデアルを I k とすれば, I o ,I 1 ,・ ・ ・ ,I , , , が素イデアルの真に増大する列をなす.よって再び A=A として ( 1 4 . 2 3 ) が適用され る . 逆に g l.dimAO) が成り立つことがわかる: n=lの

n + 1 場合は直接明らかに示され,一般にある n について成り立つとすれば, S (A) が s , , S n ( A ) によって生成されること,および等式 dndn+1Sn=dn-dnS,z-1dn=Sn-2dn-1dn=O が成り立つことから n+l の場合がわかる.さて Ae ー加群として S。 ( A ) ,S 1

(A)はそれぞれが, A と同型であり,これらを同一視するとき d。 i まp :A• → A と一致する.よって S(A)=竺祖 0品 (A) は d , , を微分とし, p によって A を飾りとしたが—負複体をなす.

A を Kー射影的と仮定しているので ( 1 1 .2 )

により S(A) は Ae—射影的であり,また (3) によって非輪状でもある.よっ て S(A) は A のが—射影分解を与えることがわかった.

これを A の標準複

第 5章

1 0 0

多元環のホモロジー

体とよぶなお A が K—有限すなわち Kー加群として有限的に生成されていれ

ば , S n(A) も同様であることを注意しておく.

Sn(A) の元 lRi¥1R・ ・ ・ Ri¥nRl を [ i ¥ i ,・・・ぶn ] で表わす. (とくに S。 (A) の元 1は[

]によって表わされる) . [ i ¥ i ,・ ・ ・ , i ¥ n ]( i ¥ ;t :A ) の 全 体 を 品(A)

で表わすとき, S戒A) は A " ー加群として品( A)から生成され,事実 S n ( A ) ; : : : ; A唸 K品(A)である.いまこの同型によって同一視を行うことにすれば, A を A—両側加群とするとき

A@AeSn(A)=A@AeA 唸 K品( A)=ARKSn(A), Homが (Sn(A),A)=Hom が( A 唸K S ; , ( A ) ,A)=Hom 瓜品(A),A) となる. H ochschild[ 2 1 ]において多元環のコ*モロジー論が導入されたのほ この右辺の形においてであった.いまその言葉に従って述べてみれば,まず

Hom 瓜 Sn(A),A) の元 f , すなわち A から A への n 重 K—線型写像 f を ”次元コチェインとよぶ .fのコバウンダリー

(4)

8 /を

(81)[ i ¥ i ,・ ・ ・ , i ¥ n + 1 J =泣[極・・・, i ¥ n + 1 J+ぶ;ー 1)ザ [ i ¥ 1 , .•• , i ¥ ; i ¥ ; + i ,・・・ぶn + 1 J+(一 l ) n + Ij [ i ¥ i ,・・・ぶn ]i ¥ n + 1

によって定義し, 8 /=0 となる

fをコサイクルとよぶ.そのとき

n次元コサ

イクルの群のコバウンクやリーのつくる部分群による剰余群が Hn(A,A) を与 えることになる. なお,コホモロジ一群の元をコホモロジー類とよび,コサイクル

fを含む

コホモロジ一類を{/}で表わす. とくに n=l のときコサイクルの条件は

(5)

f [ i ¥ 心]= i ¥ d [ i ¥ 』+ f [ i ¥』心

となる.これは解析学における微分演算と類似の性質であるので, A から A への微分(または c r o s s e dhomomorphism)とよばれる.とくに 1次元コバ ウンク"リーは

f [ i ¥ ]=泣ー a i ¥( aeA) の形になり, これは aによって定まる

r i n c i p a lhomomorphism) とよばれる.よって 内部微分(または p 定理

1 8 .1 H1(A,A) は A から A への微分のつくる群の内部微分のつく

る部分群による剰余群と同型である.

1 0 1

1 8 . 標準複体

標準複体を用いる 2次元コホモロジ一群の特徴づけについては 2 7節参照. 実用上 S(A) を次のように修正したものを用いるのが便利である. Coker

(K→ A) を A ' で表わし, A' 自身の n個の CK上の)テンソル積を Nn(A) とし(凡 (A)=K), N,.(A)=A喝ぼ凡い)とおく.自然な全準同型 n:A→ A ' はテンソル積に移ってが—全準同型が:

Sn(A)→ N,,(A)をひきおこす.その

n

区ARK・・・Q:9訊

核を M五で表わせば, Mn=A唸 K

i-1

・ l u心 K・ ・ ・ RKA であ

る CC i ) と記したのは第 i因子の意).よって (2) の 定 義 に よ り 心 M ぷご

Mた

l

がわかり,従って d , , は剰余群の A•ー準同型 Nn(A)→ N11-1(A) をひ

きおこす. Sn もまた剰余群の写像をひぎおこし,従って (3) が成り立ち, 定義により Coker(A⑱ KA'→が) =Coker(A喝 KA→ A•)=A であるから, N(A)='.SNn(A) は A を飾りとしたが—非輪状負複体をなす.いま,さらに

A' を Kー射影的と仮定すれば, Nn(A) がが—射影的になるから, NCA) は A のが—射影分解を与えることになる.そのとき NC.A) を A の正規標準複体と

よび, SCA) から NC.A) をつくることを, 標準複体 SCA) の正規化とよぶ。

瓦 (A)の 元 が [ : ¥ . 1 ,・ ・ ・ ,: ¥ . n ]を(凡,・・・,心)で表わすことにする.一般に S(A) に関するものから区別するために,たとえば正規コチェイン等のよび方を用い る.その特徴は,成分心の一つが K-1に属するとき,

0になることである.

後に(第 7章)使用する目的で,次の補窟を挙げておく. 補題

1 8 . 2

µEA に対し, N(A) のが—自己準同型 0(µ), < r ( μ )を

0(μ)(入 ! , ・ ・ ・ , 入n ) = μ ( : ¥ . i ,・ ・ ・ , 入 , , ) ( 入 ,I, ・ ・ ・ ,A . n ) μ



-~(鯰・・・,入i-1,

μ入 , ;一入;μ,A . i + i ,・ ・ ・ , ふn ) ,

i=l

”(-l)i(:X.i,.・,知μ,入i 0 ( μ ) ( : X . 1 ,・ ・ ・ , 入n)=区 + 1 ,・ ・ ・ , 入n ) i=O

によって定義する.そのとき次の等式が成り立つ:

(6)

0(μ)=d・ o-(μ)+o-(μ)・ d

この験証は読者に委ねる.なお (6) から直ちに

C7)

d・ 0(μ)=0(μ)・ d

が得られることを注意しておく.

第 5章

1 0 2

1 9 .

多元現のホモロジ一

多元環のコホロモジ一次元

k—多元環 A につき, 1. dimAeA は H"(A,A)=Ext 佑(A,A)苦 0な る た 両

または o o ) であり, r.dimAeA に等しい.こ 側加群 A の存在する最大の nC れを K—多元環 A のコホモロジ一次元とよび dim

A で表わすことは 1 6節に

. l .dimAeA(w.r .dimAeA) 述べた.ががネーター的であれば dimA はまた w に等しく ( ( 9 . 1 5 ) ) , H,,(A,A)=Tor~\A,

A) 苦 0 なる A—両側加群 A の存

在する最大の n C または o o ) である.ががネークー的でなくとも, Aが K-

. .

加群として射影的かつ有限生成であれば,前節により A はが—有限生成の x

からなるが—射影分解 X をもつから,同様のことが成り立つ.また (14.17)

等からも同様のことの成り立つ湯合が導かれる.

'Kが半単純のとき 'K-多元環 A につき, dimA~l.gl.dim A(r.gl.dimA) のことは ( 1 6 .7 ) に見た.また

1 9 . 1

定理

K—多元環 A につき

(1)

dimA~gl.dim が

ここに A が K—射影的で半単純ならば (1) が等号になる.

(証明) (1) は定義から明らかである.後半の仮定の下に ( 1 7 . 2 ) により H "(A,

HomA(A,B ) ) ; : : : : : E x t A e ( A ,B ) , よって (1) でことなり,=となる.

1 9 .2

定理

A を K—射影的な K—多元環, L を可換な K—多元環とすれば,

L®KA を L—多元環と見たとき

C2)



dim(LRKA), $ . ; d i mA

→L が

もし K k leL なる K

L の Kー加群としての直和因子への同型を与

えるならば (2) で等号が成り立つ. 1 7 .5 ) より.後半を証明するため,その仮定の下に K→L との積 (証明) (2) は ( が lx になる K—準同型 L → K を考える .A を任意の 4—両側加群とすれば L⑭xA

は L⑳ x.A—両側加群と見られ,

(17.5) により H"(L⑭x . A ,L⑭x A ) ; : : : : : H " ( . A ,以~xA)

である.そして K→L→K でひきおこされる H " ( . A ,A)→H " ( A ,L⑭K.A)→庄(/4 A) の積が 1だから,中央の項が 0なら両端が 0になる.これは (2) でニなることを

示す.

1 0 3

1 9 . 多元現のコポモロジ一次元

系 1 9 . 3 K が可換体, L が可換な k—多元環 (~0), Aが Kー多元環であ れば, L®KA を L—多元環と見て dim(L®K A)=dimA,

定理 1 9 , 4 A を Kー射影的あるいは K—平坦な K—多元環,こを Kー多元環 とすれば

(3)

dim(AR心) ~dimA+dimS

ここに K が(可換)体であり, .1.• が ネ ー タ ー 的 で あ る か , あ る い は ベ キ 零 根 基の半準素環であれば, (3) で等号が成り立つ. (証明)

X,Y をそれぞれ A,2 のか—, 2•—射影分解とする. n>Oに対し Tor,.K

( A . ,I')=Oだから ( 1 1 .5 ) により X⑳x Yは 4⑭ x2 ここにか®x2•=(A®x2)•

2) の A ,2,A ,A'

をふ苫•,

の A®x2•ー射影分解であるが,

であるから,容易に (3)を得る . Kが体であれば ( 1 6 .

A ,苫 と し て

dimA®x2~w. l .dimA•A 十 dim2 A• についての後半の仮定の下に w .1 .dimA• A .は I . d i mが A.=dimAに一致する ( ( 9 1 5 ) ,( 1 4 .1 7 ) ) . よって (3) で等号が成り立つ.

定理 1 9 . 5 K を半単純可換環とする. K-多 元 環 A につき, dimA=O な る た め に は , が が 半 単 純 な る こ と が 必 要 十 分 で あ る . こ の と き A も半単純に なり,そして (証明)

Kー有限 CK加群として有限生成のこと)である.

dimA=Oなら ( 1 6 . 6 ) により l.gl.dimA=O, すなわち Aは半単純である.

よって (19.1) により gl.dimA•=O, すなわち A• が半単純である.逆に A.• なら,同じく

が半単純

(19.1) により dimA=O である.次に,このとき 4 が K—有限なること

を見るため,半単純環 A の中心を L とすれば, 4⑭ i ; A *I ま か =A ⑳xA* の準同型像 になるから梃小条件をみたす.これから 4 が L—有限のことがわかる(たとえば [5] の (34.9) 参照).さらに L•=L⑳xLはかの中心になるから,

L ' も極小極大条件をみ

たす.このことから L が K—有限のことをいえばよいが, L が(可換)体である場合を

考えればよいこと見易い.その場合,もし L が Kー有限でなければ L の Kl をふくむ

,が存在することが容易にわかる. L"=L 部分体の真に増大または真に減少の無限列 L

R心→ LRLiL の核を I , とすれば, I ,I ま E のイデアルの真に減少または真に増大の ⑳l-lRIEL"を考えればよい).こ 無限列をなす (L,CLJのとき, L,$lE幻 と し て 1 キ

れはいけないから L が Kー有限である.

1 0 4

第 5章

多元環のホモロジー

とくに K が可換体の湯合, dimA=Oす な わ ち 定 理 の ご と く が が 半 単 純 であるのほ,

A が分離的な K—多元環 (K-有限の半単純多元環 A で,

Kを

ふくむ任意の可換体 L に対し L—多元環 L®KA が半単純なるもの)である

ことと等値である(周知であり,また ( 1 9 .3 )と下の ( 1 9 .9 )からもわかる).

K が可換環のとき, K多元環としての dimK[xi,. .・ , : t n ]が n であるこ

1 6 . 8 )に見た.これに関連し とは ( 定理

1 9 . 6

K が半単純可換環, A が K—多元環であれば,多項式環 A[:ti,

• • •,Xn] を K-多元環とみたとき

C4)

dimA[xi,・ ・ ・ ,Xn]=n+dimA

(証明) K が(可換)体のときを証明すればよい.そのとき ( 1 9 . 4 )の A,2を K [ : C t ,・ ・, x , . ] , A とすれば (4) が得られる.

(実は ( 1 9 . 6 )で K の半単純性は不要である, [ 1 7 ] 参照). 定理

1 9 .7 K を半単純可換現とし, n変数の有理函数環 K ( : t i ,・・・,%)(す

なわち K[叫,・・・,%]の商環)を K—多元環とすれば,

である.また, ( 1 9 .6 )で[

]を(

dimK(xi,・ ・ ・, : t n ) = n

)としてよい.

(証明) K を体としてよい. A =K(z1,. ., , x , . ) , ~=K[:i:1, … , x , . ] C A とおけばか の元は(ふ⑭1)(1R 入z ) f(ふ入zEA, f£2 りなる形に書ける.この表わし方から,まず

A8I t .2•=K[x1, ・ ・ ・ ,: i ; , . , zや , ・ ・ ・ ,: i : , . * ] と共にネークー的整域であることがわかる. さ らに A• →A⑭AA=Aの核を[とすれば

1=un2 りんのことがわかる. ここに 1n

~8 I t .P , 1 = : i : 1ーZ t * ,…, # £ 1 1 = : i : , .ー””*で生成された 2eのイデアルなること見易い.故 に[はこれらで生成された A eのイデアルである.その一部凡…,匹で生成された かのイデアルを It とすれば, A•JI1::::::A⑳K ( r , , ,., . 1 1 : ) Aであり,これは

( A = K ( : i : 1 ,・ ・ ・ ,

X t ) ( Z 6 + t ,…,Z n )だから)上述により整域であり, I ,I ま素イデアルである.従って ( 1 4 . 2 1 ) , (14.22)

の A.A を共にかとすれば dimA•A=n が得られる.後半は (19.

6 ) と同様

定理

1 9 , 8 K を可換体, L を超越次数 nの拡大可換体とすれば, Lを K-

多元環とみたとき dimL~n である.

(証明)

00 キ m~n に対し,

L

t t .m 変数の有理函数体 L ' = K ( x 1 ,・ ・ ・ ,z . , . )を K-

部分体にもっ .L は (L')8=L'®KL'—加群として L' と同型な加群の直和であり, L•

1 0 5

1 9 . 多元環のコホモロジ一次元 は (L')•ー自由加群である.後者から,

( 9 .12)

により任意の (L')•-加群 C に対し,

E x t c ' i 1 ) e ( L ,C ) : : : : : : E xぶ( L ,H o m c L ' ) e ( L ' ,C ) ) であり,前者からこの左辺は E x t , ' i , ) e ( L ' , C) を直和因子にもつことを知る . mの定義から,これがキ 0なる C があり,そのと

, 故に dim1.eL~m である.かくて dimL,;;;;;n である. き左辺,従って右辺がキ 0 この

( 1 9 .8) で nOに対し Hm(A,l S c h i l d の還元定理) 問 2 . (19.6) の後の注意よりずっと弱いが一般に n~dim.A [ x . ,・・・, x,.]~n+dim A のことを示せ ((14.22) の A を 2•

aOO 問 3 . 可換体 K の上の(:

とし

Xiー が を 考 え よ . 後 半 は

f~) なる形の行列のなす多元環を A,

( 1 9 . 4 ) ) . その根基を N

とすれば, d im.A.=2, dim(AJN2)=oo である (§19最後の注意と対照せよ).

第 6章 群 の ホ モ ロ ジ 一 2 0 . 係数遊離環 群およびリ一環のコ*モロジー論の基礎を統一的に扱うために,次の一般的 , な概念を導入する . Kを可換環とする . K上の多元環 A は

K 上の環準同



型 E:A K が存在するとき,係数遊離環 ( supplementeda l g e b r a ) とよば



れる .'YJ:K A を 祇 K)=K・ 1によって定義するとき, E ・ ' Y ] = l であるから,

k を A の部分多元環 K・ 1 と同一視することができる.

また両側イデアル

KerE を Iで表わすとき, A は Kー加群として直和 K+Iになる.

k を写像 8 を通して Aー左(右)加群と考える.そのときふ右加群 A , Aー左加群 C における A のホモロジ一群,コホモロジー群を,それぞれ (1)

H五( A ,A)=Tor~(A,K); Hn(A,C)=ExtA(K,C)

に よ っ て 定 義 す る 記 号 Hn(A,A ), Hn(A,C) は前章において,任意の多元 環 A のホモロジ一群,

コ*モロジ一群を表わすためにすでに用いられたが,

とくに A が係数遊離環の場合,

それが上に定義されたものと実質的には一致

することを次に示そう.

1節 (1) により,一般に (AA,A 瓦, A C) のとき まず 1

A釦 (B 釦 C ) ; : : ; : ( A釦 B)釦 C ; : : ; : C 0 A * ( A釦 B ) ; = : ; : ( C⑳ KA)RA*@AB ここで C=K とおけば,

K®KA は A—右加群 A を入a=E(",\,)a によって両

側加群と考えたものになるから,これを , A で表わすとき,

A釦 (B 釦 K ) ; : : ; : , A 0 A e B

C2)

同様に Aー左加群 C を , c ) . . = c E (入)によって両側加群とみなしたものを

c .で

表わすとき, 1 1節 (2) に基いて, (AAん AC) のとき,

C3)

HomA(A釦 K , C ) ; : : ; : H o mが ( A ,C , )

を得る. 定理

2 0 . 1

A が Kー射影的ならば, X を A のが—射影分解とするとき,

X⑳ぷが K(=A 釦K) の A-射影分解を与えるまた A を A—右加群,

C

第 6章群のホモロジー

1 1 0

), H"(A,C) は を Aー左加群とするとき, (1) に お い て 定 義 さ れ た Hn(A,A

7節 で 定 義 さ れ た Hn(A,, A ) , H"(A,C , ) と同型である. それぞれ, 1 (証明)

X を A の A.'—射影分解とすれば,

(11.

1 )により X⑳ AK は A—射影複体,

また ( 1 1 .3 ) により X が A-(右)射影分解になるから H n ( X : ⑳A K)=Tor1(A.Kj=O

(n>O). すなわち X⑳AKは 4⑭ AK=K

の 4—射影分解になる.定理の後半は C 2 ),

(3) のそれぞれ B ,A を X とおいてホモロジ一群に移ればよい.

次 に K 上 の 環 準 同 型 E:A→ が が あ っ て , こ れ と 1 7節 の P:A'→ A と の 合 成 pEが E:A→ K(CA) と一致するものとする.従って E(l)C](=

Kerp) で あ る . そ し て 今 度 は Aー両側加群 A が与えられたとし, E を用い て A を A—左(右)加群と考えたものを, EA(AE) で表わす.とくに At: に は Ae ー左, A右加群の構造を考えることにすれば, A左 加 群 C について次の 同型が成り立つ:

AE釦 C気 ARAeA 会)釦C : : : : : : A⑪ 瓜 心 R 心

(4)

(5) 定理

Hom 瓜C ,E A ) : : : : : : H o m A ( C ,Hom が( AE,A ) ) : : : : : : H o m が (AE 釦 C,A)

2 0 . 2

A は次の

3条件をみたすとする: i ) K 上 の 環 準 同 型 E:A→

がで, pE=E なるものが存在する; i i ) Aー右加群 AEは射影的である; i i i )

心I=]. そのとき X を 射影分解を与え,

K の ふ 射 影 分 解 と す れ ば , A伝釦 X が A の A"-

A を A—両側加群とするとき,

Hn(A, A E), Hn(A,EA) は

7節 に 定 義 さ れ た Hn(A,A), Hn(A,A) と同型である. それぞれ 1 (証明)

X が 4—射影的ならば, (3.10) により 4奴如X はが—射影的である.また

i i ) により H , , ( A怠釦X)=Tor改心, K)=O(n>O). よって 4認 以X は A恥如K の

A' ー射影分解になる. しかるに完全系列

Aわ釦I→ 心 → A認釦K→ O から条件 iii) を用いて A恥如K::::::A~/A~·l=A位/]:::::A を得るこの同型ほ悦祖→ p("i) によって与えられるから,明らかにか—同型である.定理の後半ほ (4), (5) の

C を X とおいてホモロジー群をとることによって得られる. 注意

条件 i i i ) を 4勺IC] と 4勾 Iコ]の 2条件に分けるとき,前者はすでに i )

に含まれている (E(I)C] よ り 心 ・ ICA']=J). 他 方 ( 1 7 .1 ) の証明の際に見たよう に,]は恥祖ー 1 ⑭入*(入 eA)全体から生成される左イデアルであるから,条件 AなI

1 1 1

2 0 . 係数遊離環

コIは次のように表現される: i i i ) '

の左イデアルは i ¥ . ⑳1-I@i¥*( i ¥ .£A)をすべて含む.

E(I) で生成された A•

0 . 3 A は Kー射影的で,かつ ( 2 0 . 2 ) の 3条 件 を み た す と す る . そ 定理 2 のとき

dimA=l.dimAK=r.dimAK.

K を半単純とすれば,

とくに

dimA=l.gl.dimA=r.gl.dinA . (証明)

( 2 0 .1)

により dimA~l.

dimAK, ( 2 0 .2)

により dimA~l.

dimAK. よって

等号が成り立つ.逆同型環に移って, dimA*=Ld imA¥K. しかるに dimA*=dimA ,

1 .dimA•K =r .d im瓜であるから定理前半が証明される.これからとくに d i m A : = a ; ; l . g l .

dimA ,r .g l .dimA を得るが, K が半単純ならば, ( 1 6 . 6 ) により逆向きの不等式も成 り立つから,定理後半の等式を得る.

A ,I ' を K 上の二つの係数遊離環とすれば,

K 上のテンソル積 A@KI'

は c (入@7)=EC 入 )c (ッ)によってまた係数遊離環をなす. て定義された各種の積は,適当な位置にある加群を

よって, 1 1節におい

K とおくことによって A,

I',A⑳ KI'のホモロジ一群,コホモロジ一群間の積を与える.たとえば 1 1節 (7) で C,Dを K とおけば, K@KK=Kにより,

T-積は Hp(A,A)@Hq



( 「 , B) Hp+q(A@Kr,A@B) になる.他も同様である.とくに K 上の環準



同型 D:A A @叫 は カ ッ プ 積 と キ ャ ッ プ 積 U: HP(A,C,)RHq(A,C2)→flPH(A,C ⑫ Cり

ぃc,,Ac2) 、



n: Ht,+q(A,Hom(C,A)) Hom(HP(A,C ),Hq(A,A)) (Aい C)

をひきおこす (Tor~(K, K)=O(n>O) のことに注意). このとき次のことに 注意する必要がある.一般に Aー左(たとえば)加群 C について K@KC,CR

K Kは C と同一視されるのであるから,前二者を D を通して Aー加群と考え たものが C における元来の Aー加群の構造と一致せねばならない. ¥.(l@a)= ) (l@a)=( E@l)D(:¥,)(lRa), 同様に入 (aRl)=(l@E)D(入 ) (a@l) であ D(入 るから,そのための条件は次によって与えられる:

(6)

(E@l)D=(l@E)D=1

(A の恒等写像).

第 6章 群 の ホ モ ロ ジ 一

112

2 1 . 群のホモロジ一群とコホモロジー群

nを群,または一般に単位元のある半群とし,その有理整係数の群環を Z(ll) で表わず Z(ll) は H の元を基とする自由アーベル群において, n ° 1

における乗法を Z—双線型的に拡張した乗法を導入して環としたものである.

多くの場合,単に標語として現われる Z (ll) を

nでおきかえる:たとえば

Z(ll)—加群を”ー加群,⑳ Z ( l l )を⑭”等・・ ・ . Z (ll) は E C図 囚ellZxX)=竺Z x ,

( Z xEZ) によって Z 上の係数遊離環となり,その際 l(ll)=KerEは x-l

) 全体で生成される自由アーベル群である. A,Cをそれぞれ ll(XEf l ,X芸 1 右,左加群とするとき, 2 0節において定義された H瓜Z(ll),A), Hn(Z(ll),

C) を ,

nの A におけるホモロジ一群,

Cにおけるコホモロジ一群とよび,

n(ll,A), H"(ll,C) で表わす. これらも略記してそれぞれ H 群 H の群環 Z(ll) の有する他の重要な性質は,対応

W; X→ e x I ) *によ

って Z (ll) と Z(ll)* とが同型になることである. これにより”ー右,左加 群の研究はそれぞれ Z(ll)*—右,左加群,すなわち n一左,右加群の研究と同

値になるから,群の上の加群を考える場合,左,右の区別は本質的な應味をも つものではないよって単に刀—加群とよぶこともある.

次に,対角線写像の→ XQ9X (XEf l ) のひきおこす環準同型 D:Z( f l )→

Z(ll)RZ(ll) を用いて, E:Z(ll)→ Z(fl)• を E=(l⑳w)Dによって定義 すれば,これは ( 2 0 . 2 ) の 3条件を満足する: Z(ll)—右加群と考えたものは

l®x*

i) は明らかであり, Z(fl)•



( xEf l ) を基とする”ー自由加群になる

から i i )が成り立ち,また XEf l について x(8)l-lRx*=(xRl)E(lーかり であるから i i i ) ' が成り立つ.よって ( 2 0 . 2 )がこの場合適用され, ( 2 0 . 1 )は もちろん(任意の半群について)成り立つから,さらに ( 2 0 . 3 ) も成り立つ.な

2 0 . 2 )で , l l -両側加群 A について, EAは x(a)=xax-1, AEは ( a ) x お ( =x-1axによって

nー加群と考えられるのである.

1 8節に定義した Z(ll) の標準複体について ( 2 0 .1 )を適用すれば, ( Z(ll)

R改 Z(ll))RZ直)) RnZ=Z(ll)R改 Z(ll)) が Z の”—射影分解を与える ことがわかる.これを

nの標準複体とよひ:, S(ll) で表わす. S(ll) は n -

2 1 . 群のホモロジ一群とコホモロジ一群

113

自由であり, [ X i ,・・・,%](幻i€ f l ) の全体が Sn(ll) の f l -基をなす.微分 d は~

n 1

(1) d n伝,・ ・・ ,X n ]=X1[ x 2 ,・・ •,Xn]+ 図 (-l)i[x1, ・・・,”心i +I, ・・・,%]

i 1

+(-l)n[xi,・ ・ ・ , のn ーi ] で与えられる. 1 8節におけると同様, A を

nー右加群,

Cを

nー左加群とす

るとき

ARnS,.(ll)=AR泣 f l ) , Homn(Sn(ll),C)=H o r r . ( S , ,直), C) となる.よってわれわれの定義したコホモロジー論が,次の古典的な定義 ( E i -

lenberg-MacLane [ 1 4 ] ) と同値であることがわかる: H から Cへの n変 数の函数

fを nーコチェインとよび, fのコバウンダリーを

d f [ x 1 ,・・ •,X店 1] =xif[x2,・・ , ・X n + 1 ]+ 区”(-1)ザ[作・ ・・,如i+I, i=l

・ ・ ・ , Xn+1]+(-l)n+tf[X1,・ ・ ・ , X』 で定義する. df=O となるコチェインをコサイクルとよぶそのとき H n(ll, C) は n- コサイクルの加群の n—コバウンダリーの加群による剰余群である.

I(ll)=Z直) !Zは Zー自由であるから, S ( l l ) の代りに正規標準複体 N(ll) =N(Z(ll))⑳ nZを用いることもできる. N(ll)の取扱いは S ( l l ) と全く同 様であり,ただ変数叩のうちに単位元が現われるとき ( x i ,・ ・ ・ ,Xn)=O とい う性質が加わる.

S ( l l )C または N(ll))は次のように斉次的に取扱うことができる. X o [ X ー 。1 x , ,. ., ・x 旦1功』を {x。,・・・,%}で表わすとき(従って [xi,・・',Xn]= {1,Xi, X 1 X 2 ,・ ・ ・ ,妬・ ・・ X n } ) ,S , . ( l l )は { X o ,・ ・ ・ , X n } 全体から生成される自由アーベ ル群で,

nの作用は

x { x o ,・ ・ ・ , Xn}={xx 。 , ・ ・ ・ , xx 心 に よ っ て , 微 分 dは

”(-l)i伝,・・・,命,・・・, Xn} “叫,・・・,%}=図 i 一O

によって与えられる ( x ;は叩を除く記号).この形ぱ位相幾何学における複 体のホモロジー論との平行性を明示して興味がある.

Hn, H" あるいは S n , n-チェイン等における n は函手や次数加群の一般

1 1 4

第 6章 群 の ホ モ ロ ジ ー

的の言葉使いからは次数とよぶのが当っているが. (4 節にもちょっと述べた ように)普通は次元とよんでいる.われわれも以下に混用することにしよう. さて低次元*モロジ一群,コ*モロジ一群の構造は(正規)標準複体を用いて 最も容易に研究されるまず右加群 A の , a の 一 a(a€ A ,x€ f l ) 全体で生成

A I ( l l ) ) に よ る 剰 余 加 群 を An, 左加群 C の fl—不変元 される部分加群 ( (xc=c,x€ f l , をみたすもの)全体のつくる部分加群を enで表わすとき, (2)

J i 。 ( l l , A ) ; : : : : ; A R n底 An

(3)

H 0 ( f l ,C ) ; : : : : ; H o m n ( Z ,C ) ; : : : : ; C l l

(これらは ( 1 7 . 1 )を ( 2 0 . 1 ) によって書き直しても得られる).次に f lが

A に単純に作用しているとき(すなわち任意の aEA, X€

nについて ax=a

となるとき) ,H ,(fl,A) は aR[x]の形の元で生成されるアーベル群の, aR

( [ y1 -[xy]+[x]) の形の元で生成される部分群による剰余群であって, f lの 交換子群を [ f l ,f l ] で表わすとき,

対応 aR[ の]→ aR(xm od[fl,f l ] )によ

り同型

H 1 ( f l ,A ) ; : : : : ; A R f l ! [ f l ,f l ]

(4)

(A町 =A)

がひきおこされるまた H 1(fl,C) は f [ x y ]=ガ[ y ]+ f [ x ] をみたす f lか ら C への函数のつくるアーベル群の, f c位]=xc-c( cEC) の形の函数のつ くる部分群による剰余群であるから.

lが C に単純に作用している とくに f

と仮定すれば次の同型が得られる: (5)

H 1 ( f l ,C ) ; : : : : ; H o m ( l l ,C) (=Hom(fl/[fl,f l ] ,C) ccn=C)

H 2 ( f l ,C) については 28節参照. 2゜高次元*モロジ一群,コ*モロジ一群の構造を具体的に記述することほ 困難である.次にカップ積およびキャッフ゜積を用いて与えられる還元定理につ いて述べる.問題を少し一般に扱う.まず A,B,C を”一左加群とするとき,

,Hom(A,C) がまた f l 対角線写像 D および E=(lRro)Dを通して B⑳ A 左加群になる:

x(bRa)=幼R四, (xf)(a)=の・ J Cの-1a) そのとき同型 Hom(B,Hom(A,C ) ) ; : : : : ; H o m ( B ⑳ A,C) は

n -同型であること

1 1 5

2 1 . 群のホモロジ一群とコホモロジ一群

が容易にわかり,従って Hー不変元のつくる部分群の間の同型

(6)

Homn(B,Hom(A,C ) ) ; : : : ; H o m n ( B ⑳ A,C)

がひきおこされる.

同様に ( An,nB,nC) のとき, ARBを (aRb)x=axR

― “' b , BRCを 妖 b ⑭ c)=xbR のC によってそれぞれ H—右,左加群と見るとき 次の同型が成り立つ:

(ARB)RnC;:::;ARn(B ⑳C )

(7)

(6) から次の命題が得られることは,すでに読者に親しい論法であろう.

1 . 1 定理 2

nー加群 A は

Zー射影的(すなわち Zー自由)とする .Bが

射影的ならば BRA も”ー射影的であり, C が

nー移入的ならば

n-

Hom(A,

C) も”ー移入的である. 1 節で定義されたカップ積,キャップ積は さて 1 (8) u :Ext 叙E,B)RExt'h(F,A)→Ext!f+¥ERF,B⑳ A) (9) n :Tor 十 りq(Hom(A,B),FRE)→Hom(Ext/f(F,A),Tori(B,E))

であった. ここで E=Z とおき,

R Aをとり,

B として

U

では Hom(A,C),n では C

n -準同型 →

c p:Hom(A,C)RA C , ,p(fRa)=f(a)

(nA,nC)

少 : C→Hom(A,CRA), C 少c)(a)=cRa

(nA,Cn)

のひきおこす広義のカップ積に移れば

( 1 0 )

u :HP(fl,Hom(A,C))RExt'h(F,A)→E x t / f 1 ¥ F ,C)

( 1 1 )

n :Tor 十 りq(C,F)→Hom(Ext//(F,A),Hq(ll,CRA))

となる.これについて調べる.

はじめに F=A とし, Ext~(A, A)=Homn(A,A) に 属 す る A の恒等写 像を lA で表わせば,準同型

n ( l l ,Hom(A,C ) )→Extn(A,C) ulA: H n1 . 4 : Tori( C ,A)→H, 、 (ll,CRA) が定義される. u'n の定義から明らかなように,

n=Oのときこれらは (6)

の同型 Homn(Z,Hom(A,C ) ) : : : : : H o m n ( A ,C ) , (7) の同型 CRnA=(CR

A)RnZと一致する.

1 1 6

第 6章 群 の ホ モ ロ ジ ー

補題 21.2 A が Z—射影的ならば, u1A, nlA はともに同型である. (証明)

上に注意したことにより n=O のときは明らかであるから,一般に n(~O)

について正しいと仮定し, n+Iの場合を導く.そのために完全系列 0→ C→ Q→ C '→O で Q が nー移入的であるものをとる .A の Z—射影性により

0→ Hom(A,C)→ Hom(A,Q)→ H om(A,C')→ o

C 完全)

が成り立ち, ( 2 1 .1 ) によれば Hom(A,Q)ほ I I 移入的である.よって

U

が連結準同

型と可換なことから,水平線が完全系列をなす可換図型 距

(Tl,Hom(A,Q))→ H " ( l l ,Hom(A,C ' ) )→ Hが 1 ( l l ,Hom(A,C ) )→O ↓u 1 , 1

Extn(A,Q)

↓U!,i



Ex 曲(A,C')

↓u 1 , 1



n+I

Extn ( A ,C )→ O

が得られる.左および中央の垂直線は仮定により同型である.従って右の打A も同型 l , iについても同様に証明される. である. n 次に F と A が fl—加群の有限完全系列

0→ A→ X←1→・・・→Xo→ F→ 0

C E )

によって結ばれているとする ( q>O). C E ) に関する繰返し連結準同型を 釦であらわし, ( 1 0 ) ,( 1 1 )に お い て 釦lAt :E xt'b(F,A)によるカップ積, キ ャ ッ プ 積 を 考 え る ( 釦lA は (E) の特性類とよばれる. 27節参照)すな わち準同型

ッ : HP(fl,Hom(A,C))→Ext!十q(F,C)



0: Tor なq(C,F) Hp(ll,CRA) をそれぞれ

ッh=(-l)P叩 釦lA, hE印 (ll,Hom(A,C)) 0k=kn釦 l A ,



kETor 1 q ( C ,A)

によって定義する.そのとき次の還元定理が得られる. 定 理 21,3 (E) において X。,・・ ·,Xq-1 が fl—射影的ならば,ッ, 0 は P>

0の と き 同 型 で あ る ま た p=Oのところから次の完全系列が得られる ' Y

Homn(Xqー i.C)→Homn(A,C)→E x t ' b ( F ,C)→0 n 6 0→ Torq( C ,F)→ CRnA→ C@Xqー1 (証明)

まず X q 1Iま ll—射影的であるから Zー自由,従ってそれに含まれる A も自

1 1 7

2 1 . 群のホモロジー群とコ*モロジ一群

然に Zー自由になっていることに注意しておく.さて図型

E x t n ( Z ,Hom(A,C ) ) ( 8 ) E x t n ( A ,A)→Ex切 ( A ,C) ↓1(8)€!>屈↓ e亙

Ex切 ( Z ,Hom(A,C ) )⑭Extn(F,A)→E x t n ( F ,C ) が可換であるから,ツほ符号を除いて ul , 1 と繰返し連結準同型

f i ! ) E

との合成と一致す

5 . 7 ) によりツについての命題が証明される. e についても全く る.よって上補題と (

同様である.

元を I1 の部分群とし ,A の恒等写像を Ext~(F,A) の元と考えたものを また lA であらわす. II-射影的加群は (3.22) により冗—射影的でもあるか ら,上により直ちに 系

2 1 . 4

II—加群の完全系列

0→A→Xqー 1 →•••→ X。→ Z → 0 (q>O)

CE)

x。,…,Xq→ が

があって,

IJ—射影的であるとする.





そ の と き RElAE HQ

(冗,A) による積: h hu釦 l A , k kn釦 l _ 4 によって,

I Iの す べ て の 部

分群冗について同時に,次の同型および完全系列が得られる.

H P ( 1 t ,Hom(A,C ) ) ; : : : : ; H P砂 ( 1 t ,C) ,C ) ; : : : : ; H p (元,C ( 8 ) A ) Hp+q(冗

Hom"(Xqー . ,C)→Hom"(A,C)→HQ(元,C)→0 0→Hq(冗 ,C)→C欧 A→ C ( 8 )ぷ q ー] カップ積,キャップ積を具体的に計算するには,それらの定義に現われる射 影分解と,それらの間の必要な準同型が実際に求められればよい.たとえば

(8) について, Extn(E,B),Extn(F,A),Extn(ERF,B⑭ A) がそれぞれ, E,F ,E(8)F の II—射影分解 X., X 2 , Y に関して記述されているならば, J I -

→X⑮ ぶ が 与 え ら れ れ ば よ い と く に

準同型 Y

E=F=Zで X i ,X 2 , Yが



すべて I 1 の標準複体 S(II) であるとき,準同型 S(II) S(Il)RS(II) は

( 1 2 )

”[Xi,・ [ X i ,・・•, X n ]→区 ・ ・ ,X p ] Q 9 X 1・ ・ ・X p [ X p 1 ,・ ・ ・ , % ] t , = 0

によって与えられる従ってカップ積

HP(fl,B)RHa(IJ,A)→HP+a(fl,B ⑭ A)

1 1 8

は ,

第 6章 群 の ホ モ ロ ジ ー

p -コチェイン f , q-コチェイン g のカップ積を C f U g [ X 1 ,・ ・ ・ ,X p + q ]=/ [ X i ,• • •, Xp]@X1• • •Xpg[x が h

・・・, Xp+q]

によって定義するとき,{/}町g )={/Ugj によって与えられる.正規標準複

1 2 )に基いて計算さ 体についても全く同様であるまたキャップ積も同じく ( れる.

3 0 二三の例について述べる.

nを単位元のみよりなる群とすれば, Z(ll)=Z であるから, dimzcm ー加群(すなわちアーベル群) A について Hn(ll,A) Z=O, 従って任意の n a )

=Hn(ll,A)=O(n>O) である. b)

nを自由群,

{ x , , } をその 1組の自由生成系とする.

そのとき I ( l l )

が{妬ー 1 } を基とする”ー自由加群をなすことが次のようにして証明される. ー1 ) により, ま ず 等 式 切 ー l=x(yー l)+(x

{ x , ,ーl }が l ( l l )の

n一生成系

をなすことがわかる.つぎに

( 1 3 )

図A . , , ( x , ,ー 1)=0,

ふ€

Z(ll)

'と仮定する .nの自由性により, Z (ll) から Z ( l l ) ,への微分 f u .を,条件

f , , . ( x , , ) =如によって定義することができる. 微分は単位元を 0に写すから, Z ( f l ) ; : : : ; ; J ( l l ) + ZC直和)に基いて, /μIま Zー線型写像 f μ . ' :l ( l l )→Z ( l l ) , で/μ.'(か一 l)=f .( x ) をみたすものをひきおこす.

) ) = / μ . ' ( ( A . 沿 : , ,ー1)-C ふー 1 ) )=/ μ . ( A . , , x , , ) J ; 凶ふ) / μ . ' ( ふ ( ” , , ー1 =ふ/ μ . ( X v ) =如 A . v であるから, f μ . 'を ( 1 3 )に作用させれば A . μ = 0 を得る.すなわち { x , ,ー1} は

e

nー独立である.従って 0→l(ll)→Z(ll)→Z→0 は

Zの

nー自由分解

をなす.よって dimzcmZ~l であり,

( 1 4 )

H,.(ll,A)=O, Hn(fl,C)=O (n>l) ( f l : 自由群)

を得る. n=l のところでは,たとえば A=Zとおくと, l l t [ l l ,f l ]は { x , , } の生成する自由アーベル群で 0にならないから, H 1 ( l l ,Z ) ; : : : ; ; f l / [ l l ,ll]~O. 従って dimzcmZ=l である.(ただし { x , , } は空集合でないとする.)

( l l )は { x , , 1 } を基として なお上に見たように, l

nー自由であるから,

1 1 9

2 2 . 部分群との関係 任意の X€

f lについて”ー 1=竺 ふ (x)(x,,-1), ふ (x)"Z(ll) な る 表 現 が 一

o x o x , ,

意的に定まる.ふ ( x ) を 一 ー で 表 わ し , こ れ に 基 い て , い わ ゆ る free d i f -

f e r e n t i a l calculus が建設され,多くの問題に対し有用な手段を供する. 任意の群は自由群の剰余群として表わされる.その見地に立つとき,自由群についで 簡単なものは,ただ 1つの関係によって定義される群である.

これは有限巡回群 ( { x v }

が 1元より成る場合)の一般化に相当し,事実巡回群に対する結果 (23節)と類似の形

Lyndon [ 3 1 ]参 でホモロジ一群.コホモロジ一群が記述されることが知られている ( 照 ) . 自由アーベル群については本章の問 2を参照. c) K/kを有限次ガロア拡大,”をそのガロア群とする.そのとき正規基の定理ば

K の加法群 K+ を I I -加群と見たものがが @ Z ( J J ) : : : : : H o m ( Z ( J I ) ,kうと同型であるこ とを意味する.よって ( 1 5 )

H , . ( I J ,Kり= 0 , H"(Jl,K+)=O (n>O)

また K の乗法群 K*については,

自己同型の線型独立性に甚くよく知られた輪法に

砕 : = a , , v( a . , "K*) の解が a . , = b 1 " ' ( brK*) で与えられることが証明される よって, a

( H i l b e r t S p e i s e rの定理).すなわち Ht(ll,K*)=O

( 1 6 )

2 2 . 部分群との関係 1 0 元を f lの部分群とし,元のホモロジー,コ*モロジーを f lとの関連の 下に研究する. Z(fl) を冗ー加群と見たものは元—自由であるから, (3.22) に より

て ,

fl-射影加群はまた冗—射影的である.従って Z の fl—射影分解を用い

f lのすべての部分群のホモロジー,コ*モロジーが同時に研究できるこ

とにあらかじめ注意しておく. 最 初 に 元 と そ の 共 役 部 分 群 が"=x冗x -1 (xef l ) との関係を扱う. (An,

nC) とするとき,



同型 A @ , , C : : : : : : A @江 ” → C が aR"c ax―1 ( 8 )江 戸 XC V こよっ

て与えられる .C を Z の fl—射影分解でおきかえて,*モロジ一群をとれば,

同型

I . , : Hn(元 ,A)→ Hn(だ, A)

1 2 0

第 6章 群 の ホ モ ロ ジ 一

が得られる.同様に ( nA,nC) のとき H o m . , , ( A ,C ) ; : : : : H o m " " ' . , →( A ,C)が

f→ x(f):x(f)(a)=x・f(x-1a)によって与えられる. この A を Z の I I 射影分解でおきかえて,同型

I : ェ Hn(元 ,C)→H n ( 7 t " ' , C ) が得られる.定義から明らかなように

C1) I . , 1 1 = I . , I 1 1 . (2)

X E冗のとき

I のは恒等写像である.

1 の正規部分群の場合, Hn(元,A ) ,H n ( 7 t ,C)に が成り立つ.従って元が I は I . , を用いて I l l冗ー加群の構造が導入される. 次に I I と冗との関係を扱う.まず自然な単準同型

( f . ) :Z (冗)→ Z ( I I )に

R . , , Z ( I I ) , C の反変拡張 H o m , . ( Z ( I l ) ,C) 関する冗ー加群 A の 共 変 拡 張 A を,簡単のためそれぞれ A叩 1 n ,C叩 I l l で表わすとき, A R , , X ; : : : ; A 叩1 nRnX,

Hom,,(X,C ) ; : : : :(Hom爪X,C " l l l )に基いて, ( S h a p i r oの)同型 C , 冗I I ) :Hn(冗,A ) ; : : : ; H n ( l l ,A 1 t 1 n ) , Hn(冗 ,C ) ; : : : ; H n ( I J ,C " l l l ) が成り立つ ( ( 9 . 1 0 ) ,( 9 . 1 2 )参照). A,C が II—加群ならば,

II—準同型~:

A R . , , Z ( I I )→ ARnZ(II) が Hn

( I I ,A , , , n )→Hn(Il,A) を, 7J:Homn(Z(II),C)→H o m , , ( Z ( I I ) ,C)が Hn ( I I ,C)→ Hn(IJ,C 叫)をひきおこす.これらを上のヽC 冗, I I ) と合成すれば, 準同型

I n j (冗,I I ) :Hn(冗 , A)→ H , . ( I l , A ) ) : Hn(IJ,C)→H n ( 7 t , C ) R e s ( I I ,元 が得られる前者はR,,→ Rn によってひきおこされるもので移入写像,後

o m . , ,によってひきおこされるもので制限写像とよばれる ( ( 9 . 者は Homn→ H 1 4 )参照).これらの写像が, I Iコ冗 1コm のとき

C3)

I n j (冗2 , I l ) = I n j (冗t,I J ) I n j (冗2 ,7 t 1 ) , R e s ( I J ,冗 2 )=R e s ( 7 t i ,7 t 2 ) R e s ( I J ,冗 1 )

をみたすことはいうまでもない. いま冗は II において有限な指数を有するとする.そのとき冗—加群の共

1 2 1

2 2 . 部分群との関係

変拡張と反変拡張とは同型になる

たとえば左加群 C について同型 C叩 1 n : : : : :

c 叩は, nの元に関する左剰余類の代表系の一つを{わ}とするとき (fl= U 1 t む),互に逆なる対応が (4)

畷 {



y邸

c→ 伍 : 匹cO)

が得られる. とくに n=l のところを詳しく調べるために次の可換図型を用いる:

1 2 5

2 2 . 部分群との関係

0←

T o r 1 " ( A ,Z)~Tor1ll(A, Z ( l l !冗 ) ) I 、 / [ L

V

Tor1°(A,Z)→T o r 1 ° ( A , , ,Z)→T o r 1 l l l " ( A , , ,Z) ↓ g ↓ ↓ ARnl(llは)→A虚 n l ( l lは) =A返 )l l / , r [ ( l lは) 垂直線は 0→ l ( l l /元)→ Z ( l l /冗)→ Z→ 0からひきおこされるもので,すべて 完全であり,さらに延長することも可能である.そのことから直ちにッが全準 同型であることがわかる.またμ,どは A→ A , ,→ 0からひきおこされるもの であるが.その核 (DAで表わす)は ay-a(ye元)の形の元で生成されるか

ARr,I(llは) =0となり,μ は全準同型,どは単準同型で ら , DARnZ=O, D e f ( l l ,f l /冗)=ッo μ が全準同型であること,また図型の可換性 ある.よって D から K er(v゜μ)が To 記 ( A ,Z ( l l /元))の像で与えられることがわかる.す なわち

( 1 3 )

I n j

Def

H1(元,A)→ H1(ll,A)→ H1(ll厄 A , , )→ o C 完全)

全く双対的な議論により次も成り立つ:

( 1 4 )

I n f

Res

0→ H1(ll 比 C")ー→ H1(ll,C)→ H向 C) C完全)

e f ,I n fを 1次元の場合に帰着させて調べる.その 次に 2次元(以上)の D ために ( 2 1 .4 )の q=l の場合を用いるが,ここではカップ積,キャップ積に 言及する必要はないので,少し異なった表現を用いる. Defについて説明する ことにし, A を n—右加群とする.

v

完全系列 0→ l ( l l )→ Z ( l l )→ Z→ 0 ま

Zー加群として分解しているから, ( 1 5 )

(R):0→ ARI(ll)→ ARZ(ll)→ A→ o C 完全)

E=(l®ro)D を用いて,この各項を n—右加群と見るとき,

( 1 5 )は

n -加群

1 5 )に属する元のホモロジー完全系列をつくれば, の完全系列をなす. (

Tor:(ARZ(ll),Z)=O(n>O)により, ( 1 6 ) R R :H n + 1 ( 1 t , A ) ; : : : ; H , . (冗 ,ARI(ll))

( 1 7 )

(n>O)

0→ H心 ,A)→ A欧 l ( l l )→ A気 Z直)→ A , ,→ 0 (完全)

を得る. ( 1 7 )は本節 1°t こ述べた作用で f l /冗ー加群の完全系列をなす.

これ

1 2 6

第 6章 群 の ホ モ ロ ジ 一

を分割して

/ 3 a ( S ) : 0→H心t ,A) → A訊 I ( l l )→M →0 (T): 0→ M → A訊 Z直)→ A , ,→ O とする.そのとき A欧 Z ( l l ) : : : : : A R Z ( l lは ) , Tor 『"(ARZ(ll/1t),Z ) : : : : :

Tor 気A,Z)=O(n>O) により, ( 1 8 )

釘: H四 1 ( l l ! , 冗A , , ) : : : : : H n ( l l !冗,M) (n>O)

が成り立つ. また Def と連結(準)同型等で構成される図型

( 1 9 )

D e f n + 1 釘 H叩 1 ( l l ,A) → H n + 1 ( l l !, 冗A ") : : :H n ( l l ! , 冗M) I し D e f , , a* Hn(ll,ARl(刀))→ Hn(llは , A訊 l ( l l ) )→Hn(llは , M)

は可換である.(定義にもと`ってサイクルの対応を求めよ).ここに a*は f l /冗 ー加群の完全系列 C S )に属するホモロジ一群の完全系列の 1項である.いまと くに n=l のところで t 1を ( 1 7 ) の繰返し連結準同型, 釦

すなわち合成写像



t 1 : H2 (llは ,A , , )→H1直 I 冗 , M )→H 1(, 冗 A)n として定義すれば, ( 1 9 ) の可換性および D e f 1 が全準同型であることから

( 2 0 )

D e f t 1 H 2 ( l l ,A)→H2直 I 冗 ,A , , )→H1 (, 冗 A)n



は完全系列をなす.最後に, I n j .v まもちろん H 1(, 冗A ) l l H1(ll,A) をひき おこすが,そのとき次の図型は可換である:

e s / 3 * H 1 ( l l !元, M)→H1(冗 ,A)n→A釦 I 直) ↓I n j

1 1

0→ Hi(ll,A)→ ARnJ, 直)→ ARnZ 直) この水平線はともに完全であるから, KerInj=Ker/3*=ImRs. 以上をまと めて



定理 2 2 .1 0 ( 1 7 )に属する繰返し連結準同型 H 2 ( l lは ,A , , ) H1(, 冗A ) l l を t i で表わすとき,次は完全系列をなす.

D e f t i H 2 ( l l ,A)~H2(ll/冗, A,,) 一→ Hi(冗,A ) l l

2 2 . 部分群との関係

1 2 7 I n j



Def

Hi(ll,A)→ Hi(ll厄 A、 ) →0

全く同様に次が証明される. 定理

2 2 . 1 1

C を ll—左加群とする.そのとき ll/冗ー加群の完全系列

f J

( 2 1 ) 0→C"→H o m . , ( Z ( l l ) ,C)→H o m . , ( l ( l l ) ,C)→H'(冗 , C)→ O



に属する繰返し連結準同型 H 1 ( 1 t ,C ) I I H 2 ( l l /冗 ,C ") をがで表わすとき, 次は完全系列をなす. I n f

Res

0 → H孤 I 冗 ,C ")→ H1(ll,C)→ が



ザ (1t,C)II I n f

H2(ll厄 C")→ H 2 ( l l ,C)

さらに一般に次の定理が成立する. 定理

2 2 .1 2

1t を ll の正規部分群,A を ll—右加群とし,

H;(冗 , A)=O,

i = l ,・ ・ ・ ,n-lと仮定する.そのとき準同型 t n :H n + 1 ( f l / 1 t , A . , )→H , . (冗,A)n が存在して,次が完全系列をなす: Def

( 2 2 )



t , .

( I l , A )→ 恥 ( I l l冗 ,A , . ) → Hn(冗 , A)n I n j

Def

→ 比(Il,A)→ 比(Il厄 (証明)

か=1 の場合が ( 2 2 . 1 0 ) である.

A , . )→ 0

よって n>I とし,”ー 1については定理

1 ( , 元 A)=O と仮定されるのであるから, ( 1 7 )は I l / . , , ; ー加群 の命題が成立するとする. H の完全系列 (T)

0→A欧 I ( l l )→A欧 Z(Il)→A . ,→O

に帰し,従って ( 1 6 ) を補う次の還元公式が成り立つ: ◎T:H い

( I I / n : ,A,,)~Hi,(IIJ冗, A @ , , I ( J I ) ) (p>O)

よっていま t , . _ , @ 戸 4松 t nによって t , . . を定義すれば,他の D e f ,I n jは明らかに f ! < J T と可換であるから,"に対する (22) が,すでに完全性を仮定されているか— 1 に対す

る ( 2 2 ) と可換図型で結ばれる.それを結ぶ @T f ますぺて同型であるから,”に対する ( 2 2 ) も完全系列をなすことがわかる.

コ*モロジ一群について,全く同様に次が証明される. 定理 22.13

元を ll の正規部分群, C を ll—加群とし, Hi(元, C)=O,

i=

第 6章群のホモロジー

1 2 8

1 ,・ ・・,n-1 と仮定する.そのとき準同型 t n :Hn(冗 ,C ) l l→ H 1 1 + 1 ( l lは , Cり が存在して,次が完全系列をなす: Res

I n f

0→ H n ( l l / 1 t ,C")→ Hn(ll,C)→ Hn(元, C ) l l 炉



I n f

H加 1 ( l l / 7 t ,C←)→ Hn+I(fl,C)

前節 ( 1 6 ) により,ガロア拡大の乗法群のコホモロジーでは, H'(n,K*)=Oの仮定が

常にみたされている. そして上定理を n=2 について適用したものが接合禎を通じ単純 [ 2 3 ] ) . 多元環類の群 (Brauer群)に対し重要な意義を有しているのである (

4 0 これらの写像を標準複体を用いて表わす.そのために必要になる標準複 体間の準同型をまず挙げよう.

a)

炉—準同型 sc ザ)→ S ( l l ) .

[ Y i " ' ,・・・, y~] → x [ y i ,・ ・ ・ ,Y n ] , ( y ;E冗 )

( 2 3 )

b)

冗X—準同型 S(ll) → S Cザ)

t分 を 定 め 代表系 { 元を元,面;ー 1り

.nを冗に関して左剰余類に分け,

1組の

e n =U7ttj, 7(

の代表元は単位元とする),“€”の代表 . , , , . ・ ·'—'" t をので表わす.そのとき妬 Xz=函 X z , 功叫=妬・品叩が成り

立つことに注意すれば,次が複体の元Eー準同型を与えることが確かめられる:

∼之.,,...___ベ

( 2 4 ) Y o [ Y i ,・ ・・ ,Y n ]→”ー 1 Y o [ X 1 Y o Y ,,x-'YoY改

C

2

—/"'

/ ~

' ・ ・ ・ , ” ー1 Y o ・ ・・ Y n , y , , ] , ( y ;E f l )

c ) n—準同型 S(ll) → S ( l l /元 ) . X€

ここに

7(



n の正規部分群とする.

f l の剰余類 mod7t を元で表わすとき, [ x , ,・・・,%]→ [ 五 ・・ ・ ,X n ] ,

( 2 5 )

(XiEf l )

さてホモロジ一群の I x は A Rぷ(元)→ A訊 S ( l l )→ AR,, な ” →S ( l l )→

A @江 z→ S(ゲ)で得られるから, a) の か= 1 の場合と b ) を用いて,

I x :a訊 [ Y i ,・・・ ,Y n ]→aか唸"""―, [ y占..・,茄] ( y ;€ 冗 ) 1 の場合と a) とから,コホモロジーについて を得る.同様に b) の か=

I x :f→f汽 f " ' [ y ,汽..・ ,y訂 →f [ y 1 ,・・・ ,Y n ] ( y ;E冗 ) 次に*モロジ一群の I n j , : : zホモロジ一群の R esは a ) の か=1 の場合を 用いて,それぞれ

129

2 2 . 部分群との関係

I n j ( 1 t ,l l ):a⑭ " [ Y 1

● ..

・ , y . , ]→ aRn[Yi.・ .•,y.,]

R e s ( l l ,冗):f→ p f , pf[ y i ,..• , y . , ]=f [ y 1 ,・ ・ ・ ,Y n ]

( y ;丘)

からひきおこされることがわかる.

[ l l ;冗J < o oのとき,ホモロジー群の Res, コ*モロジ一群の InjI ま b)の 伍

=l の場合と (5), (6) を用いて

----.__

-~ R e s ( l l ,冗):a@n[ x 1 ,・ ・ ・ ,x . , ]→~at;ー1R 1 t [ お, t ; x ,な..., t ; x 1 ・・ •Xn ー ,x.,]



~こ-------~

I n j (, 冗l l ) :f→ が サ[ X i ,• " . ,X n ]=~尺f [t j X , , t 岱1 X 2 ,• • ·.t把 1·••Xn-1Xn]



( x ;E11)

の形に記述される. とくに A=Zとして, 1次元*モロジ一群の R e s ( J I ,元 ) : H 1 ( I I ,Z)→ H1

( 1 t , Z ) に 注 目 す る 前 節 (4)によれば,これを準同型 R e s ( I I ,冗 ) :J l / [ I I ,I I ]→叫[冗,冗] と考えることもできる.これを,標準複体に関して上に与えた具体的な表現に よって表わせば

x mod[ I I ,I I ]→I l j 位 mod[元,,,:] J—·ヽ

となる.すなわち群論において t r a n s f e r(Verlagerung) として知られてい

Zassenhaus[ 4 8 ] 参照). るものに他ならない (

1の正規部分群とする. c) を用いれば, Def,Infは次の形 つぎに元を I , ,の元を a , , で表わすとき, に表わされる. aeA の代表する A D e f ( l l , l lは): aR叫Xi,•• •,Xn] → aぷ叩[五・・・ぶ] I n f( f l ! 冗,fl):/ →> . . J ,> . . f [ x i ,・ ・ ・ ,X n ]=f[ 元t, ・ ・・ふ]

(XiEJ I )

以上は正規標準複体を用いる場合でも全く同様である. 次に正規標準複体によって, 3 0に導入した t n を具体的に表わす.まず t t は ( 2 1 )に属する繰返し連結準同型で定義されるから,それを実際に求めてゆ けば次のようになる. h を 冗 の C に関する 1 ーコサイクルとする.そのとき

lEHom(Z(JI),C) で次の i ) ,i i ) をみたすものが存在する. i ) lを I ( I I ) に制限したもの l'11 冗—準同型をなす: y l ' = l ' ( yE冗 ).ii) 任意の YE 冗,”€

130

第 6章 群 の ホ モ ロ ジ ー

nに つ い て

(yl-l)(x)=h(y). i ) により k ' (元 )= o l ' C元)=叫' l ' によって

f l /元 の Ker/3に関する 1 ーコサイクル k 'が定義される.次に { h }を 変類とすれば, X€

nー不

f lに対し gぃECがあって xh(x-1yx)-h(y)=yg:,;-g.,,

(y€ 元).とくに YE元については gy=h(y) にとることができる. g : , ; を定数 (の)一 xl-l-g"' とおけば k ( x ) は Hom,, 函数 eHom(Z(ll),C) と考え, k

nとするとき

7 t ,x ,z" ( Z ( l l ) ,C) に属する: Y"

yk(x)(z)-k(x)(yz)=( yのl ( x 1 z ) y l ( z ) y g : , ; ) ( x l ( x一1 y z ) l ( y z ) g : , ; ) : , ; ) = 0 =(xh(x-1yx)-h(y))-(yg:,;ー g そして知)を I 頃)に制限したものが k ' ( x ) になっている.そのときが { h } , 元 y)=-og(x,y) であることがわかる.以上 ={ok} であるが,定義から okC 見たことによりがは次の形で与えられる:

h }→{ !}, h=pg, ~!= -ou が : { ここに P ,入は前述の Res(ll,元 ) , I n f ( l l /冗, f l ) を与える写像である. , 一 般 に 冗 の C に関する(正規) n-コサイクル h は

nーコチェイン g と ,

nは の

( 2 6 )

nの C に関する

C" に関する n+l ーコサイクル f があって

h=pg, 7'.f=(-l)nSg

をみたすとき,反則的 ( t r a n s g r e s s i v e ) であるという.そのとき { h } のコサ イクルがすぺて同じ性質を有するから,コ*モロジー類 {h} をまた反則的と よ ぶ 一 般 に N頃 ) の 1次の自己準同型 u(x) を

”(-l)i(y1"',・ 吠x ) ( y 1 ,・ ・ ・ ,Y 1 1 ) =図 ・・ , y克 X , Y i 4 1 t・ ・・ , y心 i=O

によって定義するとき

x ( y i ,・・ ・ , Y n ) ( Y i " ' ,・ ・ ・ , y:)=(dO) は 元 来 の 比( A)=H,,(11,A),H"(A)=H"(Il,A) であるが,

i i 。および f i of ま

凡(A)=Ker(Ho→H0)=Ker(Ho→N)=NA!IA か (A)=Coker(Ho→H0)=Coker(N→H。 )=A 町NA で与えられる.ただし NAはノルム N:A→ A の核を表わし, Iは 2 1節 1 " ' の ! ( I I ) である. 次にこの完全連結系列が一つの複体から得られることを示そう.そのため, 有限生成の IIー(左)自由加群 Xn よりなる II—複体



a , . (X)

・ ・ ・ → X戸

d

Xn-,→・・・→ X。→ Xー1 → … → X―”→・・・

X _ , ) l l の一元 eが与えられ, Imd 。が eで生成されているとき. において, ( X を有限群 I 1 の完全複体とよぶことにする. eは I 1 で不変だから lmd 。 eであるが は Z

.x ー

I

f まJ I , 従って Zー自由だから, m~O に対しては me

~o である.よって d。 tま, µl=e,

c=μ-1d 。とおくことにより. E ;

(3)

p ,

X。 ― → z~xー 1

と分解される.ここに 8 は II—全準同型,µ は II—単準同型である.逆に d。

がこの性質をもつ

s ,μ に分解されれば e=μlにより上述が成り立つから,

I Iの完全複体とは d。がこのように分解される有限生成の I Iー自由加群からな る II—複体であると定義してもよい ([28] ではそのように導入してある).さ

て,任意の完全複体 X からつくった複体 Homn(X,A)のホモロジ一群が A に対する前記の導来連結系列になるのである.それを見るためまず任意の II—

(左)加群 Cに対し C゜ =Homz(C,Z)とおき, (xf)c=f(x―1 c )(x"I I ,c"C

1 3 4

第 6章 群 の ホ モ ロ ジ ー

とおけば C゜は ll—加群になる(これは C を ll—右加群と見なしまた Z に

l lが例のごとく単純に作用するとしての, Homに対する作用の一般的定義に 他ならない).

そして ll—加群 A に対し (u(c®a))f=(fc)a

が C゜)とおくことにより

( c eC ,aEA,

ll—準同型

u: CRzA→Homz(C0,A) を得る(ただし両辺に対する l l の作用はもちろん たものである).

2 1節の z oのはじめに述べ

とくに C が線型独立の有限 Z—基をもてば,

この c は同型

である.そしてこの場合,とくに A=Zとおけば C ; : : : C 0 ゜を得る. いま C を有限生成の ll —自由加群とし, C゜にこの考察を適用すれば,

C゜

RzA;:::Homz(C,A) なる ll—同型を得る.従って (C0®zA)ll ; : : : H o m z ( C ,A ) l l =Homn(C,A) である.他方ノルムにより

ll—準同型

N*:(C唸 zA)n→(C0RzA)ll が得られるが,この N*は同型であるなぜなら,とくに C=Z(ll) の場合 について証明すればよいが,そのとき/EZ ( l l )゜に対し pfEZ ( l l )゜を ( p f )

C 区a.,x)=aif ・ C l )C 区a . , xeZ ( l l ) ) で定義し,さらに p ' EHomz(C0RzA, C0RzA) を p'(f@a)=pf@aで定義すれば,容易に l=Np'Cすなわち be ' ( x 1 b ) ) となること知られるから,主張は次 C0RzAに対し常に b=区 が 泣p の補題で得られる: 補題

2 3 . 2

n—加群 B につき,

Hom2(B,B) の一元 pが l=Npをみた

せば, B に対する Iルム N の核 KerNは IBであり,像 ImNは Enで ある.

: x ; I b ) =区 x p ( x 1 b )一区p ( x 1 b )=I : ( x―l ) p ( x 1 b ) (証明) Nb=O とすれば b=区 叩 ( £ B l l とすれば b=区x p ( x 1 b ) =区x p b = N p b . £ I B . 次に b かくて上の N*が同型であり.その前の同型とあわせて (fl-)同型 T:( C 0

RA)n;:::Homn(C,A) を得る. fl-左加群

co を例のように ll—右加群と見れ

ば,同型の左辺は C゜ RnAに他ならない.そしてわれわれの同型

T

を念のた

め明記すれば

(4)

(-r(f®a))c= 竺記•ll f ( x 1c ) x a

(fEC , ゜ ceC,aeA)

1 3 5

2 3 . 有限群

で与えられる. さて,

nの完全複体

X を上記 (3) によって二つに分けて e

e x 心

・ ・ ・ → X戸 X n-1→・・・→ X。→ Z→ 0 ,

(XR)

0→ Z→ X-1→・・・→ X―”ぃ→ X―”→・・・

f '

ま Zの を考えよう. XLV

nー自由分解である. XR も完全で有限生成の n -

自由の斉次成分からなるから

(XR ) ゜

・ ・ ・ →X 0-n→ X 0 n + t→ . . .→ Xー ゜1 →Z ( : : = : : Z 0 )→ O

は同じく Z の Hー自由分解である

e x ゜ R の矢はもちろん XR の矢から函手

C=Homz(,Z )) で得たものである).いま Homll(X,A) を つ く れ ば 次 数 ~o の部分は複体 XL による Homll

( X L ,A)に他ならない(従って Homll

(X,A) の次数(または次元) >O のホモロジ一群は(その連結準同型をもふく

n(ll,A)(n>O) に他ならない).他方,次数 めた意味で)コホモロジ一群 H O),fi0(A)=H0(Homn(X,A)),私(A)=H-1(Homn (X,A)), Hn(A)=H-n-1(Homn(X,A)) である. 上記で II—自由加群からなる複体に考察を限ったのは便宜のためであったが.一つには 有限生成の II—射影加群で IIー自由でないものが存在するかどうか知られていないため

でもあった.なお完全複体の上記と異なる直接の構成についてほ河田 [ 28]§2.2を , また標準完全複体について同書 §2.3を参照されたい.さらに , H 町Hom爪 X ,A)) を

n(ll,A) で表わすこと同書におけるごとくであるが, n>Oに対してはその記法 通常 H ほ旧来のコホモロジ一群のそれと一致し, H 0 ( I I , A ) は(旧来の A l lでなく) H0(A)=

A町N(A) を , H 1 ( 1 1 , A ) は Ho(A) を , n = c p ( l t ,[ x ,y] ], z )+ c p ( [ x ,y ] ,[ t ,z ] )=0 く であるから 0 * ( t ) c p = 0 . す な わ ち る は 不 変 3ーコチェインをなす.

もし gが

l =[ g , g ] であるから, q;=Oから cp=O が出る. 半単純ならば ( 逆に f を任意の不変 3 ーコチェインとすれば, &(x)f=O である.

いま H2

(g)=O と仮定すれば(たとえば gが半単純のとき), t(x)f=o(g(x)) をみた す 1 ーコチェイン g ( x ) が存在する. H1(g)=O でもあるとすれば oh=O から

h=Oが出るから g ( x ) は上の条件で一意に定まる. (9) の 0 と 0* を入れ かえた形のものを用いれば,

fが不変であることから,

Z El (について

o 0 * ( x )g ( x )=0 * ( z ) o g ( x )=0 * ( z ) t () のf=t ( 0 ( z ) x ) f+t ( x ) 0 * ( z ) f = ヽ( 0(z)x)f=og([z,x l ) となる.従って H1(g)=Oの仮定の下で 0 * ( z ) g ( x )=g ( [ z ,x ] ) . これは双線型

p ( x ,y )=-=< のy z,f>

により~=! である.このことと,不変性とから

1 5 4

第 7章

リ一環のホモロジー

q》( [ z ,x ] ,y)=([x,y],z)=

—q:>(y, [x,z])=孤y,[z,x])

を得る. g=[ g , g ] であるからこれはのが対称であることを示す.

最後に, 0

が半単純のときその K i l l i n g形式は 0でない対称不変双線型形式であるから以 上をまとめて次の定理が得られる.

2 6 .1 2

定理

半単純リ一環 gについて, Hs(g) は Q(g) と同型な

Kー加群

0でない.

をなし,

KJ : .の半単純リ一環 Oが ,

自分自身および 0以外のイデアルを有しないと

き , g を単純リー環という. 定理

2 6 .1 3

代数閉体

K 上の単純リ一環 gについて, [H 町g):K]=1 で

ある. (証明)

究を K i l l i n g形式. < p を任意の対称不変双線型形式とすれば,本節はじめ

J > g ( p ( x ) ,y )= ' P ( x ,y ) をみたし, この pに に述べたように, gの線型変換 pがあって < ついては p [ x ,y ]=[ p x ,y ] が成り立つ.従って任意の aEK について, a の固有空間 ~a={xlp(x)= 匹}ほ g のイデアルをなす.

gは単純であるから転 =0 または = g .従

って < pキ 0ならば恥=〇でなければなら t よ ぃ 故 に pi まペキ零で f よも K が代数閉体

g . これは ' P = a < J > gを意味する. であるから, aEK が存在して船 = 9 ] の代数的部分の概要と, Koszul[ 2 9 ] 本節に述べたことほ Chevalley-Eilenberg[

の初等的部分である. 問 I . K 上のリ一環 g ( [ g :K]=n)がユニモデュラーであるための必要十分条件

は,その nーコチェインが不変なことであることを証明せょ.(これはユニモデュラーと いうよび方の根拠を示唆する).

2 7 .



第 8章 拡



加群の拡大

A,C を Aー左加群とするとき,それらと A—左加群 X, A—準同型